俺と一色の御近所付き合い   作:時雨日和

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第11話 酒は飲んでも呑まれるな

11月

朝起きると普通とは違う感覚を感じた。硬い、どうやら床に寝ていたらしい。そして、軽く頭が痛い。ふと顔を上げると隣のベッドで一色が寝ていた。

八幡「そうか…そういや昨日は飲んだんだったな…」

 

昨日夜

次の日が休みのため結構な時間残業してしまった。いやまあ、休みの日が楽になるからそれはそれでいいんだが…やっぱりキツイ。あと1時間もすれば日付が変わる頃の電車はかなり空いている、こうなると自然と眠気と戦う、電車って眠くなるよな。俺だけか。そして、そのまま電車を降り真っ直ぐ家へと帰る。

八幡「ただいま」ガチャ

パタパタガチャ

いろは「おかえりなさいです。先輩」

八幡「居たんだな、遅かったから別に待ってなくても良かったのにな」

いろは「いいんですよ。わたしが居たいからですし、それよりも先輩、今日もお仕事お疲れ様です」

八幡「ん、ああ」

いろは「それでは先輩、ご飯の準備しておくので先にお風呂に入ってて下さい」

八幡「あいよ」

言われた通り俺は鞄を置き、風呂の準備をして、風呂に入った。疲れた体にはよく染みるとはよく言ったものだ、最近では土日も出勤の日があったからゆっくり休むというのも明日が久しぶりだ。一色もそろそろ就職活動が始まるようだ、それなのにいつも、こんな夜遅くに仕事から帰ってくる時まで待っていてくれる。ほんとあいつには頭が上がらないな。そして、こんなところで風呂から上がる、リビングには既にテーブルの上に俺の分のご飯が用意されていて、その向かいに一色が座っていた。

いろは「さ、先輩。準備出来てますよ。明日休みですよね、お酒飲みます?」

八幡「おう、そうだな」

いろは「了解です。ならわたしも」

八幡「俺がとるからいいぞ、ほれ」

いろは「ありがとうございます。さすが先輩、あざといです」

八幡「お前にだけは言われたくねぇよ。よっこいしょっと」

いろは「先輩おじさんくさいです」

八幡「うるせぇよ」プシュ

いろは「ふふ、ではでは先輩、今日もお仕事お疲れ様です。乾杯」

八幡「乾杯」

こうして2人で缶ビール…もとい発泡酒を飲みながら俺は一色の夜飯を食べる。週末の休みの前の日の楽しみになりつつあるな、これ。

八幡「ん、やっぱり美味いな」モグモグ

いろは「それは良かったです。疲れた後のご飯って美味しく感じますしね」ゴクゴク

八幡「それよく言うが、疲れてようが疲れてまいが美味いもんは美味いよな」モグモグゴクゴク

いろは「それもそうですね」ゴクゴク

八幡「…なんかお前今日結構飲むペース早くね?」

いろは「そうですか?」

八幡「いつもならもっとゆっくりな気がするが」

いろは「そんな事ないですよ〜、でも最近は少しずつお酒に強くなった気がします」

八幡「そうだな、最初なんて自分の部屋と俺の部屋間違えるほどだしな」モグモグ

いろは「いいじゃないですかぁ、そのおかげで先輩に会えたんですから」

八幡「はいはい」ゴチソウサマデシタ

いろは「先輩は嬉しくないんですか?」ウワメヅカイ

おい、そんな感じで聞くなよ、そして寄ってくんな、可愛いけど。

八幡「お前…もう酔ってんのか?」アトズサリ

いろは「答えて下さいよ…」ギュッ

服を掴むなよ…くそっ、なんだよこの可愛い生き物は!ちょっと涙目でほほ赤らめて…

八幡「嬉しいよ、嬉しいから」

離してくれませんかね?

いろは「わたしもです!」ギュッスリスリ

八幡「お、おい///」

今度は抱きついてきやがった。そして頭スリスリって…くっそ可愛いなおい。俺さっきから可愛いしか言ってないぞ、語彙力低いな。

いろは「えへへ♪」ギュ~

酔ってるからこれが一色の素なんだろうな…素直に可愛い、だが恥ずかしい、2人っきりの空間だが恥ずかしい。

八幡「…そろそろ離れろよ」ナデナデ

段々密着率が上がってきて柔らかいものがですね…

いろは「先輩…///」

抱きついてくる力が緩まり、一色が上げた顔は頬をさっきより赤く染め、力が抜けたようにトロンっとしていた。ほとんど無意識にしていた俺のなでなでも止まってしまうほど、今の一色は色っぽく、愛おしく感じた。

八幡「ぅ…///」

そんな顔されたら我慢出来なくなっちまう…

いろは「せんぱぃ…ん///」チュ

自然と俺の方から一色にキスをしていた。キスはしていたが、今までは一色の方からだったが今回は俺からだった。その初めての俺からのキスの味はアルコールの味が強かったが、ほんのりと甘い味がしたように感じた。

いろは「ん…///先輩、やっと先輩からちゅーしてくれましたね///」

八幡「う///た、たまたまだ///」

いろは「ねぇ、先輩?」

八幡「…なんだよ」

いろは「わたしのこと、いろはって呼んでください!」

八幡「い、嫌だ」

いろは「えぇ、何でですか?」ギューギュー

八幡「服を掴むな、引っ張るな」

いろは「いいじゃないですか…先輩からちゅーしてくれましたし…わたし、待ってたんですからね?」ウワメヅカイ

八幡「その言い方は…ズルイ」

いろは「いいですか?」ギュ

八幡「わかったよ…い、いろは///」

いろは「はい♪先輩♪」ギュー

八幡「抱きつくなよ///」

いろは「ん〜…」

ほんとなんだろうね、この可愛い生き物は、俺を萌え殺す気ですかね?

八幡「まったく…」ナデナデ

今度は意識的に撫でてやった。

 

そして時間は戻って

その後撫でてる間にいっし…いろはが寝て、ベッドに寝せてから俺が床に寝たんだったな。

八幡「昨日だけでキャラ崩壊し過ぎだろ、俺もいろはも」ナデナデ

なんて言いながらいろはを撫でている俺の顔は酷くニヤけた顔してるんだろうな。




とりあえずストックはここまでで、これからかなり不定期更新になります

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