ドラゴンボール超 全宇宙一武道会編(IF物語)   作:サクトン

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~OP~ ♪限界突破×サバイバー♪

♪チャンチャチャーン チャーチャーチャチャーチャーチャチャーチャチャーン♪


ナレーター「全ての宇宙一を決める全宇宙一武道会第1回戦、初戦は第6宇宙の攻撃を無効にするボタモ対、第3宇宙の巨人の戦士ガレゴムの闘いが始まり、ボタモの勝利となった。」


バッ レフェリー「ガレゴム選手場外!!!よって1回戦第1試合の勝者はっ!!!」

レフェリー「ボタモ選手でーすっ!!!!」


ナレーター「第2回戦はガレゴムの次に第3宇宙から、選手の2番手はサイヤ人のギネが引き受け、見事ボタモをノックアウトさせる。」


レフェリー「ボタモ選手KO負けー!!!全宇宙一武道会第2回戦勝者はー!!!」

レフェリー「第3宇宙のギネ選手でーす!!!!」

ギネ「よっし……!」


ナレーター「ボタモに勝利したギネであったが、第3回戦からは冷酷で残虐なフロスト相手に苦戦し、2回戦からの傷もあり惜しくも敗退してしまった。」


レフェリー「ギネ選手は気絶してしまいました為、これ以上試合を続行することは不可能と見なし、全宇宙一武道会第3回戦の勝者はフリーザ選手となります!」


ナレーター「そして第4試合……劣勢となり絶体絶命のピンチに陥っていたブロリーであったが、ついにフロストへ怒濤の快進撃を仕掛けるのであった……!」


【挿絵表示】

SS2ブロリー『うぉぉぉぉぉぉぉぁぁ!!!!』ダンッ


ワンド「いっけぇぇぇぇぇ!!ブロリィィィィ!!」


♪チャチャチャン チャチャチャン♪


48話 まさかの逆転!?ブロリーの超覚醒!!

ブロリー「がぁぁぁぁぁぁっ!!」ブォンッ

 

Sフリーザ「くっ!?」

 

 

ブロリーは手足に致命傷を負いながらも、怒濤のオーラを纏いながらフロストへ瞬時に間合いを詰め、右腕からの大振りなパンチを繰り出した。瀕死だった彼の急激なパワーアップに驚きを隠せなかったフロストであったが、何とかギリギリの所で体を反らし、頬に拳を少し掠りながらもブロリーのパンチを避ける。

 

 

Sフリーザ「チィっ!」(さっきまで死にかけだった猿の分際でぇっ……!)

 

Sフリーザ「調子に乗るなぁぁっ!」キィィィン

 

 

右手に青紫のエネルギー弾を蓄えて振りかぶり、すぐさま反撃に出るフロスト。しかしブロリーはさっきまでの彼とは違いスピードやパワーが何十倍にも上昇しており、フロストが思っていた以上にブロリーの動きが素早くなっていた。

 

 

ブロリー「フンッ!」スカッ

 

Sフリーザ「なにっ!」(私の攻撃をかわしただとっ!?)

 

ブロリー「ウオラァァ!!」グアッ

 

 

ブロリーは短いステップでフロストの攻撃をかわすと、背後から丸太のような大きい左腕で、彼の顎に超強力なラリアットをお見舞いする。ブロリーの力が強すぎたせいか、フロストの小さな体がリングに背中から勢い良く叩きつけられ、彼の体は地面から1メートル程大きくバウンドした。

 

 

Sフリーザ「ごぶはぁぁっ!?」ダンッ

 

 

 

シャンパ「フ……フロストのあのスピードをぉっ!?」

 

ヴァドス「どうやら上回ったようですね……。」

 

 

ワンド「その調子よブロリィ!そのままバキバキのボコボコにしちゃいなさーい!!」

 

サフィア「ワンド様。興奮のしすぎでテーブルの上に足が乗っていますよ?少しは自重してください。」

 

ワンド「ふーんだっ!そんなの私の勝手でしょ!?あのフリーザってムカつく奴が、私のブロリーにボコボコにやられてんのよ?興奮しない方がおかしいわっ!」

 

サフィア「それはそうですが……余り羽目を外しすぎないでください。」

 

ワンド「解ってるわよそんな事!いっけぇぇブロリー!!」

 

サフィア「はぁ……。」

 

 

ブロリー「うらぁっ!!」ブンッ

 

ドガッ Sフリーザ「ぬぁぁぁっ!?」

 

 

とてつもない衝撃に襲われたフロストは、受け身を取ろうにも身体が言うことを聞かず、無防備の状態でブロリーの足蹴りをみぞおちに受け、小さい体を回転させながら勢い良く上空へ吹き飛ばされてしまった。ブロリーはフロストに追撃を行うため、足を踏ん張って一気にリングを蹴り、稲妻の黄色いオーラに身を包みながらフロストの真上に移動すると、右腕に目一杯力を込めた拳を、彼の顔目掛け瞬時に叩き込んだ。

 

 

ブロリー「くたばれぇぇっ!!」ブンッ

 

バキィィィ Sフリーザ「どわぁァァァ!!」 キーーン

 

 

ズ ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォン……

 

 

ブロリーのパンチをまともに受けたフロストは、受け身を取る余裕もなく一気に下のリングへと叩きつけられた。その瞬間、会場には地響きがする程の物凄い衝撃が走り、試合を観ていた観客達は何が何だか解らず呆気にとられてしまっていた。

 

 

観戦客「あ……あ……。」

 

観戦客「すっげぇ……今の見たか?」

 

観戦客「見えるわけねぇだろ……なんだよさっきの超スピード勝負は。」

 

観戦客「もう滅茶苦茶だわ……今に始まった事じゃないけど。」

 

 

悟空「おっでれえたぁ……!第3宇宙のブロリーの奴、超サイヤ人2になった瞬間ものすげぇ強くなったなぁ!」

 

ベジータ「あんなボロボロの状態で、変身したフロストを一気に叩き伏せるとはな……。」

 

トランクス(未来)「やはり……どの宇宙のブロリーも恐ろしい強さですね。」

 

ピッコロ「あぁ……何せ伝説の超サイヤ人と言うほどだからな……。こっちの第7宇宙でも、孫やベジータと同じ超サイヤ人でも比べ物にならん程の強さだった。」

 

ウイス「それが第3宇宙の彼は破壊神ワンド様の修行により、その強さが更に引き出された……と言った所でしょうか。」

 

ネコマジンZ「ふーん、宇宙にはあんな強い奴もいるんだな。」

 

ビルス「まぁ奴が仮に超サイヤ人ブルーになったとしても、僕には勝てないだろうけどね。」

 

 

フロストが叩きつけられた場所のリングから衝撃によって発生した煙が立ち込める中、上空から猛スピードでブロリーがリングへと着地した。バチバチと稲妻が走る金色のオーラの音が会場全体に響き渡り、彼は怒りの形相でフロストの落ちた場所を静かに見据える。彼の体内にはもうフロストが放った攻撃はブロリーの更なる変身の衝撃により跡形もなく消え去っており、軽い興奮状態の為に手足の痛みも感じなくなっていた。

 

 

バチバリリ ブロリー「……。」

 

 

シャンパ「お、おい……フロストの奴死んだんじゃねーだろうな……?」

 

ヴァドス「心配ありませんよシャンパ様、彼はまだ生きています。」

 

シャンパ「まだってなんだよ……。」

 

 

バチバチ ブロリー「………!」ザッ

 

 

皆が試合を見守る中、フロストが落ちた場所の煙から突如紫色の極小のビームが勢い良く発射され、ブロリーは超サイヤ人2のスピードで瞬時にかわした。次の瞬間、先程のビームがブロリー目掛けて無数に発射され、彼はすぐに上空へと飛んだ。ビーム攻撃の衝撃波によってリングの煙が晴れてくると、そこには両手の指先から極小ビームをブロリーに向けて発射しつつ、ニヤリと口許を歪めたフロストの姿があった。

 

 

ババババ Sフリーザ「ホーッホッホ!この私に近づけない限りさすがの貴方でも、その自慢のパワーとスピードを活かせませんよぉ!」

 

ブロリー「フン……虫けらが……。」

 

 

ギネ「あの野郎……!ブロリーを間合いに入らせないつもりか!」

 

バーダック「ケッ、どこまでも卑怯な野郎だ……。」

 

パラガス「くそぉ……フリーザの糞野郎ぉぉぉ!」

 

キベス「ですが相手も大分ダメージを喰らっている筈っ!この勝機を逃す訳には……!」

 

 

シャンパ「良いぞぉフロストォ!奴も瀕死だからそのまま撃ってりゃ直に当たる!下手な豆鉄砲も数打ちゃ当たるだぁ!!」

 

ヴァドス「ですが、フロストさんもかなり追い込まれてる感じですよ?シャンパ様。」

 

シャンパ「なーに!奴は怪力自慢のサイヤ人だ!近づかれさえしなけりゃ、あの野郎は何にもできねーよ!」

 

ヴァドス「どうでしょうか……。」

 

キャベ「フロストさんその調子です!今は時間を稼いで、少しでも体力を回復してください!」

 

マゲッタ「シュポポポー!」

 

ヒット「悪あがきか……。」

 

 

サフィア「あの極小のエネルギー波……不用意に当たれば致命傷は避けられません。これでは攻撃する暇も……やはり流石のブロリーさんも為す術が無いようです。」

 

ニヤリ ワンド「と、思うでしょ?」

 

サフィア「え?」

 

 

第3宇宙の破壊神であるワンドがニヤリと笑い、ブロリーの方を見る。それに続いて付き人のサフィアも彼に目をやると、ブロリーは上空でフロストが放つ攻撃をかわしながら、何やら片手で自身の胸に手を当てているようだ。だが、それを見逃すフロストでは無かった。

 

 

スッ ブロリー「……。」

 

ババババ Sフリーザ「ん……?」(あの構えは……。)

 

Sフリーザ「何か大技を放つおつもりですか……?そんな隙は与えませんよぉ!!」ビッ

 

 

フロストはブロリーが飛ぶ場所を先読みし、さっきまでとは桁違いのスピードと大きさのビームを彼目掛けて放った。そのエネルギー波は一気に空を裂いて突き進み、ブロリーの心臓目掛けて一直線に突き進む。そして次の瞬間……

 

 

         ド ス ッ

 

 

ブロリー「……。」

 

 

彼の心臓は見事に貫かれてしまった……。

 

 

ザワザワ 観戦客「おい!あれ見ろ!」

 

ザワザワ 観戦客「キャァァァァァ!!」

 

ザワザワ 観戦客「最初の犠牲者が……。」

 

ザワザワ 観戦客「つ、ついに出てしもうた……。」

 

 

悟飯「ああっ……!」

 

トランクス(未来)「なんて事をっ!」

 

ピッコロ「奴め……やりやがった……!」

 

ネコマジンZ「あらら、串刺しだな。」

 

 

第3界王神「オイゴルァァァァァ!なにさらしとんじゃワレェ!よくもワイんとこの選手を殺しよったな!アァ!?」

 

ガクガク 第6界王神「わ、私に言わないで欲しいのだなぁ……。」

 

第6付き人「あの女サイヤ人の時からやると思ってましたが、まさか本当に実行するとは……。」

 

 

Sフリーザ「ナーハハハハハッ!!ざまぁみろこの猿野郎めっ!この私の顔に泥を塗った天罰が下ったのだ!ハーハハハハハ!!」

 

 

観戦客達がとんでもない所を目の当たりにしてざわめく中、当のフロストは殺しは反則行為という事など考えず、空中で静止しているブロリーを見て、狂気に近いような笑みを溢して嘲笑っていた。だがフロストは心臓を貫かれた彼の姿を見ながら、何故か徐々に違和感を覚えはじめた。

 

 

Sフリーザ「……」(何だ……?何故、奴はリングに落ちずに空で静止している……確実に心臓を貫いて殺した筈。)

 

 

シャンパ「フロストの奴……相手の野郎を殺しやがった……。」

 

ヴァドス「そうでもないみたいですよ?」

 

シャンパ「んぁ?」

 

 

試合の様子を見て何かを察した破壊神の付き人であるヴァドスと、試合の様子を見ても全く解っていない破壊神のシャンパを余所に、リング上で何かが解った第6宇宙選手であるキャベはとっさに叫んだ。

 

 

キャベ「あ、あれはっ!?」

 

マゲッタ「シュポッ!?」

 

ヒット「……。」

 

 

バーダック「ワンド様よぉ、ブロリーの奴に何か教えやがったな……?」

 

ワンド「まぁねー。でも一種の騙し討ちみたいな物だけど?」

 

バーダック「良く言うぜ……あんなもん反則みてぇなもんだろうが、俺も何度騙されたか解ったもんじゃねぇ。」

 

ギネ「なんです?その騙し討ちみたいな技って?」

 

パラガス「俺にも教えろぉぉぉぉ!!」

 

イラッ ワンド「……パラガス、破壊。」

 

スゥゥゥー パラガス「ふわぁぁぁぁぁぁぁァァァァァっ!?」

 

キベス「あ、パラガスさんが塵のように捨てられました……。」

 

サフィア「なるほど……そういう事でしたか、ワンド様がニヤリと笑った理由が解りましたよ。」

 

ワンド「ニヤリは余計よ。」

 

ギネ「えっと……結局どういう事ですか?」

 

サフィア「1つ確実な事は、ブロリーさんはまだ生きている……と言うことですよ。」

 

ギネ「え……!でもブロリーはさっき心臓を貫かれてたじゃないですか!?」

 

ワンド「まぁ見てればすぐに解るわよ、第3宇宙の勝利がね!」

 

パラガス「はぁー……へっ……死にそうなパラガスで御座いました。」

 

キベス「あ、生きてましたか。」

 

 

一方リングの上では、まだフロストが心臓を貫かれて死んだ筈のブロリーの姿を見つめたまま、唖然としている姿があった。

 

 

Sフリーザ「何故だっ!?何故奴は落ちてこないっ!舐めやがってぇぇぇ!!」ババババ

 

ドドドッ ブロリー「……。」

 

 

フロストは怒りに身を任せ、両手の指先から再び極小ビームをブロリー目掛けて連続発射する。ビームは確実に彼の体に命中し手応えはあるが、何故かブロリーの体はその場で動く気配は無い。

 

 

Sフリーザ「お、おのれぇぇ……!!」

 

???「何をしているんだぁ?」

 

Sフリーザ「なっ!?」バッ

 

 

突如背後から声がした瞬間、フロストはとっさに振り返った。だが振り返った矢先に彼の顔にはカッチン鉱が勢い良くぶつかったようなとてつもない衝撃が襲いかかり、フロストはリングの地面へ顔を擦りながら、瞬く間に吹き飛ばされた。

 

 

Sフリーザ「ぐぁっ……!」(一体何が……!)

 

 

フロストが痛みに耐えながら目を凝らし、声のした方向へ目をやると、先程まで空中で静止していたブロリーの姿が無く、リングでニヤリと笑いながら立ち尽くしフロストを見ていた彼の姿があった。そのブロリーの体には、何故か先程空中で静止している間にフロストが放った攻撃の痕が、何事も無かったかのように無傷だったのである。

 

 

バチバリリ ブロリー「フン……もう終わりか?」

 

Sフリーザ「き、貴様っ……何故そこに……!」

 

 

背後にいたブロリーを予想だにしていなかったフロストは、さっきまで彼が静止していた空を見る。しかしそこにはブロリーの姿は影も形も無くなっていた。

 

 

Sフリーザ(ど……どういう事だっ!?空にいたさっきまでの奴の姿が消えている!背後から声がした瞬間は、確かにあった筈っ……!!)

 

バチバチ ブロリー「お前はもう……簡単には死なさんぞ……!」スタスタ

 

Sフリーザ「くっ……!キィヤァァ!!」ビッ

 

 

何がどうなっているのか良く解らぬまま、フロストはリングを重く踏みしめながら自身に向かってくるブロリーに対し、指先から至近距離で青紫色の高速極小ビームを放った。

 

 

サッ ブロリー「……。」

 

Sフリーザ「よ、よけたっ!?この距離で……そ、そんな筈はないっ!!」ビビビッ

 

サササッ ブロリー「……。」スタスタ

 

 

自分で自分の目を疑ったフロストは、再びブロリーへ連続の両手の指先から高速ビームを放つ。だが先程と同じくブロリーは瞬時に左右へと避け、余裕の笑みをこぼしながらフロストへと近づいていく。

 

 

ザワザワ 観戦客「あのブロリーって奴……なんかめっちゃ強くなったよな?」

 

ザワザワ 観戦客「うむ……まるで別人みたいじゃ。」

 

ザワザワ 観戦客「結局、さっきの空中で止まっていたのは何だったのかしら……。」

 

ザワザワ 観戦客「そういえば目を離した隙に消えたよな?あいつがビームで撃った傷跡もついてねぇし……訳わかんねぇよ。」

 

 

ウイス「ビルス様、先程のブロリーさんが出した技は……。」

 

ビルス「あぁ……奴から僕と同じ気を感じた、恐らくワンドの力の影響だろう。」

 

ピッコロ「力の影響……?」

 

ウイス「あの第3宇宙のブロリーさんも悟空さんやベジータさんと同じく、修行や戦いの際に神の力を取り込み力を得たのでしょう……。しかし今の状態を見るに、まだそれは完全では無いと言った所でしょうか。」

 

悟飯「ブロリーが神の力を……。」

 

ネコマジンZ「神の力ってすごいんだなー!俺も欲しくなってきたぞ!」

 

ピッコロ「お前はもう持っているだろ……あのブルーの力を。」

 

悟空「あのブロリーがオラ達と同じ修行をなぁ……全然想像できねぇぞ。」

 

ベジータ「その話が本当だとすれば……奴はさらに強くなる可能性があると言う事か?」

 

ウイス「十分あり得るでしょうねぇ……まぁ私達と当たる確率はほぼありませんから、そこまで心配する必要は無いと思いますよ。」

 

ベジータ「フン……奴の宇宙と当たったとしても結果は同じだ、俺が全て叩き潰す。」

 

悟空「へへっ!もし第3宇宙が勝ち上がってきたら、オラも全力で相手すっぞ!試合までまだまだだってのに、オラワクワクしてきたぞっ!」

 

ビルス(しかし……第3宇宙のブロリーって奴が使ったあの技……前にワンドの奴と闘ったときに見たことがあるが……まさかな。)

 

 

ブロリー「ぬぉぁ!!」ブンッ

 

バキッ フリーザ「うぐぁっ!」ドサッ

 

 

動揺してブロリーの素早い攻撃に反応できず、フロストは顔面にパンチをまともに喰らい、一瞬空中に舞い上がりながら、勢い良くうつ伏せでリングに倒れてしまった。フロストは何とか立ち上がろうと、リングに片手をつけて身体を起き上がらせようとするが、その間にもブロリーは再び歩きながら彼との距離を詰めていく。

 

 

スタスタ ブロリー「何だぁ……?もう闘えないのか?」

 

Sフリーザ「ぐぅ……!」ザッ

 

 

このままでは勝てないと悟ったのか、フロストはうつ伏せになりながらも両手で上半身だけを起こしつつ、ブロリーが近づいて来ても少しも微動だにしなかった。そして足音で場所を感じ取りつつブロリーが自身の攻撃範囲の射程に入った瞬間、フロストはすぐさま振り向きながら両手の手首から針のような物をギラリとチラつかせ、彼へと一気に襲いかかった。

 

 

バッ Sフリーザ「キィエァァァァァ!!」

 

ブロリー「!」

 

 

ピッコロ「むっ!?あれはまさかっ!」

 

悟飯「あんなところに隠し武器をっ!?」

 

 

ギネ「あ、あいつっ!!」

 

バーダック「チッ……クズはどこまで行ってもクズか。」

 

 

Sフリーザ「死ねぇぇぇっ!!」ブンッ

 

ブロリー「虫けらがぁ……。」スッ

 

 

躍起を起こしブロリーに不意打ちで毒針を突き刺そうとしたフロストであったが、サイヤ人特有の死にかけからの超パワーアップを果たしたブロリーの敵では無かった。両手を突き出しながら襲いかかって来たフロストの攻撃をブロリーは難なく避けると、バリバリと音を立てながら渾身の力を込めたボディブローを彼のみぞおちに叩き込み、メリメリッと言う生々しい音がリングにこだました。

 

 

メリメリッ Sフリーザ「ぬぅおぁぁぁ……!?」

 

ブロリー「……。」

 

 

勢い良く血反吐を吐きながら、フロストは上半身でブロリーの拳に乗るような体勢のままダラリとしている。そのすぐ後に彼の変身であった銀色の光沢をしたシルバーフリーザ状態が解け、元の白色の身体に戻ったフロスト。それを見ていたブロリーはフロストの乗っていた拳を軽く振り払うと、フロストはリング上に仰向けで叩きつけられた。どうやら気絶しているようで、何とか息はしているようであった。その様子を見ていた観戦客達も、明らかに勝負が決している状態であったが審判員や実況者が吹き飛ばされて不在だったため、ザワザワとざわめき始めた。

 

 

ザワザワ 観戦客「これ……終わったんじゃねぇの?」

 

ザワザワ 観戦客「あのフリーザって人……死んだのかな?」

 

ザワザワ 観戦客「あんな重たいパンチ喰らったしな……。」

 

ザワザワ 観戦客「ワシ達じゃどうにもできんのぉ。」

 

ザワザワ 平和維持軍「あ、ありえない!こ……こんなの何かの間違いだぁ!私達のフロスト様が負ける筈がっ!」

 

ザワザワ 平和維持軍「フロスト様……。」

 

 

シャンパ「フロストが……負けたのか……?」

 

ヴァドス「残念ですが……今の状態を見るに、どうやらその可能性が高いですね。」

 

キャベ「あのフロストさんを倒すなんて……!」

 

マゲッタ「シュポー。」

 

ヒット「フン……。」

 

 

ワンド「よっしゃぁぁ!!これはもう勝ち確定でしょ!」

 

サフィア「あのフリーザさんもどうやらかろうじて生きているようですし、一応ルールではこちらの勝ちでしょう。」

 

キベス「でも審判の人達がいないと……判定は難しいでしょうね。」

 

パラガス「どうやら私のブロリーがパワーアップした時の衝撃で、吹き飛んでしまったようだなぁ?」

 

バーダック「心配要らねぇ……どうやら今戻ってきたみてぇだからな。」チラッ

 

ギネ「ん?」チラッ

 

 

バーダックが上空に目をやると、小さな黒い点がチョコチョコと細かに動き回っている1つの影があった。ギネ達が良く目を凝らすと、ズノー様の乗り物の淵に引っ掛かっているレフェリーの姿と、髪がボサボサになって疲れきった表情をしている実況者のアキュリの姿があり、二人は乗り物をユラユラと揺らしながら再びリング上に舞い戻ってきた。

 

 

アキュリ『お……お待たせしました皆さん……。何とか舞い戻ってきた皆のアイドル……アキュリと……。』

 

レフェリー「レフェリーです……疲れた……。」ペタッ

 

アキュリ『えっと……試合の状況は……えっ!?ちょ、ちょちょちょっ!?レフェリーさん!休んでいる場合ではありませんよ!この状況を見てくだサイ!』

 

レフェリー「ん……?いぃぃぃっ!?こ、これは一体何が……!」ガクガク

 

 

ビルス「いくらベテランの実況者や審判員でも、吹き飛ばされて戻ってきたら試合が終わってた……なんて事そうそう無いよね。」

 

ウイス「この大会ぐらいでしょうねぇ。」

 

 

リング上はボロボロになって仰向けに倒れているフロストと、同じくボロボロになってバチバチとオーラの音を轟かせて立っているブロリー。その現状を見て慌てふためく二人の男女が事態を呑み込もうと必死になっているが、全く状況が掴めない様子。それをじっと見ていたブロリーが痺れを切らし、超サイヤ人2状態を解除して二人の元へ歩き出した。

 

 

スタスタ ブロリー「やぁ、ブロリーです……。」

 

アキュリ『え?あ、アキュリです。えっと……ブロリー選手が立っててフリーザ選手が倒れている……と言うことは。』

 

ブロリー「はい……俺の勝ちです……。」

 

アキュリ『あっ……そうですか。』

 

レフェリー「では私は、一旦フリーザ選手の状態を確認してきます!!」タタタタ

 

アキュリ『お、お願いしマス。』

 

 

そう言って審判員のレフェリーはリングに倒れているフロストへ駆け寄り、ブロリーとアキュリはその様子を見ていた。審判員はフロストの元へ駆け寄ると、彼のまぶたを片手で開いてライトを当てたり、胸に耳を当てて心音を確認していた。

 

 

第3界王神「ど……どうなったんや……?」

 

第6界王神「うぅーん……。」

 

第6付き人「……。」

 

 

やがて審判員は確認が終わったのか、ブロリーとアキュリの方を向いてズボンのポケットからマイクを取り出すと、会場全体に身体を捻りマイクに向かって大きく叫んだ。

 

 

レフェリー『フロスト選手気絶っ!!試合続行は不可能とみなし、勝者はぁー!』

 

 

レフェリー『第3宇宙のブロリー選手でぇぇぇす!!』

 

 

レフェリーが結果を伝えた瞬間に一瞬の間があったが、すぐに観戦席からは喝采と声援が巻き起こり、武道会場に大きく鳴り響いた。ブロリーはボロボロになりながらもフロストに打ち勝ち、ギネの仇を見事に討ち取ったのである。

 

 

ワンド「キャーー!!さっすが私のブロリー!!」

 

サフィア「ワンド様、興奮してテーブルの上に乗らないでください。」

 

ギネ「これで3対3……同点に追い付いたね。」

 

バーダック「いや違ぇよ……こっちが俄然不利に変わりはねぇ。」

 

ギネ「え?」

 

パラガス「んん?バーダック……一体どうしたと言うのだ?」

 

バーダック「理由は2つある……1つはブロリーがタフと言っても、あの状態じゃさすがに次の相手に勝つのは至難の技だ。」

 

パラガス「oh.yes~」

 

ギネ「確かにそれはあるな……。」

 

キベス「それで……あと1つと言うのは?」

 

バーダック「あっちの破壊神の顔だ……。」クイッ

 

 

ニヤニヤ シャンパ「……。」

 

ヴァドス「えらくご機嫌ですね、シャンパ様。」

 

ニヤニヤ シャンパ「んん?……そうかぁ?」

 

ヴァドス「えぇ、顔に物凄く気持ち悪いほど出てますから。」

 

ニヤニヤ シャンパ「エハハハ!解るっ!?解っちゃう!?やっぱヴァドスには隠しきれねーなぁ!」

 

ヴァドス(珍しく、話を聞いて欲しいような顔をしてますね……。)

 

ヴァドス「次の選手の事について考えていたんですか?」

 

シャンパ「まぁな!フロストが負けちまったのは少し計算外だったが……次はあのマゲッタが対戦相手だ。いくらあのブロリーって奴が強くても、流石にこのオッタマゲッタには絶対勝てないと思ったらニヤニヤが止まらなくてよぉ!」

 

ヴァドス「そうですか。」

 

シャンパ「へっ!見てろよ第3宇宙の奴等……お前らの第3宇宙は、俺様の第6宇宙よりも遥かに格下だって事を、その貧弱な身体に叩き込んでやるぜぇ!ワンドよぉ!」

 

 

ナレーター「全宇宙一武道会第4試合、ブロリー対フロストの試合は、死闘の末ブロリーの勝利になった。だが第3宇宙対第6宇宙との闘いは、まだまだ始まったばかり。」

 

ナレーター「次の第6宇宙からはフロストに代わり、オッタマゲッタのマゲッタがブロリーに襲いかかる。第7宇宙との試合から驚異的なパワーアップをしたマゲッタに対し、超サイヤ人2にまで覚醒したブロリーは勝機があるのか?」

 

ナレーター「そして、第6宇宙の破壊神であるシャンパが不適に微笑むこの意味とは……!?」

 

 

~ED~ ♪Boogie back♪




まず一言……本当に申し訳ありません(泣)
今回も必死に時間を割いて書いた結果がこれです……何ヵ月もかかって挿絵すら無いとか……辞めたらこの仕事ぉ~ほんまアホらし。次の話も一体いつになるか解らない状態です……書きたいのに書けない……それが一番辛いですよね。

シルバーフリーザ及びフロストさんには頑張ってもらいましたが、ここで呆気なく退場です!次の展開はオッタマゲッタが登場しますので、ブロリーとの闘いを是非ご期待ください!

ここまで見ていただき、ありがとうございましたぁ!

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