ドラゴンボール超 全宇宙一武道会編(IF物語) 作:サクトン
♪チャンチャチャーン チャーチャーチャチャーチャーチャチャーチャチャーン♪
ナレーター「悟空がネコマジンとトイレで用を足す中、ネコマジンは服を乾かすためにねこはめ波を放ち、気弾のコントロールが出来ずにトイレの出入り口へと飛んでいった。そこに間一髪かわしトイレへ駆け込んできたのは、第6宇宙のボタモであった。」
バッ ボタモ「あぶねぇ……オラァッ!誰だっ!トイレで気弾をぶちかましてる奴はっ!」
ネコマジンZ「あ、すまん。」
ボタモ「スマンで済むかっ!危うくこっちは直撃する所だったんだぞっ!」
悟空「ん……あり?おめぇボタモじゃねえか。」
ボタモ「あん?お前は確か……第7宇宙のサイヤ人か、何でお前がこんなとこにいんだよ?」
ナレーター「少しボタモと話した悟空達は観戦席へと帰り、ボタモは1人用を足すが……そこに第10宇宙にいたベビーが姿を現し、1人でいたボタモへと襲いかかった。」
ベビー「出会いの記念に1つ……お前に渡したいものがあってな。」
ボタモ「な、なんだと……!?」(汗)
ピクピク ボタモ「おごっ!?あががっ……!」
ベビー「クックック……俺様からのささやかなプレゼントだ、有り難く受けとるが良い。」ボコッ
ボタモ「もがっ!?」ゴクンッ
ナレーター「ボタモに異変が生じる中、武道会では遂にフロスト対ブロリーの闘いは両者が力を解放し、第4回戦は最終局面へとなっていた!」
ゴゴゴゴ フリーザ「ではそろそろ真の闘いと言うものを始めましょうか?……ブロリーさん。」ニヤッ
ゴゴゴゴ ブロリー「さあ来いっ!ここがお前の気絶場所だっ……!」バッ
♪チャチャチャン チャチャチャン♪
~第??宇宙 全王宮 全王の間~
全王「んー……この試合結構長いね、やっぱりアイツ消しちゃった方が良かったかな。」
付き人1.2「どうされます?全王様。」
全王「でも見に来た皆には悪いしこのまま行くのね。それにこの試合もやっと面白くなってるもん、僕楽しみっ!」
付き人1.2「そうですな。」
全王と付き人の2人が大きめのモニターで第4試合を観戦する中、奥の通路からウイスの父である大神官がゆっくりと姿を現した。その表情は何やら真剣な顔で、3人の側までやって来ると全王の方へ向き声をかけた。
大神官「全王様、試合の様子はどうなっておられますか?」
全王「うん、今から2人の本気の闘いが見れそうなのね。」
大神官「それはそれは……試合の方はとても面白い展開になっているようですね。」
全王「うん!」
付き人1.2「何かあったのか?」
大神官「今しがた各宇宙の状況を確認していたのですが……少し第10宇宙の様子が気になりまして。」
付き人1.2「第10宇宙?」
全王「ロッド君の所だね、どうしたの?」
大神官「それが良く解りません……先程から他の宇宙の現状は確認できるのですが、第10宇宙だけは私の心眼を用いても現状を把握出来ないのです。」
付き人1.2「どういう事だ?先程ロッドの付き人であるルヴィスからは連絡があった筈なのだが。」
大神官「そうですか……それはおかしいですね。それだとわざわざ、自分の宇宙を観察出来ないようにする意味が無いように思えますが。」
全王「結局、どういう事なの?」
付き人1.2「第10宇宙のみが他の宇宙と違い現状を探れないのです。恐らく付き人のルヴィスやロッド達がそう出来ないようにしているのか……それとも何者かがそれを阻止しているのか解りませんが。」
全王「んーそれは大変だね、少し見に行った方が良いかもね。」
大神官「私が直接様子を見てきましょう、わざわざ全王様達が動くことはありません。皆様はそのまま試合の続きをお楽しみください。」
全王「そう?じゃあお願いね?」
大神官「はい、では失礼します。」フッ
そう言って大神官は一瞬で全王の間から姿を消し、状態が良く解らない第10宇宙へと向かった。それを見送った全王と付き人は再び試合の様子が中継されているモニターへ向き直し、試合の様子を観戦する。
スッ 全王「第10宇宙は任せてあるし、僕達は試合の続きを見ようね!」
スッ 付き人1.2「承知致しました。」
そして全王はそのままモニターへと注目するが、付き人の2人は第10宇宙の異変に少し疑問を持ちながらも、全王と共にモニターを見つめていた。
付き人1(第10宇宙……何故その宇宙だけ詳細を掴めないのだろうな。)
付き人2(まぁ心配せずとも大神官のあやつが行ったのだ……何が起こっていようとも問題はない。)
付き人1(だと良いが……。)
全王「♪~♪。」
~全宇宙一武道会 会場~
アキュリ『さぁー!全宇宙一武道会第4試合!この闘いもいよいよクライマックスを迎えようとしていマスッ!第6宇宙のフリーザ選手が勝利すれば第6宇宙が更にリード、第3宇宙のブロリー選手が勝てば追いついて同点っ!この勝負は両宇宙にとって大事な一戦となりそうデスッ!!』
ザワザワ 観戦客「これ一体どっちが勝つんだろうな……。」
ザワザワ 観戦客「さぁな……でもこっから本気同士の戦いって感じだもんよ。」
ザワザワ 観戦客「私的にはあの第3宇宙のブロリーって人……まだ何かありそうだけどなぁ。」
ザワザワ 平和維持軍「フン!誰であろうと、あれだけ超パワーアップされたフロスト様には絶対敵わないさっ!」
ザワザワ 平和維持軍「頑張ってください!フロスト様ぁー!」
悟飯「まさかあの第3宇宙のフロストと言う人も、地球に来たフリーザと同じような変身をするとは思いませんでした……。」
トランクス(未来)「同じような変身……?それに地球に来たとはどういう事です?あの時のフリーザは死んだ筈では……?」
ピッコロ「確かにお前が地球へ来た際にフリーザを倒していたが……以前お前が再びこの過去へ来た時、少し前にフリーザの部下の生き残りが地球のドラゴンボールを使い、奴を甦らせたんだ。」
トランクス(未来)「なっ……なんですって!?」
ベジータ「その時にフリーザの野郎は、今リングに立っているフロストと同じような変身をしやがったんだ……フリーザの場合は奴のように銀色ではなく金色だったが。」
トランクス(未来)「俺が来る前に、そんな事があったんですか……。」
ビルス「心配するな未来、そのフリーザは悟空がちゃんとお花畑に送ったから。」
トランクス(未来)「お、お花畑……?」
ピッコロ「地獄の事だ。」
ウイス「ふーむ……。」
悟飯「どうかしましたか?ウイスさん。」
ウイス「先程悟空さん達の気の近くで、何やら少しいやーな気を感じたのですが……気のせいでしょうかねぇ。」
悟飯「嫌な気……ですか?」
ピッコロ「……今は特に何も感じないが。」
ビルス「僕も別に感じなかったぞ?ウイス、どうせお前のいつもの思い過ごしだろ。」
ウイス「そうですかねえ……。」
スタスタ 悟空「オッス皆!しええの方はどうなってんだぁ?」
ネコマジンZ「どうなってんだ?」
悟飯「お父さんネコマジンさん、おかえりなさい。」
悟空「おう!」
ベジータ「フン、少し遅かったな……ブロリーとフロストの野郎が更なる変身を終え、既に闘っている所だ。」
悟空「ホントかっ!?ちゅうことはここからまたすげえたたけえが始まってんだなっ!!じゃあ早く続きを見ようぜっ!」バッ
ネコマジンZ「見よう見よう!」バッ
ビルス「全く……切り替えが早い奴等だ。」
ベジータ「おいネコマジン、今度は漏らすんじゃないぞ。」
ネコマジンZ「おう、今度は漏らす直前に皆に伝えるようにするぞ。」
ベジータ「そんな事を言う暇があったら今度はさっさとトイレへ行きやがれっ!解ったな!?」
ネコマジンZ「しょうがないなあ、解ったぞ。」
ベジータ「全く……!」
ウイス「んーむ……私の気のせいなのでしょうか。」
悟空とネコマジンが観戦席に帰って来てウイスが考え込んでいる中、リングの方では銀色になったフロストと伝説の超サイヤ人となったブロリーが睨み合っていたが、先に仕掛けていったのはブロリーだった。
身体が大きいのとは裏腹に素早くリングを蹴ってフロストの真上にジャンプすると、丸太のように太い腕をフロスト目掛けて一気に振り下ろした。ブロリーの動きを目で追っていたフロストは後ろへステップして難なく避け、彼の居た場所のリングはブロリーによって瞬く間に打ち貫かれた。ブロリーがリングにめりこんだ片腕を引き抜くと、リングの破片が彼の腕からガラガラと溢れ落ち、それを見ていた実況者のアキュリは驚きを隠せなかった。
アキュリ『ブ、ブロリー選手物凄いパワーです!私が作った宇宙一硬い金属のカッチン鉱で出来たリングを、いとも簡単に穴を開けてしまいましたぁぁ!!せっかく作ったのになぁ……。』
シャンパ「あ、あのリングカッチン鉱で出来てたのかよ……!通りで頑丈だと思ったぜ。」
ヴァドス「そのカッチン鉱リングを片手で破壊してしまうとは……あのブロリーさんの力だと、今のフロストさんでもまともに受けたら無事では済みませんね。」
シャンパ「かもな……だがあれだけデカイ図体なら攻撃した後はがら空きになるのが筋ってもんだ。おいフロストォ!奴の攻撃は全てかわして後隙を狙えっ!良いなぁ!?」
ワンド「シャンパも甘いわねっ!私のブロリーはそんじょそこらの奴とは違うっての!一気に決めちゃいなさいブロリー!!」
サフィア「相手の方は様子見と言ったところ……防戦に入るのならば、こちらから攻めて行った方が吉ですね。」
バーダック「奴に動きを読まれなきゃ良いがな……。」
ギネ「ブロリーもそれぐらい解ってるさ、アイツもそこまでバカじゃないよ。」
パラガス「かぁん違いするな……先程はブロリーのIQは469だったが、今のうにょりぃのIQはぁ……26でございます。」\エーー/
キベス「つまり何も考えてない……と言うことですか?」
パラガス「今のブロリーは頭悪い♪のだからなぁ……ふわぁーははははあーう★(^q^)」
バーダック「……まぁ奴に賭けるしかねぇな。」
ブロリー「うぉぉぉぉぉ!!!」ギュィィィーン
ブロリーが瞬時に気を解放しつつ緑色をした球体型のバリアの様な物を張ると、左手の掌にエネルギーを凝縮させ始めた。バチバチと音を立てるオーラの激しい衝撃により、リングの小さな瓦礫がブロリーの周りを漂い始め、2人のいるリングは縦に揺れるほどの大きな地響きが発生していた。
アキュリ『ブロリー選手!一気に気合いを入れ始めましたぁ!!フリーザ選手に攻撃を仕掛ける模様デスッ!!』
ゴゴゴゴ Sフリーザ「?」(何か大技を放つおつもりのようですね……。)
ゴゴゴゴ ブロリー「スローイング・ブラスタァッ!」ブォォン
自分から少し離れた場所にいるフロスト目掛けて、ブロリーはバスケットボールサイズの黄色いエネルギー弾を凝縮させている左腕を大きく振りかぶった。そこから放たれたエネルギー弾は目にも止まらぬ弾速でフロストへと直進し、彼へと一気に襲いかかった。
アキュリ『ブロリー選手がフリーザ選手に向かって、見るからに凶悪そうな気弾を投げつけたぁぁ!この僅かな距離であのスピードの弾を避ける事は至難の技!どう出るフリーザ選手ー!』
Sフリーザ「フッ……そう来ましたか。」スッ
しかしフロストは慌てること無くそのまま右手を自分の前に差し出すと、先程まで超スピードで飛んできていたブロリーの気弾をその場でピタリと停止させた。そしてそのままかざしていた右手で人差し指だけを立てて上方向へ弾くと、気弾は直角に曲がってリングの上空へと飛び去ってしまった。
ヒュン アキュリ『キャァア!!あ……あっぶなぁ。』
ブロリー「なにぃ……?」
スッ Sフリーザ「フッフッフ……どうしましたブロリーさん、まさか今のが全力ではありませんよね?」
ブロリー「フン、お前だけは簡単には死なさんぞっ……!」
バーダック「あのブロリーの気弾を軽く弾きやがった……。」
ギネ「アイツ、まだあんな力を隠してたのか……!」
パラガス「くそぉ……あのブロリーのパワーを跳ね返すとは!」
キベス「相手もかなりパワーアップしましたね……。」
キャベ「勝てるっ!これならきっと勝てますよっ!」
マゲッタ「シュポシュポー!」
ヒット「……。」
Sフリーザ「では今度はこちらの番ですね……!」シュン
ブロリー「ぬおぁぁ!」シュン
フロストとブロリーはお互いに高速で間合いを詰めていき、ブロリーはすかさず攻撃範囲に入ったフロストに右腕からの素早いパンチを繰り出す。しかしフロストはブロリーの攻撃を真横に逸れてかわし、ジャンプからの右足蹴りをブロリーの顔に放った。だがブロリーも瞬時にフロストの蹴りに対して頭を左へ逸らして避け、今度は左腕でフロストにラリアットを仕掛けにいく。
ブロリー「犬が良いぃ!」ブンッ
Sフリーザ「2度も同じ手は通じませんよ。」バッ
一気に左腕を回したブロリーだったがフロストに両手で腕を掴まれ、柔道の背負い投げのようにブロリーをそのままリングへと叩きつけた。変身の影響でフロストの力も倍増されており、カッチン鉱で出来たリングに仰向けでめり込んでしまったブロリーに対し、フロストは左手で手刀を作り彼の心臓を突き刺そうと瞬時に迫った。
Sフリーザ「これで終わりですよぉっ!」ヒュッ
ブロリー「ぬぉぁぁっ!」ギュィィィーン
Sフリーザ「なにっ!」
フロストの手刀が当たる直前にブロリーは緑色のバリアを張ってフロストの動きを一瞬止めると、そのバリアを瞬く間に解放する。その衝撃で上空へと吹き飛ばされたフロストは何とか受け身を取るが、すぐ目の前までブロリーが迫ってきていた。
受け身を取った直後で視界が整わなかったフロストは回避と防御が間に合わず、ブロリーはそのまま突撃する状態でフロストの顔に頭突きを食らわせた。
フラッ Sフリーザ「ぐっ……!」
ブロリー「うぉらぁぁ!」ブンッ
ニヤッ Sフリーザ「そんなものですか?」
後ろへ少し仰け反ったフロストへ追撃を入れていくブロリーだったがあまりフロストには効果が無く、追撃のパンチも軽くかわされて反撃されるが、ブロリーは怯むこと無くパンチとキックの連打を繰り出す。だがフロストはブロリーの攻撃を華麗にかわしつつ、確実にブロリーの顔や腹に蹴りやパンチを小刻みに当てて行く。会場には2人の重い打撃音が響き渡り、観戦客達の興奮もMAXになっていた。
アキュリ『フリーザ選手とブロリー選手の激しい打ち合い!ですがフリーザ選手はブロリー選手の攻撃を完全に見切っているようで、ブロリー選手がやや押され気味の模様デスっ!これは第3宇宙にはまずい展開だぁー!!』
\ワー/ \ワー/ \ワー/ \ワー/
ガヤガヤ 観戦客「良いぞぉぉ!もっといけー!」
ガヤガヤ 観戦客「ぶちかませぇぇ!」
ガヤガヤ 観戦客「負けるんじゃないぞフリーザー!!」
ガヤガヤ 観戦客「ブロリィィ!頑張ってぇー!!」
悟空「あっちゃー……ブロリーの奴、完全にフロストに翻弄されてんなぁ。」
悟飯「お互い変身したのに、ここまで実力が開いたら流石に……。」
ベジータ「フン……伝説の超サイヤ人など今では過去の話だからな。まぁ、あのフロスト相手にここまで良く頑張ったと褒めてやる。」
トランクス(未来)「もしここでブロリーが負けてしまったら、第3宇宙はもうほとんど後がありませんね。」
ピッコロ「うーむ……フロストの奴がこれほどまで腕を上げるとは。」
ネコマジンZ「なんか似たような展開ばかりで面白くないぞ、もっと派手に闘って欲しいな。」
ビルス「奴が悟空やベジータのようにブルーになれれば、また違ってくるんだろうけどな。」
ウイス「そうですねぇ……素質があるとは思うのですが、恐らくきっかけか何かが足りないのでしょう。」
ブロリー「うらぁらぁらぁらぁぁ!!」ババババ
ササササッ Sフリーザ「どうしましたブロリーさん!その程度の力では私の相手にはなりませんよっ!」ブンッ
バキッ ブロリー「あがぁっ!」
ワンド「いけブロリーそこよっ!ほらパンチッ!そこでキック!!あーもう!何やってんのよぉ!」ブンッ ブンッ
バキッ バキッ パラガス「ワンDOOR!?落ちDOOR!?やめっDOOR!?宇宙のなDOOR!?ありがとう~hDOOR!?」
サフィア「このままでは不利ですね……私から降参宣言をした方が宜しいでしょうか?」
バーダック「奴の満足するまでやらせろよ……俺達サイヤ人にとっちゃ降参して負けるより、全力を出して死んだ方がマシなんだ。」
ギネ「そ、そんな事言ったって……これ以上見てられないよ。」
バーダック「知らねえよ。まぁ俺ならあんなクズ野郎は……とっととぶっ潰せるんだがな。」
キベス「ブロリーさん……。」
ワンド達がブロリーを必死に応援(?)するが、やはりブロリーが劣勢になっている状況は変わらない。連打を繰り出していたブロリーはいつの間にか逆にフロストに連打を浴びせられており、ブロリーの身体は次第に傷だらけになっていった。
Sフリーザ「そぉーらぁぁっ!!」ブンッ
バキッ ブロリー「うぐぉぉぁ!!?」キーーン
フロストの決定打による攻撃でブロリーは下のリングへ勢い良く吹き飛ばされ、手痛いダメージを受けていたブロリーは受け身を取ることも出来ず、そのままカッチン鉱で出来たリングに身体を強く叩きつけられてしまった。
叩きつけられた瞬間に会場全体へ衝撃が走り、ブロリーが落ちた場所には煙が立ち込めた。そしてフロストはそれを眺めながら地上のリングへと着地し、ニヤリと笑いつつ様子を伺っている。
ゴゴゴゴ アキュリ『フリーザ選手!ブロリー選手を一気にリングへ叩き落としましたぁ!!一方ブロリー選手は物凄いスピードで叩き落とされましたが、傷だらけで大丈夫なのでショーカ!?』
Sフリーザ「フッ……所詮私の敵ではありませんね、もう少し楽しめるかと思ったのですが。」
シャンパ「良いぞ良いぞフロストォォ!!このまま一気に第3宇宙の奴等を全員倒しちまえー!!」
ヴァドス「これで勝負ありですかね。」
キャベ「さすがフロストさんだ……!」
マゲッタ「シュッポシュッポー!」
ヒット「……この程度か。」(奴には少し期待していたんだがな……。)
~武道会控え室 病床~
モニター『凄まじい強さを見せるフリーザ選手!ブロリー選手を圧倒して余裕の笑みを浮かべておりマスっ!!』
ザワザワ 観戦客「あのフリーザって奴、やっぱめちゃくちゃ強いな……。」
ザワザワ 観戦客「このまま2人抜きするかもしれないぞい……。」
エレンド「ワンダホー……!MR.フリーザがここまでファイトするとはねぇ!これはもうMR.ブロリーもダウンかな?」
イラッ ペリド「……」スッ
ベッドで横たわりながらモニターを見て呟いたエレンドの発言に対し、隣にいた小さな身体の付き人であるペリドは天使の杖を瞬時に出すと、その杖でエレンドの頭を無言で思いきり殴りつけた。
エレンド「アウチッ!!ペリドちゃんアーユークレイジィ!?ヘッドがズキズキするじゃないのぉ!!」ヒリヒリ
ペリド「……ブロリー様を馬鹿にした罰です。」
エレンド「だからってダブルハンズでアタックしなくても良いじゃないかぁ!アウチチチ……!」ヒリヒリ
ペリド「……だったら黙っててください、もう一発殴られたくなかったら。」ギロッ
エレンド「オウ……オッケィ。」ヒリヒリ
マキア「試合の方どうなるのかなぁ……。」
ジャコ「どうでしょう……あの第3宇宙のサイヤ人では全く歯が立たない感じですし、あのフロストが勝つ可能性の方が高いですかね。」
マキア「でもフロストって人は本来だと反則負けで全王様って人に消される予定だったのに、このまま勝っちゃったら私何か嫌だなぁ……。」
ジャコ「自分もそう思ってました。マキアちゃんもどうせなら、あの第3宇宙の人に勝ってもらいたいですよね?」
マキア「勿論っ!それにあのフロストって奴見てたら何だか凄く腹が立ってくるし……私、ああいう人は大ッ嫌い!!」
ジャコ「は、ははは……。」(私も嫌われないよう気を付けなければな。)
~全宇宙一武道会 会場~
武道会場のリングでは未だにブロリーの劣勢が続いている。彼もフロストのように変身をしたにも関わらず、フロストの力がブロリーを圧倒的に上回っていたからだ。しかしブロリーは諦めず再びリングに立ち上がると、雄々しい雄叫びと共に緑のオーラを一気に吹き出した。
ゴゴゴゴ ブロリー「うぉぉぉぉ!!」
アキュリ『おっとぉブロリー選手!フリーザ選手に滅多打ちにされてリングに叩きつけられたにも関わらず、凄まじい闘志で再び立ち上がったぁー!!』
Sフリーザ「ほぅ……見た目通りタフさはあるようですが、それも時間の問題でしょうね。」
Sフリーザ(私のこの力にここまで抗うとは……サイヤ人はやはりあの方の言った通り、滅ぼすに値する存在のようですね。)
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~全宇宙一武道会開始3日前 シャンパの宮殿~
フロスト「第7宇宙で私と対の存在にあったフリーザという者の事を……全て教えていただけませんか?」
シャンパ「フリーザぁ?それにお前と対の存在ってどういう意味だよ?」
フロスト「そのままの意味ですよ……第7宇宙には、私とそっくりなフリーザと言う対になる存在の方がいるんです。その方に少し興味が湧いてきましてね……。」
シャンパ「ほーん。」
ヴァドス「……フロストさん、その前に1つご質問しても宜しいですか?」
フロスト「なんでしょう……?」
ヴァドス「フロストさんはどうして、第7宇宙のフリーザと言う者の事を知っているのです?私は一言も貴方に教えたつもりはありませんが。」
フロスト「その事は……※時渡りの一族※、その人からフリーザと言う方を教えて貰ったんですよ。」
ヴァドス「時渡りの一族……。」
シャンパ「なんだぁ?そのヘンテコな一族ってのは。ハーッハッハァ!名前からしてメチャクチャ弱そうだなおいっ!」
シャンパが金や銀を散りばめた豪華な椅子に座りゲラゲラと笑う中、フロストとヴァドスは真剣な表情をしたまま話を続ける。
ヴァドス「フロストさん……何処でその一族を見掛けたんです?」
フロスト「この第6宇宙に決まっているではありませんか……今の私に、他宇宙へ移動する術など持ち合わせていませんし。」
ヴァドス「そうですか……まさか一族の生き残りがまだ存在していたなんて、少し驚きました。」
シャンパ「おい!さっきから何だよお前等っ!ヴァドス!俺様にも解るように説明しろぉっ!」
ヴァドス「やれやれ……シャンパ様も聞いたことがおありの筈ですよ?時渡りの一族を……思い出しませんか?」
シャンパ「そんなヘンテコな一族なんざ知らねーよ。大体その一族ってのは何なんだ?フロストが言ったフリーザってのとなんか関係あんのかぁ?」
ヴァドス「関係があるとは言い切れませんが……時渡りの一族とは、賢者であるズノーさんのようにどんな情報でも知り得ると言われた一族です。戦争ばかりしていた為に全王様が敢えなく消してしまった、※第13宇宙から第18宇宙※で遥か昔に生存していた者達の事ですよ。」
バッ シャンパ「なっ…なんだとぉぉ!?」
ヴァドスから出てきた衝撃の言葉に流石のシャンパも瞬時に椅子から立ち上がり、驚いた表情でヴァドスに問いかける。
シャンパ「何でそんな奴が俺様の第6宇宙にいるんだよっ!!全王様が消したのなら、そんな奴がこの世に存在する訳ねえだろっ!?」
ヴァドス「普通ならば考えられませんが……彼等の場合、全王様のそれさえも覆してしまう可能性があるんです。」
シャンパ「ど……どういう意味だよ?」
ヴァドス「時渡りの一族とはその名の通り…時を越える力を持った種族です。見た目は私達とほぼ変わりませんが、彼等はその高度な科学力や異常に発達していた頭脳を用いて得た能力で、何光年も離れた場所……更には他宇宙にまで※自分だけ※を飛ばす事が出来るのですよ。私のような天使が持つ能力と彼等の能力は、どうやら根本的に違うようですね。」
フロスト(ヴァドスさんの能力……?)
シャンパ「つ……つまりその一族ってのは、俺様の第6宇宙やビルスの第7宇宙でも自由自在に行けるって事か?」
ヴァドス「そういう事になります。それに彼等は神と交流するという一族の掟があり、神の加護を受けて歳を取ることもなく他宇宙を気ままに旅していたそうですよ。一族の中には神の加護を受け子供のままでいた人もいらしたとか……。本来第13宇宙から第18宇宙は、年歴は同じでも他宇宙とは違って高度に発展していた宇宙だったと聞きますから、その様な者が出てくるのもいささか不思議ではありませんね。」
シャンパ「マジかよ……そんな奴等がいたなんて俺聞いた事ねぇぞ?つかヴァドス、お前さっきその一族ってのは遥か昔に存在してたつったよな?一体どのぐらい前なんだよ?」
ヴァドス「既に消えている宇宙なので詳しい事は私にも解りませんが……確か10世紀程前だったと思います。」
シャンパ「じゅっ……10世紀ぃ!?さすがに人間だと死んでるだろっ!」
ヴァドス「そんな事ありませんよ?現に私達の宇宙にいるヒットさんが、既に1000歳を越えていますから。」
シャンパ「あ……そういやぁそうだったな。」
チラッ ヴァドス「私の場合は天使なので歳も取りませんが……シャンパ様では、そのポヨンポヨンの体型で長生きする事は恐らく無理でしょうね。」
シャンパ「うるせぇ!余計なお世話だぁ!」
ヴァドス「つまり時渡りの一族の事をシャンパ様に解りやすく説明するとすれば……本来宇宙と言うのは第1宇宙から第2宇宙、第3宇宙と大きくなるにつれ、同じ年歴でも宇宙の発展が早くなっていくんです。」
ヴァドス「そして時渡りの一族がいた第13~第18宇宙は、私達の宇宙と同じ年歴にも関わらずそれだけ発展が早かったために生まれた人種……そして、それだけ高度な科学力も当たり前となっていた為に、その一族だけは異常体質かは解りませんが時を渡る力を持ったと考えられます。」
シャンパ「まぁ……とにかくその時を渡る力を持ってた奴等って事か。」
ヴァドス「そして全王様は他の宇宙の歴史に干渉しないよう、その一族を危険因子と判断されて消されたのかもしれません。」
フロスト「ですがその一族の為だけにわざわざ宇宙自体を消されてしまうとは……かなりやり過ぎな気もしますが、その13から18の宇宙で何かあったのでしょうか?」
ヴァドス「さぁ?そこまでは私にも……さて、話が逸れちゃいましたね。とにかくフロストさんはその時渡りの方と出会いそのフリーザさんの事を聞いて彼に興味を持ち、私に教えて欲しいと懇願しに来たのですね?」
フロスト「はい……天使であるヴァドスさんなら何か知っているかと思いまして。」
シャンパ「だったら何で最初からその事をヴァドスに言わなかったんだよ、今更聞いてくるとかどう考えても変だろ?」
フロスト「私もそうしたかったのですが……修行続きで中々時間が取れなかったもので。」
ヴァドス「シャンパ様の修行はかなりハードですからね……危うく皆さんを破壊することも多々ありましたし。」
シャンパ「ふん、それぐらいやらねーと武道会では勝てねーからな。」
ヴァドス「やれやれ……それよりフロストさん。私が話して教えるよりも、そのフリーザさんに直接会って聞いてみたら如何です?。」スッ
フロスト「え?それはどういう……」
フロストの言葉を余所にヴァドスは自身の杖を瞬時に取り出して目の前に放り投げると、投げ出された杖はその場で静止して眩い光がフロストを照らし出した。光に包まれた彼は動く暇もなくあっという間に杖の中へ吸い込まれてしまい、部屋の中にフロストの叫び声が響き渡った。
ズズズズ フロスト「なっ……うわぁぁぁぁっ!?」
フロストを吸い込んでしまったヴァドスの杖はゆっくりと空中で縦向きになり、周りには白い光が球体型に張り巡らされていた。その様子を見ていたシャンパは、隣で薄ら笑いを浮かべているヴァドスに語りかける。
シャンパ「おいおい……わざわざあそこに入れなくても、お前からちゃんと説明すりゃ良かったんじゃね?」
ヴァドス「こっちの方が手っ取り早いですから。それにフロストさんもフリーザと言う方の本人とまではいきませんが、私が事前にウイスから知った第7宇宙の情報を元に造ったフリーザさんと話をすれば、私から話すより色々納得して頂けると思いましたので。」
シャンパ「ただお前がめんどくせぇだけだろ……つくづく思うが、お前も結構性格悪いよなぁ。」
ヴァドス「シャンパ様ほどではありませんよ……さて、私はそろそろ皆さんの夕飯を作りますので少し失礼します。」スッ
シャンパ「おい、この杖はどうすんだよ?このまま置いとくのか?」
ヴァドス「はい。フロストさんがその中から出てくれば、杖は自動的に私の身体に戻るようインプットしてますから問題ありません。シャンパ様は外にいらっしゃる皆さんに、また稽古でもつけてあげたら如何です?」
シャンパ「めんどくせぇから良い、それに最近アイツ等に付きっきりだったから寝不足だしよ……ふわぁーあ。」
ヴァドス「そうですか……それなら寝る時はちゃんとベッドで寝てくださいね?では後ほど。」フッ
そう言ってヴァドスは杖を残したまま部屋からテレポートし、シャンパの目の前で瞬時に姿を消してしまう。それを虚ろな目で見ていたシャンパも目がほとんど限界に来ていた為、ヴァドスの杖が浮いてある部屋からベッドがある部屋へ歩いて出て行ってしまった。
そして場面は、杖の中に吸い込まれていたフロストへと切り替わる……。
~ヴァドスの杖の中 異空間~
フロスト「はっ!?……ここは一体……?」キョロキョロ
杖に吸い込まれた衝撃によって一瞬意識を失っていたフロストは目を覚まし辺りを見回す。彼が目を覚ましたそこは澄み渡るほどの真っ白い空間で覆われており、建物も地面も無くただただ白色の光景が広がっている謎の空間であった。
フロスト「私は確か……ヴァドスさんが投げた杖に吸い込まれて……。」
???「ようこそフロストさん……いえ、第6宇宙の私と言った方が宜しいでしょうか。」
フロスト「!?……何者です!」バッ
姿は見えないが突然自分を呼ぶ声が聞こえ、フロストはとっさに身構える。そして目の前の空間から徐々に黒い影が見え始め、そこから声を発した主と思われる者が現れた。その姿は自分自身……いや、何かが違うと思ったフロストは当初の目的を思いだし、自然とその者の正体を突き止めた。
フロスト「貴方は……まさかフリーザさんですか?」
フリーザ「フフ……ご名答、まぁこれだけそっくりなら解らない方がおかしい気もしますが。それで?私に教えて貰いたい事とは何でしょう?」
フロスト「……貴方の全てを、です。」
フリーザ「私の全て……ですか?」
ナレーター「全宇宙一武道会第4回戦フロスト対ブロリーの激闘の最中、フロストは脳裏でフリーザと出会った過去を思い出していた。そしてそこにはフリーザの事を全て聞き出そうとする彼の姿があった。果たして、この事は今のフロストの力と何か関係があるのだろうか……?それとも……。」
~ED~ ♪悪の天使と正義の悪魔♪
これで45話は終わりになります。
フリーザとの会話を書きたかったんですが、次回に持ち越しとなりました……楽しみにしていた方には申し訳ありません!そして次回でやっとフロストとブロリーの決着が着く予定となっていますので是非ご期待ください!ってかフロストでこれだと他のマゲッタ達はどうなるんだ……サクサク行くしか無いか(汗)挿絵は今回無いぞぉ!DOOR!?
時渡りの一族……設定がややこしくて解り難いと思いますが何卒ご了承くださいませ。他の作者さんのように上手くなるぞぉー!
挿絵おまけ……サクリファイスの付き人、雷神風神兄妹です!
【挿絵表示】
この小説の第9宇宙、破壊神エレンドと付き人ペリドです!
【挿絵表示】
ここまで見ていただき、ありがとうございました!