ドラゴンボール超 全宇宙一武道会編(IF物語) 作:サクトン
ナレーター「全宇宙一武道会第3試合、フロスト対ギネの試合が行われる中、全王とその付き人はその様子を見ていた。」
全王「んー、武道会面白くなってきたね。」
付き人1.2「そうですね。」
ナレーター「フロストとギネの闘いは激しく繰り広げられたが、まだお互いは本気で闘ってはいなかった。すぐにフロストはギネが手を抜いていたのを見抜いたがギネもまた、フロストが本気を出していないことを見抜いていたのだった。」
フリーザ「では1つ提案があるのですが……そろそろお互い力の探り合いは止めて、実力を出して行くことにしませんか?」スッ
ギネ「そうだな。せっかくの武道会なんだ、こんな機会滅多に無いだろうし……。」スッ
ナレーター「そしてフロストは第2形態、ギネは超サイヤ人へと変身し、闘いは更に壮絶を極めた。しかしギネが優勢に立つと、フロストは第2形態から更なる変身を遂げた……。」
ギネ「!!」
フロスト「まさか貴方のようなサイヤ人にこの形態を晒してしまうとは……これでも私はかなりの鍛練を積んだんですがねぇ……。」スタスタ
平和維持軍達「おおっ!あのお姿はっ!!」
平和維持軍達「フロスト様の十八番、突撃形態だぁ!!」
フロスト「フフフ……さぁ、続きを始めましょうか。」
♪チャチャチャン チャチャチャン♪
~第??宇宙 全宇宙一武道会 会場~
フリーザ「フッフッフ……。」
ギネ(あの姿……また変身したのか……?)
アキュリ『ふ、フリーザ選手!!先程ギネ選手と闘っていた姿とは違い、また別の形に変化しておりマス!!!フリーザ選手は更に変身してしまったようデス!!』
ザワザワ 観戦客「な、なんだあのフリーザって奴の姿……かぁっ!気持ちわりい!」
ザワザワ 観戦客「なんかデザートのエクレアみたいだな……。」
シャンパ「よしゃあ!!ついにフロストの突撃形態が来たぜぇ!!」
ヴァドス「これでフロストさんの方が、圧倒的に有利になりましたね。」
ワンド「アイツ……さっきとは違う形態に変身したのね、どんだけ変身残してんのよっ!」
サフィア「見た目もそうですが、力の方もかなり上昇しているようですね。今のギネさんだと少し危ないかもしれません……。」
バーダック「どの宇宙のフリーザも、相変わらず気味の悪い野郎だな……。」
トランクス(未来)「アイツ、また姿を変えた……!」
悟飯「あの形態は……昔ナメック星でピッコロさんが闘った時に、フリーザが変身した姿にそっくりですね。」
ピッコロ「あぁ……だが奴はフリーザと違いあの形態では肉弾戦を得意としている、対の存在の影響かも知れんな。」
ネコマジンZ「ほーん、何か試合長くなりそうだな。」
悟空「んー……めえに第6宇宙との格闘しええした時にオラに真っ先に見せた変身だけどよ、あん時よりものすげえ気が増えてんな。」
ベジータ「当然だ、フロストの野郎もこの武道会へ向けて修行したのだろうからな。今のアイツを俺達が闘って来た奴に比べたら、以前地球に来たフリーザの最終形態とほぼ互角だろうな。」
ギネ(さっきはそこまで気迫とか少しも感じてなかったけど、今のアイツからはそれとは比較にならないぐらい伝わってくる……まるで別人だな。)
ギネはリングの上空でフロストを見ながらそう考えていると、フロストはギネの方に視線をやりながらギネへと語りかけた。
フリーザ「さて……ギネさん、貴方は少しスピードに自信がおありのようですね。少し再確認させていただいても宜しいですか……?」
ギネ「何だと……? っ!!」バッ
ギネはフロストがそう語りながら右手の人差し指を自分へ向けて殺気を出していたのにいち早く気付き、ギネはすぐに真横へと避けた。次の瞬間、目には見えないほどの紫色の細いエネルギー波が、フロストの指からギネのいた場所目掛けて一直線に伸びていた。
エレンド「ほう……物凄いスピードゥだぁ、ガールがかわさなかったらビッグダメージだったねえ。」
ペリド「……第6宇宙惜しかったです。」
マキア「あのギネって人、何でいきなり横に移動したんだろう?」
ジャコ「避けなければ致命傷を負っていた……何故なら、あのリングにいる奴が彼女に向かって攻撃したからだ。」
マキア「ホント?……全然そんな風には見えなかったけど……。」
ジャコ「とてもじゃないが、奴はさっき目には見えないほどのエネルギー波を放ったのだ。普通の者ならば間違いなく即死だろう……。」
マキア「そ、そんなのよく避けれたねあの人……。」
ギネ「あの野郎っ……!」バッ
ギネはそのエネルギー波からリングにいるフロストに視線を移すと、フロストの姿がリングから忽然と消えていた。ほんの一瞬しか目を離していないのに、フロストの影や形も見当たらない。
ギネ「くそっ……何処に行った……!」キョロキョロ
バーダック「ギネッ!!上だっ!!」
フリーザ「その通りっ!!!」バッ
ギネ「!?」
ギネがバーダックの声に反応して見上げると、いつの間にかフロストはギネの真上から突如として姿を現した。フロストは不意を突かれたギネの顔に左足で蹴りを入れ、一気に下のリングへと叩き落とされそうになるギネに対し、右手からかなり大きい球体のエネルギー波を撃ち込んだ。
ギネは顔面を蹴られた衝撃から何とか空中で踏ん張り、自身に向かって来るエネルギー波を両腕でガードしたが、フロストはその隙に急降下してギネの腹に再び右足蹴りを放ち、ギネは口から吐血しながら腹をフロストの足で押されつつ、そのままリングに叩きつけられてしまった。
アキュリ『ぎ、ギネ選手!フリーザ選手の巧みな攻撃に惑わされ、一気に上空からリングへと突き落とされてしまいましたぁ!これがフリーザ選手の実力なのでショーカァ!!』
スタッ フリーザ「フフフ……。」
ピッコロ「は、早いっ!何と言うスピードだ……!」
悟飯「ぼ、僕には全然見えませんでした……。」
トランクス(未来)「アイツ……さっきまで互角に闘っていたのに、いきなり圧倒してしまうなんて……!」
悟空「やっぱフロストの奴ものすげえ強くなってんなあ……。今のアイツじゃ、流石にオラも超サイヤ人無しは無理だぞお。」
ベジータ「最終形態になったらどれ程の強さになるのか……楽しみだな。」
ネコマジンZ「そういえばクリーザの奴も変身してたな……。」
ウイス「ビルス様は、フロストさんがどこまで強くなっているか興味がないのですか?」
ビルス「フン!そんな事はどうでも良い。シャンパのとこの奴がいくら強くなっていようが、どうせ僕達と闘う前に負けるに決まってる。例えこの試合に勝っても、Aブロックのとこには※アイツんとこの※宇宙が入ってんだからな。」
悟空「アイツ?ビルス様、アイツって誰だあ?」
ビルス「教えなーい。」
ワンド「バーダック、奴の居場所が良く解ったわね。」
バーダック「当たり前だ、俺がどれだけ闘ってきたと思ってんだよ。」
サフィア「感知に長けているギネさんよりも早く見つけるとは、さすがバーダックさんですね。」
ブロリー「カカロットの親父ぃ良いな良いなぁ……俺も褒めて☆」
パラガス「さすが私の息子でございます……。」\エー/
キベス「パラガスさんには言ってない気がしますけど……。」
スッ ギネ「くっ……!」(さっきとは違って全然早くなった……!私としたことが、バーダックに言われなければ全く気がつかなかったなんて……。)
ギネは先程の衝撃で崩れたリングの瓦礫から起き上がると、既にリングに立っていたフロストを見据えて静かに構えをとった。フロストはその様子を見ながら舌なめずりをしてニヘラと笑い、ゼエゼエと息を切らすギネを見つめる。
フリーザ「おやおや……どうやらスタミナが切れ始めてきたようですねぇ。せっかく私が第3の変身を見せたと言うのに、これでは全く面白く無いではありませんか。」
ギネ「それは悪かったな……こっちはアンタと違って連戦してるんでね。だがアンタも知ってるとは思うけど、私はまだ本気は出してないよ……。」
フリーザ「ホホホ、そうですか。貴方の本気とやらも是非拝見したいところですが……そろそろこの試合も飽きてきました。貴方には悪いですが、一気に決着を着けさせてもらいましょう。」
ギネ「ハッ、やれるもんならやってみな……!」グッ
フリーザ「フフ……あの孫悟空さんと言い、相変わらず威勢の良いお猿さんですねぇ……!」ダンッ
フロストは不気味な笑みを浮かべながら一気にギネへと突撃して行き、突然左手をパーに拡げてそのまま前方にいるギネへと向けた。ギネはフロストの攻撃を受け止めてカウンターを狙う為構えを変えようと身体を動かそうとすると、何故か身体がピクリとも動かない現象に襲われた。
ギネ「な…何だっ……!身体がっ…!?」グググ
ギネは謎の力に必死に抵抗するが、体が先程取った構えからピクピクと震えるだけであり、その間にもフロストは猛スピードでギネへと間合いを詰めていった。
アキュリ『ギネ選手どうしたのでショーカ!?フリーザ選手が猛スピードで近づく中、一向に動く気配がナーイ!!あんなにボロボロの身体で、ギネ選手は大丈夫なのかー!?』
ピクピク ギネ(大丈夫な訳無いだろっ……!!)
ザワザワ 観戦客「おいおいどうしたんだ……?」
ザワザワ 観戦客「余裕のつもりかな……?」
ザワザワ 観戦客「突っ立ってたらまともに食らうぞー!?」
ザワザワ 観戦客「避けてー!」
ワンド「ギネの奴何やってんの!!受け止める構えでもしなさいよっ!!」
サフィア「ワンド様、ギネさんはそうしたくても出来ないんですよ。」
バーダック「チッ……。」
シャンパ「よっしゃぁ!!フロストの新技きたぁ!!」
ヴァドス「これで相手の方も身動きがとれませんね。」
キャベ「でも、何か少し卑怯な気もしますけど……。」
シャンパ「なーに、勝ちゃあ良いんだよ勝ちゃあ!!!」
マゲッタ「シュポポポー。」
ヒット「……。」
悟飯「ピッコロさん、あれってもしかして……。」
ピッコロ「恐らく超能力だ……まさか奴もフリーザのように使えるとは思わなかったがな……。」
トランクス(未来)「超能力……ですか?」
悟空「あーあれかぁ……確かナメック星でオラとフリーザが闘ってた時に使った技だな!あれには結構苦労したぞぉ……フリーザの奴岩とか投げ飛ばしたり、一瞬でオラの動きを止めたりしてきたからよ。」
ベジータ「フン……そんな物、気合いで吹き飛ばせば良いだけの事だ。」
ウイス「そうですが……第3宇宙の方には、その余裕は無いように見えますねえ……。」
モグモグ ビルス「僕の予想では、この第3試合はフロストの奴が勝つな。あのサイヤ人があれ以上の力を隠してるとしても、フロストの奴には最終形態とやらが残ってるしね。」
モグモグ ネコマジンZ「だな。」
悟空「あっ!ビルス様とネコマジンっ!何自分だけ食いもん食ってんだよぉ!!」
モグモグ ビルス「うるさいなぁ、お前も目の前に付いてるテレビみたいなので頼めば良いだろ。」スッ
ビルスはそう言いながら、悟空の席の前に付いているタブレットのような物に指を差した。
モグモグ ネコマジンZ「美味い美味い、これベジータのお好み焼きより美味いかもな。」
トランクス(未来)「え……!?」
ウイス「おやベジータさん、ネコマジンさんにそんなものを作ってあげたのですか?」
ベジータ「あ、あぁ……そんな事よりネコマジンッ!さっきのセリフは聞き捨てならんぞっ!俺様のお好み焼きより美味いとはどういう事だっ!?」
モグモグ ネコマジンZ「どういう事ってそういう事だぞ。」
ベジータ「ふざけるなっ!だったら俺が今からお前の食ってる料理を注文して食べ比べてやるっ!もしお前が食っている料理が俺様のお好み焼きより不味かったら承知せんぞっ!!」ピッピッ
トランクス(未来)「と……父さんっ!?」
ネコマジンZ「おう、良いぞ。俺はこれでも食べたことのある料理の味は全部覚えてるからな。」
モグモグ ビルス「ベジータの作ったお好み焼きって食べ物はそんなに美味しいのか……今度作ってもらうとするか。」
悟飯「それより……どうしてベジータさんって、お好み焼きに関してはあんなにうるさいんでしょうか……?」
ピッコロ「知らん……奴に聞け。」
モグモグ 悟空「うめぇうめぇ!」
ウイス「はぁ……やれやれ。」
ピクピク ギネ「くそっ……!!」
フリーザ「でぇあぁっ!!」バッ
フロストは左手をギネに向けながらリング上を駆け抜け、その大きな身体の上半身を軽く捻り、動きが止まっているギネに対して威力のあるタックルを仕掛けた。ギネはその場で動けなかった為にフロストのタックルを真正面から直撃してしまい、そのまま大きく吹き飛ばされてしまった。
だがフロストはギネに休む暇も与えずにギネへ追い付くと、フロストは一方的に右からのパンチや両足による猛攻撃を浴びせた。
バキッ ドガッ ガスッ ギネ「あぐっ!がはっ!」
ガガガガガ フリーザ「どうしましたギネさんっ!もはや動くことすら出来ませんかっ!?」
アキュリ『ギネ選手!!!フリーザ選手に滅多打ちにされていマスっ!!!第3宇宙からすればこれはマズイ展開デース!!!』
ザワザワ 観戦客「おい何やってんだぁ!!」
ザワザワ 観戦客「さっさと反撃しろよぉ!!」
ザワザワ 観戦客「何でやり返さないのよー!!」
ザワザワ 観戦客「もしかして動けないのかの?」
第3界王神「ぐむむむ……!何やっとんねや第3宇宙選手は!!早くやり返さんかいっ!」
第6界王神「はっはっはっは!どうやらこの勝負、我が第6宇宙の勝利のようですなあ。」
第3界王神「くぅぅぅー!!!負けたらアカンでぇ!やっと同点まで持ってきたんやさかい!!!」
フリーザ「これで終わりですよっ!!!」ブンッ
ギネ「!!」
フロストはギネに左手をかざしながら両足と片手のラッシュでリング端まで追い詰め、フロストはギネを場外へ落とそうと右腕に力を込めて大きく振りかぶり、ギネの顔目掛けて勢い良く殴りかかった。その瞬間フロストの攻撃は、何故か超能力で動けない筈のギネによって制止されてしまった。
フリーザ「なっ、なにっ!?」グググ
グググ ギネ「……アンタがすぐに終わらせる気なら……私もすぐに終わらせるだけだっ……!」
グググ フリーザ(な、なんだこの力は……!それにさっきとは雰囲気が……!)
アキュリ『おーっとぉ!!?ここでギネ選手!間一髪の土壇場でフリーザ選手の攻撃を止めたぁ!!優勢だったフリーザ選手、これにはさすがに驚きを隠せまセーン!!!』
シャンパ「な、なんでだぁ!?あいつフロストの超能力で動けねぇ筈だろ!?何で動けてんだよっ!!」
ヴァドス「シャンパ様、簡単なことですよ。相手の方もフロストさんと同じように、今以上の力を引き出したんです。」
シャンパ「今以上の力だとぉ?でも見た感じ超サイヤ人って奴のまんまじゃねーかよ!」
キャベ「いえ……!あれは……!」
ワンド「さすがにギネも、自分の力を全部引き出したみたいね。」
サフィア「しかし神の気を出していない所を見ると、それはとっておきとして残しているようですね。」
バーダック「らしいな……だがあの変身も、今のボロボロの身体でどこまで持つか解らねえがな……。」
モグモグ 悟空「ベジータ!あのギネっちゅう奴の姿、もしかしてあれ超サイヤ人2じゃねえか?」
モグモグ ベジータ「あぁ、さすがに俺達の超サイヤ人2よりは少し劣ってはいるが間違いない。」
モグモグ ネコマジンZ「ほーん、それにしても凄い気だな。」
モグモグ 悟飯「まさかあの人も2になるなんて……今の僕でもなるのにかなり苦労したのに。」
モグモグ ピッコロ「確かにな……。」
トランクス(未来)「俺も超サイヤ人2になるには苦労しましたよ。……1つ気になったのですが、あのサイヤ人の方が2になれるなら……第3宇宙の他のサイヤ人も2以上になれるって事ですか……?」
モグモグ ウイス「それはどうでしょう……少なくとも、あの第3宇宙の待機所で踊っている方は無理だと思いますが。」チラッ
トランクス(未来)「え……?」チラッ
ウイスとトランクスが視線をやると、第3宇宙の待機所ではパラガスが身体をクネクネしながらバク転をしたり、同じ場所を高速で行ったり来たりなど、躍り(?)のようなものをしていた。
パラガス「よぉく見ろ☆宇宙の中で一番環境が整った美しいパラパラでございます……。あうあうあうあう☆(^q^)パーラガスパーラガスパーラガス♪」クネクネ
ピキピキッッ ブロリー「……(怒)」
そしてその隣にいたブロリーにより、パラガスはかなり大きめの岩盤にクレーターが出来るほどの力で叩きつけられ、それを見ていたウイスとトランクスは、とりあえず会場の方に視線を戻すことにした。
トランクス(未来)(何だか……見てはいけないようなものを見てしまった気がする……。)
モグモグ ビルス「…………おいウイス。さっき岩盤に叩きつけられてたあれも、一応サイヤ人なんだよな?」
モグモグ ウイス「そのようですよ。しかし他の第3宇宙のサイヤ人や悟空さん達と比べて、かなり異質ですが。」
モグモグ ビルス「……前からワンドの奴の気が知れなかったが、アレを見て余計奴の気が知れなくなったよ……。」
モグモグ ウイス「ホホホ、実は私もです。」(真顔)
ギネ「うらぁぁぁっ!!!」グアッ
ドスッ フリーザ「ぬがぁぁっ!?」
ギネはすかさずフロストの腹に右手から繰り出したパンチを当て、フロストの右手を持ったまま思いっきりリングに叩きつけて動けないよう固定した。
するとギネはその場で足に力を込め小さくジャンプし、更に横に1回転して攻撃の威力を高めると、腹と腕をやられてよろけているフロストの顔面目掛けて、ギネは渾身の右膝蹴りを放った。
グラッ フリーザ「ぐぁぁっ……!!」
バッ ギネ「まだまだぁぁ!!!」
モロに膝蹴りを受けたフロストは、ギネに右手をリングにめり込まされて倒れることも出来ず、ギネは膝蹴りの体勢のまま左足でサマーソルトを繰り出してフロストの顎に叩き込む。
そしてギネはそのままフロストの空中に舞い上がり、両腕を拡げ左右の手から黄色い手のひらサイズのエネルギー弾を溜め込むと、さっきの攻撃の影響で真上に顔を向けているフロストに、ギネは前方に両手を突き出しながら突撃したっ!!!
ギネ「これでとどめぇぇっ!!!」ギュンッ
フリーザ「っ!?」
ズ ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン
ゴゴゴゴ アキュリ『キャアア!!!』
ギネがフロストに放ったその攻撃で会場全体が大きく揺れるほどの衝撃と爆発音が発生し、リングにはとても大きな爆煙が取り巻いた。そしてそのリング上空を飛んでいたアキュリは衝撃により、乗り物ごと更に上空へと吹き飛ばされてしまい、観戦席側もバリアを張ってはいたが衝撃による少しの揺れが起きた。
ゴゴゴゴ 観戦客「うわぁぁ……揺れてる……!!」
ゴゴゴゴ 観戦客「なんでこの観戦席にまで衝撃がきてんだよっ!おかしいだろ!?」
ゴゴゴゴ 観戦客「安心せいっ!皆の者安心するんじゃ!」
ゴゴゴゴ 観戦客「まるで地震が起きてるみたい……。」
ゴゴゴゴ ピッコロ「バリアがあると言うのに、少しだがここまで衝撃が伝わってくるとは……!!」
ゴゴゴゴ 悟飯「きっと、あのリング内は物凄い衝撃ですよ……!」
ゴゴゴゴ 悟空「あの第3宇宙のサイヤ人も無茶すんなあ……。」
ゴゴゴゴ ベジータ「サイヤ人らしい、戦法も糞もない闘い方だが……俺は嫌いじゃない。」
ゴゴゴゴ ネコマジンZ「一瞬物凄い地震の予兆かと思ったぞ、食べ物落としちゃった。」
ゴゴゴゴ ウイス「これで決まりましたかねえ……?」
ゴゴゴゴ ビルス「もしこれでフロストが気絶したら、最初から苦労はしないだろ。」
ゴゴゴゴ ウイス「そうですね。寧ろ、フロストさんを本気にさせた……と言った方が正しいでしょうか。」
ギネ「ぐっ……!」ドサッ
爆煙が広がる中、先に姿を見せたのはリングに膝をついているギネだった。先程の攻撃でギネはフロストに当てた瞬間、自分も爆発に巻き込まれる瞬間に身体を反らした為ダメージはある程度は免れたが、両腕には技の反動による火傷のような傷跡が少し出来ていた。
ジャコ「あのサイヤ人遂にやったか!?」
マキア「ど、どうなんだろ……?」
エレンド「んーナイスアタックだけど、あのタイタンをダウンさせるまでとは行かなかったようだねぇ……。」
ペリド「……このままだと、第3宇宙の負けですね。」
ギネ「はぁ……はぁ……。」(くそっ……やっぱり疲れのせいで力が……!)
ギネはフロストがいた場所から少し離れたところで、膝を着きながら様子を見ていると、煙の中からフロストが姿を現した。彼の身体にはダメージを負っているようだが余り効いておらず、ニヤリと笑いながらギネを見ていた。
ゴゴゴゴ フリーザ「フッ……まだそれだけの力を隠していたとは……驚きましたよ。どうやら貴方も更に上の変身をしたみたいですが、スタミナが切れているせいで思ったより攻撃が通じないようですね……。」
ギネ「はぁ……はぁ……化け物め……。」
ザワザワ 観戦客「アイツ、あんなすげえ攻撃を受けても平気でいやがるぞ……。」
ザワザワ 観戦客「あの女の子勝ち目無いんじゃねえの……?」
ザワザワ 観戦客「せっかく頑張ったのに……。」
ザワザワ 観戦客「上には上がいると言うことじゃな……。ところでアキュリちゃんはどこへ行ってしもうたのだろうか……?」
シャンパ「ハーハハハハ!!!!どうやら苦肉の策も、フロストには通じなかったみてえだなー!!!」
ヴァドス「あの方も……どうやらスタミナ切れで動けないようですね。」
シャンパ「まぁアイツも結構盛り上げてくれたし?良く頑張ったと褒めてやるよっ!!」
ワンド「くぅ……!シャンパの奴ぅ……!」ギリギリ
サフィア「このままでは、ギネさんがとっておきを出す前にやられてしまいそうですね……。」
ワンド「ギネッ!!しっかりしなさいよっ!!」
バーダック「……。」
フロストは膝をついて動けないギネの前まで歩み寄ると、ギネを見下ろしながら怒りの表情で睨み付けた。ギネもボロボロの身体でフロストを見上げ、彼女も出来る限り睨み返す。
ギネ「はぁ……はぁ……。」(身体が……。)
フリーザ「……メス猿。」ブンッ
そう言ってフロストは右拳でギネの顎にアッパーを入れ、そのまま左足でギネの腹に追撃してリングへ叩きつける。その衝撃でギネの居た周囲のリングはバキバキと音を立てて崩れ、遠くの方までひび割れを起こしていく。
ギネもすかさず右手から気功波を出して反撃を試みるが、フロストに軽く避けられてしまい、その右手を掴まれて一気に反対側のリングに投げ飛ばされてしまった。ギネはボロボロの状態で受け身をとることも出来ず、身体をリングに擦りながらうつ伏せで倒れてしまう。
スッ ギネ「ぐ……くぅっ……!」
フリーザ「まだ気絶しないのですか……そのまま放っておいてもカウントを取られて負けると思いますが、ここまで頑張った褒美に……私の最終形態をお見せするとしましょう。」スッ
フリーザ「ハァァァァァァァァ!!!!」ドンッ
フロストは身体から青紫色の気を吹き出し、その気がリング全体を一瞬で包み込むと、フロストの身体は先程のがっしりとした体格とは真逆のスッキリした小柄となり、青紫色の気がフロストへと一点に集まる。そしてフロストは遂に、ギネに対して最終形態を露にした。
ギネ「こ、これが第6宇宙フリーザの……!」
バーダック「真の姿って訳か……。」
フリーザ「フッフッフッフ……。」
ザワザワ 平和維持軍達「あ、あのお姿は……!」
ザワザワ 平和維持軍達「封印してきた最終形態を、敢えてご自身から解放するなんて……。」
ザワザワ 観戦客「ま、また変身したぞアイツ……。」
ザワザワ 観戦客「二度あることは三度あるって言うが、どんだけ変身すりゃ気が済むんだよ……!」
ザワザワ 観戦客「でもさっきと比べて小さくなったし、ひょっとして弱くなったんじゃない?」
ザワザワ 観戦客「いや!ああいうの程めんどうなのは無いと思うぞ、ワシはな。」
ジャコ「来たか……フロストの最終形態。」
マキア「身体はさっきより縮んだけど……私でも解る。なんかこう……闘ったら駄目って言うか、闘う事自体が無謀と言うか……。」
ジャコ(考えてるマキアちゃんも可愛いなぁ……。)
悟飯「本当にあのフロストって人……最終形態の姿もフリーザそのままな感じですね。」
ピッコロ「何せあのフリーザと対を為す男だからな……似ているのも当然だろう。」
トランクス(未来)「それにしてもあいつ……何て凄まじい気なんだ。」
ネコマジンZ「そんなに凄いか?俺は何も感じないぞ。」
悟空「ベジータ……あのフロストの最終形態だけどよ。」
ベジータ「……あのブラックを上回る程の気だ……。」
アキュリ『はぁ……私アイドルなのに何でこんな実況引き受けちゃったんだろ……。こんな所にいたら命が幾つあっても足りないじゃない……。』ブツブツ
観戦席がどよめく中、上空に吹き飛ばされていたアキュリがズノーの乗り物でやっとこさ会場へと戻ってくると、リングにいたフロスト達を見て一番に右耳のマイクで叫んだ。
アキュリ『お、おーっとぉ!!!これはどういう事でしょう!!フリーザ選手、先程の不気味な形から更に変わっておりマス!!一方ギネ選手は、フリーザ選手の方を見ながらリングにうつ伏せてダウーン!!レフェリーさん!とりあえずカウントの方をお願いしマース!!』
レフェリー「呼ばれて飛び出てレフェリーです。」スタッ
またまたレフェリーがリングに再び降り立つと、レフェリーはうつ伏せで横になっているギネへと向かい、カウントを取ろうとした次の瞬間、レフェリーの行く手を制止するかのように、足元へ紫色のビーム状の気弾が放たれた。
レフェリー「ひ、ひぃっ!」ガクブル
フリーザ「邪魔をしないでもらいましょうか……レフェリーさんは引っ込んでいなさい。まだ私達の決着が着いていません……実況者の貴方も、余計な真似をすると殺しますよ……?」ギロッ
ギネ「……」(な、何を言ってるんだこいつ……?)
アキュリ『で、でもこれは一応ルールですから……(汗)』
フリーザ「実況者さんの言うことも解りますが、私は気に食わない勝ち方は嫌いなんです。やるなら正々堂々、お互い本気を出して勝敗を決したい……観戦席の皆さん!皆さんも本気の闘いというものをご覧になりたいとは思いませんかっ!?」バッ
フロストが両手を拡げて声高らかに観戦席の方を向きながらそう告げると、観戦席からはフロストの意見に同調するかのように、観戦席は一斉に騒ぎだした。
ワーワー 観戦客「あぁ!!もちろんだ!!」
ワーワー 観戦客「俺達はそんな闘いを見たいんだよぉ!」
ワーワー 観戦客「わざわざこんな遠いところに、高い金払って見に来とるんじゃー!」
ワーワー 観戦客「アキュリちゃんには悪いけど、これだけは譲れないわー!!!」
ワーワー 平和維持軍達「うぉぉぉぉ!!さすがフロスト様!観戦席の皆にまでご意見を伺うなんて!!」
ワーワー 平和維持軍達「貴方は私達の誇りでありますー!!!」
悟空「んー……オラもこんけえばかりはアイツに賛成だぞ。」
ベジータ「あぁ……相変わらず気にいらんがな。」
ネコマジンZ「俺も俺も。」
トランクス(未来)「と、父さん……。」
悟飯「お父さんやネコマジンZさんまで……。」
ピッコロ「んーむ……奴の言うことも最もかもしれん。なにせ全宇宙一を決める大会……本気同士で闘わなくては、後々後悔してしまうだろう。今度また開催するにしても、いつになるか解ったもんじゃないからな。」
ウイス「……ビルス様はどう思います?」
ビルス「別に良いんじゃない?あのサイヤ人の神の力ってのもちょっと見てみたいし、それにそっちの方が早く終わるだろ。」
エレンド「ミーもアグリー……つまり賛成だねぇ!そっちの方がインテレスティンだよぉ!」
ペリド「……とりあえずさっさと終わって欲しいです。」
マキア「私は反対かな……だってもうあの女の人ボロボロだもん、可哀想だよ。」
ジャコ「そ、そうですね……。」(私は賛成だったんだけどな……。)
フリーザ「と言うことです……実況者さん!すみませんが全王様に、この試合のみ10カウントルールを撤廃して頂けませんか……?」
アキュリ『は、はぁ……解りました。少々お待ちを……。』
アキュリはそう言って左耳のマイクに手を当てると、全王に連絡を取り始めたのか、会場のマイクとは違い誰かと話をし始めたようだ。
レフェリー「あの……自分はどうすれば……?」
フリーザ「貴方は帰っていなさい、この試合で貴方の出番はもうありませんから。」
レフェリー「は、はぃぃ!」ピューン
ギネ「アンタ……どうしてそこまで……。さっきと言ってる事がまるで違うじゃないか……。」
フリーザ「気が変わっただけですよ……ギネさんも、本気を出す前に負けるのは嫌でしょうからね。」ニヤッ
ギリッ ギネ(コイツ……!)
シャンパ「おいフロストォ!!!お前一体どういうつもりだぁ!!俺様の許可もなしに勝手な事するんじゃねぇ!!!」
フリーザ「安心してくださいシャンパ様、私は勝てる勝負しか致しませんので。」
シャンパ「そういう意味で言ってんじゃねえ!!この全宇宙一武道会でそんな勝手な事しやがったら、全王様の機嫌を損ねて第6宇宙自体が消されるだろがぁ!!!」
ヴァドス「まぁまぁシャンパ様、ここはフロストさんにお任せしましょう。」
シャンパ「お前は何でそんなに落ち着いてやがんだよっ!」
ヴァドス「全王様もきっと、選手達の死闘と言うのを見てみたいと思うからですよ。全王様は云わば全知全能の神……こういった武道会を開催した目的も、各宇宙の選手達が汗や血を流しながらも何故互いの力を競い合うのか……という真理を見たいというのもあるんですから。」
シャンパ「そりゃそうだけどよぉ……。」
キャベ「でも、全王様が納得してもらえるかどうかですけど……。」
マゲッタ「シュポポー。」
ヒット「……フン。」
ワンド「アイツ、一体何をしようっての……?」
サフィア「解りませんが……もし全王様が許可していただければこちらとしては好都合ですね。傷を負っているギネさんは、10カウントで負けることは無くなるわけですから。」
バーダック「だとしたら……ギネはもう降参しかねえな。」
ブロリー「ゑっ!?」
パラガス「なん……だと……。」
キベス「バーダックさん、どういう事でしょうか……?」
バーダック「ギネじゃアイツには勝てねえって事だよ。」
皆が全王からアキュリへの返事を息を呑んで待つ中、全王との連絡が終わったのか、アキュリはズノーの乗り物で会場のど真ん中へ移動し、左耳マイクを会場へと繋いで全員に語りかけた。
アキュリ『会場の皆様!長らくお待たせしましたぁ!!先程全王様とコンタクトを取った所、全王様より特別許可が降りました!なのでこの試合のみ、ダウンからの10カウントルールは取り除こうと思いマース!!』
\ワー!/ \ワー!/ \ワー!/ \ワー!/
観戦客「よっしゃあー!!!」
観戦客「これで良い試合が見れそうだっ!!」
観戦客「フリーザナイスだぜー!!!」
観戦客「盛り上がってきたわぁ!」
シャンパ「全くヒヤヒヤさせやがって……。」
ヴァドス「命拾いしましたね、シャンパ様。」
シャンパ「フロストの野郎、これで負けたら許さねえからな……!」
悟空「今思ったんだけどよ、この会場に来てる皆はフリーザの事って知らねえんかな……?」
ピッコロ「どうだろうな……。何せ宇宙中の観客が集まっているんだ、知らない奴がいないという事は無いと思うが……。」
フリーザ「観戦席の皆様、そして実況者の方……私のワガママを聞いていただき感謝します。」スッ
スッ ギネ「くっ……。」
フロストは会場の観戦席へ向け丁寧にお辞儀をすると、何とかリングに立ち上がったギネに視線を移し、不気味な笑みを浮かべながら見つめていた。
フリーザ「さぁギネさん、第3回戦の※サドンデス※を開始しましょうか……。」ニヤッ
ギネ「サドンデスだと……?」
ナレーター「フロスト対ギネの攻防は正に逆転に次ぐ逆転を見せていたが、フロストは本気のギネと闘うために一部のルールを撤廃する。そしてギネに不気味な笑みを浮かべてサドンデスと告げるが……フロストは一体何を企んでいるのだろうか……!?」
これで39話は終わりになります。
ヤバイ……かなりグダッてる……!!ギネとフロストがここまでやりあうとは思わなかった……。次回でフロスト対ギネは決着する予定です!少し呆気ない感じになるかも知れませんが……。
何かフロストに色々伏線張りすぎたかなぁ……全王様に消されるギリギリまでフロストさん粘ったし頑張ろう……。相変わらず文才が無いのはお許しください……。
ここまで見ていただき、ありがとうございましたっ!