♀ポケに愛されて 作:愛され隊
R月〓日
今日はまっこと忙しい1日であった。
ハラさんからZリングを受け取り次なる島、アーカラ島を目指してフェリー乗り場に向かったのだが、そこでククイ博士とバッタリ。ZリングとZクリスタルを見せたらヨットに乗せてくれた。若干旧型の物で安全性がうんたらかんたら言っていたが何事もなく無事に航行、アーカラ島へと到着。
アーカラ島の港でなんとしまクイーン、ライチさんとキャプテンのマオと遭遇。ハラさんから連絡が来たらしく、楽しみにしているのだとか。褐色の似合うちゃんねーでヘソ出しがインパクト大。そういうの好きな人ならドストライク間違いなし。俺はそこまで興味がある訳でもないけど。勿論美人だけどな?
緑髪ツインテのマオは食事処の看板娘らしく、ライチさんと一緒に居たのは出前終わりに誘われたからだとか。活発元気な少女で俺の肩に乗ったアマカジを見て凄くテンションが高かったのが一番印象に残ってる。
それと彼女の目利き曰く俺とポケモンのは相性バッチリなんだとか。普段ならいきなり会ってすぐの人にそう言われても釈然としないのだが、彼女が言うなら間違いないと感じる自分がいた。
話そこそこにククイ博士とライチさん、マオと別れてせせらぎの丘目指して港町のカンタイシティを抜けて、4番道路を通りオハナタウンを昼食休憩程々に通過、5番道路を通ってせせらぎの丘へ。途中で何度かスカル団に出会った為、コジョに気を失わせて網に捕まえたポケモン達を開放してやりながらだったからおやつどきに到着となった。しかしまだ試練前なのにスカル団打倒で達成感が半端じゃなかった。だから今日は試練を受けずに野営の準備を執り行い今はテントの中。思えば昨日満足に寝れていなかったから今日はグッスリと眠ろう。
R月∮日
アマカジさん、マジ強過ぎっすよ!!
いや、いきなり過ぎて何が何だか、後で見返した時に分からないだろうから今日の出来事を一頻り纏めてみよう。
まずはアーカラ島最初の試練、キャプテンスイレンの試練。内容はライドポケモンのラプラスを借りて彼女が育てたというぬしポケモンを追跡する事。その際に水ポケなら追跡の役に立つかと思ってミロを出したのだが、それが不味かった。
人型のミロに敵意を示した凶暴なサメハダーやメノクラゲ等の水ポケモンが俺たちに群がってくるもんだから大ピンチ。水上という事もあってレディ達他の手持ちが使えず、ミロとチル、ムウにラプラスが戦ってくれていたが幾ら鍛えていても数の多さに苦戦を強いられる……かに思われた。
冒頭の通り、そこではアマカジが大活躍していた。チルやミロの上を行き来しながらあまいかおりを出してラプラス上の俺からタゲを逸らし、逃走する時間を稼いでくれた上に、最後はマジカルリーフで撃退。追い払う事を成功させて見せたのだ。
いやマジで強過ぎませんかねアマカジさんや?図鑑曰くこれでまだ1段階目で後二回進化残してるやないですか。あれか?フリーザか?私はまだ進化を二回残しているとでもいう気なのか?まあ兎も角助かったのは事実だったからえっへんと誇らしげなアマカジをうんと褒めてやった。可愛いし物凄く和んだ。でもそれも長くは続かなかった。
ぬしポケモンのヨワシというポケモン……しかも特性によって無数の魚影を周囲に集めた"むれたすがた"が俺たちの前に飛び出して来た。
………いきなり出て来た時はドン引きした。下手するとそこいらにいるゴーストポケモンの何倍も恐怖を感じた。ヨワシの図鑑説明には群れた姿はギャラドスすら怯えて逃げると言われているらしくラプラスも今にも逃げ出しそうな程震えていた。
しかも何より技威力がヤバイ。みずでっぽうがハイドロポンプレベルの極太とか、なぁにそれぇ状態だった。しかも動きもやたら早いし、攻撃はその大きな身体を構成する無数のヨワシの整った連携で躱される。完全に糠に釘、暖簾の腕押しのように手応えが無かった。
それでバトルはミロに任せようとしたらアマカジがはっぱカッターで煽るもんだからヨワシが激おこ、アマカジを下げさせる訳にもいかず戦う事に。タイプ相性も良いから多少は期待出来ると思ったし。
しかし、タイプ有利でも巨大なヨワシには勝てず、回避の為に頭のヘタで空を飛んでいた所をみずでっぽうで撃ち抜かれ吹っ飛んだ先の地面に叩きつけられ瀕死。調子に乗ったヨワシがアマカジの命の危険すらあるみずでっぽう……それを俺が盾になる事で防いだ。いや、マサラ人みたいになんとかなると思ったがやっぱシャレにならなかった。ギャグ補正なしのリアルダメージに俺悶絶。
でもなんとかアマカジを守れたと安堵しつつアマカジを見ようとした俺。しかしその直後目を瞑る事となった。
突如、アマカジの体が光に包まれたのだ。
◇
「マージョッ」
「貴方はそこに寝ていなさい……らしいです」
「ああ…………」
労ってくれる2人の声を受けながらみずでっぽうという名のハイドロポンプをモロに受けた所為で痛む身体を押してポケモンセンターの宿泊部屋のベットにうつ伏せで寝転がる。
「ウギィィアアァァァ…………」
みずでっぽうを受けたのは背中。それを気にしてうつ伏せに寝たのに激痛が身体を貫く。周囲の迷惑にならないように枕に口元を埋めて声を殺したが隣に居るレディ、そしてアマカジの
「マジョマー!!」
「大丈夫!?……だそうです!」
「いや、大体分かるから………」
それより俺には疑問がある。なんでアマカジが一気に最終進化系のアマージョになっているんですかねぇ……。ククイ博士にアマージョはメガヤンマと同じ特定のワザを覚えて進化するタイプのポケモンで、アママイコがふみつけを覚えたら進化するという事を聞いたのだが。
それでも進化途中で技を覚え、直ぐに進化することはないのだとか。俺の周りこんなのばっかかよ。
「ご主人、スイレンさんの所に伝えて来たよ?」
スイレンの所に連絡しに行っていたムウが帰って来たようで、手にはミズZが握られているのが確認出来る。
「ヨワシの所に連れて行って理由を話したら合格だって」
「ああそうか…………」
まあ、あの場所見たらそうなるわな。なんせアマージョのふみつけで湖の底に大穴開いたんだから。女王の様な風貌から放たれる一発にヨワシ、一撃である。しかも戦闘後疲れとはまた違う理由で息荒げてたし。アマージョまじで恐ろしい子。
「アマージョ♡」
それでも、頭を撫でてやると嬉しそうにするのはアマガシの頃と変わらないのは愛らしいと思った。………ただ、レディやムウが拗ねてしまい、痛みに耐えながら彼女達を愛でる作業に追われるのであった。