クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第7話:孤独の反逆

 

執務室にはジルを初めジャスミン、マギー、サリア、メカニックのメイが集まっていた。

 

「三度の出撃で、この撃退数.....大したものだよ、あの二人は.....」

 

「今まで誰にも動かせなかったヴィルキスとレオスをこうも簡単にね~.......」

 

「たぶん、ヴィルキスがアンジュを認めた......」

 

メイが言った言葉に思わずサリアが反応する。

 

「そしてレオスはマサトを選んだ......」

 

「じゃああの子が......」

 

「始めるとしようか....."リベルタス"を.....」

 

ジルの言葉から出てきた"リベルタス"。大規模な計画がいよいよ始まろうとしていたのだ。すると、ジルはサリアの様子に気付く。

 

「不満かサリア?」

 

「すぐ死ぬわ、あの子」

 

「無理もないわね、皆の隊長を負傷させ、可愛い新兵も危険な目に合わせたド悪党......嫌われて当然よね」

 

サリアは今日の戦闘を思い出す。

 

 

 

"回想"《戦闘空域》

 

第一中隊がドラゴンの迎撃に向かい、マサトはレオスを操り、ビームサーベルでスクーナー級を切り裂き、ヴァリアブル・ガンで、ドラゴンを撃ち落とす。

 

「ココ、ミランダ、そこだ!」

 

「「はいっ!」」

 

マサトがココとミランダに指示を出し、残りのスクーナー級ドラゴンを攻撃すると、大型ドラゴン3体がレオスに接近してきた。

 

「ガレオン級、ブリック級含めて三体か..........」

 

それを狙って、ヒルダが大型ドラゴンに目掛けて、攻撃をし、ドラゴンが怯んだ隙に止めを刺そうとするが、

 

「ぐああっ!!」

 

アンジュがヒルダを蹴り飛ばし邪魔をした。アンジュは凍結バレットを撃ち込み、ドラゴンは海へ落ちていった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、」

 

「チッ!あいつ......」

 

獲物を横取りされたヒルダは舌打ちをする。

 

「アンジュ.......」

 

残りの2体を撃退したマサトは息を荒くするアンジュを見届ける。

 

 

 

"回想"修了

 

 

 

「私なら......上手くやれる........私ならヴィルキスを上手く使いこなして見せる! なのに何故?」

 

「適材適所って奴さ」

 

「でも、ヴィルキスに何かあったら......!」

 

「その時はメイが直す!!命を懸けて、それが私たち一族の使命だから!.....後、レオスも!」

 

メイの誇り高きく勇気ある発言を聞いたサリア、ジルはサリアの前に立った。

 

「お前はお前の使命を果たすんだ、いいね?サリア」

 

「......はい」

 

「良い子だ」

 

「忙しくなるね」

 

ジルはそう言い、マギーは手を腰当てながら今後の事を言う。

 

「くれぐれもさとられない様にな......特に監察官殿には......」

 

ジルがそう言うと、メイがドアを開けて、周りを確認し終えると、ジャスミン達は退室した。ジルは再び椅子に座り、煙草を吸う。

 

「ふぅ、...........さて、何処まで進化し続けるか.......見てやろうじゃないか........"魔女の子 マサト"......」

 

ジルがモニターに映し出されているあの時の姿のレオスと全長300メートルも超えている大型兵器が3機も映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日のドラゴン討伐、弾薬、燃料消費、装甲修理など計算し、報酬金を受け取っていた。

 

「撃破数スクーナー級3、ガレオン級にアンカー撃ち込み弾薬消費、燃料消費、装甲消費等を差し引きして、今週分18万キャッシュ」

 

「チッ!これっぽっちか」

 

ロザリーは少ない報酬金に舌打ちした。

 

「まだ良い方だよ、私なんて一桁だから」

 

「ヒルダは?」

 

ヒルダはロザリー、クリスに札束の量を見せびらかす。

 

「「おおーー!!」」

 

二人が驚くと、

 

「今週分550万キャッシュ」

 

アンジュは報酬金を受け取ると、ヴィヴィアンとエルシャが褒める。

 

「アンジュやるー!」

 

「大活躍だったものね!」

 

次にマサトも報酬金を受け取る。

 

「今週分780万キャッシュ」

 

《!?!?》

 

「凄いです!マサトお兄ちゃん!」

 

アンジュとマサトの高い報酬金に皆は驚くが、ヒルダは舌打ちをする。

 

「.........一気にガレオン級やブリック級が出たせいかな?」

 

すると、マサトはロザリーとクリスの札束を見て、二人に90万キャッシュを二人づつ分けた。

 

「え?!何だよこれ?」

 

「かわいそうだと思って.......」

 

「あ.......ありがとう」

 

「おぉーサンキュー!マサト!ヒルダは?」

 

「私はいいよ...行くよ、二人とも」

 

ヒルダは二人を呼び、ロザリーとクリスは慌てて追い掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、第一中隊全員は指令部へと集まっていた。

 

「........(今度、また配備される新兵って......誰なんだろう?)」

 

マサトが考えていると、ドアが開き、中からピンクのトリプルテールをした少女が入室してきた。

 

「失礼します」

 

少女がジルに敬礼すると、ココとミランダがその少女へ駆け付ける。

 

「あ!ナオミ!目が覚めたんだね!?」

 

「ココ、ミランダ......心配かけてごめん」

 

ナオミと言う少女は自己紹介をし、マサトもアンジュもナオミに自己紹介をした。

 

 

 

 

 

 

それから、部屋から出たマサトは自室へ戻ろうとすると、ナオミが来た。

 

「あのぅ、ありがとうございます......ココとミランダとゾーラ隊長を助けて下さって」

 

「良いよ......仲間として当然の事したまでだ........」

 

「あの、良ければお買い物に行きませんか?」

 

「.......好きにしろ」

 

マサトとナオミは一緒にジャスミンモールへ買い物しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

ジャスミンモールに来たマサトは義手用のパーツを購入していた。

ちょうどそこにヴィヴィアンが大きな袋を持って、ピンクのカラーをしたブーメランブレードを見る。

 

「おお~!新しいのはいってる~! おばちゃん、コレいくら~?」

 

「お姉さんだろ!全く.......、『超高クロム製ブーメランブレード』か、1800万キャッシュだね」

 

「喜んで~♪」

 

「毎度あり」

 

「ブーメランブレード......あんな武器も売っているのかぁ.....」

 

すると、番犬のバルカンがしっぽを振りながらマサトに近付き、マサトはバルカンの頭を撫でと、バルカンが急に唸り声を上げ、後ろを見た。すると、マサトの目の前にロザリーとクリスに嫌がらせで、服がビリビリ寸前のアンジュがやって来た。ナオミは頬を真っ赤にして、両手でマサトの目を覆い隠す。

 

「うわっ!?」

 

「あああっ!見ちゃダメ!これは!」

 

「おおー、セクシー!」

 

「随分、涼しそうだね?」

 

「制服、ありますか?」

 

「制服ありますかだ? ここはブラジャーから列車砲まであるジャスミンモールだよ。ほれ毎度あり、しっかしどうしたらそんな風になるんだろうね?」

 

「さぁね、それよりジャスミン.....例の物は?」

 

マサトがジャスミンにある物を言う。

 

「ああ、あるとも.....あれを使いこなせるのはお前だけだ」

 

「ありがとうジャスミン.....それで値段の方は?」

 

すると、ジャスミンがヒソヒソでマサトの耳元で言う。

 

「あれを使うなら特別サービスだ、ここでは言えないが、値段は....キャッシュってとこだ」

 

その安さにマサトは驚く。

 

「安.......」

 

「どうする?」

 

「.....買う、レオスにはあれが必要だからなぁ」

 

「ヒヒヒ、毎度あり」

 

「何を買ったの?」

 

「秘密......」

 

「何だろう?」

 

ナオミは首を傾げる。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、指導教室ではアンジュに散々嫌がられせをして来たロザリーとクリスはサリアに説教され、正座されていた。さらに二人の顔のにはエルシャに何をしたのか殴られた後が残っていた。

 

「ガス抜きと思って見逃していたけど、あまりにも目に余るわね」

 

そこにはエルシャやヴィヴィアンもいた。

 

「あの子が気に入らないのは分かるけど.....」

 

「アンタ等何も思わないの!?大切な仲間を危険な目に合わせて、その上....隊長をあんな風になっていると言うのに彼奴がのうのうと生きている事にさ!!?」

 

「でも、アンジュちゃんは戦場に戻って自分が行ったことも、償いをしてくれたわ、マサトくんが助けてくれなかったら、ゾーラ隊長もココちゃん、ミランダちゃんも生き延びることもなかったかもしれないわよ?」

 

「そ!それだけで....!」

 

「それだけで納得しろっての?」

 

ヒルダが扉から入ってきて言う。

 

「たくっ...司令も何考えてんだが、あの女にポンコツ機を与えた以外はお咎めなしとはね、ああ~?司令も気に行っちゃったんだ、あの女が」

 

その事にサリアは反応した。

 

「ま、そう考えれば変に優遇されているのにも納得が出来るか、あの指令をたらしこむなんて大したもんだねぇ.....皇女殿下はベットの上でも優秀」

 

「っ! 上官侮辱罪よ!」

 

「....だから?」

 

サリアがナイフを抜き取り、ヒルダもホルスターからハンドガンを取りだす。

 

「これ以上アンジュに手出しするのは許さないわ!」

 

「ゴミムシに言われるほどでもないね」

 

「.......命令よ」

 

「チッ.......行くよ、二人とも」

 

ヒルダはハンドガンをしまい、ロザリーとクリスを呼ぶ。すると、ヒルダはサリアに言う。

 

「あの男はゾーラの事を助けてくれた事には感謝はするけど、所詮彼奴は男のノーマ.........絶対に気を許しては駄目よ」

 

ヒルダはそう言うと、部屋から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから夜になり、サリアとヴィヴィアンの部屋では.....

 

「超高速鉄鋼弾に、加減ギアに、そしてポテチ♪......私なんて欲しいものばっかだなぁ、」

 

ヴィヴィアンはノートに書いている欲しいものを見ていていると、サリアは本を読んでいた。

 

「ここでクイズ、サリアは何を呼んでいるのでしょうか?」

 

ヴィヴィアンが突然クイズを出すと、サリアは返答する。

 

「.....指導教本、難しいわ.....部隊の安定させる行動をどう生かすかを......」

 

そしてサリアはヴィルキスの事を思い出す。

 

「(ジル、約束したじゃない.....あの機体を私にって......)」

 

「サリアまた怖い顔してるほら!」

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

ヴィヴィアンがサリアがかけていた眼鏡を外す。

 

「サリアはいつものアレを読んでいる時の方が良い顔してるぞ?」

 

「アレ?」

 

「ほれ引き出しの二段目にあるさ、男と女がチュッチュするる本♪」

 

「っ!」

 

「さあ!見せてごらん!君の全てを~! あ~ん♪そんなとこ~♪」

 

ヴィヴィアンがジェスチャーしながら本の内容を言っていると、サリアはナイフホルダーからナイフを取り出して、ヴィヴィアンに目掛けて投げた。

それにヴィヴィアンは慌てて避けて、サリアは狩人の目をしながら言う。

 

「今度勝手に漁ったら、刺すわよ....」

 

「ご、ごめんちゃい!」

 

睨み付けるサリアにヴィヴィアンは謝ると、ヴィヴィアンのお腹から音が鳴る。

 

「お!飯タイ~ム♪サリアは?」

 

「もう少し勉強してからにするわ」

 

「そっか、」

 

ヴィヴィアンはそう言い、食堂へと向かった。サリアはレオスもマサトの事を考える。

 

「レオス.......どうしてマサトを......?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、マサトの部屋で同居となったナオミはパラメイルのでの借金に困っていた。

 

「う~、パラメイル損傷、修理代、含めて一億キャッシュだなんて~」

 

「ドンマイ.....こっちは何とか払い終えたが......手伝おうか?」

 

「いや、良いよ私がやらないとマサトにも借金することになるよ」

 

「それもそうだな........それにナオミと同居だ........」

 

「そうだね」

 

そう言って、二人は寝ると、マサトは頬を真っ赤にしていた。

 

「(嘘だろ!?嘘だろ!?これって.......!)」

 

同じく、ナオミも頬を真っ赤になっていた。

 

「(男と一緒に寝るなんて........これが世に言う....!)」

 

「「(相思相愛?!)」」

 

二人は心の中で間違った言葉を思いながら、寝た。

 

 

 

 

 

 

翌朝、警報が鳴った。

 

『第一種遭遇警報発令!パラメイル第一中隊出撃準備!』

 

マサトとナオミは直ぐに起きて、スーツに着替え、格納庫へ向かい、集合した。

 

「総員、騎乗!」

 

サリアの掛け声に皆はパラメイルに乗る。マサトはレオスに乗り込み、システムを確認する。それに続き、ココやミランダ、ナオミもグレイブを起動する。

 

「ジャスミンとメイに頼んでおいて良かった.......ようやく、レオスも自由に空を浮遊することが出来る.....」

 

レオスのバックパックに大型のウィングが付けられていた。

 

「サリア隊マサト機、レオス フライトカスタム......box out!!」

 

マサトが叫び、レオスが発進し、ウィングを展開した。

 

「総員、戦闘準備!ドアが開くぞ!!」

 

戦闘空域に入ると、空間に次元のゆがみは発生し、中からドラゴン達が現れた。すると、アンジュ機がドラゴンの群れへと突っ込んでいった。

 

「アンジュ!勝手に突っ込むな!」

 

サリアが命令しても、言うことを聞かなかった。アンジュはドラゴンに攻撃をする。

 

「はああああっ!!」

 

アンジュが突撃しようとした直後、排熱板から煙が上がる。

 

「「アンジュ!!」」

 

ヴィヴィアンとマサトが落ちていくアンジュ機。

 

「マサトお兄ちゃん!アンジュさんが!」

 

アンジュは必死に機体を立て直そうとした時だ。

 

「助けてやろうか?」

 

ヒルダが手を貸そうとしていた。だが、アンジュはそれを拒否した。

 

「くっ!.....失せろゴキブリ!」

 

アンジュはすぐさま駆逐形態に変形すると一体のドラゴンがアンジュに体当たりし、海へと墜落した。

 

「ヴィルキス!」

 

「くそッ!」

 

マサトがアンジュを助けようとしたとき、オペレーターが報告する。

 

『さらにシンギュラー反応を確認!開きます!』

 

上空から、ゲートが開き、中からハンマーヘッド型のブリック級のドラゴン2体が飛来した。

 

「今度はハンマーヘッドのブリック級2体かよ!?」

 

『『ガアアアアアアアアッ!!!!!』』

 

ハンマーヘッド型のブリック級ドラゴンはレオスに向けて、雷撃を放った。レオスは雷撃を回避し、ヴァリアブル・ガンを乱射する。第一中隊画素の隙にドラゴンに止めを刺し、皆の努力の甲斐もあってブリッグ級3体は海に落ちていき、任務も完了した。

 

「何で大型だけレオスに攻撃してくるんだろう.......?」

 

マサトはドラゴンの事を考えていると、ジルが通信を入れてきた。

 

「ご苦労だった。全機、帰投せよ」

 

ジルは第一中隊に帰投命令を出すと、サリアが通信を入れてくる。

 

「あのっ!ヴィル......アンジュ機の捜索許可を頂けませんか?破壊されたわけではないし、今すぐに回収すべきかと」

 

「冗談でしょ、戦闘でクタクタ、燃料もカスカス、なのに痛姫様とポンコツ機を探せってのか?隊長さん」

 

ヒルダの言葉にサリアは考え込むと、ジルが言う。

 

『ヒルダの言う通りだ。後で回収班を出す。中隊は全機、帰投!』

 

「帰るわよ」

 

第一中隊全機は飛翔形態へ変形し、アルゼナルへと戻っていった。するとまだドラゴンの事を考えているマサト機の所にナオミが近付く。

 

「大丈夫だよ、アンジュなら、きっと生きている」

 

「そうだな......っ!(耳鳴り!?)」

 

突然の耳鳴りにマサトはモニターを見ると、第一中隊全員が赤く光っていた。

 

「.......っ!!?(中隊全員!?)」

 

「どうしたの?」

 

するとマサト機は旋回し、シールドとヴァリアブル・ガンを構える。

 

「隊長!俺だけを残して先にアルゼナルへ帰還してください!」

 

「何を言っているのマサト!?戦闘はもう.....!」

 

サリアが通信を入れた直後、オペレーターが緊急報告してきた。

 

『新たに!上空にシンギュラーを確認!』

 

「お前ら......逃げろ!」

 

「え!?」

 

「早く!」

 

『ゲート!開きます!』

 

第一中隊のいる空域の上空からゲートが開き、中から3機の黒い影が現れた。ドラゴンのような形状で、親指と小指が同じ長さに左右対称形で重なり合っていた。1機だけは肩にキャノンと脚部が分厚く、左手にシールドを持っていた。

 

「黒いパラメイル!?」

 

「違う......レオスと同じ図体だ」

 

するとモニターに映っている黒い3機の名前が表示された。

 

 

《KHRONOS》《JILSBEIN》

 

 

「名前は.....クロノスとジルスベイン?」

 

『せ、戦闘区域に未確認機が出現しました!!』

 

すると、クロノスMk-IIは手の平から黄色いビームサーベルを放出し、続けてジルスベインもビームサーベルを放出した。

 

「クククク......この世界にもガンダムがあるのか.........久しぶりだよなぁ!!俺の宿敵っ!!」

 

クロノスのパイロットはマサトのレオスを見て、吼える!

 

「来るッ!」

 

マサトは此方に向かってくるクロノスMk-IIと2体のジルスベインにビームサーベルを突き付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、目を覚ましたアンジュは目の前の光景に驚いていた。両手が縛られており、その横に茶髪の男性が寝ており、良く見ると裸にされていた。

 

「......え? え!?えぇぇぇぇぇぇっ~~~~~~~~!?」

 

「ご!ごめん!念のために縛らせてもらった......」

 

男性はアンジュの側から離れ、アンジュは辺りを見渡した。すると近くの机の上に自分のライダースーツが置いてある事に気付き、男性の方を向く。

 

「君は、どうしてここにっ?、え!?あああっ!!」

 

男性は飲み物を持ったままアンジュの所に近付いた途端、足元に転がっていた空き瓶を踏んづけ転んでしまい、アンジュの股間に突っ込んでしまった。

 

「っ!?」

 

「っ!」

 

二人はその光景に頬を赤くした。

 

「ごめん!これは「いやああああっ!!」ごべっ!」

 

男性はアンジュに謝ろうと謝罪しようとした直後、アンジュは悲鳴を上げ、膝で男性の顔を横蹴りし、さらに腹に足を乗せてから投げ飛ばす。アンジュは直ぐ様縄を切り、ライダースーツを持って洞窟から出て海岸へと向かっていった。

 

「(何なの此処、私....どうして…はっ!)」

 

アンジュは着替えながら今までの事を思い出す。突然ヴィルキスの排熱板から煙が上がり、そこに襲ってきたドラゴンと共に墜落したことを.........そう考えているうちに、アンジュの目の前に砂浜に打ち上げられているヴィルキスがあった。アンジュは直ぐに乗り込み、発進しようとするが起動しなかった。

 

「どうして動かないの!?」

 

アンジュは原因を調べようと、排熱板が焦げており、調べると、中からたくさんの下着が詰め込まれていた。アンジュはヒルダの仕業だと知り、悔しながら下着を破り捨てて踏みつけると、

 

「酷いじゃないか、」

 

「っ?」

 

蹴り飛ばした男性がアンジュ所に向かって来た。

 

「君は、命の恩人に何て事を....」

 

するとアンジュはホルスターからハンドガンを取りだし、男性の足元に目掛けて撃つ。

 

「え!?うわぁっ!!えええええっ!!?」

 

男性は後方に飛び退いて、手を上げる。

 

「それ以上近付いたら撃つわ!」

 

「お!落ち着け!俺は君に危害を加えたりしない!それにもう撃っているし、」

 

「縛って、脱がせて、抱きついておいて?」

 

「え?あ、だからあれは....」

 

「目覚めなかたったら!もっと卑猥でハレンチな事をしてたでしょ!?」

 

「もっと卑猥でハレンチ!?....ハァ、女の子が気を失っている隙に、豊満で形のいい胸の触感を味わおうとか、無防備で、体隅々まで触ろうとか、女体の神秘を存分に観察しようとか、そんな事をするような奴に見える....」

 

男性は火に油を掛けるような言葉を放ち、アンジュはさらに顔が赤くなり、銃を構える。

 

「そんな事をするような奴だったの!!!?何て汚らわしい!この変態っ!!」

 

「ご!誤解だ!俺は本当に君を助けようとってっ痛~い!!ああっ!!?」

 

男性は弁明しようとしたが、足元に蟹が近づいており、男性の足の小指を挟む。男性はあまりの痛さにアンジュの方に倒れ転び、アンジュの股間に埋まってしまう。

 

「っ?!」

 

男は直ぐに離れるが、アンジュは顔を赤くし、男性に睨んだ。

 

「なぁぁぁぁぁぁぁっ~~~~!!」

 

男性は叫び、アンジュは男性に向けて発砲した。しばらくして、

 

「変態!獣!発情期っ!!」

 

アンジュは怒りながら、男性を蔓でグルグル簀巻き状態にして、木に吊して去って行った。

 

「あの~、もしも~し、今のは事故なんだよ~!」

 

男性は弁明したが、アンジュは無視していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンジュと男性に接触した10分前、マサトと第一中隊は謎の敵に襲撃されていた。マサトはビームサーベルを降り下ろすが、クロノスはビームサーベルで防御した。

 

「グッ!コイツ......強い!」

 

第一中隊も2機のジルスベイン苦戦していた。図体がでかいのにとてつもないスピードに追い付けなかった。

 

「速すぎる!本当にこの二機は量産機なのに!?」

 

「それなら、ヴァリアブル・ガンだ!!」

 

マサトはヴァリアブル・ガンを取りだし、クロノスに向けて発砲した。クロノスはレオスのヴァリアブル・ガンを腕で防御すると、ヴァリアブル・ガンのエネルギー弾が雫のように弾け拡散無効化された。

 

「嘘だろっ!?ヴァリアブル・ガンが効いていない!?なら!」

 

マサトはもう一つのビームサーベルを抜刀し、二刀流で斬りかかろうとした直後、クロノスの腰背部の尻尾が分離し、手に持ち、マサトに斬りかかった。マサトは二刀流のビームサーベルで防御し、フライトパックで体制を立て直した。

 

「危なっ!!?」

 

マサトはクロノスの持っている武器に驚く。尻尾のような物は何とソードになっていることに、

 

「あの尻尾.....ソードだったのかよ!?」

 

すると、ソードから高周波のビームの刃が放出され、長刀へとなった。

 

「光の高周波の刃?」

 

すると、クロノスのパイロットふ叫ぶ。

 

「そうよ!これが俺のクロノスの剣!その名も"クロノスソード"だ!!」

 

クロノスはクロノスソードを構え、レオスに突き付けた。




次回......オリジナル機体登場です。

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