クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第6話:白き天使と紅き悪魔の覚醒 後編

 

ドラゴンの追撃部隊はサリア隊長を始めとする、副隊長のヒルダ、ヴィヴィアン、エルシャ、ロザリー、クリス、アンジュ、そしてマサトであった。

 

「お姉様をあんな目に遭わした奴と一緒に出撃!?」

 

「殺す....殺す....ブチ殺す.......」

 

ロザリーは一緒に出撃するアンジュを見て不満を漏らし、クリスは物騒な事を呟く。

 

「死ににいくそうだよ、あの痛姫.....」

 

「何?」

 

ヒルダの言葉にロザリーとクリスは首を傾げる。

 

「見せてもらおうじゃないか、死にっぷりをさぁ!」

 

「おぉ?なんじゃぁ、あの機体!?ねぇサリア!アンジュのパラメイル、ドキドキしない!?それとマサトのも!?」

 

ヴィヴィアンがアンジュの錆び付いたパラメイルとマサトのレオスを見て、興奮していると、サリアが叱る

 

「作戦中よヴィヴィアン」

 

『目標確認!』

 

取り逃がしたガレオン級のドラゴンが海面から姿を現した。

 

「どうする隊長?」

 

「奴は瀕死よ、一気にトドメを刺す! 全機駆逐形態!!凍結バレット装填!!」

 

《イエス!マム!》

 

「了解!!」

 

アンジュとマサト以外、飛翔形態から駆逐形態へと変形し、行き、マサトはレオスのあの姿になろうとしたが、

 

「あれ?あの姿にならない、どうなっているんだ?」

 

『ガァァァァァァァァァッ!!!』

 

「サリア!下からくるみたいだ!」

 

全員は海面から攻撃してくる光線に慌てて回避したが、ロザリーとクリスのグレイブとハウザーは被弾してしまった。

 

「こんな攻撃してくるなんて......過去のデータには無い....!」

 

サリアは混乱していると、エルシャが必死に指示を仰ごうする。

 

「サリアちゃん!あなたは隊長なのよ!しっかり!」

 

「か、回避!」

 

ガレオン級のドラゴンがサリアに迫ってくると、マサトのレオスがガレオン級のドラゴンの前に立ち塞がり、拳を握り締め、ガレオン級のドラゴンを殴った。

 

「射撃武器ないからなぁ!ちきしょぉぉぉぉっ!!」

 

マサトはドラゴンの首を掴み、殴り続けると、アンジュ機がこっちに近付いてきた。

 

「ちゃんと死ななきゃ.....」

 

「あいつ、本気で死ぬ気...?」

 

ヒルダだけではなく他の皆にはそのような行動を取っているようにしか見えなかった。

 

「いけない.....もう一度ちゃんと......これで、さよならできる....」

 

死ぬ覚悟ができていないのか単に怖いのか回避行動を取っている。マサトはアンジュを見ていると、ドラゴンは尻尾でレオスの首に巻き付き締め始め、アンジュ機を捕まえた。

 

「ヒィッ!」

 

「不味い!.......頼むレオス!.........」

 

レオスは必死に巻き付いた尻尾を外そうと、したが、ドラゴンはアンジュ機を睨む。するとマサトの額にある傷が光だし、同時にアンジュは庇ってくれた母親の形見でもあるソフィアの指輪を見て、母親の言葉を思い出す。

 

『生きるのです、アンジュリーゼ。どんな困難が待っていようとも.......』

 

思い出した直後、ドラゴンがアンジュに食いかかろうとした。

 

「いやあああああああああああああああああああっ!!!!」

 

アンジュの頭から出ている血が指輪に付着すると、指輪が光だし、、ヴィルキスも光だした。ドラゴンは光で目が眩むと同時にマサトやレオスにも異変が起きた。マサトの額にある傷が開き、鷹のような瞳を持った第三の目が浮かび上がると、レオスの部位が黄色く発光し、アンジュの方はヴィルキスの機体から埃と錆がはがれて行き、駆逐形態へと変形した。背部の青き翼、金色の間接部、純白の装甲に、頭部に女神像のような物が飾られていた。

 

「レオスの部位が黄色く光ってる......!?」

 

すると、レオスの手にはいつの間にか純白の盾と小銃を持っていた。マサトは驚くとモニターに武器の名前が出てきた。

 

「"ヴァリアブル・ガン"とシールド.......これなら!」

 

マサトはヴァリアブル・ガンを発砲すると、銃口からビームが発射され、ドラゴンの皮膚を焼き付く。それと同時にアンジュはヴィルキスを旋回しながら、ドラゴンに向けてアサルトライフルを乱射する。

 

「死にたくない…死にたくない!」

 

ドラゴンはバリアを展開して、レオスとヴィルキスの攻撃を防ぐと、アンジュが吼える。

 

「死にたくないいいいいいいいい!!」

 

すると、ドラゴンは翼から無数の光弾の放ち、アンジュ機とマサト機を向かうと、アンジュはヴィルキスを飛翔形態に変形し、回避する。マサト機は背部にマウントされていたビームサーベルを持ち、手を回転しながらビームサーベルのシールドを作り、光弾を防ぐ。そしてアンジュは駆逐形態に変形し、零式超硬度斬鱗刀『ラツィーエル』を抜刀した。

 

「お前がっ.....!」

 

「アンジュ、行くぞ!」

 

マサトとアンジュはドラゴンへ向かい、ヴィルキスのラツィーエルがドラゴンの頭部に突き刺さり、レオスの二刀流のビームサーベルが胴体に突き刺さり、血が吹き出す。さらに追尾していた光弾も胴体に直後し、傾く。

 

『ガァァァァァァァァァッ!!!』

 

「お前が死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

最後にアンジュが吼え、止めの凍結バレットを心臓に撃ち込み、氷塊がドラゴンの体を覆った直後、マサトの両目が金色に光りだした直後、脳に激痛が走ってきた。

 

「グッ!!」

 

すると、何処からか誰かの吠え声が聞こえた。

 

『己れぇっ!!白きラグナメイルゥゥゥッ!!双極の紅い悪魔めぇぇぇぇぇぇ~~!!!』

 

「えっ....?!」

 

マサトとアンジュはビームサーベルとラツィーエルを回収し、ドラゴンは海へと沈んだ。

 

「こんなの.....私じゃない....殺しても生きたいなんて.....」

 

アンジュは泣き崩れ、マサトはさっきの声に疑問を抱いていた。

 

「今の声って?.........白きラグナメイルはヴィルキスの事?.........それにレオスの事を"双極の紅い悪魔"って.........どう言うことなんだ?」

 

マサトは考え込むと、額の目が閉じ、元の傷へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰還後、メイがレオスを見ていると、マサトがやって来る。

 

「やっぱりおかしいなぁ」

 

「何が?」

 

「うん、レオスの事なのよ.........あの時の戦闘で姿が変わったでしょ?」

 

「あぁ........それが?」

 

「それらしい部品を取り付ける物が無いんだ.....」

 

「え?」

 

「普通、パラメイルには改造用のシステムや部品を取り付ける装置があるの.......でもレオスにはそれらしい物が全くないの.........」

 

「そうなんだ...........」

 

「エクストリームガンダム タイプ・レオス..........全くもって謎の機体だよ..........フレームも装甲も武装もシステムも見るからに私達の技術を上回っているの.......」

 

「そうか........」

 

マサトはレオスの頭部を見ると、確かに悪魔と思わせるアンテナとツインアイが輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌朝、マギーの医務室で......

 

「あれ?......私どうなったんだけ?」

 

ピンク色のトリプルテールをした少女が目を覚ますと、

 

「気が付いたようね、気分はどう?」

 

マギーとエマ監察官が、少女に容態を確認する。

 

「マギー先生......テストはどうなったんですか?、それとドラゴンも......」

 

その少女は今、一ヶ月後から目を覚ますのであった........

 


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