マサトとナオミが帰還する数分前の事、アンジュは完全に疲れ切った状態で床に倒れ込んでいた所にサリアが入って来た。
「不様ねアンジュ」
「サリア.....」
アンジュは何とか目を動かし、サリアの方を見る。
「ネロス様に歯向かうからよ.....馬鹿」
「馬鹿はあなたの方よ、あんなゲス男に心中しちゃって」
「私にはもうネロス様しか残ってないもの、でもあんたは違う......ヴィルキス、仲間、自分の居場所…何で持ってる」
サリアはアンジュがどれだけ恵まれている事に羨ましがっていた。そしてサリアはアンジュの方を向く。
「出て行きなさい、エンブリヲ様が戻ってくる前に…。抵抗を続ければその内心を壊されるわ、それでも良いの?」
「!?」
アンジュはサリアの行動に見開いて驚きを隠せない。
エンブリヲに忠実であるサリアが自分を逃がすなんて考えられなかったからだ。
「別にあんたを助ける訳じゃないから」
「えっ?」
「不様なあんたを見たくないから」
そう言い残して出て行くサリア。
一方、達はアケノミハシラでラグナメイルを使い、アウラのエネルギーである事をしようとしていた。
ネロスはダイヤモンドローズ騎士団の皆を見て言う。
「諸君、揃ったな。ん?サリアはどうしたのだい?」
「それが何処を探しても見かけていないのです、それとエース......お父さんは?」
っとジョアンヌがそう言い、ネロスは「エースなら別の任務を全うしている」とそう言い、ホログラフィック端末を展開させる。
「仕方ない、最終段階の準備をしよう」
ネロスがそうしている一方、アンジュがサリアの首を絞めて、サリアが苦しむ。
「ありがとうサリア、これは助けてくれたお礼よ…! 逃がしたより逃げられた事にしておいた方が罪は軽くなるでしょ.....!!」
「余計な....お世話よ....!この.....筋肉....バカ」
そう言い残した後にサリアは意識を失い、アンジュはサリアを寝かせて呼吸を整えていると。
「大した小娘だ.......」
「っ!?」
アンジュは後ろを振り向くと、そこにいたのは全身血だらけのエースであった。
「あなた!?どうしたの、その傷!?」
「.....ネロスだ」
「え!?」
「私と娘は......利用された.......弱みを握られていた......あの怪物に....」
エースはそう言うと、あるものを取り出し、アンジュの方へ投げ渡した。アンジュはそれをキャッチし、開けてみる。
「これ!?」
それは、奪われた筈のアンジュの指輪であった。
「持っていけ......ヴィルキスを動かすために......それと......」
エースがまたアンジュに何かを投げ渡し、それをアンジュがキャッチした。
「これって!?」
それはアンジュの指輪と同じであったが、翡翠の宝石ではなく、赤い宝石であった。
「それはかつて........アレクトラが使っていた指輪だ........それをマサトに......」
エースはそう言うと、何処かへ向かおうとする。
「何処に行くの?」
「.......まだ奴との決着が着いていない.......私を利用したあの泥棒の王に人間の底力を見に染みてやるのさ......」
エースはそう言い、傷を抑えながら向かっていった。
アンジュは取り残されているとモモカがやって来た。
「アンジュリーゼ様!」
「モモカ!」
一方、ネロスは永遠語りで準備を進めていた。
「♪~♪~♪~」
それぞれのラグナメイル、そしてネロスのラグナメイル『ヒステリカ』の目が光だし、その上で立っていた円卓代から魔方陣が浮かび上がる。
「総員、アケノミハシラを守れ!」
《イエス!マスター!》
エルシャ達はそれぞれのラグナメイルに乗り込む。ネロスは端末を見ると、ダイアモンドローズ騎士団の服を取られたサリアが気を失っている画像を見つけ、舌打ちをする。
そして追跡部隊のエルシャとクリスを回す。
一方、アンジュはモモカに支えられながら宮邸の外に出る。
『何処に行くの?アンジュちゃん』
「「!!?」」
二人は空からやって来た追跡部隊であるエルシャに発見されてしまう。
「ネロスさんが探しているわ、戻りましょう」
アンジュは再びネロスに捕まる訳には行かない、あんな苦しい思いをするのは二度とゴメンだった。
「走れますか?アンジュリーゼ様」
「ええ!」
そう言ってアンジュはモモカに引っ張られながら走り出して、それにはエルシャは困った表情になる。
「あらあら、仕方ないわね」
エルシャはすぐさまレイジアをアンジュの方に向かわせ、それにアンジュ達は逃げているとアンジュの指輪が光り始める。
するとアケノミハシラにあるヴィルキスが起動して青色に変化する、そしてアンジュの元にジャンプしてアンジュ達の目の前へと現れる。
それに追跡していたエルシャとクリスがヴィルキスの登場に驚く。
「「ヴィルキス!!」」
アンジュはすぐさまヴィルキスへと乗り込み、すぐにモモカに言う。
「モモカ!乗って!!」
「はい!!」
乗り込んだアンジュ達はすぐさまヴィルキスを動かして逃げ始める。
エルシャとクリスはすぐさま追いかけえる。
「クリスちゃん!!」
「分かってる!逃がさないよ…アンジュ」
そして二人はアンジュ達に攻撃を仕掛け、アンジュ達はその攻撃を何とかかわしながら逃げ続ける。
「アンジュリーゼ様!」
徐々に追跡部隊が集まって来てアンジュに逃げ場が無いと感じた時だった。
空から異常な空間変異が現れ、そこから龍神器達が現れる。
「借りを返しに来ましたわ!」
「サラ子......!」
サラ達が助けに来てくれた事にアンジュは驚いていたのであった。
そして、マサトとナオミはミスルギ皇国から約36㎞の成層圏を飛んでいた。そして下にはミスルギの中枢であるアケノミハシラが見えていた。
「ナオミ、Gコンドルの操縦を頼む」
「マサトは?」
「ここから降下する♪」
マサトはそう言い、Gコンドルからレオスに乗り移る。そしてGコンドルのアームと連結していたレオスが切り離され、マサトはレオスで自由落下する。
「レオス......奴等を痛め付けれるのはお前だよなぁ...........父さんから貰った力.......存分に使わないとね♪」
マサトはレオスに呟き、 操縦桿を握り締めながら言う。
「奴等に見せて殺ろうぜ........俺達が揃って力を合わせたら........何れだけ残酷で残虐かを!!........【HADES】(ハデス)!!」
【HADES】!
(Hyper Animosity Detect Estimate System)
ウィィィィィィィン!!!!ボ バ バ バ バ ババ バ!!!
コックピット内で少女の不気味な笑っているかの様なシステムボイスが鳴り響く。モニター画面に「HADES発動」と表示され、システムボイスと共にHADES起動音が鳴り起動していくと、システム起動中に画面左右が赤い半透明のハニカム状の模様によって塞がれ、視野が狭くなり、頭部カメラが赤く発光し、各部排気口が強制排気により赤熱化した。
「『『さぁ!奴等に本当の悪魔の力を見せつけてやろうぜ!!』』」
マサトとレオスからマサトのボイス、そして少女の笑い声が共に呟き、深紅の目を光らせるレオスがアンジュ達のいるアケノミハシラ近くの宮邸へ降下して行くのであった。
さぁ!マサトにとって楽しい♪楽しい♪戦いが始まります♪