クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第41話:謀反

マサトとナオミが戻ってくる数分前、アウローラの船内にいるアストラがタスク達を呼び集める。それは、ジルの事であった。アストラはジルの事を皆に話した。

 

冷たい言葉にジルは思わず黙り込み、そしてもう逃げ場が無いと確信して、ようやく観念した

 

「....ああそうだ、私は操られた.....ネロスの人形だった.....」

 

ジルの言葉にジャスミン達は驚き、その場にいたメイも驚く。

アストラは目を細め、オルトは腕を組んでジルを見ながら言う。

 

「何故、あの奴の人形にされていたんだ.....」

 

「.....私はあの時、リベルタスを行い.....ネロスを殺そうとした。だが奴に身も心も憎しみ....全てを奪われた。誇りも使命も純潔も.....。

ああ…怖かったよ。リベルタスの大義....ノーマ解放の使命.....仲間との絆、それが全部.....奴への愛情、理想、快楽へと塗り替えられていった。何もかもあいつに踊らされていると感じたんだ....。」

 

それを聞いたアストラ達、マギーは腕を組んだまま問う。

 

「何で黙ってたんだ.....」

 

「フッ、どう話せばよかったのだ? ネロスを殺しに行ったが....逆に奴に惚れましたとでも言えるのか? 全て私のせいさ......リベルタスの失敗も仲間の死も全部…、こんな汚れた女を救う為に皆、死んでしまった…!!」

 

「そんな....そんな!!」

 

メイはとても残酷な事実を知って、自分の姉であるフェイリンの死がジルに当たる事に困惑していた。

 

「私に出来る償いはただ一つ.....ネロスを殺す事だ。今頃奴は新しい玩具で遊んでいるだろうな」

 

「新しい玩具.....?」

 

マナミアはジルの言った事に頭を傾げる、アストラは既に分かっていた....ジル言った意味が。

 

「…アンジュの事だな?」

 

「「!!?」」

 

「そうだ、奴はアンジュを徹底的に落とすつもりだ....。道具として.....自分の快楽の為にな」

 

ジルの言葉を聞いて、オルトとマナミアと鬼の大将はネロスのやり方に絶句する。

まだ16歳の少女を自分の快楽道具として使う事に、誰も考えなかった事だろう....。

 

「それでアンジュさんを道具として使おうとした所を逆に奪われた......と言う事ですね」

 

「ああ、利用するつもりだった。勿論、此処の皆もそうだった」

 

っとそれを聞いたジャスミンとマギーは驚く、自分達を使い捨ての道具としていたジルの言葉を聞いて。

 

「だがそれをいとも簡単に潰された…、馬鹿王子であるマサトによってな....」

 

パンッ!!

 

ジルの頬にマギーの平手打ちが放たれ、それにジルはただ黙ったままマギーを見る。

 

「私はあんただから一緒に来たんだ、あんたがダチだからずっと付いて来たんだ....それを利用されていただなんてさ....!」

 

それにはアストラ達は何も言わずに見届け、ジルは何も弁護なく黙った。

 

「何とか言えよ!アレクトラ!! なあ!!!」

 

「もう、そのくらいにしときな、マギー....」

 

「....チッ!」

 

マギーは舌打ちをしてその場を離れ、ジャスミンはジルと面と向かい合う。

 

「知っちまった以上、あんたをボスにはして置けない。指揮権を剥奪する....いいね?」

 

「....あぁ」

 

ジルはジャスミンによってアウローラの指揮権及びノーマ達リーダーの座を失った....。それも大きな傷跡を残して。

 

「そんな事があったんだ...アレクトラに」

 

タスクはアストラ達の話を聞いて辛く....悲しい表情をする。

 

「それで、このアウローラの指揮は誰が務めるんだ?」

 

「この艦は我々の指揮下に入りました。しかしこれは好都合です、互いの目的は一つ....ネロスの野望を阻止する者同士が此処に集まったのですから」

 

そうアストラは言うが、ヒルダとロザリーにとっては少々痛い言葉でもあった。

 

「後はマサトとナオミが戻ったら良いんだけどな....」

 

「ああ、あいつ等が居なきゃ始まらないからな....」

 

マティス達はマサトの居ない事に呟いていると…。

 

「....マサトなら戻って来るよ」

 

タスクの言葉マティス達は振り向き、タスクは頭に巻いている包帯を取る。

 

「マサトは必ず来るよ、必ずね....」

 

そう笑顔で言うタスク、それにはヒルダとロザリーは顔を見合う。

その中でリクト達はタスクの考えに頷き、それに同意するかのように拳をぶつけ合う。

 

「そうだな、あいつなら絶対に来る」

 

「ああ、信じよう」

 

マティス達が言った事にタスクは笑みを見せる。するとアストラは決意する。

 

「.......(成長したな.....タスク.....マティス達も......良し!)お前ら.....見せたいものがある。ノアの研究室まで付いてこい。」

 

アストラはそう言い、アウローラとノアを連結させ、タスク達をノアの研究室に足を踏み入れた。そこはあらゆる科学者が薬や放射線を受けたローゼンブルムの民を治療していた。そしてアストラは檻の中にいるかなりのロープや鎖で縛られている一人のディーラトルーパーを見せる。

 

「アストラさん、コイツって!?」

 

「そう、ディーラトルーパーだ......それで、これが!」

 

アストラはディーラトルーパーの首を掴み、地面で抑え付ける。

 

「ディーラトルーパーの正体だ!」

 

アストラはディーラトルーパーのヘルメットを外した。

 

《っ!!?》

 

皆は驚く。何故なら、ディーラトルーパーの素顔......あらゆる所が傷だらけ、肉は腐り、骨が断ち、眼は白く、歯は汚れているがその代わり鋭くなっており、かお表面に赤筋と青筋が浮かび上がったゾンビであった。

 

「何じゃこれ!?」

 

「これが......ディーラトルーパー....!?」

 

「そう、正確に言えばコイツは...."ゾンビ兵"だ。ネロスは死者を使って、自分の兵隊にしている......その中には生きたまま改造させられた者達もいる........」

 

アストラはそう言うと、ナイフで自分の指に傷を付け、血を流した。すると血の匂いでゾンビ兵がアストラに襲い掛かろうとするが、鎖とロープで身動きが取れなかった。

 

「コイツ等は血の匂いや音で動いている。しかも噛まれれば体内で奴等の細胞で感染され、奴等の仲間入りだ.....」

 

「何でこんな風に!?」

 

ガイが問うと、アストラはあるものを見せる。それはアルゼナルの写真であったが、島と一体化している物であった。

 

「サラの世界に存在する第二のアルゼナル.......その名も『ナチュラル』だ」

 

《ナチュラル.....?》

 

「1000前に存在した研究所で、現在は廃墟になっている......何故だか、分かるか?」

 

タスク達は首を横に振る。

 

「廃墟になった原因は......コイツだ」

 

アストラがゾンビ兵に指を指す。

 

「たくさんのゾンビ兵がナチュラルに万永したと同時に、ナチュラル内は燃え上がり、潰れた。このゾンビと共にな.....」

 

「けど!そんな1000前の化け物がどうして!?」

 

「それは、分からない.....一体何が起こってゾンビが湧いたのか......だけど、これは言える....我々が戦っているディーラは....."1000年前の遺物"って事だ。」

 

衝撃の事実に、タスク達は戸惑う。

 

「念の為、サラ達のいる部隊にナチュラルの所在の捜索と資料の回収を行っている.......そこでブラックボックスが手に入れば.......」

 

「ブラックボックス?」

 

「トリスタン連邦やハデス、貴族連合でも解析が出来ないデータのコアの事だ......多分、その中にナチュラルで起こった映像があると思うんだ。それを見れば.....」

 

「1000年前のナチュラルの悲劇が分かるって言うこと?」

 

「.......そう言うことになる」

 

アストラの言葉に、皆は考えていると、

 

「ジュライ皇帝陛下!休んでいてください!」

 

「構わん!」

 

「まだ、動いてはいけません!傷が開きます!」

 

ハデスの医師と領邦衛生士が何かを揉めいていると、現れたのは、アンジュの父であるジュライ・飛鳥・ミスルギであった。

 

「ジュライ皇帝陛下!」

 

「え!?ジュライって.......アンジュさんの!?」

 

「あぁ......話はオルトとアスバーンから聞いている.....アンジュが.......あの堕天使に連れ拐われたのだろ.....」

 

「えぇ、」

 

アストラやタスク達が落ち込むと、ジュライが檻の中にいるディーラトルーパーを見る。

 

「...........コイツはディーラトルーパーか?」

 

「そう.....ですけど...?」

 

するとジュライが側にいたハデス兵士のホルスターからハンドガンを奪い取り、アストラ達に向ける。

 

「下がれ!」

 

《っ!!?》

 

アストラ達は手を上げる。

 

「何をなさるのですか!!?」

 

「コイツがディーラトルーパーであり、ゾンビ兵なら.......やることは一つ!」

 

するとジュライはゾンビ兵がいる檻の中に入った。

 

「陛下!」

 

「私の事は構わん!」

 

「どうするつもりですか!!?」

 

「私はディーラトルーパーに接触している......噛まれわせん!」

 

するとゾンビ兵が起き上がると、口からアニサキスの様な寄生虫が出てきた。

 

「ウゲェ!?」

 

「何だ......あれは!?」

 

アストラ達が緊張が高まると、寄生虫の口が伸び、猛スピードでジュライの首に噛み付いてきた。

 

「グッ!!!」

 

「陛下!」

 

するとジュライの瞳が十字架の形へと変わり、ゆっくりとアストラ達の方を向く。アストラは緊張が高まり、ジュライに話し掛ける。

 

「陛下.......?」

 

「....コノ、愚カ者...意識....乗ッ取ッタ......」

 

突然、ジュライから別の声が発せられた。

 

「何だ!?」

 

「......恐らく、あの寄生虫だろう.........我々の、声が分かるか?」

 

アストラは寄生虫に質問する。寄生虫はジュライで翻訳する。

 

「偉大ナル...ネロス.........世界ヲ救ウ......」

 

「何故、世界を救う?やっていることが無茶苦茶だろ!」

 

「人間......ゴミ........ノーマモ....ドラゴンモ.....全テ...ゴミ....消去.......消去........」

 

「お前達の狙いは!?お前達ディーラは一体何者なんだ!?」

 

「....狙イ...体....欲シイ....体.....欲シイ.........」

 

するとそこにオルトとマナミア、鬼の大将、ハデス兵士や領邦兵士がブラスターライフルと銃剣を構えていた。するとオルトがあることを言う。

 

「聞きたいことがある!ずっと前、ユリウス総統が言っていた"歩む者"と"導く者"って何なんだ!?」

 

その直後、寄生虫が暴れだし、ジュライの首を噛み付いたまま、首を絞め始める。

 

「まずいぞ!まずいぞ!」

 

「このままだと殺される!!」

 

「AXE!.......黒ノ天使!......AXE!......黒ノ天使!......AXE!....... 黒ノ天使!!!!」

 

「アグゼ...黒ノ天使...?」

 

寄生虫は謎の言葉『AXE』と叫ぶ。兵士達がブラスターライフルや銃剣を撃ちまくる。

 

「殺せ!!」

 

寄生虫はジュライを離し、伸びた口で兵士のブラスターライフルを奪い取り、撃ちまくる。

 

「俺が行く!」

 

アストラはホルスターからマグナム式ブレードガン二丁を持ち、奪い取ったブラスターライフルを撃ちまくるトルーパーの後ろに回り込み、トルーパーの頭部を突き刺した。

 

「キィーーーーーーーッ!!!!!!」

 

ゾンビ兵が倒れ、口から50㎝もある寄生虫が這い出てきた。寄生虫は苦しみながら、開いている出入口へ向かおうとするが、アストラは逃さなかった。

 

「化け物が!!」

 

アストラはブレードガンを突き付け、連射する。

 

「陛下!」

 

オルトが気を失っているジュライに駆け寄る。

 

「衛生!」

 

オルトが医師や衛生を呼び掛け、ジュライを運び出す。アストラは寄生虫を殺し終えると、タスクが声を掛ける。

 

「アストラさん......」

 

「......."AXE"(アグゼ)」

 

「さっきの寄生虫が言っていた事ですか?」

 

「あぁ......AXEとは何なのか、これが何を意味しているのか.........」

 

アストラは殺した寄生虫の死体を見る。するとタスクがあることに気付く。

 

「そう言えば、アイツ......"黒の天使"も言っていましたね?"黒の天使"....."黒の天使"..............モビルアーマーの事じゃないでしょうか?」

 

「分からない......AXEと言うのが黒の天使の可能性も高い........一体何を......」

 

するとヴィヴィアンが答えた。

 

「もしかして!サリアの機体の事じゃない?」

 

「まさか、確かにあれは黒い天使、しかもラグナメイル...天使があんな風に小さく「嫌、待て........ヴィヴィアンの答えがヒントかも知れない」..........え?」

 

「考えてみろ?ネロスはどうしてイクスでやって来た?何故、自分のラグナメイルを使わないのか?何故、マサトの幼馴染みであるジョアンヌにそれを託した?」

 

「.......確かに!」

 

「つまり、黒い天使って言うのは........!?」

 

「あぁ.....奴のラグナメイルの事だ!」

 

誰もが驚き、それを聞いていた研究者達は背筋を凍らせていた。

 

 

 

 

ミスルギ皇国、その頃アンジュは....。

 

「うあああああああ!!!!!!!!」

 

何やらとんでもない事になって居た、アンジュは生まれたままの姿で何やら床に転がりながら暴れまわっていて、それをネロスは眺めていた。

 

何故アンジュはあんな事になっているのか、それはネロスがアンジュの感覚と痛覚を全て快感へと変化させていて、それにアンジュは苦しめられていた。

ネロスは感覚と痛覚を全て変える事が出来る、彼はそれを使ってアンジュの心を徹底的に落とそうとしていた。

 

そしてようやく快感である呪いが解けて、アンジュは息荒らした状態で床へと倒れ込む。

ネロスはアンジュの側により、アンジュを見ながら問う。

 

「どうだいアンジュ、これで僕の妻になる気はあるかい?」

 

っとそれにアンジュは息荒らした状態で、ネロスを睨む。

 

「ぜ....絶対.....に.....アンタの…...妻に...は...ならな...い!くたばれ!...クズ...野郎!!」

 

アンジュのとても強い心の強さはネロスの感覚変化さえも折らせる事は出来ない、しかしネロスはため息を少し出しながらアンジュを見る。

 

「はぁ…、やれやれ、全く困った子だ.....君は♪」

 

そうネロスは指でアンジュ頭を突き、アンジュに再び快感の感覚を味あわせる、それも次は強烈な物を浴びせて…。

 

「ああああああああああああああ!!!!!熱いいいいいいいい!!!!!!!!」

 

アンジュは再び転がりまくりながら暴れ、ネロスはその部屋を出ようとした時だった。

 

「タスク.....!!!」

 

「ん?」

 

ネロスはアンジュの言った言葉に思わず振り向き、アンジュは目に涙を流し絶えながらタスクの名を言う。

 

「助けて...!!タスク…....!!!」

 

「(タスク......あの旧人類の青年か........早いとこ、潰しておかないとなぁ......)」

 

ネロスはそう思いながらその部屋を出て行く。するとそこにエースがやって来る。

 

「ネロス様.....約束です。妻を.....アリーシャを生き返らせてください...」

 

「.....おぉ、そっだったな♪」

 

ネロスはアウラが囚われている地下へ、エースと一緒に行く。するとそこには呪符が張られており、ディーラトルーパーが一般の女性を取り抑えていた。

 

「始めよう♪」

 

っと、ネロスはそう言い、呪文を唱え始めた。すると取り抑えていた女性が暴れだす。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

すると呪符が燃え上がり、女性の腹に不気味な人のような顔が浮かび上がる。さらに、地下なのに風が吹き荒れる。

 

「今ここに、魔界転生にて転生されよ!」

 

するとネロスが首から十字架が光、女性の腹から血が噴き出した。

 

「!?」

 

女性の腹から、細い手が伸び、肉を破り、エースの妻であり、ジョアンヌの母のアリーシャが復活した。

 

「アリーシャ!」

 

エースがアリーシャに駆け寄る。

 

「アリーシャ.......アシュフォードだ」

 

「......アシュフォード」

 

「そうだ!お前の夫のアシュフォ.....グッ!?」

 

突然、アリーシャがエース....アシュフォードの首を絞め付ける。

 

「アリーシャ!.....何を!?」

 

アリーシャはゆっくりと顔を上げた。

 

「っ!!」

 

アシュフォードは恐怖する。アリーシャの目が黒く染まっており、口が耳まで裂け、口の中は黒く、何もなく、笑っていた。

 

「ネロス様!......どう..言う...事だ!?....アリ.....シャが!.......」

 

「あれ~?言ったじゃないか、君の妻を生き返らせてくれって......良かったじゃないか、愛する妻と再会出来て♪」

 

「だ!.....騙し.....た...な!!」

 

「騙していないよ♪それが死者なんだから♪」

 

「クッ!!」

 

アシュフォードはアリーシャの顔面を殴り、ネロスにナイフを突きつける。

 

「化け物め!私と娘を利用したな!」

 

「フフフ」

 

するとアシュフォードの後ろから、ジャッジメントガンダムが現れ、頭部のビームバルカンを乱射する。アシュフォードはその隙にジャッジメントに乗り込み、ビームライフルとシールドを構える。煙が晴れると、そこにはネロスが居なかった。

 

「何処だ!!?何処にいる!!?」

 

『ハハハハハハ......エース君、君は本当に馬鹿だね、忘れたのかな?私は天使だって......』

 

何処からともなく、ネロスの声が辺りに響く。

 

「違う!天使の面を被った化物だ!!」

 

「化物?.....僕が?違うなぁ.......そこはこう呼べ....」

 

するとジャッジメントガンダムが転移されて、何処か違う世界に転移された。そこは結晶が成り立つ世界であった。

 

「何だここは!!?」

 

「フフフ♪脅えてるな?.....よっぽど僕が怖いんだ。」

 

『極限殲滅形態!ディストピア・フェイズ!!!』

 

するとアシュフォードが立っている結晶で出来た大地から、紫色の巨大なモビルアーマーが現れた。六本の巨大な足、間接部に砲台、そしてその中心点がガンダムと思わしき巨大な頭部があった。

 

「何だ!!?このモビルアーマーは!!?」

 

「モビルアーマー?......違うね、これもエクストリームガンダムなんだよ♪」

 

「何っ!!?」

 

アシュフォードが驚くと、エクストリームガンダム ディストピア・フェイズが浮遊し、各部の砲台をジャッジメントガンダムに向ける。

 

「虚無の楽園にようこそ!エースよ!!」

 

ネロスはそう言い、エースとの戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンジュの帰りが遅いと感じたモモカはミスルギ王家の地下を調べてアンジュを探していた。

 

「アンジュリーゼ様ー!何処ですか?!」

 

その時、叩く様な音がした。

 

「??」

 

何やらムチの音がしたのをモモカは振り向き、その場に向かう。

その場には裸のまま吊るされたリィザの姿が居て、それをシルヴィアがムチでリィザを痛みつけていた。

 

「全く!何て汚らわしい! そこで反省していなさい!!」

 

そう言ってシルヴィアはその場から離れて行き、隠れて見ていたモモカはすぐさまリィザの元に行き、彼女を解放する。

下ろされたリィザはモモカに水を渡されて、それを飲み干すとモモカを見る。

 

「.....どうして、私を」

 

「.....ジュリオ様と一緒に、アンジュリーゼ様を貶めた事....忘れはしません」

 

アンジュの誕生16年祭の時に彼女をノーマと暴露し、そして彼女に酷い仕打ちをしたことを忘れはしないと言うモモカ。

 

「だから.....アンジュリーゼ様に謝ってください。それまでは絶対に死んでは駄目です」

 

っとアンジュに謝罪を申し込むモモカ、それだけの思いにリィザの目に涙が浮かび上がって来る。

自分がどれだけアンジュに酷い事をしたとは言え、だた謝れと言うだけで死んでは駄目だと言う事を言われれば、涙を流さない者はいない。

 

「.......皇宮西側の地下、皇族専用シェルター.....彼女はきっとそこに居る」

 

それを聞いたモモカは有力な情報を手に入れた。モモカはすぐにリィザを隠れる場所へと案内した後アンジュの元へとすぐに向かった。

 

 

 

 

 

一方、マサトとナオミはGコンドルでミスルギ皇国へ向かっていた。

 

「皆.....大丈夫かな?」

 

「大丈夫よ、アストラやヒルダ達がいるから♪」

 

「........ナオミ、何時の間に兄さんの事を呼び捨てするようになった?」

 

「えぇ!!?」

 

「......ま、良いか♪何れ俺達の義理のお兄さんになるし、」

 

その直後、回避アラームが鳴る。

 

「「っ!?」」

 

雲を抜けると、目の前にミスルギ皇国の海岸沿い近くに、ディーラ艦隊やミスルギ皇国艦隊が対空ミサイルを発射してきた。マサトは急いで回避行動を取り、フレアを放出する。

 

「ナオミ!敵艦の数は!?」

 

「アルゴス級が6隻!ミスルギのが8隻!」

 

「なら、援軍を使うか!」

 

「援軍?」

 

「メモリアルキーに入っていた全てのモビルスーツのデータをレオスの特殊機能である【ロードタクティクス】を発動させるんだよ♪」

 

マサトはそう言い、コンソールに表示されているガンダムの一覧を見る。

 

「敵を早めに殲滅したいからなぁ.......コイツと、コイツ......後、コイツだ!」

 

するとGコンドルの回りに3つの光が現れた。現れたのはガンダムサバーニャ、ストライクフリーダムガンダム、ベルティゴであった。

 

「ライフルビット、シールドビット!スーパードラグーン!ビット展開!!」

 

サバーニャの腰部からライフルビットとシールドビット、ストライクフリーダムの翼からスーパードラグーン、ベルティゴも腕部からビットを射出する。マサトはニュータイプとイノベイターの脳波で三機をコントロールし、叫んだ。

 

「全機!攻撃開始!!」

 

それぞれのオールレンジ兵器が一斉に飛んでいき、次々とディーラ艦隊やミスルギ皇国艦隊をあっさりと撃沈していく。

 

「ふぅ~!ざっとこんなもんよ♪」

 

本来有るべきのマサトに戦艦はヒヨッコを相手している物であり、ナオミは唖然していた。

 

「ナオミ?」

 

「え!?ご、ごめん!あまりのあっさり感だったからつい......」

 

するとサバーニャ、ストライクフリーダム、ベルティゴが消え、コンソールの一覧に戻る。

 

「さぁて!今日こそジョアンヌの尻をひっぱ打いて殺るぜ!!!」

 

マサトは張り切りながら、Gコンドルの出力を最大に上げ、ミスルギ皇国に侵入した。

 


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