アルゼナルから帰還したマサトはアルゼナルで起こった事を諒に話す。
「そうか、桐山が......まさか、アイツだったとは......」
「知ってるの?」
「あぁ、私と共に、エクストリーマー計画に賛同してくれた人物であった。それは優秀な奴で、認めるくらいの良い奴だった.....」
「だった?」
「ところが......アイツはエクストリーマー計画に、生者を使って死者を蘇生しようとしたんだ....」
「生者を?」
「そうだ........今こそ、話そう.......エクストリーマー計画の全貌を.......」
エクストリーマー計画.......それは魔界転生と言える呪術で、死体とその死体の生まれ変わりを融合させ、完璧な人間にする計画。来世の者が前世の者の素質を移値し、強大な能力を発揮できて、人権、治安問題を解決することも出来る。ところが、逆に違う生者と死体だと、生者の体から死体が復活し、他人や女性、子供までも襲ってしまう欠陥があった。しかもその復活した奴の脳にナノマシンを組み込めば、その人物の言うことを何でも聞ける。
「恐らく、桐山は兵士達に、副作用のあるナノマシンをいれたんだろう........それでゾンビになったんだろう。」
「それで?」
「私は反対して、学会から追放したんだ。それからは分かるだろ?」
「.......大門寺 真人が....殺された。」
「そう、子供を庇ってな。」
「その子供は?」
「今も生きている....彼もエクストリーマー計画に賛同してくれた人物であったからなぁ......しかも、結婚してる。名前は.......『オルト』と『マナミア』だ」
諒の放った二人の名前に、マサトは驚く。
「えぇ!?」
「知っているのか?」
「俺を........育ててくれた人物です。」
「!........そうか、あの二人.....」
「え!?でも、何で1000年前の人間が?」
「そうか、お前はハイブベイドの能力を知らなかったんだなぁ........ハイブベイドと言うのは、不老長寿人間.......言わば、『新造人間』だ。」
新造人間...新しく造られた新たな人間、不老長寿システムが搭載されており、約2000年も生きられる事が可能になっている。
「あれは鬼の民.......隠れキリシタンの細胞から造り上げた物なんだ。」
「だから、あんなに詳しいんだなぁ.......」
マサトは納得すると、諒は立ち上がる。
「さてと、長話しはここまでにして.......とっとと風呂に入れ」
「あぁ♪」
「あ、それと.....儂等はお邪魔ムシの様だからなぁ♪」
諒はそう言い、部屋から出た。
風呂から上がったマサトは東京の都市を眺めていた。
「良い景色だ.......」
「マサト?」
するとそこに風呂から上がり、和装のナオミが現れた。
「一緒に座っても良い?」
「良いよ」
ナオミは頬を赤くして、マサトの隣に座り、景色を眺める。
「綺麗だね....」
「あぁ、アウラの都と同じだ.....」
「.......明日は、本来在るべきのマサトになるってね....」
「聞いていたのか?」
「うん.....もし失敗して、私の事を覚えていなかったら.....」
「.......大丈夫、俺は絶対にお前の事やあっちの皆の事を忘れたりしないよ....」
マサトは立ち上がり、呟き始めた。
「俺は絶対に成功させる.......ノーマや人間、ドラゴン、鬼の民.......そして、生きとし生きる者達と共に......歩む.......必ずリベルタスを達成させる.......そしてナオミと共に生きる」
するとナオミはマサトの背中を抱く。
「?」
「私も.....マサトと共に生きたい、一緒にいたい.....そして、二人で幸せになりたい.....」
マサトとナオミはお互いの愛を誓い会い、キスをした。
そして天都ノ神殿、マサトはヴァリアント・サーフェイスのコックピットに乗り込み、前世の真人と来世のマサトの融合が終えた。諒と華怜、沙弥、ナオミ、翔、大樹、飛鳥も心配していた。
「これで......上手くいってくれ」
そしてコックピットが開き、マサトが出てきた。
「マサト.......か?」
「それとも.......あの大門寺か?」
「.......何を言ってるんだ?俺は大門寺 真人........大門寺 諒の息子で........ナオミの恋人だよ♪」
マサトの言葉に皆は驚く。
「じ、じぁあ!俺らが使っているガンプラの事は?」
「知っているよ♪大樹がマックナイフで、翔がザクF2000、飛鳥がグフカスタム......何時も俺のレオスに負けていたじゃん?」
三人はあの真人だと分かり、号泣する。
「マサト......ココは?」
「....俺の妹だろ?」
ナオミはホッとし、諒が言う。
「良く戻ってきた.....真人!」
諒と華怜、沙弥が大泣きし、マサトは言う。
「ただいま、父さん、母さん、沙弥........そして、久し振り♪」
マサトは笑顔で返すと、レオスが起動する。
「レオス?」
するとレオスが機体その物が粒子へと変わり、ヴァリアント・サーフェイスに吸収される。そしてメモリアルキーがマサトから離れると、メモリアルキーから全ガンダムと機体のデータが装甲へと変わった。それは格闘の『ゼノン』、射撃の『エクリプス』、ファンネルの『アイオス』の各形態の長所を全て併せ持つEXAフェースをも越えた姿へとなった。
「レオスが......進化した」
諒が呟くと、
『そうだろ?』
《っ!!?》
突然、レオスからマサトの声がした。
「『俺とレオスは一心同体で人機一体だ♪』」
マサトとレオスは二人で一つの体になっていた。そしてコアファイターがレオスとドッキングし、新しいコックピットへとなった。
「これが俺の新しいガンダム......その名も....」
マサトはそう言うと、レオスに乗り込み、持っている新武装『ヴァリアント・ライフル』と『ブレードビット』、『イリス・ファンネル』、『プロテクトビット』『起動防盾』を展開し、ポーズを決める。
「エクストリームガンダム type-レオスII ヴァリアント・サーフェイス!!!」
翼からビームウィングを放出し、ヴァリアント・ライフルを真上に向かって撃った。そして真上に大穴が空くと同時に、レオスが猛スピードで上空へ舞い上がる。そして大穴の幅が足りなく、マサトは起動防盾を前に出すと、防盾が中央がスライドされ、防盾から特殊なフィールドである次元バリアがレオスを包み込む。そして回転しながら舞い上がり、次元バリアで岩を分解消滅させ、大空へ舞い上がった。その光景を見ていた諒達は呆れていた。
「あの.....馬鹿息子が.......」
マサトは新しいレオスを使って、大空を自由に飛ぶ。旋回や回転、そして低空飛行も自分の思い通りに動かし、気が済むまで飛び回った。
そしてマサトとナオミはレオスやエクセリアを収納できるモビルスーツ支援用に開発したMSキャリアータイプの支援戦闘機『Gコンドル』がレオスとエクセリアを収納していた。この戦闘機は時を駆け巡る事も可能になっていると、
「それと、これも♪」
華怜がマサトに渡したのは、新しいパイロットスーツであった。カラーが赤からヴァリアント・サーフェイスと同じ、紺色になっており、ヘルメットの頭部に装飾品が付けられていた。
「新しいパイロットスーツ?」
「そう、色がちょっと似合わないから、徹夜しちゃったわ♪」
「そんなに?」
「えぇ、ナオミちゃんのも作っておいたわ♪」
「ナオミのも?」
すると奥から、マサトが使っていたパイロットスーツの女性typeを着用していた。(カラーがマゼンタと白、そしてバイザーの色がエメラルドグリーン。)
「どうかな?」
「似合ってるよ、ナオミちゃん!流石、真人の婚約者♪」
「ええっ!?婚約者!?」
「母さん!流石に婚約者って言うのは早すぎる!まだ婚約指輪もしてないんだよ!」
「あら~、良いじゃない♪呼んでも、未来では私たちはいないけど、立派な真人の嫁さんになるわ♪」
「だ~か~ら~!」
「後は、あの世で二人の子供、つまり孫を見てみたいわ~♪」
「も~っ!」
「私も見てみたい♪」
「私も♪」
諒と沙弥も華怜の意見に賛同する。
「父さん!沙弥も!」
マサトは三人に怒鳴る。だけど、ナオミは、
「マサトの子供なら、私....♡」
「ナオミ!早まるな!俺は17で、お前は14だ!」
マサトはナオミに注意する。そして荷物をまとめ、マサトとナオミはGコンドルに収納されているレオスとエクセリアに乗り込む。マサトのコックピットには白と黒のハロ、ナオミにもマゼンタのハロが待っていた。
『『マサト♪ マサト♪ 』』
『ナオミ♪ ナオミ♪ 』
ハロは元気良く二人の名を言う。するとモニター画面に諒が映像通信してきた。
『良いか、元の時代に戻ったら何が起こっているか分からない......その為にナオミ君のエクセリアにも"HADES"を搭載さてた。』
「HADESを!?」
『そう、その為、ナオミ君のハロにもFH(Follow Hades)を組み込んだ。さらに、二人のHADESが発動していたら、共鳴が出来る........この意味が分かるか?』
「.......分かんない!」
『ま、使ってみれば分かる♪』
「ちょっと!」
諒はそう言い、通信を切る。そしてGコンドル発射のカウントダウンがなる。
「10、9、8、7」
「父さん、母さん、沙弥、翔、大樹、飛鳥.......絶対に忘れない!」
「3、2、1、0!」
カウントダウンが終わると同時に、Gコンドルのロケットブースターが大出力の火が吹き、上空へ上がる。そして諒達はマサトが元の時代に戻っていく所を見送り、諒がマサトに言う。
「さぁ、真人!我等、"歩む者"の底力を......."導く者"達に見せつけてやれ!馬鹿息子!」
諒はそう呟き、涙を流すのであった。
そしてGコンドルのブースターが大気圏を出で、分離された。マサトとナオミは大気圏を出ると、ヘルメットを外す。そしてマサトとナオミのコックピットが移動し、Gコンドルに移された。マサトはポーチからヘッドフォンを取り出し、耳に当てて、好きな曲を聴く。
「何を聴いているの?」
「ビートと叫び...Beastie Boysの『Sabotage』だ。聴いてみる? 」
マサトはナオミにヘッドフォンを渡す。
『ホアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ~~~~~~イッ!!!!!!!!!!!!』
「ッ!!!?」
あまりの爆音にナオミはビックリする。
「何これ!?」
「言ったろ、ビートと叫びって」
マサトはそう言い、ナオミは呆れながらヘッドフォンを返した。マサトはまたヘッドフォンを耳に当てて音楽を聴く。そしてマサトはGコンドルに搭載されている時空跳躍システムを起動する。するとGコンドルの先端からレーザーが発射され、空間を歪ませ、一つの穴ができた。
「あれが.....父さんが言っていた穴........"タイムトンネル"」
タイムトンネルは磁場を歪み、段々と閉じていく。
「帰ろう!俺達の世界へ!皆の所へ!」
「えぇ!」
マサトとナオミはGコンドルの出力を最大に上げ、タイムトンネルが閉じる寸前に突入した。そしてGコンドルのモニターに年数が表示される。
西暦3139年:4月16日 火曜日
そしてGコンドルがタイムトンネルの狭間の波へと入り込むと、目の前に青い空、白い雲、辺りを覆う海が広がっていた。
「ここは?」
「マサト!見て!」
ナオミの指す方向に、収斂時空砲によって、破壊されたアルゼナルが見えていた。
「あのアルゼナル.......間違いない!」
マサトとナオミは通り過ぎていくアルゼナルを見て、ここが自分達のいた世界だと分かり、マサトは叫ぶ。
「帰ってきたぞぉぉぉぉぉ!!!」
早速、マサトはGコンドルの超広範囲スキャナーでの皆のいるビーコンを特定した。
「場所は.......ミスルギ皇国!?」
「行こう!」
「あぁ!」
マサトとナオミはGコンドルでミスルギ皇国へと向かっていくのであった。
どうでしたかな?