クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第38話:狂信科学者

 

 

今日もマサトは見舞いに行き、心配そうに、ナオミを見つめていた。すると病院の玄関が騒がしくなる。

 

「何だ?」

 

窓の外を見てみると、玄関前に深緑色をした車が2台トラックが1台が止まっていた。

 

「ん?」

 

その時、ヘッドフォンから諒の通信が入る。

 

『マサト!今、何処にいる!?』

 

「え?病室だけど、」

 

『まずいぞ!早くそこから出ろ!自衛隊の連中だ!........ッ!!!』

 

その直後、通信がノイズ音へとなる。

 

「!?.....もしもし!?」

 

マサトが諒との再通信をしようとした直後、扉から気配がし、マサトは急いで窓の外の死角へ隠れる。入って来たのは、数人の自衛官でナオミをベッドごと移動し、トラックへ搬送した。

 

「ナオミ!!」

 

マサトは急いで屋上に止めてあるコアファイターを起動し、ナオミを乗せた自衛隊の車両を追い掛ける。そして、辿り着いた場所は港でそこに自衛隊の揚陸挺が待っていた。マサトは倉庫の陰に隠れ、様子を伺う。そして、ナオミを乗せたトラックが揚陸挺に乗り込む。マサトはハンドガンの銃口に発信弾を撃ち込んだ。マサトは急いで、大門寺邸に戻る。諒は急いでコアファイターの燃料を改良する。マサトは飛鳥に預かっていたパイロットスーツを着用すると、飛鳥があるものを渡した。

 

「......弓?」

 

「俺の親戚がアーチェリーをやっていたからなぁ、その余ったのくれたんだ。正直俺は弓を引くのは苦手なんだ......だからお前にやる♪」

 

「ありがとう.....」

 

マサトはハンティングボウと30本のカーボンアローを貰うと、今度は大樹から護身用のスティックロッドを貰った。

 

「それで自衛隊の連中を叩いて良いぞ♪」

 

さらに、翔からのプレゼントは暗殺ゲームの武器で手首に付ける。ブレードであった。

 

「それは手作りだ♪なぁに、心配ない!俺用がちゃんとあるからなぁ!」

 

「お前達......」

 

マサトは前世の友達の友情に憧れる。未来ではそう言う差別意識を持っているが、過去ではそう言う差別意識がないことに感心した。

 

「恩に切るぜ!」

 

そしてマサトは完全装備、強化したコアファイターを見る。鬼の民の神殿に眠るあの無人の巨大要塞:通称【コロニー】からデータ読み取って造った人類初で実現した兵器『ビームマシンガン』へとなっていた。他にも、自動操縦、妨害電波、光学迷彩、太陽光充電型パネルまで追加されていた。

 

「ここまで改良したの!?」

 

「大変だったよ、......このコアファイターは神殿に封印しているフレーム『ヴァリアント・サーフェイス』とドッキング出来ている。まぁ、言わばマサトが使っているコアファイターは動き飛び回るコックピットなんだ。それにコアファイターやヴァリアント・サーフェイスに面白いSYSTEMを組み合わせてみたんだ♪」

 

「SYSTEMを組み合わせた?」

 

「確か、お前が所属している組織って.....ハデスだったよな?」

 

「まぁ、....それがる」

 

「"ハデス"って言うのは、ギリシャ神話に出てくる冥付の支配者で.......残忍な神様なんだ。だから、それと同じSYSTEMである"HADES"を搭載してみたんだ♪」

 

「"HADES"?」

 

『HADES』(Hyper Animosity Detect Estimate System) の略称。EXAMシステムをベースとして開発された特殊システムであり、MSの各種リミッターを強制解放して機体能力を100パーセント解放するとともに、教育型コンピュータの流用で最適解をパイロットに伝達もしくは強制的に割り込んで実行する戦闘補助システムをコアとしている。

 

「負担は大きいかもしれないかと思って、コイツも造っておいた」

 

するとマサトの元に黒いハロが転がってきた、

 

「マサト♪マサト♪」

 

「黒いハロ?」

 

「ソイツはお前がもし、"HADES"を使うとしたら、ソイツがFH(Follow Hades)で、HADESを追従してくれる」

 

「へぇ~」

 

「だが、無闇にHADESを使うな........HADESを使いたいなら、相当な覚悟が必要だぞ.......でないと、体の一部に負担が掛かって、2ヶ月まで回復を待たなければならない.....良いな?」

 

「分かった」

 

マサトはそう言い、コアファイターを離陸させる。

 

「それじゃ、行ってくる!」

 

マサトはスロットルを捻り、上空へ舞い上がり、発信器を頼りに、自衛隊の基地へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

海を渡り、発信器を頼りに後を追うと、目の前に驚く島が現れた。

 

「あれは!?」

 

マサトにとって、それは見覚えのある島『アルゼナル』であった。

 

「アルゼナル!?何でここに!?」

 

アルゼナルが過去にも存在したことに、マサトは驚く。その時、アルゼナルから警報が鳴る。

 

『警告 あなたは素粒子研究所区域に侵入しました。これ以上区域に入り込めば、あなたを迎撃します。』

 

「ナオミを連れ去って、何が迎撃だ!」

 

マサトはそう呟き、ビームマシンガンのセーフティを解除した。

 

「ちょっと手荒な真似をするが、レオスやエクセリア、そして大事なメモリアルキーを返してもらうぞ!!」

 

マサトはスロットルのトリガーを弾き、ビームマシンガンを乱射し、ビームはカタパルトに直撃した。そしてアルゼナルの対空砲やカタパルトから無人戦闘機【UCAV】『RQ-1 プレデター』と『MQ-9リーパー』が発進された。

 

『無人戦闘機!無人戦闘機!』

 

ハロが報告し、マサトは後方を確認すると、【プレデター】4機と【リーパー】2機を確認した。

 

「モビルアーマーを相手した俺に........勝てるかな?」

 

マサトはコアファイターを旋回させ、プレデターとリーパーを相手することにした。

リーパーはFマサトのコアファイターに標的し、IM-92 スティンガー空対空ミサイルを発射した。

 

「ミサイルか!」

 

マサトは急速でミサイルを振り切ろうとする。しかし、ミサイルはしつこくマサトを追う。

 

「クッ!さすが過去の兵器......ピレスドロイドやバグ以上に速い!.....だが!」

 

マサトはそう言うと黒ハロに言う。

 

「ハロ!今から リバース・スラスターをスタンバイする!落ちんなよ!」

 

『了解! 了解!』

 

マサトがそう言うと、コアファイターの推力を変え、回転し始める。すると追っていたミサイルも螺旋状に回転し始め、ミサイル同士がぶつかり、爆発した。そしてマサトはビームガンを連射し、追撃し、撃墜する。アルゼナル司令部では、兵士が混乱していた。マサトはその隙にカタパルトへ向かう。

 

「っ!」

 

カタパルトから兵士が現れ、アサルトライフルを乱射してきた。マサトは怯まず、コアファイターでカタパルトへ突撃した。

 

『第一防衛ライン!突破されました!』

 

『バカな!?』

 

『敵は一人、未知の光学兵器を武装しております!』

 

マサトはコアファイターからおり、ハンドガンを射つ。倒れた兵士が持っていたアサルトライフルを奪い、乱射する。

 

「そこを......どけぇぇぇぇっ!!!」

 

アサルトライフルの弾が空になるまで、マサトは撃ち続ける。そして、

 

「チッ!」

 

マサトはアサルトライフルの弾が空になると、飛鳥から貰ったハンティングボウを取りだし、弓絃を引き、カーボンアローを放つ。その直後、後ろからバトルナイフを降り下ろそうとした兵士が現れ、マサトはカーボンアローを持ち、兵士の肩に刺す。

 

「グアッ!」

 

兵士はナイフを落とした直後、マサトの蹴りが炸裂し、吹き飛ばされた。マサトはアサルトライフルやサブマシンガン、ハンドガンや弾倉を拾い、意識のある兵士に言う。

 

「おい!連れ去った女の人は何処だ!?」

 

「ぐ......第二.....研究室だ......」

 

兵士はそう言い、気を失う。マサトはナオミがいる第二研究室へと向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃、第二研究室では、

 

「守りを固めろ!」

 

兵士が次々に第二研究室のハッチを閉めていく。さらに、バリケードも張り、マシンガンも用意する。将軍と科学者の"桐山 次郎"はレオスとエクセリアのデータを回収しようとしていた。

 

「まだなのか!?」

 

「やっていますとも♪だが、この2体のガンダムのファイヤーウォールがちょっとデリケートでしてね.......♪」

 

桐山はそう言うと、あっという間にレオスとエクセリアのファイヤーウォールを破り、コックピットハッチを開かせようとする。

 

「さ~て、未来の兵器よ......大人しく僕たちに君達のテクノロジーが入っているデータを見せてくれよ♪」

 

桐山は無気味な笑みを浮かばせると、レオスのコックピットハッチが開かれた。研究者達が急いでレオスのコックピットを確認し、メモリアルキーが見つけられた。桐山は大喜びをし、早速メモリアルキーをパソコンに接続し、データをコピーしていく。

 

「良いぞ!良いぞ!」

 

「何がだ?」

 

「これは非常に理解をも凌駕している!このテクノロジーさえあれば、....ん?」

 

その中にあるデータがあり、桐山はそれを見て、突然....。

 

「フフフフ........♪」

 

「どうした?」

 

「アハハハハハ!!!なるほど!そう言うことか!」

 

「何がだ!?」

 

訳の分からないことを言う桐山に将軍が問いただした直後、

 

「っ!?」

 

バァァーンッ!!!

 

将軍の額に風穴が空き、銃声と共に、将軍は絶命し倒れた。

 

「このデータの内容は渡さない!誰の物でもない!ガンダムも!この世界も..........皆、僕の物だぁぁぁぁぁぁ!!アハハハハハ!!!!!♪♪♪♪♪」

 

桐山が放った銃声により、兵士が駆け付けてきた。

 

《将軍!?》

 

兵士達は驚くと、ハッチが閉まる。

 

「おい!開けろ!!」

 

兵士達はハッチを叩いていると、室内に毒ガスが流出してきた。兵士達はもがき苦しみ、倒れた。だが、桐山はガスマスクを着用しており、手に注射器を持っており、毒ガスで倒れている兵士に投入していく。

 

「何を......!?」

 

一人の兵士が桐山に問う。

 

「実験だよ♪」

 

その直後、兵士達に異変が起きた。急に痙攣を起こし、口から泡が吹く。するとみるみると兵士達の表面に青筋や赤筋が浮かび上がり、爪と指の間が血が流出する。そして兵士達が桐山によって、ゾンビ化された。桐山は笑みを浮かばせると、ハッチを開いた。そしてボールペンをハッチの向こうに投げ付けた。ゾンビ達は、ボールペンが落ちた音を嗅ぎ付け、一斉にハッチの向こうへ走っていく。

 

「フフ♪これで私の邪魔物はいなくなった♪」

 

すると桐山の元に、台に寝かされたナオミが運ばれてきた。

 

「決~めた♪」

 

桐山は無気味な微笑みを浮かばせると、色んなアームが出てきた。

 

「この娘を良い戦闘データを作るためのモルモットとして、扱おう♪」

 

桐山はそう言うと、カプセルを持ってきて、ナオミをそこに寝かせる。するとアームがカプセルを改造していくのであった。

 


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