クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第37話:時空の支配者

 

マサトは早速、レオスや義手に必要な部品を集める。勿論、諒や華怜、沙弥、、翔や大樹、飛鳥、そして、鬼の民(旧隠れキリシタン)達も手伝ってくれた。この世界の技術や音楽、アニメを参考にし、次々とユニークな発明品を作っていった。義手にアラミド繊維、グリス、そして間接の補強した。マサトは早速、鋼でできた義手を動かす。

 

「思った以上に軽いなぁ」

 

「だろ、もっと強くなりたいだろ?パンチしてみろ!」

 

諒が鉄の棒を三本を出してきた。マサトは義手の新しいブレード『高周波ソード』を展開し、渾身を込めて高周波ソードで斬った。

 

「やった!」

 

さらに、諒はマサトの為にコアファイターを造ってくれた。

(見た目は、タスクが使っていたパラメイルと同じ操縦系の小型艇であり、映画"AKIRA"に出てき『Hyanide』と言うバイクにウィングブースター、機関銃、スラスターを装備させた感じです。)

 

「意外とカッコいい♪」

 

マサトは早速コアファイターに乗ると、上部のフェイスガードが閉じていき、目の前のモニター画面が起動する。

 

「おお~」

 

起動したことに感心し、スロットルを握り捻る。するとコアファイターのタイヤが旋回し、宙に浮かぶ。そして、スラスターから火が吹く。マサトは慎重に捻る。

 

「.......飛べ!」

 

マサトはスロットルを思いっきり捻り、コアファイターが飛んだ。

 

《飛んだ!》

 

コアファイターはヨロヨロしながら上空を飛翔する。その光景に諒と華怜は呆れる。

 

「相変わらず無茶なことをするね」

 

「それでも、俺らの息子だ」

 

「えぇ」

 

「さてと、我々も準備をするか」

 

「諒君......あれを真人に渡すのね」

 

「あぁ、今こそ、エクストリーマー計画を最終段階へ進める。来世のマサトと前世のマサトを.....一つに!!」

 

諒はそう言い、計画を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

コアファイターで上空を駆け巡るマサトは、前世が使っていたヘッドフォンで音楽を聴いていた。

 

【因みに聴いている曲は(SATSUGAI ~for the movie~ )です。】

 

「【♪~♪~♪~】........良い曲だ♪」

 

マサトはそう言い、コアファイターを旋回させ、ナオミがいる病院へと向かう。

相変わらず病院の前ではマスコミや新聞記者が多かったが、おとなしくしていた。マサトは病院の屋上にコアファイターを着陸させ、中へ入っていく。ロビーで受付をしてもらう。勿論、前世の身分証明書で誤魔化し、ナオミの病室に入る。

 

マサトはそっと、ナオミの手を握る。

 

「もうすぐだからな......もうすぐ......」

 

マサトは心配そうに、ナオミを見つめる。そして、窓の外を見上げる。

 

「皆.......大丈夫かな.......無事でいてくれ......」

 

マサトは元の時代にいるアンジュ達を心配するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、未来では、インフィニティとアウローラは深海を進み、敵に発見されずに航行していた。

 

そしてケルベロスでは負傷したタスクは医務室で治療を受けていた。

タスクの事を心配するヴィヴィアン、ココ、ミランダの三人は窓越しで見ていた。

 

「タスク~.....」

 

「大丈夫かな.....」

 

「信じて見てるしかないよ」

 

そうミランダが言っているとココが消失したマサトとナオミを心配するのであった。

 

「マサトお兄ちゃんとナオミ.......大丈夫かな.....」

 

「大丈夫よ.....あのマサトさんとナオミはきっと生きている.....」

 

ミランダが二人の事を言っていると、

 

「どうなってるの?」

 

っと聞き覚えのある声が聞こえてヴィヴィアン達が振り向くと、ヒルダとロザリーがやって来た事に驚いた。

 

「ヒルダ!ロザリー! どうして此処に?!」

 

「たった今アウローラとの連絡通路が繋いでさ、此処に来たのさ。それにしても....」

 

ヒルダはタスクが治療を受けている様子を見て、少し目を細めて見ていた。

 

「馬鹿たれがやられるなんて.....思っても居なかったよ」

 

「はい....、それより司令はどうですか?」

 

「....司令なら今【取調べ中】だよ」

 

っとヒルダの言葉にヴィヴィアン達は表情を驚かせる。

 

その頃アストラ達はジルに事情聴取をしていた。

 

「何故貴様等に私が.....、お前等は本来は牢屋に」

 

「無駄だぞ、それに今は我々の質問に答えなさい。アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ」

 

アストラにその事を言われ、ジルはアストラ達を睨みながら黙り込む。

 

「さて…質問するぞ、アレクトラ、あんた....」

 

皆が息を飲む中でヒュウガの一言に言葉を失う皆。

それは....。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネロスに操られているだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!!」

 

『『『!!?』』』

 

アストラの一言を聞いたオルト達は驚き、ジルは驚く表情をし戸惑いを隠せない。

そして目を泳がせながら大量の汗が湧き出て来る。

 

それを見たアストラがようやく確信をした。

 

「やっぱりな、通りで10年前にネロスを撃たなかった訳だ。もしやアンタは10年前のリベルタスの時にネロスに…?」

 

「何だって!!? 本当かい!!アレクトラ!!?」

 

ジャスミンがそれに問うも、ジルは顔を逸らして戸惑いながらも黙り込む。

 

「何で黙ってるんだい.....!答えろよアレクトラ!!!」

 

マギーが怒鳴りながらジルの胸倉をつかみ、振り向かせ言い聞かせる。

 

「それは......!」

 

「詳しく話して貰うぞ..... アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ......」

 

アストラの冷たい一言にジルはただ黙るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ミスルギ皇国の方ではアンジュ達を連れて行っているジョアンヌであったが、隙を見られ、アンジュを探していた。壁の一部にわずかな隙間が開いており、そこにアンジュとモモカが居た。

 

「よく知ってるじゃない。私の家をなめないでね…」

 

そう言ってアンジュとモモカは庭に通じるダクトを通る。

 

そして庭へと出たアンジュとモモカはネロスを探そうとした所に....。

 

「ああ~!アンジュお姉様だ!」

 

っとアンジュはアルゼナルに居た幼年部の子供たちに見つかってしまい、それと一緒に居たエルシャにも見つかった。

 

「あらあら、アンジュちゃんを追い詰めるなんて。みんなやるわね」

 

「エルシャ....」

 

アンジュはエルシャを見ながら呟き、エルシャから事情を聞き出した。

 

今の彼女は『ネロス幼稚園』と言う園長を務め、そこで子供たちの世話をしていた。

そして信じられない事に幼年部の子供たちは一度死んだと事を聞かされて、アンジュとモモカは驚いた。

 

「死んだって.....!」

 

「そんな事、マナの光でも不可能です!」

 

「ネロスさんがね、あの子たちを蘇らせてくれたのよ。そしてネロスさんがあの子たちの幸せな世界を作るんだって。私はその為なら何だってやるわ、ドラゴンもアンジュちゃんやマサト君達を殺す事もね.....」

 

「エルシャ…」

 

エルシャの相当な覚悟を聞いたアンジュは思わず息を飲む、そしてネロスの所へ行こうとした時、

 

「ここにいたのか」

 

「!?」

 

ジャックであるデシル・ガレットに見つかった。

 

「ジョーカーの野郎が俺に頼んできてよ、代わりにネロス様の所へ連れてってくれと♪」

 

「っ....」

 

「私も一緒に言って良いかしら」

 

っとアンジュとモモカは振り向くと、そこにクリスがやって来た。

そしてアストラ達とクリスがアンジュ達を連れて行く中、アンジュがクリスにヒルダ達が裏切った事を問う。

 

「ねえクリス、どうして裏切ったの?ヒルダ達怒ってたわよ」

 

「怒る?怒ってるのはこっちよ.....!見捨てて置いて!」

 

っと意味が分からない事にアンジュは頭を傾げる。

クリスからの話だと、彼女はアルゼナルに攻撃して来た特殊部隊達を撃退した際、パラメイルで出撃した時に生き残っていた部隊の一人に攻撃を食らい、シャフトにぶつかってしまう。

ロザリーから助けに行くと言った際にクリスが乗るパラメイルが爆発、その時に助けたのがネロスだと言う。

 

その時アンジュは分かった、クリスは思い違いをしている事に........。

 

「失礼するぞ。ネロス」

 

「入って良いぞ」

 

デシルは扉を開くと、ネロスが本を読んでいる様子であった。

 

アンジュは更に警戒を強める。

ネロスはアンジュの方を見ると、笑みを浮かばせて立ち上がる。

 

「やあ、よく来たねアンジュ.....待っていたよ♪」

 

「ネロス....!」

 

「そう怖い顔をしないでおくれ。やっと君に会えたんだから♪」

 

「クッ!」

 

「さてアンジュ.....少しばかり君に見せたい物がある、付いて来たまえ.....ジョーカー、エース、ハート、スペード、ジャック、ゼノビア、ダイヤも♪」

 

七人のディーラ幹部が現れ、ネロスと共に付いていく。

アンジュはネロスに連れられてアケノミハシラに連れられていた。

 

そしてエレベーターで最下層に降りて、アンジュの目にある光景は映る。

 

「アウラ.....!」

 

アンジュの目の前にアウラがドラグニウム発生器らしき物を付けられて幽閉されていた。

 

「どうだいアンジュ、あれがドラグニウムだ。この世界の源であるマナは此処から発せられている、これで色々な事を楽しめたよ」

 

「貴方....!アウラを発電機扱いにしてるのね!?」

 

その事には全く否定しないネロスは笑みを浮かばせる。

 

「ふふふ、人間達を路頭に迷わせる訳には行かないだろう、リィザの情報のお蔭でドラゴン達の待ち伏せは成功し、大量のドラグニウムが手に入った。これで計画を進められる....私の計画が」

 

そう話すエンブリヲにアンジュは睨みかましていると、ネロスの後ろに銃があった事に気が付いたアンジュ。

アンジュはネロスの銃を奪い、頭に銃を突きつける。

 

「アウラを解放しなさい、今すぐ!」

 

銃を構えているアンジュに対しても余裕をかましているネロス。

 

「おやおや、ドラゴンの味方だったのか」

 

「いいえ....貴方の敵よ! 兄を消し去り....マサトとタスクを殺そうとして、沢山のドラゴン達を殺した....敵と考えるのは十分だわ!」

 

「ふふふ....君のお兄さんは少女たちを皆殺しにしてその罪を受けたのだよ、そしてあのマサトは私のパートナーであった大門寺 諒と大門寺 華怜の息子でもあったからなぁ♪」

 

っとその事を聞いたアンジュは驚く。

 

「え!?」

 

「知らなかったのかな?彼の実の父と実の母は愛しい息子を生き返らせるために、自分達もエクストリーマー計画......嫌、"魔界転生"で二人は転生し、息子の遺伝子は華怜が宿し、産み育てた。それに私には最強であるイクスとディザスターがあるから、怖いものなしさ♪」

 

「そうは.....させないわ!」

 

アンジュが持つ銃がネロスの頭部を撃ち抜き、ネロスは血を流しながらそのまま倒れる。

 

「ふぅ.....、さて....どうやってアウラを助けようかしら」

 

「気は済んだかね?」

 

っと聞こえた方を向くと、何事もなかった様に立っていたネロスが居た。

 

「どうして?!」

 

アンジュは倒れた方を見るとネロスの死体が無く、それにアンジュはネロスを睨みつけて再びネロスの頭を狙い、ネロスの頭を撃つ。

それに抵抗せずにネロスは頭部を撃たれて倒れる。しかしまた別の場所からネロスが現れる。

 

「無駄だと言っているのに…アンジュ」

 

「あ....貴方、一体.....?!」

 

「アレクトラから聞いているだろう....?」

 

っとその言葉にアンジュは思い出す、アルゼナルでジルが自分にリベルタスの事とそしてこの世界を作った者の事を.....。

 

「神様.....」

 

「やれやれ、その呼び方は好きではないな....、私は"調律者"呼んでもいいが....."天使"と言っても良い♪」

 

「天使....?」

 

アンジュはネロスの言った言葉に呟く。

 

「その通りだよ!」

 

横にいたデシルがネロスに説明する

 

「世界を正す天使として、1000年も生きているからなぁ!」

 

「1000年!?......っ!?」

 

その直後、空間が歪み、無数の島が浮いていて、中央には社交場の様な丸くて大きなテーブルが置いてある世界へと変わった。

 

「っ!?」

 

そこにいるのはアンジュとネロスだけであった。

 

「アンジュ、君に頼みたい事があるんだ」

 

っとそう言ってネロスは片膝を付いて、手を刺し延ばす様に振る舞う。

 

「アンジュ.....私の妻となってくれないか?」

 

「はぁ?!!」

 

ネロスの馬鹿発言を聞いてアンジュは思わず声が出たその直後、アンジュの意識が遠くなっていく。

 

「........!?」

 

「フフ♪」

 

「......!?何を.......したの!?」

 

「素晴らしい、精神を維持できるとは.......だが、」

 

するとネロスの両目の瞳が十字架へと変わり、アンジュの精神や心を抑え付ける。そして、アンジュはハンドガンを捨て、服を脱ぎ始めた。そして、下着を脱ごうとするが、アンジュは抗う。

 

「強いなぁ.......」

 

ネロスの結膜が光、アンジュを洗脳する。そして、アンジュは下着を脱ぐ。

 

「良い子だ♪....黄金の髪に炎の瞳、薄紅色の口紅に吸い付くような肌、張りのある豊かな胸と桜色の.....」

 

「!」

 

「美しい...ヴィーナスとアフロディーテにも敵わない....」

 

ネロスはそう呟き、アンジュにキスをした。

 

「っ!」

 

だが、アンジュはタスクの事を思いだし、目を覚まして、ネロスの唇を噛みちぎった。

 

「っ!!?まさか!?」

 

「何でも与えて上げる?生憎、与えられたもので満足出来るほど、空っぽじゃないの私!」

 

アンジュは服で素肌を隠し、ハンドガンを向ける。

 

「神様や調律者、天使だが何だが知らないが!支配を壊して、世界を壊すわ!」

 

「おお~!ドラマティック!」

 

「え!?」

 

「さすが!僕の花嫁だ!」

 

「だ!?誰が貴方の花嫁よ!!?」

 

「フフフ♪......?」

 

その時、ネロスの記憶に異変が起きた。浮かび上がる記憶の光景に写ったのは、炎上する基地、燃え上がる複数の死体、そして.....炎の中から、全長二メートル半もある角が生えている黒豹の化物と共に、バイク状のコアファイターに乗っている青年が、実験用の服を着たピンクの少女を抱えたまま現れ、青年は持っていたパルスグレネードを彼の面に投げ付け、一生消えない傷を残した。

その直後、ネロスの顔の右半分の皮膚が溶け、半分抉られた。ネロスは溶けた皮膚を見て、天に向かって皮膚を溶かした人物の名を叫んだ。

 

「....己れぇっ!!.....大門寺 真人ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 

ネロスは自分の顔を抑えながら、苦しむ。そして、アンジュはネロスの苦しむ姿に不思議に思っていた。

 


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