マサトは謎の三人の青年『翔』『大樹』『飛鳥』に連れられ、飛鳥の家で身を潜める。
「やっぱり覚えていないか........」
「無理もないよ、転生したらその人の記憶がなくなるって言うから、」
「だけど「あのぅ.......」ん?」
「さっきから、何を話しているんだ?」
マサトはつまんなさそうな表情をしていた。
「あ~、すまん、すまん。やっぱり俺らの事を覚えていないか?」
「全然」
「昔、ガンプラバトルでレオス使っていただろ?」
「全く」
「彼女も出来ていなかったろ?」
「いるよ」
「「「.......え?......えええええぇぇぇぇ~~~~ぇ!!!!!?????」」」
三人は天高く叫ぶ。
「そんなに叫ぶ?」
「叫ぶ」
「「うん、うん」」
「何なんだよ急に.......て言うかここ何処だ?」
「俺の家」
「違う、ここはアウラの都なのか、天都ノ神殿なのか、ミスルギ皇国なのか?」
「「「..........????」」」
三人は首を傾げる。マサトは呆れてしまうが、三人に分かりやすいよう説明した。
「なるほど、つまり真人...違かった、マサトはそのネロスとか言う悪い奴を倒そうと?」
「そう.....」
「へぇ~、何か大変な事になっているんだなぁ、つまり、お前は32世紀から21世紀まで来たのか?」
「32世紀?」
「そう、たぶん......マサト達の世界は3101年代の世界だと思う。」
「は!?今ら何年!?」
「今年?平成29年 2017年 6月17日 水曜日だけど」
「.........」
マサトは唖然した状態になる。
「まぁ、兎に角.....マサトは元の世界に帰る方法でも考えて置けば良いよ♪」
「......そうだな、」
マサトは安心すると、翔がテレビを付ける。するとそのテレビにエクセリアが映っていた。マサトはエクセリアを見て、言う。
「ナオミ!」
内容では、ロボットのパイロットである少女は東京都清瀬市の『国立病院機構東京病院』に搬送されたとなっている。そして病院の玄関前でたくさんの新聞記者やマスコミが押し寄せていた。
「アイツ等......マサトの彼女を金儲けの為に使おうとしているな.....」
「どうする?」
大樹がマサトに問う。
「もちろん、行く。」
「なら、話は早い!取り合えず、マサト.....その姿だと、目立ちすぎる......これ着ろ」
飛鳥がマサトに渡したのは、Tシャツとジーパンであった。マサトはパイロットスーツを脱ぎ、Tシャツとジーパンに着替え、大樹の車で向かう。
数字間後、国立病院機構東京病院に到着すると、玄関前では新聞記者、マスコミ、さらに市民でいっぱいであった。
「うわぁっ!ヤバイぞこれ.......」
大樹が目の前の光景に驚いていると、マサトが言う。
「何処でもいい!それか裏口で」
「.....分かった!」
大樹はそう言い、病院の裏口へ回り込む。マサトは持ってきたワイヤーガンを取り出し、屋上へと登る
「「「スゲェ!!!」」」
三人は驚き、マサトは屋上に辿り着く。
「皆、ありがとう!」
マサトがそう言い、病院内へ入っていく。院内では看護士たちや医者が大慌てで新聞記者とマスコミを抑え付ける。マサトはその隙にナオミのいる病室へ向かう。ロビーの所でナオミのいる病室を確認する。
「三階の特別室か......良し!」
マサトはエレベーターで登る
「...........『♪~♪~』何で.......エレベーターに乗っているんだろう......」
『三階です』
エレベーターのドアが開き、ナオミのいる病室に入る。
「ナオミ......」
寝込んでいるナオミの体には至る所に包帯が巻かれており、さらに傷も縫っていた。マサトはそっとナオミの側に寄り、椅子に座る。
「ごめんな.......ナオミ.......」
マサトは寝ているナオミに謝罪し、病室から出る。
病院から出たマサトはマスコミや新聞記者が目がつかない場所に、駐車していた。
「で、どうだった?」
「.........酷い怪我だった」
「そうか.......なぁ、マサト.....こんなこともあれなんだが........彼処へ送ろうか?」
「送る?」
「マサトの前世の家族.......大門寺家の所に」
「大門寺........!?まさか!!」
「え?知っているのか!?」
「あぁ!未来では廃墟になっていたが、会ってみたいんだ!大門寺 諒と大門寺 華怜に!」
「オーケー!それなら、心の準備をしておけよ!前世のお父さんとお母さんと妹さんに会う準備を!」
「頼む!」
大樹は興奮しながら、大門寺邸がある神社へ向かう。そして、
「ここが......」
「そう......大門寺邸だ。そして、前世のお前の......本当の家だ.....」
アウラの都で見たときと違って、邸は綺麗であった。そして、周りには紅葉の木が並んでいた。
「紅葉の木.....」
「不思議だろ?」
「何が?」
「ここのだけ、紅葉なんだ........もう夏が近いのに、紅葉の木が成り立っているんだ。普通なら紅葉は秋になる筈なんだよ、それでここは一番の不思議スポットで珍百景に認定された場所なんだ♪」
「へぇ~....」
マサト達が鳥居まで着くと、そこに巫女服を着た女性が水を撒いていた。
「あら?翔君達じゃないの.....♪」
「華怜叔母さん」
「それに、大樹君に飛鳥君、そして、真人..............っ!!?」
華怜がマサトの顔を見てバケツを落とす。
「真人?.......本当に真人なの!?」
華怜がマサトに抱き付く。
「いや、だから......俺はマサトとで、ちょっと待って、華怜って言うことは、貴女が?」
「お母さんよ!」
マサトは驚き、大門寺邸に招かれる。そして、大門寺家の頭領『大門寺 諒』と長女の『大門寺 沙弥』と御対面した。マサトは自分が諒と華怜の来世であるユリウスとイリスの子であり、今、マサトはネロスと言う偽善者『ネロス』によって、支配されていると言うことを、伝えた。
「なるほど......」
「しかも、22世紀末の地球を第七次世界大戦で世界を壊して、自分の思うような世界を作ったんだ。」
「"洗脳"か?.......悪い奴だなぁ」
「何ですか?」
「確か、マナの光って言っていたなぁ、それを使えるのは人間。そして、それが使えないノーマはアルゼナル送りにして、ドラゴン(人間)を戦わせている.......結局は、人を殺して、人を燃料にする。」
「だけど、アンタはトリスタン連邦で採れていたレイヴニウムを見つけ、マナとノーマの解決策を見つけた。」
「だが、結局はそのネロスに壊されたんだろ?」
「えぇ、だけど、俺の左腕の義手はアンタのだ。しかも、レイヴニウム......」
マサトは義手を取り外し、諒に見せる。
「これが......」
諒は義手をじっくり観察する。
「確かに、これは普通の義手ではないな....」
諒は義手をマサトに返す。
「それで、これからどうする?」
「一旦、レオスに戻る。」
「止めときな」
「何で?」
「お前がそのナオミっていう娘さんの所へ行っている間、レオスは完全に自衛隊に運ばれていたぞ、後エクセリアって言うガンダムも......」
「.........何....だと!?」
「何か、マズイ物、見られたくない物が入っているのか?」
「.......あ~~~、ハロと......古文書と変なUSBメモリ.....かな?」
「そのUSBメモリアルキーって.....まさか.......」
諒が取り出したのは、マサトが持っていたメモリアルキーと同じ物であった。
「それ......」
「何と言うことだ!!」
「え!?」
「あのメモリアルキーには大事な資料が入っているんだ!その中にはあらゆるモビルスーツとモビルアーマーのデータと設計図が入っているんだ!」
「えぇっ!!?」
「そうなると、この世界やお前の未来の世界にも悪影響が出るぞ........」
「......どんな?」
「私が今ここで、死ねば.......お前はもう存在しない人間になってしまう。」
「......マジで!?」
「マジのマジ、大マジだ。」
「大変だ~!!」
「後、そのナオミって言う娘さんが目覚めて、マスコミや新聞記者にその事を話してみろ?トランプ大統領が率いるアメリカ軍と、安部総理、金正恩が率いる北朝鮮、テロ組織『イスラム』、世界各国の軍や政治家達が.......レオスやエクセリア、そして、ナオミとお前を狙うだろう.......」
「.........」
そして、翔達は実家に帰り、マサトは大門寺邸で宿泊すると。マサトは大門寺邸の風呂.....と言うより、温泉に入っていた。
「あああああ~........何でだろう?何でこんな言葉が浮かぶのか、分からんが...........生き返るぅ~♪」
マサトは温泉の温かさに、癒されていた。そして、一緒に入っていた諒が説明する。
「どうだ?この地域だけにしか湧かない温泉だ。時にはここを宿屋として使っていることもある♪」
「はああああ~........アルゼナルの風呂とは大違いだ~~♪」
マサトはさらに和む。すると諒が心配そうな表情をする。
「本当に.....覚えていないのか、私たちの事を?」
「だから、何度でも言うじゃん.......前世の記憶はないって♪」
「そうか......」
マサトと諒は風呂から上がり、豪華な食事を頂き、食を終えると、自分の部屋へ案内された。そこはかつて、前世であった大門寺 真人の部屋でもあった。
「ここが....前世の俺の....」
マサトは机の上に飾られてあるエクストリームガンダムtypeレオスのプラモデルを見る。
「使っていたんだなぁ.......コイツを.....」
その後、マサトは真人の小学生、中学生時代のアルバムを見る。
「俺と同じ顔........」
ページを開いていく内にマサトの目から涙が零れ落ちた。
「?」
マサトは目を吹く。すると最後のページに三枚のディスクが付属していた。
「?」
マサトはそのディスクのタイトルを見る。
「『俺とレオスの練習動画』、『Fighter』、『モビルアーマーの弱点』」
その中で、『モビルアーマーの弱点』に目が入り、ブルーレイに入れる。しかし、映ったのは蜂の映像であった。
「........これがモビルアーマーの弱点?」
次に鰯の群れの映像へと映った。
「何で鰯の群れ........ん?」
よく見ると、鰯の群れはどうやって指示も出さずにあんな美しい動きを見せるのか、どうして蜂は集団でスズメバチを襲うのか............マサトは深く考えると、ある事が頭に浮かび上がった。
「......周波数の電波!」
モビルアーマー『プルーマ』『バグ』『ピレスドロイド』には周波数の電波で連携を取っている。それがまるで、蜂や鰯の群れのような行動を取る。つまり、奴等に電波を妨害できる超短波さえあれば、電波が通じなくなり、連携が一気に乱れ、混乱する。
「俺の世界にはそう言うのはないが、過去の世界なら、奴等に対抗できる素材が見つかる!」
するとマサトはガンダムシリーズの本やアニメの雑誌、さらに他のロボットアニメのプラモデルを見て、義手をみる。
「それに、レオスを取り戻すためのアップグレードが必要だな......良し!」
マサトは決意を胸に、行動を開始したのであった。
その頃、自衛隊の本部に運び出されたレオスとエクセリアでは、科学者が早速レオスとエクセリアのデータを採取しようとしていた。
「ふむ、このフレームは凄いなぁ......」
「何か分かったのかね?」
「はい、この2体のガンダムの装甲やフレームにはナノマシンが含まれており、自己再生が可能になっているようです。」
「自己再生か........採れないのかね?」
「そうなんです。只、この2体のガンダムは恐らく........"持ち主"にしか反応しないとその効力が出せないと思うのです。」
「その持ち主は?」
「えぇ、一人は東京都清瀬市の『国立病院機構東京病院』で意識不明の状態。後一人は捜索中の事です。」
「何としてでも、探せ.......日本を強くするために、モビルスーツが必要なのだ!」
「はい、軍曹♪..........この私"桐山 次郎"にお任せを.......♪」
桐山 次郎と言う科学者は不気味な笑みを浮かばせ、首に掛けてある十字架のペンダントが輝いていた。そして、その不気味な企みが、意識不明のナオミに魔の手が来ていることに、マサトは知らなかった。
さて、さて、マサトとナオミ、21世紀の過去の世界で何が起こるのか。
こう、御期待ください。