早朝、アウラの民がアウラを奪還するべく総力を持って進攻する為、戦力を集結させていた。その様子に外に居たタスク達、その中でヴィヴィアンは感心していた。
「うお~!ドラゴンのフルコースなり~!」
「正に、そう戦力だね」
「こればかりは私達も驚きましたわ....」
パトリックとモニカがドラゴンの集結の様子を見て言い、そこにマサトとナオミが遅れてやって来た。
「すまない、遅れた」
「遅いぜマサト、何してたんだよ?」
「嫌、別に.....」
すると、マサトとナオミは互いの顔を見て、頬を赤くした。
しかしその中でアンジュが何やら厳しい目で見ていた。
それにタスクが気づく。
「どうしたの?アンジュ」
「アンタ、変わったね.....何があったの?」
アンジュはマサトとナオミのちょっとばかりの気になる様子に、何やら気になりながら見ていると、
二人が互いに、頬を赤くする。
「実は......」
マサトは昨日の事を皆に話した。
「........」
マサトが光輝く要塞を見とれていると、鬼の大将が何かに気付き、刀を振り下ろした。
「何奴っ!?」
置いていた樽が真っ二つに割れ、現れたのは泣き崩れ、尿を漏らしていたナオミであった。
「ナオミ!?」
マサトは驚き、事情を話したところ、ナオミはマサトを追って、鬼の大将やマサトの正体を聞いていたと、マサトは呆れ、天都ノ神殿を去り、アウラの都へ戻っていくと、
「ところで.....どうしてそこまで俺と接触しようとしているんだ?」
「あの.....その......」
「.......ま、良いか......」
マサトは鳥居の前の石段に座る。
「あれ.....嘘だろ?エクセリアが選んだって言うの?」
「えぇ!?何時からなの!?」
「とっくの前だよ.....だってエクストリームは乗ってあのテキストの問いに答えないと、起動しないから.......」
「はう~~......」
ナオミは落ち込み、マサトは慰める。そしてマサトとナオミは一緒に夜空に浮かぶ星を見ていた。
「不思議だなぁ.......」
「何が?」
「今まで、俺は......ずっとレオスに.....嫌、母さんに守られていたんだと、それが不思議だなぁと思って......」
「私も、あの赤い少女がマサトの本当の妹だったなんて......思っていなかったよ」
「ハハハ、俺もだよ......最初会った時は幽霊かと思ったからなぁ♪.....?」
マサトはナオミの綺麗な横顔にドキッとする。
「何?」
ナオミが問うと、マサトは決意する。
「.......ナオミ」
「ん?」
「その.....え~っと.......俺.......お前が好きだ」
「.....................ほえっ!!?」
マサトからの衝撃の告白に、ナオミの顔が真っ赤に染まる。
「きゅ!?きゅ!?きゅ!?急に何を!?」
「......その、お前と会った時.......惚れていたんだ........綺麗なピンクの髪で、可愛いくて....♪」
「か、可愛.....い~~」
ナオミはさらに照れていると、マサトが言う。
「ナオミ........俺の、"恋人"になってくれないかな?」
マサトの告白にナオミも言う。
「私も.....マサトと一緒に居たい.....そして、幸せになりたい....」
ナオミはそう言い、二人は互いの唇を近付けてキスをし、誓い合ったと、......。二人が恋人同士になったことで、オルトとマナミアは大喜びした。それで、二人とも顔を赤くしていたと。それを聞いたマティス達は驚きながら、大喜びするのであった。
《おお~~!!!》
皆は拍手で応えると、アンジュがマサトに言う。
「何よそれ!?結局アンタもド変態!ドスケベ!エロタスクの仲間じゃない!ナオミに変なことをしたら許さないからな!!」
「アンタに言われたくないな!」
「何~~っ!!」
マサトとアンジュが睨み合っていると、ある影が入り込み、皆は上空を見ると、上空にハデスの主力巡洋艦『ワイバーン級』36隻、駆逐艦『ガルーダー級』27隻、特務艦『グリフィン級』15隻、そして総旗艦の『ケルベロス』とその護衛艦『オルトロス級』10隻と強襲艦艇『サラマンダー』、その中にアストラの戦艦『インフィニティ』も集まった。
「スゲェ!あんな船もあったんだ~!」
「これぞ大艦隊!!」
更に興奮していたヴィヴィアンとメリー、マサト達もそれに見とれる中でアストラ達が来る。
「どうだ?中々のもんだろ?.......各地にいる施設からトリスタン連邦の残党の5割の艦隊だからなぁ♪」
《5割!!?》
「え、ちょっと待てよ......あの大勢力でまだ半分なの!?」
「あぁ、残り半分は二日も掛かるが、貴族連合も含めて合計20割だな♪それと......連れてきたのか?」
アストラがマサトに言う。
「あぁ!」
マサトは後ろの方を向くと、甲冑と武装した鬼の民が現れてきた。そして鬼の民の主力戦艦『鬼刃』10隻と装甲艦艇『摩幌馬』20隻を引き連れてきた。
「ほぉ、鬼の民の勢力か.......」
アストラが感心していると、鬼の大将がアストラに近付く。
「お前が大将か?」
「如何にも、我だ......」
鬼の大将はそう言うと、鬼面を外し、アストラや皆に、於曾ましい顔を見せる。
「意外とゴツいなぁ......」
アストラがそう言うと、鬼の大将が吼える。
「ッ!!!」
「ハ、ハ、ハ!お手並み拝見だ!」
鬼の大将もそう言うと、鬼面を付け、鬼刃に乗り込む。
「鬼の民って......あんな感じなのか?」
「大将はそう言う奴だよ.....他はまともな顔......」
マサトのアドバイスにアストラは納得した。するとタスクの耳元にドクターゲッコが....。
「タ ス ク さん~♪」
「ぞぉ~!?」
タスクはビックリして見て、ドクターゲッコはタスクの腕に抱き付く。
「もっと人型の成人男性を観察するいいチャンスでしたのに、残念です♪」
「あ、そうですか......」
「次回は是非、私と交尾の実験を.....」
アンジュがタスクの首根っこを引っ張って、ドクターゲッコに言う。
「御免なさいドクター、これは貴女の実験用の珍獣じゃなくて。私の『騎士』なの」
「えっ?」
「あ、はい....」
アンジュの言葉にタスクとドクターゲッコは唖然とし、タスクとアンジュの様子にヴィヴィアンは思わずからかう。
「ヒューヒュー♪」
二人の行動にアンジュは思わず頬を赤くして、すぐさまヴィルキスの元に行く。
「ほ!ほら!!行くわよ皆!!」
「あ、ああ」
「お~!」
慌てて追いかけるタスク、テンションよく付いていくヴィヴィアン。それにマサト達は苦笑いしながら呆れ返っていた。
そしてドラゴン達が集結して、大巫女が皆の前に現れる。
マサト達は大巫女の姿を見て唖然とする。
「あれが大巫女....?」
「.......幼女だ」
そして大巫女はアウラの民達に宣言をする。
「誇り高きアウラの民よ、アウラと言う光を奪われ幾星霜.....ついに反撃の時が来た。今こそネロスに我らの怒りとその力を知らしめる。我らアウラの子!例え地に落ちてもこの翼は折れず!!」
その言葉にドラゴン達は雄叫びをあげて、それにヴィヴィアンもつられるように興奮しながら吠えた。
宣言が終えてサラは焔龍號に乗り込み、皆に告げる。
「総司令!近衛中将サラマンディーネである! 全軍出撃!!」
焔龍號が発進して、それに続くかの様にナーガとカナメの蒼龍號と碧龍號が続き、ドラゴン達もその後を追いかけるように出撃した。マサト達も機体を発進させ、ハデス艦隊と共に空へ飛び立つ。そしてヴィヴィアンはタスクのフェニックス・ゼロの後部座席に乗って、見送っているラミアに言う。
「行ってきまーす!」
特異点に向かっている中でタスクが妙に笑っている事にアンジュが気付き、通信で問う。
「何?気持ち悪い」
「ああ、いや嬉しくてさ。君が俺の事を騎士として認めてくれたのが」
「ああ~その事ね」
「まあ分からなくもないな、タスクさんはアンジュさんの騎士だから。タスクさんがその事を認めた事だけでも凄い事なんでしょう」
マサト達はタスクの考えてる事に納得するかのように頷く。
そしてヴィヴィアンがある事を問う。
「ねえねえ、ドラゴンさん達が勝ったら戦いは終わるんだっけ?」
「えっ?ああ…多分そうだね」
それにタスクは頷いて言い、それにコモンは頷く。
「そしたら暇になるね、そしたらどうする?」
「え?、どういう意味なんだ?」
ヴィヴィアンの言葉にガイは首を傾げながら問う。
「実はね、私戦いが終わったら皆をご招待するんだ。あたしん家に♪皆は?」
その事にマティス達は考える。
「そうだな~....俺は知事になってみたいな。親父がマーメリア共和国の官庁をやっていたから、この世界で街を築き上げて、首長を目指す!」
「僕は吟遊詩人かな、世界を回って、歌を届ける」
「良いね~♪」
「俺は、壮大で穏やかな高原に小屋を建てて、そこでレストランを開く。」
「俺は、貴族連合に入って、新たな名門を築く。元々貴族連合が九大名門だったからな」
「俺は、この世界の何処かに沸く秘湯を探して、そこに温泉郷を築く。」
「おぉ~!」
それぞれの夢を持っているマティス達にタスクは思わず感心をしていて、ヴィヴィアンは次にタスクに問う。
「ねえ!タスクは?」
「えっ?俺~? 俺は.....海辺の綺麗な街で小さな喫茶店を開くんだ。アンジュと二人で....店の名前は天使の喫茶店アンジュ、人気メニューはウミヘビのスープ」
「なぁ、タスク」
「えっ?何?」
ガイに問いかけられたタスクはガイの方を向く。
「お前、そのメニューはやめた方が良いと思う。それにあんまりアンジュの事ばっか言ってると殺されるぞ」
「えっ…それは確かに。あっ!でもまだ他にあるんだ。二階が自宅で子供が四人」
「ヴィヴィアン、殺していいわよ」
っとアンジュが機嫌悪いして、ヴィヴィアンに言い、それにヴィヴィアンは「ガッテン!」と言って銃を取り出してタスクに向ける。
「ご、ごめんアンジュ....俺はただ、穏やかな日々が来れば良い....ただそう思ってるだけさ」
マサトとアンジュはタスクの言葉にただ黙って聞いていて、次にヴィヴィアンがマサトとアンジュに問う。
「ねえ!マサトとアンジュは?」
「私は....」
「俺は.....ナオミと一緒に、鬼の民と共に暮らす。小さな村を築き上げてね....」
《ヒュ~~!!》
突然、マティス達がマサトをからかっていると、カナメが皆に言う。
「特異点開放!!」
すると皆の目の前にシンギュラーが解放されて、それにパトリックとヴィヴィアンが見開く。
「あの向こうが......」
「おお~!開いた!」
開放と共にサラがドラゴン軍に向かって叫ぶ。
「全軍!我に続け!!」
その言葉と共にとドラゴン達はシンギュラーに突入して行き、向かっている中でアンジュはタスクが言った言葉、喫茶アンジュの事を考える。
「(悪くないかもね…喫茶アンジュ)」
そう思いながらも皆はシンギュラーに向かって行き、ハデス艦隊も付いていった。
そしてシンギュラーを抜けてマサト達は見渡す。
「ここは…」
「ここでクイズで~す! 此処は一体どこでしょうか!クンクン....正解は!あたし達の風、海、空でした~!」
そしてハデス艦隊もシンギュラーを抜けて、オルトも自分達の世界に戻って来た実感を感じる。
「戻ってきたんだ......俺たちの世界に.....」
「そうだな....あれ!?」
アストラが到着した場所が違うことに気付く。
「どうなっているんだ!?サラ!」
「到着予定座標より北東4万8000…?! どうなっているのですか!これは!」
「分かりません....!確かに特異点はミスルギ上空に開く筈....!」
っとその時サラの機体のレーダーに警告熱反応が表示され、それにサラは前方を見る。
すると目の前にミサイルが無数に飛んで来て、それにドラゴン達は光の盾を展開し防御する。
「何事!!」
煙が晴れた途端に無数のドラゴン達が海に落ちて行き。
ガレオン級が吠えた途端に緑色のビームがガレオン級の頭部を吹き飛ばして撃ち落とす、それにサラは目を見開く。
「あれは....!」
サラが目にしたのは、5体の黒いヴィルキスとスペードのフェニキス、ダイヤのガルムガンダム、ジャックのガンダムメフィスト、ハートのモビルアーマー『ディビニダドゥ』、ゼノビアのモビルアーマー『シャンブロ』、エースのモビルスーツ『ジャッジメントガンダム』、そしてあのイクスとその周りにエクストリームの同型の機体『Gストリーム』、ディーラ艦隊がバグとプルーマを引き連れていた。
それにケルベロスに居るオルトは思わず表情を歪める。
「何て事だ!!」
「何ぞ!?あれ!?」
「黒い.....ヴィルキス!?」
「イクスに.....エクストリーム!?」
マサト達が驚いていると、何百機のGストリームがビームガンを構え、5体のラグナメイルがビームライフルを構え、乱射してきた。
ワイバーンやガルーダー、グリフィンのカタパルトからモビルスーツ『ジャハナム』、『ザクウォーリア』『ギラ・ズール』が発進され、サラがナーガとカナメに通信を入れる。
「姫様!これは!?」
「待ち伏せです....!」
サラが言った言葉にナーガとカナメは驚きを隠せない。
「待ち伏せ?!」
「では!リザーディアからの情報は.....!?」
「今は敵の排除が最優先です!!」
そう言ってサラ達は龍神器達を駆逐形態に変形させて、ドラゴン達やハデス艦隊に言う。
「全軍!!敵機を殲滅せよ!!」
サラが先頭に進み、その後にナーガやカナメも後に続き、ハデス艦隊とディーラ艦隊の攻撃が開始された。