クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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今回の話であの機体が起動します!!


第29話:覚醒の希望

 

そして祭りが終わったその深夜、宮殿の玉座の間で大巫女とサラマンディーネ、そしてアウラの民の巫女たちが集まっていて、彼女達の前にリザーディア事…リィザがホログラムで通信回線を開き話していた。

 

「何と....! 真かリザーディア!」

 

『はい大巫女様、新生ミスルギ帝国の地下。アウラの反応は確かに此処から』

 

リィザの報告に巫女たちは思わず声を上げ、大巫女は頷きながらリィザをほめる。

 

「よくぞやってくれたリザーディア、時は来た。アウラの子よ、これよりネロスの手から全能の母、アウラを奪還する。リザーディア『特異点』解放のタイミングは手筈通りに」

 

『仰せのままに....。』

 

そう言い残してリィザは通信を終えて消える。そして大巫女は皆に言う。

 

「これはこの星の運命を掛けた戦い、アウラと地球に勝利を!」

 

『『『勝利を!』』』

 

大巫女の声と同時に皆も頭をさげる。

 

「大巫女様、ハデスと貴族連合の皆さまにも協力を求める事は?」

 

「無論求める。ネロスとの戦いには彼らの協力が不可欠........ネロスは必ずモビルアーマーを使ってくる.....。」

 

「分かりました、では、ハデスと貴族連合の皆さまには私が伝えて置きます」

 

それに大巫女は頷き、サラマンディーネはその場を立ち去って行く。

 

そしてサラマンディーネはハデスが活動する研究施設に行き、そこでレオスやマティス達のモビルスーツとヴィルキスを修理するオルト達にアウラの事を話す。

 

「そうか、ミスルギの地下に君達のアウラがいるのか......」

 

「はい、それでどうかあなた達、ハデスや偽りの世界にいる貴族連合のお力をお貸しください」

 

それを聞いたオルト達はサラマンディーネと話す。

 

「勿論だ、ユリウス総統とイリス奥方を裏切ったあの神気取りと言われる奴に私達の世界を好き放題にさせる訳には行かんからな」

 

「ありがとうございます、では私はこの事を大巫女様にお伝えします」

 

サラマンディーネはそう言い残した後にその場を去って行き、オルト達は格納庫で修理を行っているレオスとエクセリアとヴィルキスの方を見る。

 

「さて、レオスは兎も角.......エクセリアのパイロット見つけ出さないとなぁ.......」

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、マサトとアストラ、サラマンディーネ達とタスクとアンジュ達の部屋へと向かっていた。

 

そしてタスクとアンジュの部屋の前に来て、サラマンディーネが襖をノックし入る。

 

「おはようございます....あら?」

 

「「っ!!?」」

 

マサト達が見たのはタスクがアンジュを押し倒していた姿だった、しかもタスクがパンツ一丁でアンジュの寝間着が完全に崩れていた状態。

それにマサトは唖然し、アストラは頭を支え呆れ、ナーガとカナメ頬を赤めていた。

 

「......タスク.....弟子としてお前は......」

 

マサト達が来た事にタスクとアンジュは真っ赤な顔になって慌てていた。

しかしサラマンディーネが....。

 

「朝の“交尾中”でしたか。さっ、どうぞお続けになって?」

 

「えっ!!!!」

 

とんでもない発言にマサトは思わず顔を真っ赤にし吹いてしまう。

 

「....っ! ちっが~~う!!!!!」

 

その発言にアンジュはタスクを突き飛ばしてしまい、終いにタスクの尻を何度も蹴っていた。

 

そしてマサト達が朝食に行くと、既にマティス達が座っていて。マサト達を見たマティス達は声を掛ける。

 

「おお!マサト、アンジュ、タスク、アストラさん!おはよう♪」

 

「おお~!おやようさ~ん!」

 

「あれ? ヴィヴィアン?」

 

そこにはヴィヴィアンとラミアの姿が居て、共に朝食を取っていた所だった。

 

「サラマンディーネ様」

 

「よく眠れましたか?」

 

「それが、『ミィ』と朝まで喋りしてまして」

 

「だから寝不足~♪」

 

ラミアがそのミィと言った言葉にマサトは頭を傾げる。

 

「ミィ?って誰だ?」

 

「ヴィヴィアンの事だよ。彼女の本当の名前だって」

 

タスクからその事を聞いたマサトは思わずヴィヴィアンの方を向く。まさかヴィヴィアンの本当の名前がミィと言うのは予想も付かなかった。

 

朝食を終えたマサト達。外でラミアがマサト達に言った。

 

「えっ? 家に帰る.....?」

 

それに頷くラミアはヴィヴィアンを抱き付いて言う。

 

「この子が生まれて家を見せてあげよかと思って」

 

「おお~!見る見る!」

 

っとそれに賛同にするヴィヴィアン、そしてラミアはヴィヴィアンを連れて飛んで行った。

その時にヴィヴィアンはマサト達に手を振った。

 

「て事で、ちょっくら行ってくるね~!」

 

ヴィヴィアン達を見送ったマサト達、その中でタスクが腕を組みながら笑みを浮かばせる。

 

「親子水入らずね~♪」

 

「まあ、無理もない....ヴィヴィアンにとっては覚えてないと言えど、自分の生まれ故郷だからな。」

 

マサトがタスクにそう言ってる中、アンジュがムスッとしている様子にパトリックが気づく。

 

「どうしたの、アンジュさん?」

 

「気にくわないのよ。何もかも.....」

 

っとその事にマサト達は思わず顔を合わせて少々困った表情をする。そしてアンジュはサラマンディーネに問う掛ける。

 

「それで、茶番はもう十分よ。あなたの目的は何?私達をどうする気なの?」

 

「フフ♪、腹が減っては戦は出来ぬと申します。お腹はいっぱいになりましたか?」

 

その事にアンジュは戸惑いつつも頷く。

サラマンディーネはそれを確認したのち言う。

 

「では、参りましょう♪」

 

サラマンディーネはそう言うとガレオン級を呼び。マサト達を乗せてある場所へと向かう。

マサト達はその建物を見て唖然とする。

 

「此処は一体...?」

 

「古代の闘技場ですわ、嘗ては多くの者達が集い、強さを競い合ったそうです」

 

サラマンディーネの説明を聞いてタスクはそれに驚く。

 

「まさか...500年前の施設!? 完璧な保存状態じゃないか....!」

 

「姫様自ら復元されたのだ」

 

「え?義姉さんが?」

 

マサトがその事を問い、それに頷くナーガ。

 

「サラマンディーネ様はその頭脳を持って旧世界の文明を研究し、様々な遺物を現代まで甦らしたのだ!」

 

「へぇ~?」

 

「我々の龍神器も、サラマンディーネ様がっ?!」

 

っとカナメがナーガの横腹を突き、小声で注意する。

 

「それ、機密事項でしょ?」

 

「あっ!御免なさい!」

 

ナーガはそれに気づいて、慌てて謝るが。それをサラマンディーネは答える。

 

「ナーガ、もう隠す必要はございません。私達が使っている龍神器は貴方のお父さんが使っているモビルスーツ『エピオンボロス』のデータを元にした機体です。」

 

「父さんの!?」

 

それにサラマンディーネは頷いて、レオン達が感心してる中でアンジュが前に出て問う。

 

「それで、此処で何するの?」

 

「…共に戦いませんか? 私達と」

 

サラマンディーネの言葉にアンジュは思わず「はっ?」と言葉をこぼし、それにはマサト達は反応する。

そしてレオンはサラマンディーネ達の目的を問う。

 

「それって、アウラを奪還する為にか?」

 

「はい、それに目的は違うとはいえ、ネロスを倒す為に」

 

「フフフ......ははは」

 

っと突然アンジュが笑い出し、それにマサト達はアンジュの方を向き、タスクが問う。

 

「アンジュ?」

 

「な~んだ、そう言う事、結局は私を利用したいだけなの…戦力として。知って欲しかっただの、解りあえただの、良い人ぶっていたのも全部打算だったじゃない」

 

それにサラマンディーネは笑みを浮かばせて言う。

 

「その通りです、他の者達は兎も角として。あなたはそれなりの利用価値がありますから」

 

っとサラマンディーネの言葉を聞いたアンジュは思わずキレる。

 

「っ!? ふざけるな!私はもう!」

 

「もう....誰かに利用されるのはウンザリ....ですか?」

 

その事を聞いてアンジュは思わず拳を握りしめる。

マサトはサラマンディーネの言葉を聞いて、腕を組んで問う。

 

「て言うか、その中に俺も含まれているのですか?」

 

「飛んでもない、あなたはネロスが予想もしなかったレオスの所持者。そして私の婚約者であるアストラの弟君ですから♪」

 

サラマンディーネの説明にレオン達は納得する表情をする。

 

「まあ、確かに俺の機体は確かに特別だ。それにそのネロスが俺等の世界を操ったり義姉さんの世界を壊してきたのを知ったらほっとけないなぁ.....」

 

「はっ!! 本気なの!?マサト!! 私はゴメンよ!!」

 

アンジュは今だに意地を張る事にマサト達は少々呆れる。

 

「そう言うと思いまして此処へお連れしたのです、アンジュ。勝負しませんか?」

 

「はっ?勝負??」

 

「はい、貴女の未来を掛けて。私が買ったあかつきには貴女は私の所有物となって頂きます、無論貴女が勝てば自由ですわ」

 

サラマンディーネの説明にアンジュは思わず驚きを隠せないでいた、そしてマサトは笑みを浮かばせる。

 

「なるほどな、要はアンジュの持つラグナメイルがどうしても必要って訳か....、良いよ、義姉さん!アンジュ。この勝負受けるって!」

 

「ちょっ!?勝手に決めないで!! マサト!貴方一体何を!!」

 

「この勝負はお前の運命を掛けた物だからな♪、それをどうするかはお前が決めるんだ.......」

 

マサトの言葉にアンジュはそれに拳を再び握り締める。

 

「それをどうするかは自分で決める…か、良いわ!やってやろうじゃないの!」

 

「そう来なくては....!」

 

話が纏まってアンジュとサラマンディーネが勝負する為の闘技場へと向かう。

まず最初にテニスが始まって、タスク以外のマサト達は外で観戦していた。

 

「その玉を打ち返して、枠の中に打ち込めばいいのね?」

 

「その通り、では始めましょう」

 

「サービス!サラマンディーネ様!」

 

試合が始まり、アンジュは構えるとサラマンディーネの強烈なサーブが一気に決まる。

それにアンジュは驚いてしまう。

 

「なっ!?」

 

「15-0!サラマンディーネ様!」

 

「くっ!」

 

「あら? 速すぎました?手加減しましょう.....か!!!」

 

サラマンディーネが再びサーブを放つ、っがそれをアンジュはレシーブをする。

 

「結構......よ!!!」

 

それにサラマンディーネは驚いてしまい、反応が遅れてしまう。それを見た皆は驚く。

 

「「なっ!!?」」

 

「ふぃ!15-15!」

 

カナメが慌ててポイントを言い、アンジュとサラマンディーネはお互い睨み合いながらも笑みを浮かばせていて。それを見たマサトはこっそりと笑みを浮かばせていた。

 

そしてテニスの後に野球、未来的なレース?的なマシン『サイバーフォーミュラ』、ゴルフ、卓球、クレーンゲーム、そしてツイスターゲームまでやり続けていた。

 

一方その中でもガイは何やら薄々と微妙な違和感を感じていた。

 

「これは.....本当に決闘なのか?」

 

そう言いつつもカナメがルーレットの色をと位置を教える。

 

「サラマンディーネ様、右手、緑」

 

カナメの指示にサラマンディーネは言う通りに手を指定の位置に置き、次にタスクがルーレットを押す。

そして色と位置が表示されて言う。

 

「アンジュ、左手、赤」

 

アンジュも言われた通りに手を位置に置く。

苦しみながらサラマンディーネはアンジュに言う。

 

「予想以上ですわ…アンジュ」

 

「何が.....?」

 

「少し…楽しみだったのです。今まで、私と互角に渡り合える者などいませんでしたから、アストラの教えの通りに.....」

 

サラマンディーネはアストラから武術を学び、アストラを師と称えられ、将来を誓いあった。

 

そしてカナメが次のルーレットの色と位置を言う。

 

「サラマンディーネ様、左足、赤」

 

「ですから....すごく楽しいのです」

 

アンジュがサラマンディーネを転倒させようとするが、サラマンディーネの尻尾がそれを抑える。

それに『尻尾を使うの反則よ!』と言ったアンジュは思わずサラマンディーネの尻尾を噛みつき、それに悲鳴を上げるサラマンディーネがアンジュを巻き込んで転倒し、それに皆は唖然とする。

 

サラマンディーネがすぐに起き上って言う。

 

「尻尾を噛むのは反則です!」

 

っと起き上がったアンジュが突如笑い出して、それにはサラマンディーネも見ていてしばらくすると笑い出す。

 

「姫様が.....笑った?」

 

「あんな笑顔、初めて見た.....」

 

ナーガとカナメはサラマンディーネが笑い出した様子を初めて見て、マサト達は笑みを浮かばせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ハデスの監視塔ではコンソールに表示されている以上なパルスが確認されていた。

 

「おい!どう言うことなんだ!?」

 

「分かりません!急にパルスが反応して!」

 

すると監視塔の前方から、特異点が開き、現れたのはクローバーとスペードが操るモビルスーツ『α・アジール』と『フェニキス』であった。

 

「まさか!ディーラ!!」

 

するとα・アジールのファンネルが展開された。

 

「まずいぞ!!」

 

「リフレクターシールドっ!!!」

 

ハデス兵士が監視塔のリフレクターシールドを起動しようとしたが遅く、ファンネルの攻撃により、破壊された

 

「進もう......アウラ都は直ぐそこだ.....」

 

スペードとクローバーはアウラの都へ前進するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして同時に闘技場に居るマサト達はアンジュとサラマンディーネがシャワー室で汗を流している間待っていた。ナーガとカナメは二人が入っているシャワー室の前に立って見張っていた。

 

するとアストラがマサトやマティス達を呼び集める。

 

「お前達、ちょっと来い」

 

マサト達はアストラにハデスの研究施設に呼び集められると、そこに待っていたのは......。

 

《ミスティ様!?》

 

何と、偽りの世界にいる筈のミスティ・ローゼンブルム妃殿下とセルジランド・ボードウィン、その兄のアルバレア・ボードウィンが待っていた。

 

「それにセルジオにアルバレア公爵様も!?」

 

「久し振りだな、マサト.......嫌、マサト・ブライス子爵よ♪」

 

「あ、いえ......その名は止めてくれませんか?俺は普通のマサトと呼ばれたいですし......」

 

「そうか?だが、言わせてくれ.......亡き我等のトリスタン連邦の総統と奥方の子だからなぁ♪」

 

「アハハ...」

 

二人の会話にミスティも入ってきた。彼女はセルジオに連れ拐われ、厳密に言うと呼ばれ、あの世界の秘密、ドラゴンの正体、ディーラ、ハデス、七大名門貴族連合、マサトの存在、人間とマナの真実を知り、ミスティは次期ローゼンブルム王国の女王であるため、七大名門貴族連合やハデス、アウラの民、ノーマと共に戦うと、

 

「でも、大丈夫ですか?ミスティ様........家の事や国の事をほったらかしにして?」

 

「それの事でしたら大丈夫です♪部屋に謝罪や決意を胸にした置き手紙を出しておきましたので、それに.....♪」

 

するとミスティはセルジオの腕に抱き付く。

 

「私には、素敵な"旦那様"と一緒に居られるのが嬉しいのです♪」

 

ミスティとセルジオは互いに頬を赤くしながら顔を見つめ合う。

 

《(このイチャラブ新婚........止められないなぁ)》

 

マサト達はミスティとセルジオの熱愛に心の中で呆れていた。

っとその時に地震が起きて、それを感じたマサト達は驚く。

 

「ん!? 何だ!?」

 

そして闘技場に入っているアンジュとサラマンディーネはそれに気付き、ナーガとカナメは入り込む。

 

「サラマンディーネ様!」

 

マサト達は急いで外に出ると、アウラの塔から何やら異変が起きていた。

 

それはアウラの塔からある空間が変化して行く様子で、それにマサト達は目を奪われる。

 

「何なんだあれは.....!?」

 

そしてアンジュ達も合流して、アンジュはその空間の様子にある光景が映し出される。それはアンジュがまだ学生だった時に試合した事があるエアリアの試合会場であった。

 

「あれは....エアリアのスタジアム!?」

 

そして町にいるヴィヴィアンはラミアと共に逃げて行き、その光景を目にする。

異変の空間はその人々を飲み込み、街を崩し、がれきと共に生き埋めにさせて行く光景を…。

 

「うわっ!街が!皆が!!」

 

「どうなっているんだ!?」

 

「俺達も行こう!!」

 

「うん!」

 

マサト達は急いで、機体に乗り込む。一方、闘技場の方でもそしてサラマンディーネはある物を呼ぶ。

 

「焔龍號!!」

 

すると額の宝玉が光り、空から焔龍號がやって来た。サラマンディーネは焔龍號に乗り込んだ。

 

「カナメは大巫女様に報告! ナーガは皆さまを安全な場所に!」

 

「「はい!!」」

 

そう言ってサラマンディーネはアンジュに向かって言う。

 

「アンジュ、決着はまた今度で♪」

 

サラマンディーネはアンジュにそう話した後にコックピットを閉め、異変の空間へと向かって行く。

 

そしてヴィヴィアンはラミアと共に避難をしていたが、道がふさがれてしまって孤立してしまう。っと真上のがれきが二人と他の者達に目がけて落ちて来るが、そこにビームが飛んで来てがれきを破壊する。

 

皆が上を見るとサラマンディーネの焔龍號がやって来た。

 

「皆さん!すぐに宮殿に避難を!!」

 

それに皆はすぐに避難をし始めて、サラマンディーネは落ちて来るがれきを次々と破壊して行く。

 

「急いでください!…!?」

 

っとサラマンディーネは気配に気づく。迫っている異変の空間の中から赤と白の巨影が姿を現す。

 

「あれは!?」

 

姿を現したモビルアーマー『フェニキス』と『α・アジール』に乗っているスペードとクローバーはアウラの街を見渡して、笑みを浮かばせていた。

 

「ここがアウラの都か...........まさか、旧世界に害虫の残党が生き残っていたとは.........早いとこ駆除しなければなぁ」

 

スペードはフェニキスの頭部を展開し、ハイメガ粒子砲を発射しようとした直後、ビームが飛んで来て、頭部に直撃した。スペードはその方向を見ると焔龍號がやって来る。

 

「何者かは知りませんが......都を滅ぼす訳には行きません!!」

 

それにスペードは鼻で笑い飛ばす。

 

「フッ......この世界の機体か.....殺れる者なら、殺ってみろ!!」

 

フェニキスが鳥の鳴き声を発し、巨大な爪を展開させ、焔龍號に襲い掛かった。

 

 

 

 

 

そして宮殿に戻ったレオン達、すでにレオスとマティス達のザクウォーリアの修理が済んでおり、地表に出されていた。マサト達は急いで乗り込み、起動準備に取り掛かる。

 

『10時方向にモビルアーマー!10時方向にモビルアーマー!』

 

ハロがアウラの塔のある方向にモビルアーマーが出現したことを報告してきた。

 

「モビルアーマー!?......あのデカブツが来ているのか!」

 

マサトのレオス、タスクのフェニックス・ゼロ、マティス達のザクウォーリアとジン、アストラのフェニックスガンダム、そしてアルバレアのガンダム『キマリスヴィダール』が離陸の準備をする

 

っとナーガとカナメはそれに気付く。

 

「何をしている!?」

 

「ヴィヴィアンを助けに行くのよ!」

 

アンジュはまだ修理していないヴィルキスを動かし、ヴィヴィアンのいるアウラの都へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マサト達が向かっている中、サラマンディーネが操る焔龍號はたった一機でスペードのフェニックスとクローバーのα・アジールと戦っていた。

Iフィールドを持つモビルアーマーでは、バスターランチャーのビームが無効にされ、サラマンディーネは後ずさりながら、体制を立て直す。

 

「どうした?、動きが鈍いぞ!」

 

スペードは巨体であるフェニキスを華麗な機動力で飛び回る。それま正に、自由に空を舞う不死鳥であった。

 

スペードはサラマンディーネを吹き飛ばし、体制を崩されたサラマンディーネはその隙を突かれてしまい、フェニキスの大型クローを突き付けてきた。

 

その時、フェザーファンネルがフェニキスに突撃してくる。

 

「このファンネルは!?」

 

サラマンディーネの前に、アストラのフェニックスガンダムが舞い降りてきた。

 

「アストラ!」

 

「待たせたな、サラ!」

 

アストラはデュアルビームライフルを構えると、スペードが言う。

 

「アストラ・ラスタル........まさか、ここで再会出来るとはなぁ......」

 

「私もだ、スペード..........我が"宿敵"!」

 

「俺もだよ.......今日こそ、永年の決着を付けようではないか!!」

 

アストラとスペードは上空へ舞い上がり、ビームサーベルと大型クローがぶつかり合う。

そしてサラマンディーネを助けに、マサト達も駆け付ける。

 

「義姉さん!大丈夫!?」

 

「マサト!」

 

「何やってるのよ!サラマンドリル!」

 

「アンジュ、名前が違うよ」

 

マティスがアンジュに突っ込む。

その時に皆の目に異変の空間が人々を飲み込んで行く様子にマサト達はくぎ付けとなる。

 

「何だあれ....!?」

 

「何なの!?」

 

マサトとアンジュがそれに言葉をこぼす中でタスクがそれに説明する。

 

「ネロスだ!」

 

「え!?あいつが!!」

 

その事にマサトは驚く。

 

「ああ!! ネロスは時間と空間を自由に操る事が出来るんだ! 俺の父さんも仲間も石の中に埋められて死んだ....あんな風に!!」

 

タスクの説明を聞いたマサト達は驚く中でアンジュがヴィヴィアンとラミアの姿を見つけた。

映像にはラミアがエアリアのバイクに下敷きになっていた。

 

「ヴィヴィアン!!」

 

「ヴィヴィアンは僕達に任せて!」

 

パトリックとメリー、ニコラスはすぐにヴィヴィアンの方に行き、マサト達はクローバーのα・アジールを相手する。

 

「来い!ガキ共がぁっ!!」

 

クローバーはファンネルを展開し、マサト達を追撃する。

 

「死角に気を付けろ!!」

 

マサトがマティス達に注意を報告し、直ぐにアイオス・フェースへ進化し、アリス・ファンネルを射出する。

 

「ファンネル!!」

 

8基のファンネルが一斉にクローバーのファンネルに攻撃していく。しかし、α・アジールの大型ファンネル9基に苦戦する。さらにα・アジールが有線サイコミュ式メガアーム砲を伸ばしてきた。

 

「嘘だろ!?」

 

マティス達はメガアーム砲の五連砲に苦戦する。ビームマシンガンで応戦するが、α・アジールのIフィールドで無効化されてしまう。

 

「クソッ!あのIフィールドって言うバリアが邪魔だ!!」

 

マティス達はビームマシンガンから特殊武器で応戦する。

 

 

 

一方、ナオミはマサトやアンジュ達が戦っているのに、自分はただ、ここで黙って見ているだけであった。

 

「こんな時、パラメイルがここにあれば......マサトを」

 

ナオミはそう思っていると、誰かがナオミの袖を引っ張る。

 

「ん?」

 

引っ張っていたのは、先日の夜に現れた赤い少女であった。

 

「貴女は!?」

 

すると赤い少女は格納庫へ行き、ナオミに手招きする。

 

「こっちに来てって言うこと?」

 

ナオミは赤い少女に付いていき、格納庫の中に入ると、目の前に女性タイプをしたピンクカラーのガンダムが収納されていた。整備士達は事態で忙しく、そのガンダムを無視していた。ナオミは関係なくそのガンダムに乗り込むとコンソールのモニター画面にさっきの赤い少女が写る。

 

「貴女は.....一体....?」

 

「『フフ、真人お兄ちゃんを助けて上げて♪』」

 

するとコンソールの画面が切り替わり、テキストが表示された。

 

『ニンゲンヤメマスカ?―Yes/No』

 

ナオミは必死に考えるが、そんな悠長に考えられなかった。

 

「考えても仕方がない!私も、マサトと一緒に空を羽ばたきたい!だから力を貸して!」

 

ナオミは構わず、テキストの問いのYesを選択した。すると赤い少女が喋る

 

「『これでナオミちゃんもこのエクセリアを司る悪魔ね♪』」

 

それと同時に、エクセリアのツインアイが光だし、各部が緑色に発光し出す。

 

「何だ!?」

 

「誰がエクセリアを!?」

 

ハデス兵士や整備士達がエクセリアが動いている事に驚く中、ナオミはエクセリアを動かす。

 

「お願いよ~、そのまま倒れないで~!」

 

ナオミは慎重にエクセリアを操作し、格納庫の外に出る。

 

「さぁ!行けぇぇぇっ!!!」

 

ナオミはペダルを強く踏み込むと、エクセリアのバーニアから火が吹き始め、空へ舞い上がった。

 

 

 

 

 

 

ちょうどその頃、マサト達はα・アジールの攻撃に苦戦していた。

 

「クソッ!アイツのIフィールドさえなければ、勝てるんだが、」

 

「止めだ!」

 

クローバーはファンネルやメガ粒子砲、アーム砲で一斉砲撃をしてきた。その時、魔方陣ような物が現れ、クローバーの攻撃をあっという間に防いだ。

 

「何っ!?」

 

《!?》

 

マサト達の前に現れたのは、ピンクのガンダムであった。

 

「桃色の.......悪魔?」

 

するとピンクのガンダムから通信が入る。

 

「皆!大丈夫!?」

 

《ナオミ!?》

 

マサト達が驚いていると、クローバーがファンネルで攻撃してきた。

 

「あ!危ない!!」

 

ナオミはエクセリアに搭載されているスフィアビットとシールドビットを展開した。ファンネルが攻撃して来るが、シールドビットがビームを弾き、スフィアビットがファンネルを爆撃する。

 

「すげぇ!」

 

マティスが感心していると、マサトのレオスが光だし、『EXA・フェース』へと進化した。

 

「マティス......都にいる人達を避難してくれ、アンジュと義姉さんはあの異空間を頼む.......俺とナオミはあのモビルアーマーを殺る!」

 

マサトはそう言うと、二丁のヴァリアブル・サイコ・ライフルを構え、アリス・ファンネルを展開すると、ナオミに近付く。

 

「行くぞ、ナオミ!」

 

「えぇ!!」

 

ナオミもエクセリアのスフィアビットとシールドビットを射出し、マサトのアリス・ファンネルと共に、α・アジールへ向かっていく。

 

「この野郎!!!」

 

クローバーは残存しているファンネルを射出し、アーム砲を伸ばしてきた。アーム砲の攻撃をシールドビットが防ぎ、その後ろからアリス・ファンネルが応戦したり、スフィアビットが一気に、α・アジールに向かっていき、爆発する。

 

「己ぇぇぇぇぇッ!!!!!」

 

クローバーはα・アジールの口元にあるメガ粒子砲を発射した。マサトとナオミは急いでシールドとシールドビットを展開させ、メガ粒子砲を拡散・無効化させた。

 

 

 

 

 

 

 

一方、迫りくる次元にどう対処すればいいのか考えているアンジュとサラマンディーネ。

 

「あれが.....あるじゃない!!アルゼナルをブッ飛ばしたアレ!!」

 

アンジュが言うのはアルゼナルを削り飛ばした光化学兵器。

しかし、サラマンディーネは首を横に振るう。

 

「ダメです。都はおろか、神殿ごと消滅してしまいます......」

 

「だったら、3割引で撃てばいいじゃない!!」

 

「そんな調節できません!!」

 

「あなたお姫様でしょ、サラマンマン!危機を止めて、民を救う。それが上に立つ者の使命よ!!」

 

その言葉にサラマンディーネは覚悟を決めて、歌唱しアンジュもまた歌唱する。

 

「「♪~♪~♪~」」

 

二人の歌が一つになったとき、ヴィルキスと焔龍號が黄金に輝き、肩部の収斂時空砲が展開された。最初に焔龍號の収斂時空砲が放たれた。

 

「アンジュ!」

 

アンジュも収斂時空砲を放とうした直後、ヴィルキスのコックピットハッチが爆発し、墜落する。

 

「アンジュ!墜ちてますわよ!」

 

「見れば分かるじゃない!」

 

「早く立て直して!」

 

「あなた!世界やマサトの悪魔を滅ぼした兵器でしょ!気合い入れなさい!ヴィルキス!!」

 

その時、アンジュの指輪が光だし、壊れたコックピットハッチと左腕が自己再生し、収斂時空砲で異空間を抹消した。そしてマサトとナオミもそろそろ終わろうとしていた。

 

「そろそろ終わりとするか!」

 

「えぇ!!」

 

ナオミはエクセリア専用の大型ビームライフル『クロイツ・デス・ズューデンス』を取り出し、銃身のサイドアーマーを展開する。そしてマサトもヴァリアブル・サイコ・ライフルをクロスバスターモードに切り替え、各武装のエネルギーをチャージし、ナオミと一緒に叫ぶ。

 

「【EXA・フルバースト】」

 

「【星たちの生まれる世界(ミルヒシュトラーセ)】!!!」

 

レオスのヴァリアブル・サイコ・ライフル、ブラスターカノン、アリス・ファンネルからビームが放たれ、エクセリアのクロイツ・デス・ズューデンスの主砲とサイドアーマーの砲門からビームを一斉照射した。

 

「無駄だ!」

 

クローバーはそう言うが、二機のビームがIフィールドを貫通し、α・アジールの炸裂した。

 

「馬鹿なっ!?......Iフィールドが!!?」

 

よく見ると、α・アジールのIフィールドジェネレーターから黒い煙が出ていた。つまり、マサトとナオミのビームライフルの膨大な高出力と高火力でジェネレーターが保てなくなったとなる。

 

「ま、そうなるな......」

 

そしてα・アジールが爆発し、コンソールによって挟まれたクローバーが叫ぶ。

 

「クソォ!......こんな所でぇぇっ!!グァァァァァァァッ!!!!」

 

α・アジールが爆発し、近くの森へ墜落していく。そして、α・アジールが墜落していく光景をスペードが見ていた。

 

「クローバー!」

 

地面に衝突したα・アジールが大爆発を起こす。

 

「!!」

 

「残るは.....お前だ!!」

 

アストラがビームサーベルを突き付けて来た。

 

「クッ!」

 

スペードは頭部のハイメガ粒子砲を発射したが、あっさりと回避され、左翼にフェニックスのビームサーベルが突き刺さる。

 

「グアッ!!」

 

衝撃がスペードを襲い、モニター画面が割れ、破片がスペードの左目に突き刺さった。

 

「アアアアアアアアアッ!!!!!」

 

スペードは左目を抑え付けると、フェニキスの後方から、特異点が出現し、中からダイヤの新しいモビルスーツ『ガルムガンダム』が現れる。

 

「スペード!」

 

ダイヤはGNビームライフルでフェニキスを防衛に取り掛かる。複数のオルガノスがフェニキスを運び出す。スペードは左目を抑えながら、アストラを睨み付け、呟く。

 

「アストラ・ラスタル......次、会ったときがお前の最後だ!!」

 

そしてフェニキスが特異点の中へ消え、ダイヤも特異点の中へ入ると同時に、特異点が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事態が一段落して、パトリック達に助けられたラミアにヴィヴィアンが抱き付きながら泣きついて、ラミアもヴィヴィアンを抱きながらヴィヴィアンの頭をなでていた。

その様子を集まったジュン達が優しく見守っていた。

 

そしてマサト達がアウラの塔の前に集まって話し合った。

 

「何とか収まったみたいだ」

 

「あぁ、そうだな」

 

「貴方のおかげで、民は救われました。感謝します、アンジュ」

 

そこから少し離れた場所で、今回の立役者四人が自分の機体の上に乗ったまま、対峙していた。

 

「友達を助けただけよ」

 

照れ臭いのか、視線を外すとぶっきらぼうにアンジュはそう言った。

 

「まさか、あの歌に助けられるとは」

 

「え?」

 

「貴方が歌ったのは、かつてエンブリヲがこの星を滅ぼした歌。貴方は、あの歌を何処で....」

 

サラマンディーネがアンジュに問うと、アンジュはヴィヴィアンとラミアを見て言う。

 

「お母様が教えてくれたの」

 

少し間を置いてアンジュが答えた。

 

「どんなときでも、進むべき道を照らすようにって」

 

「私たちと一緒ですね」

 

サラが軽く微笑む。

 

「星の歌。私たちの歌も、アウラが教えてくれたものですから」

 

そして、その微笑が少しだけ寂しげなものになった。

 

「教えられました、己の未熟さを。皆を護って危機を止める。指導者とは、そうあらねばならないのだと」

 

そして、今度は少しはにかんだ表情になった。

 

「私も、貴方の友達になりたい。共に学び、共に歩く友人に」

 

サラの告白を黙って聞いていたアンジュだったが、不意に、

 

「長いのよね、サラマンデンデンって」

 

腰に手を当ててそう口を開いたのだった。

 

「え?」

 

「サラ子って呼んで良いなら」

 

「....では私も、貴方のことはアン子と「それはダメ」」

 

まるで漫才の掛け合いのようなやり取りを見せた二人だったが、こうしてお互いにかけがえのない友を得ることになったのだった。するとサラマンディーネがナオミに言う。

 

「それとナオミさん、あなたはどうやって"エクセリア"に?」

 

「え?」

 

「その機体はネロスが使っているイクスとマサトのレオスと同じエクストリーム......今までそれに乗ったハデスのもの達はそれに乗り込んだだけで直ぐに後を経ちました.......なのに、どうやって.....」

 

その時、ナオミはコンソールのモニター画面に映っている少女を見て、言う。

 

「えぇっと......エクセリアが私を選んだのかな......」

 

「なるほど、」

 

「それに、マサトやアンジュを守りたかったから♪」

 

頬を少し赤くしたナオミはマサトを見る。するとサラマンディーネは頬を赤くしたナオミとマサトを見る。

 

「(あぁ、なるほど♪......これは将来、二人の子供が見れますわ♪)」

 

サラマンディーネは二人を見て微笑む。

 

 

 

 

 

その頃、アストラやオルト、マナミア、ハデスの兵士達が何やら慌てていた。

 

「おい!早く救助!」

 

ハデスの衛生兵や医者、ドクター・ゲッコーが駆け付けてきた。救助するのは、ビームサーベルによって、あらゆるを破壊されたレギンレイズであった。

 

「開けるぞ!!」

 

ハデスの兵士がコックピットのハッチを強制展開した。中には血だらけのアンジェリカと頭から血が流れているアンジュの父......『ジュライ・飛鳥・ミスルギ』であった。

 

アストラやアルバレア、セルジオ、ミスティは驚く。

 

「ジュライ陛下!?」

 

「おいおい......嘘だろ!?」

 

ミスティとセルジオが直ぐに救護の手伝いをしに行くと、アルバレアに通信が入る。

 

「はい........」

 

その時、アルバレアがインカムを落とした。

 

「どうした?」

 

「........アルケミスト学院が.......」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

「アルケミスト学院が.......ローゼンブルム王国と共に.............消滅した!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!!???」

 

アルバレアが放った言葉にアストラ達は驚く。

 

「消滅した!?どういう事なんだ!?」

 

アストラやセルジオ、ミスティが不安を抱える。すると、アルバレアはミスティに話す。

 

「ミスティ妃殿下.......落ち着いて聞いてください..........」

 

アルバレアが放つ話が想像絶する事になると、本人達は知る良しもなかった。




アルバレアが放つ事実とは........『ローゼンブルム王国が消滅?』一体、何が..........。皆さんも考えてみてください.........。

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