クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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今回の話は"鬼"が出ます。


第27話:導きの少女

 

マサトは赤い少女を追っていると、森の中に入る。すると霧が出てきだした。

 

「霧.....?」

 

マサトは霧で迷っていると、何処から途もなく少女の笑い声が聞こえてきた。

 

「!?」

 

マサトは驚き、ホルスターからハンドガンを取り出す。辺りを警戒していると、マサトの手に誰かが触れる。

 

「っ!?」

 

マサトはその方向にハンドを向けた。

 

「うわぁっ!!待って待って!マサト!」

 

その正体は、マサトを追ってきたナオミ、そしてアンジュとタスクであった。

 

「ナオミ!?それに、タスクとアンジュ......?何でここに?」

 

「それは此方の台詞よ!息なり何処かへ行こうとしてたから!」

 

「ごめん......赤い少女を追っていた。」

 

「「「赤い少女.....?」」」

 

三人は不思議に思っていると、また何処から途もなく少女の笑い声が聞こえて来る。

 

「「「「っ!!?」」」」

 

マサト達は警戒する。

 

「あれ!?もしかして、タスクやアンジュ、ナオミ........聞こえてるのか?」

 

「当たり前でしょ!?こんな不気味な笑い声!!?」

 

怯えるアンジュ、タスク、ナオミはいつの間にかハンドガンを取り出していた。

 

「ひゃっ!?」

 

「どうしだんだ!?」

 

「今、誰か私のお尻を!」

 

誰かがナオミのお尻に触れ、今度はアンジュの足に触れる。

 

「ひっ!ひやぁぁぁぁ~~!!??」

 

「のわっ!!」

 

アンジュは怯えながら、タスクに抱き付く。

 

「皆!落ち着け!落ち着くんだ!!」

 

マサトが三人を宥めようとした直後、背後から冷たい風が吹く。マサトはそっと振り向くと、目の前にあの神社で見た赤い少女がいた。それが見えている三人は悲鳴を上げる。

 

「「「ふぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」」」

 

すると赤い少女は四人に手招きする。マサトはハンドガンをホルスターに治め、赤い少女の所へ向かうと、少女は消え、数メートルの所へ姿を現す。マサトは黙って赤い少女の後を付いていく。

 

「行くの!?」

 

アンジュは怯えながら、マサトに問う。

 

「行きたくないなら、待っておけば?」

 

マサトはそう言うと、アンジュ達は仕方なく付いていく。

 

 

 

 

 

何分歩いたのか、マサトは赤い少女を追っていると、その場所に驚く。

 

「ここは!?」

 

そこは、前に赤い少女を追って、辿り着いた祠のある神社であった。すると赤い少女は紅葉の庭がある屋敷に入り込む。

 

「前に来たあの屋敷........彼処に、何か隠されているんだ。」

 

マサトは恐れず、屋敷に入る。中は相変わらずボロボロだが、庭の紅葉の木は綺麗であった。マサトはライトてあちこちを照らす。

 

「この屋敷に......一体何があるんだ?」

 

マサトはそう考えるが、一人は怯えていた。

 

「何なのよ、此所~!?」

 

アンジュは震えながら、タスクから離れないように付いていく。

 

「マサト、此所は一体?」

 

「俺にも分からない.....けど、何だか..........」

 

「「「何だか?」」」

 

「.........."懐かしい"感じがするんだ......」

 

「懐かしいって.......此所が?」

 

「うん.......」

 

マサトはそう考えていると、目の前の部屋に到着する。

 

「行き止まりだ.......」

 

マサトはそのドアを開けようとしたが、鍵が掛かっていた。

 

「駄目だ......鍵が掛かっている.....」

 

良く見ると、南蛮錠で鍵穴は見たこともない形状をしていた。(分かりやすく説明しますと、穴が二つある感じです。)

 

「何処かに鍵が落ちているかもしれない........」

 

タスクはそう言っている中、マサトはその錠前を見続けていた。すると頭の中で何かが浮かび上がった。それはこの扉で、女性が頭に付けていた簪を抜き、鍵穴に差し込む。

 

「まさか!!」

 

マサトはポーチから此所で拾ったあの簪を持ち、鍵穴に差し込む。そして簪を捻ると、南蛮錠のロックが外れた。

 

「この簪.......鍵だったんだ........」

 

「開けても良い?」

 

ナオミがマサトに問う。

 

「あぁ......」

 

マサトは持っているハンドガンを構え、ナオミは扉を開けると、

 

 

 

 

 

ザァァァァーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

「「「「!!!!」」」」

 

大量のネズミが一目散に屋根裏へ登っていった。辺りは静になり、部屋はどうやら書斎室みたいであった。マサト達は辺りを見渡した後、叫ぶ。

 

「「「「ああああああああああぁぁぁぁぁぁ~~~~ッ!!!!」」」」

 

そして叫び終えると、マサトは目の前の机に目が入った。その机の上には、本札が詰まった古文書であった。

 

「古文書?」

 

マサトは古文書を開くと、古文や絵が描かれていた。

 

「何なのこれ.......?」

 

「何て.....書いてあるんだろう?」

 

マサトはじっくりとその内容を読み取る。

 

 

 

『巫女の魂 祭壇にて 命捧げせし

 

巫女は妖を宿し 生み落とす

 

我等 血塗られし防人 鬼と変わりて 新たな主君を奉る

 

巫女と妖の子よ 我等防人 常赫の宮にて待つ.......。』

 

 

 

マサトはその古文を読み取ると、声に出して皆に説明する。

 

「『朽ち逝く巫女と巫の魂 祭壇にて 命捧げせし

 

朽ち逝く身から、新たな巫女と巫へと変わり

 

巫女は妖を宿し 黄泉転生で生み落とす

 

我等 血塗られし防人 鬼と変わりて 妖の主君を奉る

 

妖よ 我等防人 常赫の宮にて待つ.......。』」

 

「え?」

 

「だから、そう書かれているんだ.....」

 

「アンタ、これが読めるの!?」

 

「うん.....何で?」

 

「嫌、普通に何て書いてあるんだろうかな~っと」

 

「え?普通に読めるけど.......」

 

マサトはそう言うと、次の古文を読む。どうやらそれは"常赫の宮"への場所を示す古文であった。

 

 

 

『灯籠の卯を辿りし 紅葉と桜の樹が別れし 森神様道案内されたし 目先に常赫の宮が見えし.......。』

 

マサトはそう言うと、屋敷の外に出る。すると目先に白く光る卯がいた。

 

「行こう......」

 

マサト達は光る卯を頼りに、霧が深い道を歩む。

歩んでいると、分かれ道があった。

 

「分かれ道だ......」

 

白く光る卯は右の道へ向かっていく。するとマサトは古文書に書かれていた古文の内容を思い出す。

 

「紅葉と桜の木が別れし.......紅葉と桜.......」

 

そしてマサトは分かり、左の方へ逝く。

 

「ちょっとマサト、何処に向かうの?」

 

ナオミがマサトに問う。

 

「.......この分かれ道の答えは左だ」

 

マサトはそう教えると、ナオミ達は右へ逝くのを止め、左の道を向かう。しかし、その先は行き止まりであった。

 

「で、今度は?」

 

「森神様道案内されせたし.....」

 

「そ、何処に道案内してくれる人がいるの?」

 

「分からない」

 

「分からない?此所まで来たのに?飛んだ期待外れね」

 

すると何処からかは、風が吹く

 

「妙に風が強いなぁ」

 

タスクはそう言っていると、マサトは強い風の事を考え、分かったかのような表情をする。

 

「そうか『風』だ!....森神様は風の事だったんだ!」

 

マサトはあちこちに手を当てる。すると行き止まりとなっている壁から、微かだが、風が吹いていた。マサト草や蔓を引きちぎる。出てきたのは、洞窟であった。マサトはライトを照らし、迷うことなく洞窟の中へ入っていった。ナオミ達もマサトに続いていく。

 

 

 

 

 

 

 

洞窟内は薄暗く、天井から水が滴り落ちる。

 

「一体......何処まで続くのよ~!」

 

アンジュが草臥れていると、マサト達の目の前にあの赤い少女が現れる。

 

「..........」

 

「.......キヒヒ♪」

 

少女はニッコリ笑うと、奥の方へ走り出す。

 

「待ってくれ!」

 

マサト達も追うと、洞窟内が少しずつ明るくなる。そして外に出た。

 

「こ!?.......これは!?」

 

マサト達が辿り着いた場所は.......大仏の像が飾られていて、峡谷に建てられた大昔の寺院であった。そう、そこはマサトが夢で見たその場所であった。

 

「この寺院......夢で見た場所だ!!」

 

マサト達は寺院の圧迫さに驚いていると、赤い少女が寺院の中へ入っていく。マサト達も寺院の中へ入っていった。

寺院の中は古ぼけた木や柱、壁には電線ケーブルがあった。

 

「大分.......使われていないみたいだなぁ.....」

 

「もしかして.....538年前の物なのかな?」

 

「.....嫌、違う........500以上前の物でもない.........それ以上前の遺跡かもしれない」

 

「500年以上前の遺跡!?どのくらい?」

 

「多分......約2000年以上前の遺跡だと思う.......けど、こんな遺跡.......どうやってこんな保存状態にできたんだろう.......ん?」

 

マサトは落ちている布を持ち上げる。すると布が突然、砂へと変わる。

 

「これは......?」

 

すると奥から唸り声が響く。

 

「ガァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

「「「「っ!?」」」」

 

マサト達は一斉に唸り声がした方向を見る。

 

「今のは.......何だ?」

 

その時、今度は大勢の雄叫びが聞こえてきた。

 

《ウォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!》

 

「今度はたくさんも.......!?」

 

その時、奥の扉が開き、中から和の甲冑で武装した鎧武者が刀と弓、薙刀を持って、現れた。

 

「「「「え、...えええええええ~っ!!??」」」」

 

波の様に押し寄せてくる鎧武者のあの姿.....正に『鬼』であった。すると今度は二メートル半の身長の図体のデカイ鎧鬼が、唸り声を上げ、鋼鉄でできた巨大な棍棒を担いで来た。

 

「.......マジかよ!!!?」

 

すると天井から弓兵が下りてきた。マサト達は隙をつかれ、鬼達に囲まれた。

 

「ちょっと!これヤバイかもよ!?」

 

「嫌!、昔に存在した『鬼』って言う化物が本当にいるなんて思わなかった!!」

 

奥からさっきの巨大な鬼がマサトに近付いてくると、マサトの顔を見ながら、臭いを嗅ぐ。

 

「何やっているんだ?」

 

その時、一人の小鬼がマサトの左腕の義手を持ち上げ、巨大な鬼に見せ付ける。鬼はマサトの義手を見て、鬼面を外す、その顔はもう、この世の物ではなく、片方の目が潰れ、もう片方の眼は赤く染まっており、耳まで避けている口、ボロボロになった口腔、鋭い歯が並んでいた。そして巨大な鬼は於曾ましい言葉を言う。

 

「........ダシカヤア~~..........」

 

「え?」

 

「ダシカヤアァァァァァァ!!!!!!!」

 

《オォォォォォォォォォォォ!!!!!》

 

鬼達は歓喜を雄叫びを上げると、マサトやタスク、アンジュとナオミを担ぎ上げ、奥の間へと案内される。

 

 

奥の間へ案内されたマサト達。左右には見たことのないモビルスーツが沢山あり、何れも武将の姿をしていた。

 

「何だ此所は?」

 

すると鬼達がマサトの目の前で膝間付き、崇め出す。

 

「ど........どうなっているんだ!?」

 

マサト達が驚いているなか、赤い少女が二階にある鳥居の上に座っており、彼岸花を持って笑っていた。

 




どうでしたかな?何か、色々すみません

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