クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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第2話:アルゼナルへ.....

 

マナ.......それは......画期的な情報伝達・物質操作能力を遺伝子操作の結果、生まれつき持ち合わせるようになったシステム......その結果、戦争や環境問題、食料不足などの諸問題は解決し、しばらく世界に安寧の日々が訪れるようになった。

 

一方で、突然変異により時折現れるマナをあつかえない者たちは「ノーマ」という蔑称で反社会的で野蛮な人物として虐げられ、「ノーマ管理法」と呼ばれる法律に基づき、社会から隔離されるという非人道的な扱いを他の人間からを受けるようになっていった。

何故......女性にしかノーマが生まれるようになったのか........それはまだ不明でもある.........そしてその反社会的な存在が........ローゼンブルム王国に住む大富豪の所で生まれた。名はマサト・ラスタル.........ラスタル家の御曹司オルト・ラスタルと婦人のマナミア・ラスタルの子として転生された.......だが、その子だけは普通ならノーマは女性なのに...........世界初の"男のノーマ"と分かったが、二人は我が子をひたすら隠し続けた........

それから16年後.......マサトはローゼンブルム王国アルケミスト大学学院から帰宅し、ラスタル家の豪邸にいた。

 

「あ~あ~........帰ったら課題100問の数学かぁ........」

 

マサトは指でペンを回しながら、家族の肖像画を見る。

 

「父さん......母さん........兄さん..........一体何処にいるんだ?」

 

マサトは深く考え込むと、ドアからノックがした。

 

「兄様.....」

 

「入っていいよ......リナ」

 

入ってきたのは、茶髪で髪がボサボサの少女 マサトの妹 リナ・ラスタル.......彼女は一年間いじめを受け、家で引きこもりになっているが.....料理は上手で、家族思いである。

 

「本日の授業はどんな物だったのですか?」

 

「うん.......数学、理工、古文だった......はいこれ、担任から」

 

マサトがリナに学院のプリントを渡した。

 

「たまには......学院に顔を出したら?......」

 

「けど.........」

 

すると、マサトはペンを置き、リナの顔を見て、言う。

 

「......立ち止まったらアウト.......絶望は死を象徴し 希望は生を象徴..........父さんが言っていた言葉........覚えている?」

 

「うん.......」

 

「どんな事を抱えても.....生きろ........死んだらそこでアウトだよ.......この世で最も最強の力は"勇気".........力でも知性でもない.......」

 

「うん......」

 

マサトはリナの笑顔を見てながら、頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明朝、マサトはアルケミスト大学学院へ、向かっていた。

 

「よぉーし!今日もリナの為に頑張るぞ......!」

 

マサトは元気よく、張り切った直後、検察官のパトカーが素通りしたかと思いきや、警棒を持った検察官達がマサトの頭を殴り、そのまま何処かへ連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてマサトは何処か知らないほの暗い施設で目を覚ました。

 

「ナンバー154108 初の男性のノーマですか」

 

「う!.......ここは?」

 

「此処はノーマの収容所であり辺境の軍事基地アルゼナルです。

私は此処で監察官担当のエマ・ブロンソン以後はお見知りおきを.....」

 

「軍事施設?!.....そんな!....頼む!今すぐに家へ帰してくれ!彼処には俺の妹が!」

 

「それは不可能なご相談ですよ。貴方はもう立派なノーマなのですから」

 

エマが言うと別の方向から高圧的な女性が現れた。

 

「そうだノーマとなったお前はもう此処で戦って生きる道しか残されていないのだからな」

 

「あんたは?」

 

「私はアルゼナル総司令官のジルだ。此処では私の命令に従ってもらう他ないのだよ」

 

「はっ!?冗談じゃない!誰がお前みたいな奴に....かはっ!」

 

ジルはマサトの腹めがけて、強烈な回し蹴りを喰らわせ、マサトは痛みに堪えることなく、腹を抑えていた。

 

「上官の命令は絶対だ........それにお前は貴重な男のノーマだからなぁ......それと.........地獄へようこそ」

 

ジルはそう言いながらエマと一緒に別の部屋へ移動した。そしてマサトは悔し泣きながら、リナの事を思っていた。

 

「リナ.......ごめん.......お兄ちゃんは......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてジルはある格納庫にいた。

 

「マサト・ラスタル..........お前達は私のリベルタスの為に濃き使ってもらうぞ........」

 

ジルの目の前に、赤と白で塗られた人型の機体を見る。

 

「オルト・ラスタル........マナミア・ラスタル........お前らは一体何を企んでいるのだ.........?」

 

ジルは二人の名を言うと、右手の義手の拳を握り締める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......父さん.....母さん......アストラ兄さん......リナ........俺はこれからどうなるんだ?」

 

マサトは反省房の中で拳を握り締める。さらにマサトのいる反省房まで女性の悲鳴が聞こえてきた。

 




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