クロスアンジュ エクストリーマー    作:オービタル

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久し振りの更新!


第14話:新たな戦場

マサトはマティス達を呼び出し、ジャスミンモールにあるGPカプセルで遊んでいた。舞台はソレスタルビーングで小惑星を基地にした所であり、マティス達はそれぞれ改造したガンプラでバトルロワイヤルをしていた。マサトは格納庫にあるレオスのデータを元にして、マティス達を相手していた。マティスはケンプファーを改造したガンプラ『ケンプファー ゼロット』とエルマのガンプラ『ガッデス』でレオスを追撃していた。

 

「逃げるな!マサト!」

 

「大人しく、降参しなさい」

 

ケンプファー ゼロットのプラズマショットガンとガッデスのGNバルカンでレオスを追撃する。マサトはレオスを旋回しながら、マティスとエルマの攻撃を回避していると、9時の方角からガイの改造したガンプラ『アビスガンダム マークII』がビーム砲を発射してきた。

 

「危なっ!?」

 

ガイがアビスガンダムのビームスピアを取りだし、レオスに向かって突撃してきた。

 

「ヤバイっ!」

 

マサトは急いで回避するが、ガイの改造したガンプラはとても速く、さらに浮遊していた小惑星をも粉々に貫通した。

 

「あれ喰らったら、間違いなく死んでいるなぁ!!」

 

マティス、エルマ、ガイは三人で連携を取り、マサトを追い詰める。アストラとリナは四人の映像を別のテレビから見ていた。

 

「兄様、大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫さ、アイツの事だ.........そうだ、今日の補給物資にアイツ等が届くだった!」

 

「アイツ等?アストラ兄様......誰の事ですか?」

 

「一つはマサトの為の相棒、もう一つは俺のペットだ♪」

 

「アストラ兄様のペット?」

 

「そう、その動物は赤子から育ててきたからなぁ.......またアイツに会えるとなると、リナの家族がまた増える事になるな♪」

 

「私達の、もう一人の家族......」

 

リナがアルゼナルに家族が増える事に楽しみにしていると、突然警報が鳴り出した。

 

『総員に告ぐ、総員に告ぐ!アルゼナル内部に未確認生物が侵入!付近の物は直ちに捕獲せよ!』

 

「まさか.......」

 

アストラは急いで輸送機が着陸している発着場へと向かった。

 

発着場に到着したアストラは輸送機に積み込まれていた檻を見る。

 

「何てことだ........」

 

高さ三メートル、直径五メートルもある檻のフェンスが簡単に破られていた。マサト達は急いで駆け付けてくると、アストラの表情が厳しくなる。

 

「一刻も早くアイツを俺に会わせないとなぁ......」

 

「アイツって?」

 

「.......私のペットだ。」

 

「ペット!?」

 

「あぁ、何せアイツは気性が荒く、さらに肉食獣だ。」

 

「肉食獣!?人も!?」

 

「大丈夫.....アイツはウサギや鹿、魚を好んでいるから.......」

 

するとニコラスが何かを見ながら、アストラに質問してきた。

 

「その動物って『猫』?」

 

「ん?.....猫類に入っているジャガーだけど、」

 

「特徴を言ってください.....」

 

「髭なのか、触角なのか分からない長い触手が生えていて、前後足と尻尾が獣脚類みたいで、全長三メートルもあって、豹柄がある。」

 

アストラはペットの特徴の全てをいい終えると、ニコラスは言う。

 

「あ~~、アストラさん!たった今、そのペットを見つけました!!」

 

マサト達はニコラスが指している方向を見ると、発着場の上の層に巨大な猫型の猛獣が寝ていた。

 

《デカッ!!?》

 

「おお~!あれだ!」

 

「あれっ!!?」

 

「そうだ......俺のペット.....俺がガキの頃に赤ん坊で弱っていたアイツと出会って、育てたんだ。気性が荒く、俺に楯突く奴に襲い掛かかる奴でなぁ♪」

 

「それって危ないのでは!?」

 

「大丈夫!アイツはそんなことをしないから♪オーイ!」

 

アストラが猛獣に声を掛けると、猛獣は起き上がり、アストラを見る。すると猛獣が突然威嚇してきた。

 

「ねぇ、あれ.......かなり怒っていない?」

 

アイカが言うと、猛獣がマサト達の方へ飛び込んできた。

 

「うわぁ~っ!!逃げろぉぉぉっ!!」

 

マサトの叫びにアストラを除いて、皆は逃げる。

 

「は!?」

 

一人残されたアストラは呆れると、猛獣がアストラに飛び掛かった。

 

「アストラ兄さん!!?」

 

マサトが叫ぶと、猛獣が突然、アストラの顔を舐め始める。

 

「良し良~し♪久し振りだなぁ、ブリッツ♪」

 

《ブリッツ?》

 

「名前を言っていなかったなぁ、ブリッツだ.....♪」

 

ブリッツはアストラに撫でられながらも、マティス達に威嚇する。

 

「よっぽど、飼い主が大好きみたいだなぁ.......」

 

ブリッツがマサトとリナとシアの方に近付き、左腕の義手を見る。

 

「何?」

 

するとブリッツがマサトとリナ、シアの足元を拗ねり始めた。ブリッツの表情がニッコリとなり、その愛くるしい可愛さにマサトの心を貫く。

 

「可愛い......!」

 

マサトはブリッツの頭を撫でたり、顎の所をゴロゴロすると、猫のような行動をする。そして第四中隊の皆もブリッツの可愛さに心を貫かれていく。

 

《可愛い.......!!》

 

「どうやら、ブリッツの奴はお前らの事を気に入ったみたいだなぁ♪」

 

すると、輸送機の中から白いボールが転がってきて、マサトの前に止まる。

 

「ん?」

 

『マサト!マサト!』

 

「うわぁっ!?」

 

マサトは驚くと、アストラが言う。

 

「ソイツは『ハロ』......移動するときは球体になるから♪」

 

「へぇ~」

 

マサトはハロを持ち、挨拶する。

 

「よろしくな、ハロ.....」

 

『マサト、よろしく!マサト、よろしく!』

 

マサトは笑顔で、ハロを見ていると、警報が鳴り出し、マティス達は急いで発着場から離れる。そしてマサトはハロをレオスのコックピットに乗せ、専用の台座に乗せる。

 

「ハロ、これからのサポート......よろしく頼むぜ♪」

 

『了解♪了解♪』

 

第一中隊のパラメイルが発進準備になると、サリアが言う。

 

「サリア隊、発進します!」

 

サリアの号令と共に、ヴィヴィアンが空中へ舞い上がるが、アンジュのヴィルキスがまだ、発進していなかった。

 

『アンジュ機、発進どうぞ!.........アンジュ機?』

 

ヒカルがアンジュに問い掛けるが、アンジュは何かを考えていた。さらに後ろで待っているロザリーが怒鳴る。

 

「さっさと出やがれ!後ろがつっかえてんだぞ、この便秘女!ったく、足引っ張ってんの...だよな、ヒルダ?ん?ヒルダ........?」

 

ロザリーはヒルダに問い掛けるが、何も返事しなかった。

 

『何をやっているのよ!?慰問団はもう、そこまで来てるのよ!緊急射出!!』

 

エマ監察官がメイに命令する。

 

「アンジュ機!起動!」

 

メイがカタパルトのメインシステムのロックを解除し、レバーを回した。すると、ベースが勢いよく動きだし、アンジュが慌てる。

 

「うぇ!?えええええええ~~~っ!!??」

 

そしてベースがカタパルトから離れ、アンジュが発進し、マサト達も発進していく。

 

「やれやれ、アンジュの奴.....何を考えていたのやら....」

 

『家族!家族!』

 

「ん?」

 

『家族!家族!』

 

「家族の事ねぇ.....」

 

『寂しい?寂しい?』

 

「......嫌、寂しくないな、リナとアストラ兄さんがいるから♪」

 

すると、前方から多数の輸送機が姿を現す。

 

「おおっ!キタキター!フェスタだー!」

 

興奮するヴィヴィアンにアンジュとマサトは首を傾げる

 

「「フェスタ?」」

 

「アンジュちゃんとマサト君は知らなかったね、『フェスタ』って言うのは「無駄口はそこまで、各機、輪形陣!」」

 

《イエス!マム!》

 

第一中隊はサリアの命令に従い、陣形を組む。マサトは陣形の後ろの列を組み、輸送機を見る。

 

「あれは!?」

 

マサトが見たそれは、ローゼンブルム王国の紋章であった。

 

「ローゼンブルム王国の紋章!?と言うことは.......あの輸送機に乗っているのは......!?」

 

一方、王族専用の輸送機の客室に、ミスティ・ローゼンブルムが座っており、過ぎ通っている第一中隊の機体を見る。

 

「アレで戦うのですか......ドラゴンと?」

 

「左様です、ミスティ様」

 

脇に控える秘書の女性が淀みなく応えると、ミスティはレオスの方を見る。

 

「あの大きいのは?」

 

「はい、アルゼナルからでは『エクストリームガンダムレオス』と呼ばれており、ドラゴンを殲滅するための"紅い双極の悪魔"の異名を持っております」

 

「....."紅い双極の悪魔"『ガンダム』......」

 

ミスティはそう言いつつ、第一中隊と通り過ぎ、アルゼナルに降り立つ。

 

「(待ってて下さい......マサト様)」

 

ミスティはマサト彼の事を思い、手元に何か古い木箱を持っていた。




次回は、マサトの出生の一部を明かします。

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