比企谷八幡の現実   作:きょうポン酢

4 / 9
小町はとても可愛い、そして奉仕部ってエッチな響き

 

 

 

 

「知らない天井だ...」

 

 

 

はい嘘です、部屋の天井です

 

いやー、俺も遂にL5発症かなー

 

だって昨日人に話しかけられたもん

 

んー、幻覚だねー

 

なにこれ何処の雛見沢??

 

俺注射されちゃうのん??

 

雛見沢症候群発症しちゃうのん??

 

まあいいか

 

俺はベッドから起き上がり、我が家のリビングへ向かう

 

おっ!

 

この匂いは!

 

小町が朝ごはんを作ってるんじゃないか!?

 

俺は急いでリビングの扉を開ける

 

 

 

 

「おはようお兄ちゃん!ご飯はもう出来てるからねっ!」

 

ああ、小町...

 

俺の唯一の味方であり妹である小町

 

俺に小町が居なかったらとっくの昔に自殺していたに違いない

 

朝からお前の顔が見れてハチマン今日も頑張っちゃうぞ♪

 

「おはよう小町、今日も世界一可愛いよ」

 

「やだお兄ちゃん〜そんなこと言っても大盛りにしかしてあげないよっ!」

 

「俺はお前の笑顔が見れるだけでお腹一杯だよ」

 

「いやん、お兄ちゃんたら♪」

 

あぁ^〜

 

心がぴょんぴょんするんじゃぁ^〜

 

俺の妹である小町はとても兄想いである

 

いつからだったか

 

小町が小さい頃に家出したことがあり、俺が小町を迎えに行ったことがあった

 

その原因は家に誰も居ないのが嫌だったと後から聞くことが出来たのだが

 

俺はその日から小町よりも早く家へ帰ることになったのだ

 

その頃からだろう、小町が俺に懐き始めたのは

 

俺たち兄妹は互いに支えあって生きてきた、泣きたい時は肩を貸し、怒りたい時は耳を傾け、楽しい時は二人で笑いあった

 

 

そう

 

 

俺と小町は一心同体と言っても過言では無いのだ

 

 

「小町の料理は相変わらず美味しいな、嫁に来てもらいたいレベル」

 

「お、お兄ちゃんなに言ってんの!?変なこと言わないでよね!」

 

「小町よ、この不甲斐ない兄を養ってはくれまいか」

 

「お兄ちゃんにいい人が現れなかったら考えとくね...」

 

小町がもじもじしながら何かを呟く

 

俺は朝食を食べ終わり着替え始める

 

「お兄ちゃん!小町日直だから先に行くね!もう危ないことしちゃだめだよ!」

 

「おう、お前も気をつけるんだぞ」

 

「にゃー」

 

小町はどうやら日直らしい

 

だから今日は起こして貰えなくて、一緒に家を出る事が出来ないのか

 

 

くそう!

 

 

お兄ちゃんはこれから学校という拷問されるにも等しい場所へ行かなきゃならんのに!

 

 

小町が居なきゃテンション上がらなくて目が腐ってしまうでは無いか

 

あ、もう腐ってたっけ?

 

まぁいいや

 

 

小町の言っていた危ない事とは高校の入学式の時の話である

 

俺は高校の入学式に舞い上がって一時間早く家を出たのだ

 

するとどうだろうか

 

俺の目の前でミニチュアダックスフントのバカ犬が道路に飛び出し始めたのだ

 

俺はバカ犬を車に轢かれる前に抱きかかえてやったが、

 

バカ犬は予想以上に重かった

 

なんとバカ犬はデブ犬でもあったのだ

 

俺はバカデブ犬と共に重力に引かれながらコンクリの路肩へ肩をぶつけてしまった

 

ボキッ

 

「あ、これ折れた奴だわ、ボキッて言ったもん」

 

なんと間抜けな事だろうか

 

 

俺は痛みに悶えていると救急車が来て担架に乗せられ病院へ運ばれた

 

そして入学式は出席出来ずに二週間ほど入院をしてしまったのだ

 

 

 

結果はお分かりだろう

 

 

 

 

俺は友達作りに失敗し、入学早々クラスで浮き始めたのだ

 

その時からだ、高校生活をぼっちで過ごす決意をしたのは

 

その瞬間から俺はプロのぼっちへと昇格した

 

プロのぼっちに甘さは無い

 

俺は徹底的に人との関わりを絶った

 

その結果クラスからいないものとして扱われる事に成功したのだ

 

そうして今に至る訳だが...

 

「雪ノ下か...あいつは俺に何をするんだろうか」

 

俺は独り言を呟きながら家の鍵を掛け、高校へ向かう

 

 

......

 

 

俺はクラスに着き、教室のドアを開ける

 

大体ホームルームが始まる十分前に教室へ入るのがオヌヌメ

 

何故なら十分前はクラスのカースト上位どもが騒いでいるので、扉の音を聞かれる事なく教室へ入る事ができるのだ

 

なにそれぼっちは音を立てるのも許されないのね

 

実際音を立てるとめっちゃ見られるけどさ

 

なんであいつら俺を見るときは真顔なんだろうね

 

ハチマン分かんないなー、集団心理かなー

 

 

「ヒッ...比企谷君おはよう!」

 

俺は扉を開けると目の前にいるチャラチャラした男漁りしてそうな女に話しかけられたようだ

 

なぜ話しかけられたと言い切らないかって?

 

比企谷が他にも居るかもしれないだろ、言わせんな恥ずかしい

 

「...うす」

 

俺は必要最低限しか喋らない

 

何故なら喋ることは情報を与えてしまう事だから

 

俺は自分の情報を相手に知られたくない

 

正確に言えば、俺の情報を悪用しようとする輩をけん制するためだ

 

情報が無ければ変な噂は流せない

 

まぁ、いつも独りでいる変な奴って噂が流れてるらしいけど

 

実際事実なので否定はしない

 

否定したところで信じて貰える筈も無いがな

 

「......」

 

 

チャラチャラした女は退こうとしない

 

 

このビッチは俺が教室に入るのを邪魔しているのだろうか

 

小学生の頃、ホームルームに遅刻した時、鍵かけられたりもしたけどさ

 

遅刻してないから、通せんぼしないで貰いたい

 

「...何か?」

 

「い、いや、なんでも無いよ!ごめんね!」

 

ビッチは俺に道を譲る

 

どうやらこいつは俺に悪意は持っていないようだな

 

だがしかし、

 

いつ人が悪意を持ち始めるか分からない

 

もしかしたらあのヒキガエルまじ調子乗ってるとか思われるかもしれん

 

一応警戒はしておくか、こいつの顔は覚えておこう

 

「結衣ー、早くいちごオレ買ってきてー」

 

「あ!うん!今行くね!」

 

ビッチは教室を出ていく

 

パシリかよ...カースト上位どもにも有るんだな

 

俺は中学生の頃パシリにされそうになったが何とか逃げ延びたぞ

 

お前もせいぜい頑張るんだな

 

内輪揉めでもすれば良いのだ

 

俺は内輪揉めは好きだ

 

何故なら俺は内輪に入っていないから

 

外から揉めている様子を観察するのは趣があるな

 

俺は席に着き、いつものように過ごす

 

ああ、相変わらず教室は騒がしい...

 

 

......

 

昼休みになり俺はいつものベストプレイスで昼食をとる

 

今日は購買で買ったパンだ

 

購買と言えばあそこはいつも混み合っている

 

人混み...じゃなくて人ゴミが嫌いな俺は購買は少々苦手である

 

まじあいつら何であんなに集まんの?

 

コンビニで買ってこいよくそが

 

俺は小町の弁当を食べれなくてむしゃくしゃしているんだ

 

小町...明日は弁当作ってくれるかな...

 

それでハートマークなんかついてたりして...

 

まずい、顔がニヤけてしまう、それにヨダレも

 

まぁ、ここには誰も居ないし大丈夫だろう

 

 

 

 

 

小町と弁当食べさせ合いっこしてぇーー!!

 

 

 

 

 

\( 'ω')/ウオオオオオアアアーーーッ!!!

 

 

 

 

「あらその気持ち悪いニヤケ顔は比企谷君じゃない、あなたいつもここに居るのね」

 

出たな天災

 

どこから湧いてきたんだろうか

 

湧き潰しが足りなかったようだ

 

ゴールドスプレーはどこにあったっけ...

 

昨日こいつに対して憧れてるとか言ってしまったがきっと気の迷いだ、うん

 

俺の黒歴史ノートが更新されただけ

 

黒歴史ノートを触った者は死神が見えて黒歴史が更新されます

 

じゃーん!比企谷でーす!

 

死神じゃなくてゾンビでーす!残念!!

 

小学生の頃ゾンビって言われてましたー!!

 

 

 

 

くそが!!

 

「そういうお前こそ昨日も独りだったろ、友達と飯とか食わねえのかよ、友達いたことないから分かんないけど」

 

「......そうね、まずどこからどこまでが友達なのか定義してもらっていいかしら」

 

「あ、もういいわ、そのセリフは友達いない奴のセリフだわ」

 

定義しろなんて言われても友達出来た事ないから分かんねえっつうの...

 

なに広辞苑でも持って来れば良いの?

 

でもハチマン広辞苑持ってないから自分で探してね

 

「何か用なのか、雪ノ下...だよな?」

 

やっべ!人の名前覚えるの久しぶりだから自信無くなっちゃった!

 

てへ♪

 

「ええ、あなたの孤独体質を改善させるために何か出来る事を探していたの」

 

孤独体質を改善するも何もあなたも孤独じゃないですかヤダー

 

ぼっちとぼっちが集まれば友達になるのでは無いようだ

 

ぼっちが二人になるだけらしい

 

なにそれぼっちは永遠に友達が出来ないね

 

「それで何か見つかったのかよ?」

 

「ええ、あなたも慈悲の心を持って他人の依頼を受けて解決すれば、きっと改善される筈よ」

 

「慈悲の心ねー、他人に慈悲の心を向けられた事無いからワカンナイナー」

 

「私が向けているじゃない、あなたを助けてあげるのよ」

 

 

......急にそういう事を言わないで欲しい

 

ハチマン勘違いしちゃうだろ!

 

それで勘違いして告白して振られるまである

 

振られちゃうのかよ

 

 

「お、おう、どんな依頼があるんだ?」

 

「私が独自で立ち上げた奉仕部という部室があるわ、そこではお悩み相談メールなどを受け付けているの」

 

「奉仕部の理念は私が昨日説明した通りよ」

 

「奉仕部...」

奉仕部...なんかえっちな響き

 

僕もあなたに奉仕して貰えるですかねぇ(ゲス顔)

 

「何を想像しているのか分からないのだけれど、その顔は不愉快だわ、身の危険を感じてしまうじゃない」

 

雪ノ下は身を抱き寄せながら俺から距離を取る

 

え!?顔に出てた!?

 

ポーカーフェイスが売りのハチマンなのに

 

「だから今日の放課後特別棟にいらっしゃい、相談メールの依頼を私と一緒に解決しましょう」

 

「う、帰ったらプリキュアの録画を見なきゃいけないから...」

 

「プリキュアが何なのか分からないけれど、これはあなたの為になるのよ?ボランティアを通してあなたの孤独体質は改善されるの」

 

「じゃあ待ってるから、ちゃんと来るのよ?」

 

 

天災雪ノ下雪乃は俺の元から去って行った

 

あいつなんで背中を向けるとき、髪の毛をファサッてやるんだろう

 

気持ち良いのかな?今度聞いてみよう

 

しかしな...

 

待ってるって言ったら本当に待ってるんだろうな...

 

 

行くしかねえのか比企谷八幡

 

残られてても気分悪いし仕方ねえな

 

俺は購買のパンを貪りながらそんな事を思っていたのであった

 

 

......

 

 

放課後になり俺は特別棟へ足を運ぶ

 

奉仕部...奉仕部...

 

見つからないんだが、まさか騙された!?

 

まじかよ呼んでおいて居ないって今までになかったタイプ

 

そもそも呼ばれないからな

 

流石天災俺たちに出来ない事を平然とやってのける

 

そこに痺れる憧れるぅ!

 

俺は手をワキワキさせる

 

「何しているのかしら、誰かに見られたらどうするのかしら?不審者君?」

 

「おい、比企谷が原型とどめてねえぞ、それに俺は不審者じゃあねえ」

 

「こっちよ、あなたは目的地へも辿りつけないのね」

 

くそ、特別棟なんて来たことなかったから分かんなかったんだよ

 

案内役を用意しろよな

 

ゲームでも居るだろ、そういうの

 

「ここが部室よ、ようこそ奉仕部へ」

 

 

ああ、俺のぼっちライフはどうやら完全に終わりを告げたらしい

 

 

この部室には何も機材らしき物は無い

 

天災は椅子に座り本を読み始めやがった

 

 

「.......」

 

俺は何をするべきか迷ってしまう

 

 

 

何だこれ

 

 

もう一度言おう

 

 

 

何だこれ

 

 

 

これが奉仕部なのん??

 

放置部の間違いじゃないのん??

 

 

だがしかし、小町に早く会うためならばさっさと依頼を片付けてしまおう

 

 

俺はなるべく依頼を早く終わらせて、小町に会う事を誓ったのだった

 

 

 




小町かわいいよ小町

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。