マミちゃんに数日会えなくなるという旨を伝えて3日ぐらいか……やはり世界全域は広いな。まぁでもこれで最後だな。
安騎尭は最後の土地に結界を張った。これはキュウべえはこれ以上魔法少女を増やす事も、魔女を増やす事も容易にはできないはずだ。
ただ、見滝原には結界が何故か張れない。これもこの世界で作用する因果の影響か……それは安騎尭にも分からない。
(それならそれでいい別の対抗策を用意するがな)
結界を張り終わった安騎尭は、一応為すべきことはすんだ為にママのところへと戻る。しかし……この時安騎尭は自身の身体に起きている事を知らないでいた。
そんな状況で安騎尭は、マミが入院している病院に着く。それと同時に……
(……なんだ? 何故か足が重いな……)
しかしそれは些細な事と思って、マミの病室へと向かった。そして、マミの病室のドアをノックして、返事を聞いたと同時に入った。
「あっ、安騎尭さん。お帰りなさい。なんだが随分と疲れている様ですけど……」
「ん? あぁ……そうだな。今回は……少し無理しすぎたかな」
「それほど大変なお仕事だったんですね……。なら、少しここで休んで行ってください」
「はっ? いや、でも俺は患者って訳でもないし……」
「でも、またどこかに行ったら、安騎尭さんが倒れてしまいますよ? だから、今ぐらいゆっくりしてもいいと思いますよ?」
「……それもそうか。分かった。なら少し休ませてもらおうか」
そう言い安騎尭は、見舞いに来る人のために用意された椅子に腰掛けて目を瞑った。それから数分後……安騎尭は寝息を立てながら眠った。
「あらあら……そんな体制で眠れるなんて。でも、その体制よりももっと楽な体制で寝た方がきっと、疲れも取れるわよね?」
マミはそう呟きながら、安騎尭の上半身をベットの上に誘導し、頭を自らの膝上に乗せた。
「ふふ、こう見てみると、安騎尭さんも子供みたい。いつもの様な大人っぽい感じも良いけど、今の安騎尭さんも良いわね」
そう言いながら、安騎尭の頭をゆっくり撫でる。
(あぁ……こうしていると眠気が……私も寝ようかしら)
そしてマミも、安騎尭の頭を手で焼く包む様にしながら眠りについた。自分の意識が途切れるまで、安騎尭の頭を撫でていた。
(あぁ……私にも、兄弟が欲しかったなぁ……。そうしたら、今の様に寂しく無くなるのに……)
彼女はそう思いながらいつのまにか眠った。それも優しい表情になりながら……
だが、マミはこの時知らなかった。まさか、自分が不意に思った事が現実として起きてしまうとは……