Fate/is inferior than Love   作:源氏物語・葵尋人・物の怪

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第四話 渇望何弥

 既に店にあるものを粗方見終わった為に愈々暇になり、ソラウは店から出た。

 その直ぐに突き当たった柱にソラウは背を凭れ、溜息を吐く。

 

 ――遅い。

 

 心中でソラウは独り言つ。ランサーが選んだ服の買い物を済ませすぐ、ケイネスは試着室に向かい着替えを始めた。しかし、それにしては少しばかり時間が掛り過ぎているような気がしてならなかった。

 ポケットにしまっていた懐中時計を取り出すと、如何やらケイネスが着替え始めて十五分が経過しようとしているらしいことが分かった。

 ウンザリと、ソラウが溜息を吐こうとしたその時、 

 

「お待たせ、お待たせー」

 

人で込み合っている場所だということをまるで気にも留めず、大声で呼びかけるランサーに矢張りうんざりして溜息を吐いた。

 

「遅い」

 

 口調に苛立ちを滲ませながらソラウがランサーの方に目を遣ると一体何が楽しいのか、頭上で大手を振っている。

 途端に舌打ちをしたくなる衝動に駆られ、なんとかそれを呑み込むと、

 

「あら?」

 

 ソラウは声を上げた。ランサーの隣に気が付いて。

 人が立っていた。ソラウにとっては見知らぬ人物であった。男性である。歳の頃は大体二十代の後半程。ブロンドの髪で、長い前髪を右側に流している。切れ長の目に、はっきりとした鼻立ち。そして、かなり疲れ切った顔をしている。

 大方、ランサーに絡まれて疲弊したといったところであろうか。

 

「ちょっとランサー。何処のどちら様か知らないけれど、何勝手に連れて来てるのよ。迷惑でしょう?」

 

 ソラウが窘めると、ランサーは酷くにやついた顔をした。

 ムッと顔を顰め、ランサーを自分の元に引っ張ってくるとソラウは咳ばらいをし、見知らぬ男性に向き直り、考え得る限り最も淑女的な微笑みを浮かべる。

 

「ごめんなさい。私の友人がご迷惑を。ランサー……あっ、此方、ランサー・ロングクラウドというのですけれど。遊学で長らく中国にいたので、久々のロンドンに羽目を外し過ぎてしまいまして。本当に申し訳ございません」

 

 首を浅く垂れるソラウを見て、ランサーはクツクツと含み笑いを上げる。

 流石に不愉快に思い、ソラウはランサーを睨み、人差し指を突き付ける。

 

「ちょっと! 貴方の所為でこうなってるんだから笑うんじゃないの! 一緒に謝んなさいよ!」

「あの……」

「あ、すいません。今取り込み中で」

「ソラウ、私だ」

 

 見知らぬ男に自分の名前を呼ばれ、一瞬ソラウは固まった。

 何度も瞬きをし、目を擦り、もう一度目の前に立つ男の顔をまじまじと見つめる。

 

「ケイ……ネス……?」

 

 半信半疑だった。

 そもそも元のケイネスの顔をあまりよく観察したことが無い為、今の顔と比べようがなかった。

 そして、ソラウは迷った。コクリと男が頷いた以上信じるべきか、ランサーが腹を抱え咽乍ら大笑いしている以上疑うべきか。

 

「……紛うことなくケイネス・エルメロイだ。ほら」

 

 そう言って、男は前髪をかき上げる。

 少しばかり広いことが否めない凸が顕になって、

 

「本当ね! ケイネスだわ!」

 

 ソラウは漸く彼を認識できた。

 そして、此処でよくよく見れば、彼が着ている服の一式が、ランサーの選んだものと全く同じことにも思い至る。

 とんだ赤っ恥。ソラウは自分の顔が熱くなるのを感じた。

 

「FUHAHAHA! GYAHA! ゲホッ、ゴホッ!」

 

 ランサーはそれがきっかけになったのか、愈々耐え切れなくなり、床に蹲って、何度も拳を打ち付けていた。

 ケイネスの着替えの最中に悪戯でセットしている髪を乱してみた所、別人にしか見えず、それがランサーのツボに入りソラウにも見せてやりたくなり、現在に至ったわけであるが――まさか此処までソラウが鈍感だとはランサーにとっても想定外だったのだ。

 捧腹絶倒。のたうち回るランサー。

 歩いていた人々は足を止め、彼の奇行に目を丸くする。

 

「笑い過ぎだ、たわけ」

「ひんぎゃ!」

 

 羞恥心からケイネスはランサーを叱りつけつつ、蹴り飛ばした。

 

「いてて、ひっどいなぁ、もう」

 

 蹴られた頭を労わり乍ら、ランサーは兎が跳ねるような勢いで立ち上がった。

 

「五月蠅い。どうせあまり効いてないだろう」

 

 ランサーの耐久はBランクという高い値を示している。これといって格闘技に心得の無いケイネスが蹴ったところでびくともしないのである。

 それに忌々しさを感じ、ケイネスは辺りに響く程舌を打つと、今度はソラウの方に向き直る。

 

「大体、君も君もだ、ソラウ。髪を下ろしただけだだぞ? 何故気が付かない?」

「仕方ないじゃない! 貴方が髪下ろした所なんて見たことなかったんだから!」

 

 その言い分に、ケイネスはショックを受ける。

 言葉の裏にある、婚約者が自分の顔をよく見たことすらないという事実を読み取ってしまったからである。

 怒って当然のことであるが、ケイネスは言い返すことすら出来ない。惚れた弱みとは、斯くも男から力を奪うのだ。

 やれることは只一つ。

 

「……君をからうようなことをして申し訳なかった。直してくるから少し待っていてくれ」

 

 拗ねるように謝るだけ。

 ランサーの茶番に無理矢理つき合わされ、何故自分が謝らねばならないかと腹立たしく思うが、それすら曖昧模糊になるほど、ケイネスという男はソラウという女に弱かった。

 その気持ちすら生まれてから現在までに培われてきた自尊心が否定しにかかるのだから、度し難いと云うしかあるまい。

 はぁと、溜息を吐いて、ケイネスが着替えようとトイレに向かおうとしたその時、

 

「良いわよ、別に。直さなくて」

 

 ソラウが制止した。

 一体何事かと、ランサーとケイネスが注意していると、

 

「私、そっちの方が好きだから。そのままでお願い」

 

 ――何気ない口調で、途轍もない爆弾が投下された。

 その威力たるや筆舌に尽くし難かった。ケイネスは顔を真っ赤にしていた。

 ランサーは口をあんぐりと開け、そんなケイネスから目が離せない。

 一方でソラウは首を傾げていた。

 

 ――おいコラ、何、“アレ? 私、変なこと言った?”みたいな顔してんだよ!? え? なんなん? 此の娘、おたんちんか? おたんちんなんかワリャァ……。

 

 ランサーは心中で激しくソラウの、鈍感というより他ない不用意な発言を責め立てる。

 そして、ランサーの目はもう一度ケイネスへと映る。

 

 ――君も君だよ!? 何、そのReaction(ルィアクション)!? 思春期か!? 己、思春期なんかァ!?

 

 ヒートアップするランサーの思考とは裏腹に、三人の中には沈黙が存在するのみ。

 照れるやら、恥ずかしいやらで、完全に言葉を失うケイネス。

 心底不思議そうな顔をするばかりのソラウ。

 そんな二人を暫し見ていて、ランサーは、

 

「いやぁ、お腹空いたねぇ! 服も買ったし! そろそろLaunch(ルァンチ) time(ターム)! ご飯にしようよ!」

 

 遂に妙な空気感に根を上げた。

 二人の肩を抱き寄せて、空元気で以てすっ飛ばす。

 

「おい!? 何をするランサー!?」

「この癖何とかしなさいよ! セクハラっていうのよ、コレ!」

 

 ケイネスとソラウは甚く不愉快そうな顔をしていたがランサーは気にしなかった。

 ――この小恥ずかしさが終わるのならば、と。

 

 †

 

 結局ランサーに羽交い絞めにされたまま、ソラウとケイネスはデパート内のレストランに連行された。

 

「お客様、失礼ですが何名ですか?」

 

 まだ十代と思われるウェイトレスは良い歳をした男女三人が肩を組んで来店するというエキセントリックな状況に困惑しながら訊ねる。

 

「三名様だよ、My(ムァイ)kitty(キツィ―)――ボクの子猫ちゃん」

 

ランサーは人の良さそうな笑みを湛え、手を振りながら答えた。

 

「あ……えっと、では此方の席へお願いします」

 

 気恥ずかし気に顔を赤らめながら、ウェイトレスは店の一番奥の四人掛けのテーブルへと案内した。

 

「何だ、あの態度は。顔なのか、矢張り顔なのか……」

 

 その間にもケイネスがぶつぶつと小さな怒りをウィスパーさせていたのは、屹度、極めて余談であろう。

 

「何頼む? 何でも頼んで良いよ」

 

 席に着くと早速ランサーはメニュー表を楽し気に捲り始めた。

 

「金を出すのは私だ」

 

 聊か苛立ちながら、ケイネスもメニュー表を取った。

 ソラウはその隣でデザートの表を見ている。

 

「いやぁ、結構おいしそうだねぇ。何にしようか迷うよ」

 

 顔を綻ばせ乍ら、ランサーの目は色々な料理に目移りしていた。

 ケイネスは思った。

――正史に於いても、それを原案とした創作物でも語られていなことだが、ひょっとして関羽雲長という人物は美食家なのかもしれないと。

 だが、ケイネスはそれを聞くようなことはしなかった。

 英霊と云えども目の前にいるのはそれそのものではなく、そこからある側面を抽出して形作られたサーヴァントである。凡百の使い魔と変わりはしない。そこに人格を求めるなど言語道断である。

 そもそも、

 

「ボク、これでも料理には五月蠅いんだ、蜀漢の人だからね」

 

 ランサーの場合は勝手に語り出す為聞く必要などないのだ。

 蜀漢の人だからという理屈には、ケイネスは首を傾げるしかなかったが、深くは追及しなかった。

 

「ところで、ボク、結構食べる方なんだけど。一杯注文しても良いかな?」

「別に構わないが、私の金だということを忘れるなよ」

「Yah(イアー)」

 

 ランサーはおどけるように答えて、ウェイターを大声で呼んだ。

 

「ご注文お決まりでしょうか?」

「うん。ボクは、この蟹ピラフとミートドリア、コーンスープとあとこのハンバーグ。ソースはデミグラスソースってヤツで。それからフィッシュ&チップス、一番大きいサイズでお願いね」

 

 ケイネスとソラウは絶句した。

 一杯頼むとは聞いたが、まさか本当に一杯頼むなどとは思わない。そもそも常人なら胸焼けするような量である。

 

「ケイネスとソラウさんはどうする?」

 

 絶句のあまりに呆けていたケイネスは慌ててメニューと向き合い、

 

「ライ麦パンとチキンステーキ。あと珈琲を戴きたい」

 

 即決でメニューを決めた。

 

「君は?」

「クランベリーのスコーンと紅茶を」

 

 ソラウもメニューを決めるのは速かった。

 

「では、ご注文以上で宜しいですか?」

「あ、あと、Peach(ぺィーチ) liqueur(ルィカー)と白桃ソースのパンナコッタってやつも」

 

 この後に及んで酒とデザートまで戴こうという厚かましさをケイネスは最早咎めようとはしなかった。

 このランサーはこれが平常運転だと諦めることにしたのだ。

 だが、

 

「あ、あとこの二人がさっき頼んだ飲み物キャンセルで。この『ラブラブ☆ズッキュンクリームソーダ』ってヤツお願いします。この二人に」

 

 すぐにその考えは撤回されることになる。

 

「おいコラ、ちょっと待って」

 

 不穏過ぎるネーミングにケイネスは自然と口調が崩れていた。

 

「飲み物は全部、食前で頼むぜ、Kitty(キツィー)ちゃん」

「はい、分かりました! それではすぐにお持ちいたしますね!」

 

 妙に気合の入った返事をしウェイターは厨房へと駆けていく。

 

「あ、ちょ、待……」

 

 ケイネスの引き留める声は、空しくも届かない。

 

「何故、こうなる!」

 

 ケイネスは声を荒げた。

 一体どうして、ランサーの言葉をほいほいとウェイターは聞き入れ早急に動いたのか。それは、ランサーの持つスキルが関係していた。

 “関聖帝君”。彼の持つ商業神としての神号であり、この中には通常の神性スキル以外にも財を象徴する黄金律などのスキルが複合されている。その中にはカリスマスキルも含まれていた。

 集団の長となるべき資質――王の器を持つサーヴァントが保持するスキルであり、通常は軍団を率いる時に機能する。だが、このスキルには戦闘時以外に発揮する別の能力が存在する。

 それは“言葉に重みを付与すること”。他人には説明がし辛い所謂神のお告げを信じさせる、壊してしまった建物を直すという発言に漠然とした真実味が含まれるなど――。カリスマスキルの持ち主は、言葉の上で優位を得やすいのである。

 この時ランサーは無意識のうちにカリスマスキルの機能を使っていたのだ。

 完全な無駄遣いであるが。

 

 †

 

 ウェイターが飲み物を運んでくるのは空恐ろしいというしかないほど速かった。

 自分の前にグラスとボトルが置かれると早速ランサーは注ぎ始める。

 そして、並々注がれた淡い桃色の酒に、

 

「Wow(ヲァオ)!」

 

 とランサーはまず感嘆の声を上げた。

 そして、グラスを傾け、口を付けると、

 

「美味い! ボクが生きていた中華にはこんなお酒は無かった!」

 

 ランサーは今までにない味に歓喜する。

 

「Master(ムァスター)とソラウさんも早く飲んだら?」

 

 その喜びの儘に、彼はケイネスにも頼んだ飲み物を飲むように促すと、

 

「貴様、正気で言ってるのか!」

 

 怒りが返って来た。

 だが併し、なんら理不尽ではない。ケイネスが怒鳴るのも無理はないのだ。

 彼と、そしてソラウの眼前にあるもの。

 しゅわしゅわと景気よく泡を吹くメロンソーダ。その上に浮かぶ少しだけ蕩けたバニラアイス。突き刺さるハートマークを象ったピンク色のストロー。

 付き合いたてで有頂天になったカップルが調子に乗って頼む典型例のような飲み物である。

 誰が、況してケイネス・エルメロイが飲めるといえるか。

 

「そうね。貴方につき合わされた所為でからからだわ」

「飲むのか!」

 

 途端にケイネスは赤面し、顔を伏せる。

 これを飲むということは、それ即ち、ソラウとケイネスの唾液を交換するということである。所謂間接キス。

 愛する者と“間接”ということを前提としても接吻をするという事実にケイネスの興奮は頂点に達していた。

 だが、愛するが故のジレンマ。したいのではある。

 併し、したいだけで出来るならば、もうとっくの昔にしているのだ。

 要するに勇気がない。して良いという免罪符すら考えつかない。

 ならばいっそこの状況に身を委ねるのも……などとケイネスが考える傍らで、

 

「……初めて飲んだけど、悪くないわね」

 

 ソラウは一人でクリームソーダを飲んでいた。

 ケイネスは口を半開きにしてそれを見つめている。

 

「でもどうして飲み口が二つも付いてるのかしら?」

 

 ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリという女性は、時計塔の学科の一つ降霊科を総べる君主(ロード)の家系に生まれた。

 後継者となれる子供の身に何かが起こってしまった時のスペアとして、である。

 結局その子供はつつがなく成長し、今度は政略結婚の道具として生きることになるのだが――平たく言ってしまえば。とても育ちの良いお嬢様なのである。

 元々魔術師という生き物が近代文明や俗世間を嫌うということも手伝って、ソラウは俗世間というものに対して疎いところがあった。

 故に阿呆丸出しのカップル専用クリームソーダなど知っている筈もないのである。

 一人で興奮し切っていたケイネスが完全に間抜けだったという結果に終り、ランサーはクツクツと笑っていた。

 

「この犬畜生めが!」

「そこまでいうなよぉ」

 

 へらへらと、ランサーはとても大英雄がすべきではないような崩れた笑みで返し、グラスを傾けた。

 そして、一杯目を飲み終えて、またグラスに酒を注ぐ。

 その時、ランサーはハタとあることを思い出し、

 

「そういえばさ、ボク、まだ聞いてなかったよね?」

 

 ケイネスにそう語りかけた。

 

「まだ聞いてない? 何のことだ?」

「聖杯を求める理由」

 

 さらりとランサーから放たれた言葉に、ケイネスは慌てて辺りを見渡した。

 秘匿性を重視するという魔術師の習性から。

 

「大丈夫。みんな聞いちゃいない。それにもし聞こえたとしても、何を言っているかすら分からない」

 

 その一方でランサーは、あっけらかんとして酒を啜っていた。

 本当に大丈夫だろうなと、ケイネスは心中で疑りながら、ランサーを睨み付ける。

 何もこの場でいう話題ではないのである。

 だが、それを踏まえた上でも、早めに話しておかなければならない話であるのも確かであった。

 聖杯とは万能の願望器である。故に英霊は聖杯戦争に招かれ、そして臨む。度し難き渇望を埋めるだけの力がそこにはあるからだ。

 そして、マスターにもそれを求めるだけの理由がある。これは必定だ。

 よって、聖杯戦争に於いてサーヴァントとマスターは互いの望みを話し合うことになる。

 目的を確認し合わなければ信頼関係など在り得ない。また互いの目的が明後日の方向を向いていれば、剣をとることすら適わない。

 この問答が以降の戦いを左右すると言っていい。一致しなければその瞬間にも戦いは終了という可能性すらある。

 だが、ケイネスはそれをつい先ほどまで忘れていた。ランサーによって調子を乱され、それを問うタイミングを逃して有耶無耶になってしまっていた。

 

「――で、だ。It’s(ウィツ) a(ワ) question(コゥエスション) time(ターム)! 一体君は如何して聖杯を求める?」

 

 ランサーもそれを求めている。

 まるでそれを聞く場ではないが、構わないだろうと、ケイネスは考え、そして答える。

 

「聖杯を求める理由はない。ただ勝利を求める」

 

 ありのままを。

 

「勝利?」

「武功だよ、武功。貴様のような人種が最も好む、な」

 

 その回答にランサーは、

 

「HAHAHA!」

 

 手に持った杯を落しそうな勢いで笑った。

 

「成程、成程! 至極明快分かり易い! “諂曲なるが人の性”と玄徳ニーサンはよくボクらに言ってたものだが、まさしくその通りだ! 実に人らしい! ボクは好きだぜ、そういうの!」

 

 膝を叩いて武功を欲するその様に、嬉しさを露わにする姿は、腐ってもランサーが三国に武勇を広く知らしめた武将であることを物語る。

 

「茶化していないで貴様も答えろ。何故聖杯を求める?」

 

 その質問にランサーはグラスに残っていた酒を一気に飲み干して、ケイネスを真っ直ぐ見つめた。

 少しだけ間が空いて、ランサーは口を開く。

 

「ボクが、聖杯を求める、理由は……」

 




 ケイネスの髪型が変わりました。
 誰だか分からなくなるという事実はありませんがイケメンということはありません。←重要

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