Fate/is inferior than Love 作:源氏物語・葵尋人・物の怪
まさか、ちくわ早食い大会になるとは思ってませんでしたが。
女の話をしよう。
生まれ落ちたその瞬間、女がいたのは瓶の中。
やがてと言う間はまるでなく、刹那で女は立派な淑女。
恋をする。一人の男に。
恋をする。その優しい夢に。
さぁ、愛しい王子が連れてきたるは、救国求めておっ死(ち)んだ、希望を被った騎士王様(おんなのこ)。
初めて触れる巷の景色、瞳を奪われ、袖引かれ、迷い迷って霧の中。
そこにいるのは化け物(えいゆう)だ。
そこにいるのは関帝(かみさま)だ。
悪い冗談、怖い夢。この先一体どうなるの?
……え? なんのつもりかって?
毒舌家な友人の真似さ。
†
海に行こうなどと言うんじゃなかった。初めて見る外の世界にはしゃぎ過ぎた。
女は震えながら後悔し、本来紅玉のような輝きを放つ瞳からは、一切の光が失せる。
がちがちと歯が何度も打ち鳴らされて、白銀の髪をひたすらに掻き毟る。
怖い、怖い、怖いコワイコワイコワイコワイ――!
女の頭の中をひたすら“死の恐怖”が蹂躙する。
最もそこからは遠い存在なのに、と合点を見つけることが出来ない儘に。
女は御三家が一つ、アインツベルンが作り上げたホムンクルス――畢竟、鋳造された人間であり名をアイリスフィールという。
アイリスフィールは聖杯を成立させるための器であった。“聖杯”はそれ単体では願望器として成立しない。サーヴァントという高濃度の魂をくべ、初めて万能の釜となる。
そんな出自である為に九年前、ある男に出会うまで感情というものが殆ど無かった。 その頃に戻れたならば、一体どれほど良いだろうか。アイリスフィールは思ってはいけないと分かっていてもそんなことを考えてしまう。
目先一寸すら、隣に伴っていた少女の顔すら見えない程の魔力を伴った濃霧。それにも況して辺り一帯を氾濫する、背筋が凍るようなおぞましい殺意。それらが、アイリスフィールから希望を合切奪おうとしているのだ。
――只の“殺意”だけでこれだけならば、“実体”が現れてしまったら……。
アイリスフィールが愈々、袋小路に立たされようとしていたその時だった。
「落ちついて下さい、アイリスフィール。これはただのこけ脅しです。大丈夫、私が付いています」
彼女の隣に立つ、ダークスーツを纏う金髪翠眼の少女の言葉によりそこから引き戻される。
途端にアイリスフィールの中に勇気が戻る。
愛する男が召喚したサーヴァント――セイバーは殊に頼りになると、アイリスフィールは強く感じた。
セイバーのサーヴァントは“剣”という多く神話や英雄譚に於いて花形として扱われる武具に縁のある英雄に宛がわれるクラスであり、それ故に、七つのクラスの中でも最優のステータスを持つ。
そして、この少女は、その剣士の英霊の中に在っても最大の信仰と最強の武装を持つ、最高のサーヴァントであった。
あらゆる人々に尊ばれ、愛される騎士道物語に語られる理想の王、理想の騎士。
――併し、そんなセイバーをしても、この殺気の只中は経験したことがない種類のものであった。
まだ少女が在りし日に、幾度と無く彼女の国を強襲した海の向こうの蛮族達。彼等でさえも、こんな殺気は放っていなかったと、セイバー思い返す。
そして、尚恐ろしいのは、恐らくこれを理論に基づき計算づくでやっていることである。
霧で視覚を封じた上、辺りに放った濃密な魔力と殺気が放たれている為に、襲い掛かってくるであろう敵の実態も所在も兎に角分かり辛い。畢竟、気配遮断のような役割をしているのだ。
――何処から来る?
セイバーは目を凝らし、そして感覚を研ぎ澄ませる。
――如何攻めてくる?
瞬間、セイバーは気配と魔力が一際濃厚な一点を見つける。
そして、
「危ない!」
咄嗟にアイリスフィールを抱きかかえ、有らん限り飛んだ。
その後、刹那、セイバーとアイリスフィールの居た場所の地面が、大きく抉り取られる。
巻き上がる砂礫、打ち鳴らされる轟音。
自ら作った霧にすら切れ間が出来て、襲撃者の姿が少しだけ顕になった。
薙刀を手にした長躯の男であった。
「Shit(スウィット) , Go(ギョウ) wrong(ルォング)……仕損じた、か」
強襲に失敗した敵は、けれどお道化た口調でそう言い、セイバーとアイリスフィールに向き直った。
霧が晴れる。否、襲撃者が自ら作り上げた霧を排除したのだ。
そして、優美な面差しと細身乍ら鍛え抜かれた肉体を兼ねる、大刀を携えた男が現れた。
セイバーはまずその姿に違和感を覚える。武具や戦袍が、いかにも東洋風であり、彼が東洋の英霊であることを示している。セイバーの持つ聖杯からの知識は東洋の英霊はこの冬木の聖杯戦争に於いては原則呼ばれないということになっている。
――では目の前の男は一体……?
男が口を開く。
「見事、見事。ボクの一撃を躱すとは、さぞ名のある英雄と見たぜ」
手を打ち鳴らしながらの讃辞には、けれどまるで心が籠っていない上っ面だけのものであった。
「……そして、その闘気の質。セイバーのサーヴァントと見ているが如何だろうか?」
笑みを湛え乍らも淡々と大刀の男は少女に訊ねる。
少女は魔力で鎧を編み、ダークスーツの上にそれを纏いつつ、
「如何にも」
とセイバーは答える。
そして、手に握った見えない剣の切っ先を緑衣の男に突き付け、訊ね返す。
「そういう貴方はランサーだな?」
と。
併し、男は首を振った。
質問ですらない質問。ランサーのクラスであることは明々白々であるのに、だ。
「いんや、ボクはアサシンのクラスのサーヴァントだよ? どこの世界に霧に紛れていきなり不意打ちを掛ける槍兵がいるんだよぉう?」
あからさまな嘘を吐いてランサーはへらへらと笑う。
その礼を弁えない態度がセイバーの逆鱗に触れた。
先ほどの攻撃が明らかにアイリスフィールを狙ったものであったことも手伝って、セイバーの怒りを買うには十分に過ぎたのだ。
セイバーは激烈な踏み込みを以てランサーに迫り、顔面を薙ぎに掛った。
「うわぁあ!」
悲鳴を上げ乍ら、ランサーは咄嗟に身を仰け反らせつつ、セイバーと距離を取る。
「もう! 危ないなぁ! いきなり切りかかることないだろう! 君には騎士道とか武士道とかそういうの無いの⁉」
ランサーは鼻を抑え、涙目になってセイバーに訴える。
鼻梁がざっくりと大きく裂けていた。
「黙れ! 貴方のような輩に聞かせてやれる騎士道などあるものか!」
見えざる剣を突き付けながら、セイバーが怒鳴る。
その間にもランサーは顔を覆い痛がりながら、けれど一瞬ほくそ笑んだのを、幻惑の術式で隠匿し傍で見守る彼の主は見逃さなかった。
これはヤツが仕掛けた罠だ――治癒の術をランサーに飛ばしながらケイネスはそう考える。
ランサーの不意打ちは恐らく、それだけで完結しているものではなかった。その真意は、“ペース作り”だ。実体化した状態で街を歩いているのだから余程誇り高いか、ただの馬鹿かのどちらかと踏んだのであろう。そして、そういった人物というのは得てして、“卑怯”を何より嫌う。
ランサーはまず、それに因って“義憤”を買った。
更に、相手の得物が不可視の剣だと見るや否や、それをさらに煽る様な態度を取って、相手に先手を打たせた。ワザと皮一枚当たるように身を躱し、その傷の深さと、具に観察していたセイバーの踏み込み、そしてケイネスから贈られるセイバーのステータス等を元に、剣の実際の長さを計算。“間合いが読み辛い”という相手の武装の利を殺した。
そして、極め付けとばかりにその状態から貴様に騎士道は無いのかと、自分の行為を棚上げして相手を非難する。これに反応してしまった所為で、セイバー自ら騎士という出自を明らかにしてしまった。ただ英雄ではなく、騎士。それに相当する英雄でランサーの一撃を躱せる者などごく限られてくる。畢竟、ある程度の真名の絞り込みも出来たわけである。
だが、ケイネスは内心で肝を冷やしていた。
ランサーの立てたこの策は綱渡りも良いところな代物で、欠陥も多かった。例えば、剣が見えないだけでなく呪いや毒が仕込まれていた場合、態と当たりに行くなど愚かでしかない。
一体若しそうだったならばどうするつもりだったんだと、ケイネスは非難するようにランサーを睨む。
だが、ランサーはそれに対し、笑顔を返した。
――君がいるから大丈夫だろう?
と、その笑顔は暗にそんなことをケイネスに伝える。
そう、ランサーはこれまでケイネスの魔力の技量に幾度と無く触れてきた。呪いや毒であれば大抵は解体出来ると踏んだのだろう。
裏を返せば、ランサーがそれだけケイネスを信頼していることの証明に他ならない。
主としては嬉しい限りだ。
だが、それに対して一体何がしてやれるだろう?
ケイネスは考えた末――
『それで終いか、ランサー』
そうランサーに語り掛けていた。
男とも女とも似つかず、老いも若きも判然としない、声が辺りに響き、セイバーのマスター――と思われる女性が辺りを凝然と見渡す。
サーヴァント相手ならばいざ知らず、ケイネス・エルメロイの認識妨害の術式を敗れる魔術師などそうはいない。
当然の結果――ケイネスは涼しく受け入れ、言葉を紡ぎ続ける。
『私はまだお前の力を見ていないのだがね。それともそれがお前の総てか?』
煽り立てるような言葉遣い。
けれど、これは鼓舞だ。ケイネスにとっての精一杯の声援ある。
――私のサーヴァントはこの程度ではない筈だ。
そういった捻くれた信頼の証。
ランサーはそれを受けて、
「勿論、そんなことはないさ。これからそこのお嬢ちゃんの首を撥ねてみせよう」
と豪快に“青龍艶月”を振り回し後ろ手に構え、前傾した姿勢になる。
獣を彷彿させるその構えは、ランサーの、中華の大英雄の戦闘態勢であった。
セイバーは警戒する。先程の戯れは一切ない。薫風を思わせる爽やかな笑みを湛え乍ら、その中身には、どす黒い殺意が渦巻いている。
「……見えない剣とはやってくれた。But(バァト)! 物珍しいモン持ってるからって調子に乗るなよぉ!」
ランサーの啖呵に呼応するように、その手の中に在る“青龍艶月”に魔力が集中する。
それは、凛烈な冷気となって迸り、
「なっ!?」
その直ぐ後、セイバーは驚愕することになる。
「ソイツぁ君だけの専売特許じゃないんだ」
ランサーの手の中の偃月刀が揺らめき、出したのである。
†
遂に始まった戦いは凄まじいの一言に尽きた。
ケイネスも、アイリスフィールも、それに驚愕し息を呑んでいた。
例えるならば嵐であった。
「オラァッ!」
ランサーはけたたましい絶叫と共に、偃月刀を振り下ろす。
「くっ!」
セイバー身を引いて躱す。
その威力に因って、地面に大穴が穿たれ、ベンチが散開し乍ら宙を舞った。
「きゃあ!」
アイリスフィールのすぐ隣に、ベンチを形成していた板が突き刺さる。
「ちっ!」
ケイネスの頭上にも、礫が霰の如く降り注ぎ、用意していた自在に変形する水銀の礼装“月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)”で防御する。
『防御術式を用意しておけ』……ランサーが戦闘の前に語った言葉の意味をケイネスは漸く理解した。ケイネスは最初、これは敵のマスター及び、何処かで自分達を見ているかもしれない衛宮切嗣を警戒しろという意味だと思っていた。
だが、それは違った。
“自分の攻撃に巻き込まれないようにしろ”――ランサーの真意はこれであった。
思い返せば、関羽雲長にはこのような逸話があった。曰く、万の兵にも比する武勇を持ちながら、戦では率いた兵を半数にまで減らすこともあった、と。だが、ケイネスといえど、まさかその真実がランサーの嵐の如き戦い方に巻き込まれてのものだとは思わない。
忌々し気に、ケイネスは戦いを見つめる。
セイバーは斬撃を返そうと踏み込もうとする。
併し、瞬間ランサーが驚くべき行動に出た。巻き上げた砂礫の中から、人の頭ほどはある礫を見出し、蹴り込んだのだ。セイバーは咄嗟に身を屈める。
後方で轟音が鳴った。ランサーが放った岩石の弾丸が公園のトイレを木っ端微塵に粉砕した音である。
身を屈めたことに依って出来るタイムラグをランサーは見逃さない。
ランサーは唐竹を放ちセイバーの脳天へと刃を落す。
セイバーはそれを剣で受け止めた。
だが、その重量たるや筆舌。小柄ながらも大剣を軽々振り回すパワーファイターであるセイバーであっても、“魔力放出”――魔力を四肢に集中させ爆発させることにより膂力を強化するスキル――を使い、やっと互角の鍔迫り合いが成立するほど。恐らく英霊として、その腕力は極限域にあるだろう。加えて、その手に握る長竿の超質量。“一撃の重さ”に於いて、ランサーはセイバーを上回っていると言えた。
なんとか押し返そうとさらに魔力を集中したその時、急に体が泳いだ。
ランサーが虚をつく行動に出た。突然、手にした大刀手放したのである。
「なっ!?」
その隙を付いて、ランサーは腰に差した匕首を引き抜き、身を屈めセイバーの首を狙う。
セイバーは足に魔力を集中させて思い切り後退する。
にぃとランサーは口角を吊り上げ、大刀を拾う。そして、セイバーを追う……ではなく、刃で地面を掬い上げ、それを傍で見つめるアイリスフィールに向かい投げつけた。
超高速ではじき出されたそれは、ライフル弾並みの威力を以てアイリスフィールに迫る。
セイバーはギリと音が出る程、歯を食いしばり、その間に入り、盾となる。
その行動を読んでいたランサーは次の瞬間にはセイバーの近くまで踏み込み、思い切り胴を薙ぎに掛った。
なんとか、それを剣で以て防ぐが、その暴威に体ごと吹き飛ばされ、セイバーは近くの樹木に打ち付けられた。
「ぐはっ……」
セイバーは空気を肺から有らん限り吐き出し、瞬間、着弾点を境にし、樹木が折れ倒された。
――なんという強さだ……。
セイバーはなんとか立ち上がりながらも、目の前のランサーに畏怖を覚える。
揺らめき、見かけ上の長さを変える不可思議な力を持った偃月刀は間合いが図り辛い上に、見えている分だけ、そちらに釣られてしまう。武具が冷気を伴っていることから察するにその真実は温度差が齎す屈折現象――詰りは“蜃気楼”であろう。
セイバーの持つ“見えない剣”の正体は魔術に因って屈折率に直接干渉をし、それを纏わせた空気の鞘だ。ランサーが起こしているそれよりも高度な現象が起こっている為にそのランクはランサーの武具が起こすものより高いだろう。だが、戦闘に於いて齎す成果は、ランサーのものの方が上であった。
更にその卑劣極まりない戦い方。隙を見つければアイリスフィールの方へと矛を移す為、守りながら戦わねばならない。
そして、何より厄介なのはランサーの戦闘技術だ。絶大な威力を持つ大刀の振りは、それだけならば対処のしようもあるが、暴虐的であり精錬さからはほど遠いのに、其処には深淵な理性と叡智が多分に感ぜられた。そして、長竿だけでなく、短刀、徒手空拳、更には土砂や木々などの周りの環境すら利用しての戦い方は叛逆の騎士と似通う。
併し、完全にそれというわけではない。彼女が、暴力と技巧をせめぎ合わせ融合させたものならば、ランサーのそれは純粋な暴力を知性で操縦して技巧のようなものに見せていると言えた。
術理などはない。誰かや何かに習ったのではない、我流の殺傷術だ。
その上この男の頭脳は極めて危険だ。見えない剣をまるで恐れない。斬られることにまるで躊躇いが無いのか、それともとっくに間合いを見極めているのか。前者であれば狂気であり、後者であれば狂気的なまでの理性だ。いずれにせよ恐ろしいことこの上ない。
――そうだ、あの男に似ている。
この時、セイバーが思い浮かべたのはある一人の男であった。それはまだ栄光の騎士達が円卓を囲む以前の話。最強と呼ばれた勇士がいた。その男は剣に選ばれたわけでもないのに、“ダビデ王の剣”を無理矢理引き抜き、呪いを受けた男。愛する弟と争う運命を受け、最後は聖槍の一撃で城を破壊し、その瓦礫で生き埋めになるという壮絶な最期を遂げた悲運の騎士。
――“野蛮な男”に。“ベイリン卿”に。
セイバーはランサーをその男に準え、ひたすらに驚愕した。
ランサーもランサーで、セイバーの力には驚いている。
先ほどから一方的に攻め、じり貧にまでセイバーを追い込んでこそいる。見えない剣も恐るるに足らず。それでも依然、ランサーの攻撃はセイバーの芯を捉えてはいない。本気でやっている。凡百のサーヴァントならばとっくに粗挽きの肉団子になっていると思うほどには。
屹度、最高峰のサーヴァントなのだろうと、ランサーは想像した。
若しこれが、騎士道物語の本場、欧羅巴であったならば、こうして敵を見下ろしていたのは逆であっただろうと想定する。
――此処が日本で本当に良かったと思うよ。
ランサーは心の中でそう呟いて、ケイネスの方を見る。
彼が何を伝えんとしているか、ケイネスも察する。
戦いを徒に長引かせれば、いくらランサーであろうと消耗する。その後にライダーと見えるのは聊か拙い。
何より、このセイバーを今後生き残らせてしまえばこの後の聖杯戦争にどう影響するか分からない。
故にケイネスは決断する。
『早急に止めを刺せ。宝具の開帳を』
その言葉に、ランサーはにっかりと笑みを零す。
「ならば御覧に入れよう」
ランサーは“青龍艶月”を舞踊のように振り回し、今度は両手で構える。
「そんじゃ、皆々様ァ! 七竅かっ開けェ! 項羽ですらも死に絶える、虞美人草の紅い花ァ、屍(かばね)に咲かせてみせようか!」
魔力が、“青龍艶月”に、否、その刃へと集中する。
すると瞬間、刃に龍が現れた。
翡翠のような鱗を持つ、美しき龍――相克の一柱、東方の守護神“青龍”である。
「“美塵葬・大紅蓮(チンロン・ユーメイレン)”!」
次の瞬間、刃から眩いばかりの翠色の光が生じ、その周りが硝子細工のように煌めく。
この場に居合わせた総ての人間は辺り一帯の冬の冷気が肉を突き刺すようなものに、変貌したかのような錯覚を受けた。
関羽がFGOに実装されたら。
多分、☆3バーサーカーに三人がかりでやって勝てなかったことから☆1になるんだろうなぁという空しい妄想をしてみた。