ほんとごめん。
※三人のイチャコラ加筆
白髪のクソガキが冥界から消えたという話をアザゼルさんから聞いた時、まず頭に浮かんだのはガキの姉だと名乗っていた黒髪の女。
仇討ちと言って俺を殺しに来た事から、相当あのクソガキが大事だったのが分かる訳で、碌に歩ける筈も無いガキが冥界から消えた理由を考えるに、恐らくその女が絡んでるだろう。
スキルに覚醒して逃げやがったあの女が手引きしたという意味でな。
そしてこの前のアザゼルさんとの会話でその雌猫の居場所を知っていると思われるともなれば、これはもしかしたら堕天使達とも事を構えなければならないのかもしれないね。
え、悪魔? あのカス共は最早敵に値しないね……もうほっといても自滅しそうだし。
「自棄にでもなったのか? まあ、俺にとっては都合は良いけどね」
『………』
「まったくテメー等の忠誠心とやらにはヘドが出る。
魔王の仇なのか、それとも安いプライドなのか……くくく、いい加減悟れないもんかねぇ?」
というか今ぶっ壊した所だしね。げげげ……。
能力持ちが敵となる。
あまり想像出来ない戦いになりそうであるが、経験で言えば私達の方が上だから……と安心やら慢心をするつもりは無いわ。
どうであれ殺す気でいたイッセーくんから逃げ仰せた時点で厄介な力を持ってる事は確かなのだから。
「グレモリーの残党だとさ。何か自称してた」
「そうだったの。それで、その残党達は?」
「勿論ぶち壊したさ。当たり前だろ?」
「イッセーが一人の所を狙うとはな……。やはり一人には出来んぞ」
「おいおい止めてくれよ。ガキじゃないんだからさ」
力を取り戻し、悪魔への報復も済ませたイッセーくん力は日々進化し続ける。
その力は最早、セラフォルー・レヴィアタンを返り討ちにしてやった頃と比べるまでも無く上昇しているのが感じ取れるくらいであり、永久の進化のスキルはイッセーくんをより強靭にさせている。
「一応危なくならないように修行してるつもりなんだけどな……」
「それはよく解っている。
解ってはいるが、どうにも私は悪魔に好き勝手されていたお前を見てしまってるせいか、まだその感覚が抜けないんだ。
だから、また何かの拍子でと思うと……」
けれどゼノヴィアはいくらイッセーくんが強くなっても一人にさせる事すら異を唱えるレベルで過保護になっちゃったみたいで、その理由も悪魔に利用されてボロボロにされたあの時の姿が忘れられないからだと言っている。
実は私もゼノヴィアに同意見だったりするんだけど、私まで同じ事を言ったらイッセーくんにうんざりされてしまうので、敢えて黙っている。
まあ、同い年のイッセーくんに妙な保護欲が沸くのは私とて否定はできないんだけどね。
「恨みを買われる真似ばかりだからな、私達は」
「まあ、確かに自覚はしてるよ。だからと言って今更良い子ぶるつもりは毛頭無いけど」
故にもっと強くならないとならない。
あらゆる外敵を黙らせる程の、そして生き続ける事の出来る進化を。
私達三人の願いの為にもっと強くならないとね……能力持ちの敵の事とかもあるし。
「塔城小猫の件もあるし、手引きしたと思われる姉とやらの事もある。用心に越した事は無いだろ?」
「無いけど、流石に家の中でもひっきり無しってのはどうかと思うんだけど……」
「ゼノヴィアの気持ちも分からないでも無いけど、ちょっと神経過敏じゃないかしら?」
さて、長々と語った訳だけど、結局何が言いたいのかと云うと、曰く『悪魔の』らしい返り血まみれでイッセーくんが家に帰って来たのを見たせいか、またゼノヴィアの病気が始まっちゃったという事。
返り血で傷なんか一つも無いのにゼノヴィアは大騒ぎしちゃう――いや、私も言葉には出さなかったけど内心穏やかじゃなく、取り敢えずお風呂に入れて上げてからご飯を食べ、今に至るという経緯があった訳なんだけど……。
「良いってば、寝るくらいで一々大袈裟だっちゅーの!」
「駄目だ! 一人で押し入れなんぞで寝かしたら身体を痛めてしまう」
「それはゼノヴィアに同意するわ。たぬき型ロボットみたいに小さければ良いけど、イッセーくんの場合微妙にオーバーしてるから身体を伸ばせないでしょう?」
「そんなの、別に丸くなって寝れば……」
「駄目だ! それでは腰を痛めてしまう」
……ゼノヴィアってこんな母性的だったっけ? と今更になって疑問に思うくらいに、一人で押し入れに入ろうとするイッセーくんと押し押されの問答を繰り返している。
もうその勢いったら、何かにつけてイッセーくんを傍に置かないと駄目と言いたげに見えるくらい。
「あのさ、冷静に考えよ? 俺二人と同い年なんだけど……?」
「同い年が何だ? 同い年だろうと心配なのに変わりはない」
「行動が一々ゼノヴィアは大袈裟なのよ」
「それは半分自覚しているし、イッセーの力を疑ってる訳じゃない。
しかしそれでも心配なんだ」
「そんなん言われたら俺超複雑なんだけど……」
最近は寝るにしてもこんなやり取りが多い。
流石に恥ずかしいのか、一人で押し入れに引きこもって寝ると主張するイッセーくんと、それを否定して自分達と一緒に寝ようと主張するゼノヴィア……と、中立気取りの私。
どっちの主張も私にしてみれば『分かる』話なのでどっちの味方になるつもりは表向きには無いけど、実の所内心はゼノヴィア側であったりはする。
「大体二人と一緒になる前はずっと一人だったんだぜ? なぁドライグ?」
『一応そうはなるが、お前ガキの頃は一人で寝るのが不安で喧しい程オレに話し掛けて来たろ』
「む? それはどういう事だ?」
『あぁ、コイツは結局虚勢張りの寂しがり屋って事だ』
「ば、ばかドライグ! そんな捏造すんなし!」
というのも、今然り気無く同意を求めようとしたら軽くドライグに裏切られてるイッセーくんは、悪魔の頃に受けた仕打ちが根深く、それが魘される形で夜な夜な表に出てしまうというもの。
「ほらやっぱり」
「い、今は違うって!
だ、大体二人にあんな至近距離で挟まれてたら寝不足になるし、アレがああなって余計寝れないわい……」
「変な所でイッセーくんって初よね……」
『コイツはあのカス共を除外すればまともに女を知らんからな。性癖を触れ回るのも基本的に虚勢を張ってるだけだ』
「お前ふざけんなよドライグ! これじゃあ百戦錬磨で通ってたのがパァじゃないか!」
今でこそ押し入れの前でわいわい騒げてるものの、一度寝静まればそれば無意識となって出てしまう。
それを何度もイッセーくんと一緒に暮らす様になってからはゼノヴィアと見てきたので、一概にゼノヴィアが過保護過ぎる……とは言えない。実の所私だってゼノヴィアみたいに過保護だし。
「別に百戦錬磨でなくても大丈夫だ。私なんて未経験だしな」
「うん、一応存在なんてしてない主に祈りを捧げてた日々だからそこら辺に嘘はないわ。勿論私も」
「だ、だから余計に困るんだよ。距離感半端ないという意味で……」
仮に手を出してきても普通に受け入れるつもりだから、距離感にしても自然に近くなる……私もゼノヴィアもね。
「寝れば変わらん。ほら、一緒に寝るぞ」
「我慢できなければ大丈夫だからね?」
「な、何のだし……」
同じだからこその繋がりが欲しいというのは、結局私もゼノヴィアも抱く欲だと思うのよね。
勿論……そうであったら良いなと思う意味でイッセーくんも。
こうして押して行けば、結局イッセーくんは折れてくれる訳だしね……ふふ。
やれやれ、日に日にイッセーの奴は恥ずかしがって一緒に寝るのを拒否しようとするものだから、説得するにも骨が折れてしまう。
まあ、折れたのはイッセーだけどな。
「ち、近いって……! あ、当たってるって……!」
「最近ちょっとサイズが上がってしまったみたいでな」
「成長期かしらね?」
イッセーを真ん中にして、それを挟むようにして私とイリナが其々横に入り、そしてイッセーを安心させてやる為に身を寄せる。
意識がある時は変に恥ずかしがっててそれはそれで可愛げがあるが、完全に寝てしまうと逆に今度は苦しそうに魘され始める。
「く…ぅ……」
「始まったか」
「またあの悪魔達の夢ね。どこまでもしつこいわ」
拭いきれないトラウマが、眠るイッセーを襲う。
その度に魘される姿は私とイリナにとっても実に歯痒く、その元凶を取り除けない自分達の無力さも痛感してしまう。
「イリナ」
「わかってる」
出来る事は、魘されるイッセーの傍でその身を抱いてやれる事だけ。
それでも取り除けない一時しのぎにしかならないけど、やらないよりは遥かにマシだと私達は思ってる。
「………ぅ」
効果はあるしな。
「落ち着いたか」
「みたいね……良かったわ」
二人で抱いて10分、落ち着いたのか魘される声は鳴りを潜めて穏やかな寝息を立てるイッセーにホッとした私達は、ちょっとだけイッセーから離れる。
そして此処からは私とイリナの恨みっこ無しの勝負だった。
「ん……ぅ……」
「あ……っと……」
「むむ……!」
そう、眠るイッセーが人肌求めてどちらを選ぶか……というな。
「よしよし、ふふん今日は私みたいよゼノヴィア?」
「む……むぅ……」
そして本日イッセーが選んだのはイリナだった。
もそもそとイリナに抱き着くイッセーと、それを嬉しそうに受け止めてるイリナの両方を見ながらちょっと羨ましい視線を送ってしまうのは、まあしょうがない。
「良い匂い……」
「あっん…♪ もう、イッセーくんったら……」
「むむむ……」
私を選んだ日だって大体こんなもんだしな。
イッセーが離さないとばかりに身体を抱き締めてきて、胸だの何だのに顔を埋めてスヤスヤと寝る。
最初の頃はちょっとビックリしたけど、今じゃ毎日だってしてきて欲しいとすら思う行為は、勿論イリナにもしていて、イリナも満更じゃ無さそうだ。
というか、イリナはイッセーが好きだからな……嬉しくない訳ないか。
「Zzz」
「ぁ……ん。も、もうイッセーくんったら……胸が好きなのが本当だからって、そんなにしたって何にも出ないよ?」
「ちぇ、私は手持ち無沙汰なのに……」
私も好きだしな……イッセーの事。
強いけど弱い所もある面といい、私とイリナを両方を大事にしてくれてる所とかな……。
その少女は食っていた。
「神様って、思ってた以上に美味しくないですね」
それが例え神であろうと、少女は嗤いながら食っていた。
「お、おのれ……たかだか猫妖怪の子供に我が――」
しゃく
「食われておきながら、たかだかも無いと思いますけどね」
「わ、我の腕がぁぁぁっ!?!!?」
食欲、止まらない食欲。
喰えば喰うほど力を増し続ける少女の異常。
その異常性は更に加速し、遂には神を冠する存在すら喰らうまでになっていた。
「えーっとそうそう、悪神さんでしたっけ?
名前は忘れましたけど、取り敢えずアナタの力――御馳走様でした」
「か、き……!」
その食欲はまさに無尽蔵。
破壊された事により、またその殺意を受け止める気持ちを確立させた事により覚醒せし少女の異常性は、無神臓を持つ少年の一部を大切に育てた事により尚進化を続けている。
「全然足りない……」
しかしそれでも少女の心は満たされない。
いくら神を冠する存在を喰らって糧としようとも、どれだけ進化を遂げても少女の心はポッカリと穴が空いている。
その理由は言わずもながら、自分を憎悪と共に破壊した愛しき少年が理由だった。
「先輩……力を付けてみたけど、やっぱり先輩が居ないと面白くないです」
それは一方的なエゴだ。
己を憎悪する少年の心を受け入れた上で愛して見せるという少女の感情は、白い少女の見た目を裏切るかの如く、途方もなくドス黒い。
「何を食べても……ふふ」
悪神なる存在を食い尽くし、トボトボと学生服に身を包む少女は小さく笑い、舌を舐めずる。
足りない、力を食ってもやはり満足しない。
どれだけ食ってもやはり自分が求めるのは……。
「イッセー先輩……ふふ、食べた後に壊されるのも悪くないかも」
尽きぬ憎悪と共に自分を壊してくれた少年。
塔城小猫――白音が一身に求めるは、無限に進化する少年のみだった。
しかし今はまだ接触してはならない。
イッセーはともかくとして、イッセーの傍に居る二人の存在が壊されようとする自分の邪魔をするかもしれない。
だから力を付けなければならない……永遠に壊され続ける為の力を。
「見つけた」
「……。誰ですか?」
その過程で出会ってしまう事もまた、白音にとっての運命なのかもしれない。
先輩にずっと壊して貰う為に、力を付けようとそこら辺をうろうろしていた時だった。
永遠に壊し続けて貰うには、取り敢えず強くなれば良いなんて考えで手当たり次第強い人達の力を食べてきた私の目の前に音もなく現れた存在に、私は本能的な危険信号を感じ、咄嗟に身構え、現れたそれに何者かと問う。
「誰ですか? 悪魔――では無いですね?」
「違う。我はオーフィス」
私よりも幼そうな女の子の姿をしたそれは、自分をオーフィスと名乗った。
その瞬間、私は一気に臨戦態勢になる。
「オーフィス。知ってますよその名前。この前食べた旧魔王派だかを統括してる組織の長で、別名・
「…………」
ふよふよと力無くその場に少し浮いてるオーフィスと名乗る少女に私は、象徴としての名前を口にしながら何時でも動ける様に軽く腰を落とす。
テロ組織呼ばわりされてるメンバーの一部を喰らった時点で、組織ぐるみで私を潰しに来るのは十分に想定していた事。
しかし、まさかその長が直々に私を始末しに来るのは少しばかり宛が外れました。
流石に世界最強クラスの龍神の一つと戦って勝てる程私は自惚れてはいませんからね。
「殺しにでも来ましたか、私を?」
「…………」
食えるものなら食ってはおきたい。
けれどそれにはあまりにもリスクが大きい。
先輩の力を4分の1まで育て、更によくわからない似た様な力を持つようになったとしても、この無限の龍神を相手にするには『まだ』力不足。
先輩ならもしかしなくても……とは思いますが、私はまだその領域じゃない。
だからこの場は取り敢えず逃げる。
さっき悪神って名乗ってた神様の一人を食って獲た力を加味すれば、逃げ仰せるだけなら何とか――
「っ……!?」
「………」
なる……そう思って油断していた私は後悔した。
オーフィスと名乗る少女が、三メートル離れた箇所から一瞬で私の目と鼻の先まで移動し、私の事をジーッと見ている。
しまった……思っていた以上に速い。
これでは無傷で逃げるという訳には……。
「すんすん……」
いかなくなった……。と、それなら一部でも食ってやろうと決心した私の考えを知ってるのか知らないのか。
それとも脅威に値すらオーフィスにしてみれば無いのか、表情がまるで読めない抑揚の無い瞳で私を見ていた無限の龍神が、何をしたいのか私の身体に鼻を近付かせて嗅ぎ始めた。
「……」
「すんすん」
その行為に私は不覚にも動けなくなってしまった。
いや、いくら私でもいきなり臭いを嗅がれるなんて真似をされたら意味が解らないですよ。
「あの……なんですか? お風呂なら一応入ってますよ」
「………すんすん」
「聞いちゃいませんね」
わざと隙を見せてるつもりなのでしょうか? それとも余裕のつもりか。
どちらにせよ、ちょっと気に入らないというか、先輩に何れ会う為に身なりだけはキチンとしてるつもりなので、変な臭いなんてしない筈……いや、しゃくしゃくはしたけど歯磨きしてるし。
「お前の中に我とは違う無限を感じる」
いい加減やめて欲しい。そう思いつつも手出しできない歯痒さを感じ始めた時でしたか、オーフィスがほんの少し私から離れると、いきなりそんな事を言ってきた。
「我とは違う、似てるようで似てない。けれど同じ」
「……?」
何を言ってるんだコイツは? と私は無表情だけどソワソワしてる様に見えるオーフィスを訝しげに見ながら、本人の言葉を自分の中で繰り返す。
同じ無限――あぁ、なるほど。
「確かに言われてみれば、アナタの冠する無限に似てなくも無いかもしれない」
なるほど、どうやら何か感じる所でもあるからこそこうして来た訳ですか。
あの意味の解らない行為も彼女? なりの確かめ方という事で考えれば納得できる。
しかし解せませんね……もし私の中から同じものを感じたとなれば、最も強い同気質の先輩に引き寄せられると思うのですが……。
「私みたいに残った寄せ集めより、オリジナルの方のが良いと思いますけど?」
「オリジナル? ………赤い龍の使い手の事?」
「ええ、無限の進化の体現する様な人ですよ」
そう、所詮はかき集めでしか無い私より、本当の意味での無限の進化を持つ先輩に引き寄せられるのが定石な筈。
反応からして既にオーフィスは知っている様ですが、知っているだけで会った様には何となく見えないというのが、私にしてみれば解せないし油断できない。
だからこそ臨戦態勢は解かずにオーフィスを見据えていると……。
「乱暴なグレートレッドに気質が似てるから……」
「グレートレッド? 何か何処かで聞いた名前が出ましたが乱暴ですか……」
なるほど、確かに乱暴ではありますね。
ですがその乱暴さが良いのに、龍というのは私と合いそうにありませんね。
「だから最近同じになったお前に我は近づいた」
「殺しに来た訳じゃないと?」
「違う。我は静寂が欲しい。けど、グレートレッドが邪魔をする。だからグレートレッドを倒す仲間を作ったけど、お前に一部喰われた。
けど、お前から静寂の波動を感じたから、我はこうしてお前の前に来た」
「………」
静寂、ねぇ。
「つまり?」
「我の仲間になる。そしてグレートレッドを倒す。もし倒せなくてもお前の存在が我の静寂になる。
えっと……一粒で二度……?」
「美味しいですか……。なるほど」
要するに、この前食べた悪魔についての罪は無しにするから、このオーフィスの仲間になってグレートレッドを倒すのに協力、それが無理なら傍に居て安心の供給をしろという事ですね。
よくわかりませんが、つまり隙を見てオーフィスの力を食べられるチャンスって訳ですか……。
「ま、良いでしょう。私も目的があるので、それを果たす協力をして貰えれば別にアナタの静寂とやらになっても構いませんよ」
「! 何でも協力する」
棚からぼた餅って奴でしょうかね。
こんな所で食べ甲斐のありそうな餌の近くに常に居られるとは。
ふふふ、仲間に本気でなってくれると思ってるのか、嬉しそうに笑ってる所悪いですが……。
「よろしくお願いしますオーフィス」
「こちらこそ……えっと」
「白音、で構いませんよ」
「ん、しろね……♪」
無限に先輩に壊される愛憎を貰う為の礎にでも精々なって貰いましょうか。ふふふ。
「しろね……しろね……♪」
「何ですか急に……?」
「我と同じという仲間が出来たから、我は嬉しい」
ただ、本当にこんな小さななのがオーフィスなのでしょうか? 急に私に抱きついて嬉しそうにしてる姿がまるっきり子供というか……。
「行こ、しろね……♪」
「………」
ちょっと不安ですが、取り敢えずそろそろ黒歌姉さま辺りに顔でも見せに行こうかな。
補足
一誠達が黒歌さんを疑ってる間に、然り気無く何処かの悪神まで食ってしまった白音さんは、引き寄せられるが如く現れたオーフィスたんとロリコンビを結成しましたとさ。
つまり、ヤバイ。
その2
IF集見ればお分かりの通り、この癖がつき始めたのはこの二人がめっちゃ甘やかしたせいなのと、愛情餓えを満たしてしまったが故。