ハイスクールD×S   作:超人類DX

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マイナス一誠のイリナ風味というか……これもまた一発系です。

※整理目的で一時的にな処置のつもりです、!


ラスボス化の赤龍帝
封じられし赤龍帝のこの日


 イライラする。

 クソが付く程イライラしやがる。

 

 何が『その力は危険だから、監視する』だ。

 テメーなんぞに監視される前から俺はテメーでテメーの力を御してたんだよ。

 

 それを修行でボロボロになって死にかけてた所を頼みもしねぇのに転生なんてさせやがって。

 

 お陰で弱体化ってレベルじゃねぇ所まで貧弱になった挙げ句、師匠との連絡も遮断されやがった。

 

 クソが……クソがイライラが止まらねぇ!!!

 

 

 

 

 その日、駒王学園では球技大会の予定だった。

 しかし午後から降ったどしゃ降りのせいで午前中の競技だけで中止となり、午後からは通常授業へと切り替わった。

 

 そして放課後となり、グラウンドを使用する部活動に所属するものは室内で軽い筋トレをしたり、ミーティングをしたりと時間を過ごしていたのだが、基本的に文化部に雨天なぞ関係ないので、美術部しかり吹奏楽部しかりなぞのインドア部活は、何時もの活動を行っていた。

 

 

「リアス・グレモリーで間違いないな?」

 

 

 それは旧校舎を部室に使用する『オカルト研究部』という、少し変わった活動を目的とした部活も雨天なぞ関係なく何時も通りの活動をしている……と、思われたが、この日のオカルト研究部は少しばかり様子が違った。

 

 

「ええ、アナタ達が教会からの使いの者ね?」

 

 

 オカルト研究部。

 駒王学園にて特に持て囃されている生徒で構成された部活動集団――というのは表向きの話であり、この部員達は実は悪魔という種族であるという秘密があった。

 部長であるリアス・グレモリーを頂点に、副部長である姫島朱乃を二番手に構成されたグレモリー眷属。

 それがオカルト研究部の正体であり、悪魔として人の中に紛れ込んで生きている理由も勿論ある。

 

 その理由もまた様々であり、簡単に言えばリアスはこの地の管理を任されているという使命の下、街の中で許可もなく事をやらかそうとする他の勢力に対して目を光らせている訳だが……今、リアスの下へとやって来たこのフードを深く被った二人組はまさに『他の勢力からの使い』だった。

 

 

「如何にも、私がリアス・グレモリーで間違いないのだけど……もう少し待ってて貰える? 今、一人私の眷属が遅れて此処にまだ来てないから」

 

「む……」

 

「……」

 

 

 悪魔からすれば天敵である天界に住まう天使が組織する教会所属の悪魔祓い。

 読んで字の如く、悪魔を祓って滅する事の出来る雨に濡れた目の前の人物二人は、例え事前に会談の話があったとしても、警戒するに十分なものであり、リアスの口調も少々鋭くなって、今この場にまだ来ていないとされる自分の『眷属』の到着を待って欲しいと頼みつつ、自身の右腕である姫島朱乃に『彼はまだなのか』と目で合図する。

 

 それを受けた朱乃は無言で一つ頷くと、取り出した携帯電話を少し操作してから耳に当てる。

 どうやらその遅れているとされてる眷属に電話をしようというつもりなのだが……。

 

 

「チッ……クソが」

 

 

 呼び出そうとしたまさにその刹那。

 部室の扉を乱暴に蹴り開けながら入ってきたのは、何があったのかイライラして殺意に満ち溢れた表情をした茶髪の青年。

 

 眉間にこれでもかと皺を寄せ、まるでこの場所に一秒たりとも居たくないと全身に纏うオーラだけで感じられるイライラした態度。

 壊しはしなかったものの、ドアを蹴り開けながらチンピラみたいにして入ってきた青年に客人である二人の人物はちょっとだけ驚き、来たことで電話をする意味が無くなったと携帯をしまう朱乃の部長のリアス……そして無言で佇んでいた平部員の搭城小猫は、態度悪く舌打ちを連発している青年に対して顔を顰める。

 

 

「遅いわよイッセー。それと、何をイライラしてるのかは知らないけど、物に当たるのは止めて頂戴」

 

 

 イライラしながら部室の隅にパイプ椅子をセットし、行儀悪く座るイッセーと呼ばれた少年にリアスは注意をする。

 

 

「え、イッセー……?」

 

 

 その瞬間、イッセーという名前に対して何故か客人の内の一人が『信じられない』といったような声を小さく出しながら、部屋の隅で今にも壁を殴り壊しそうなくらいイラついてる少年を凝視し始めるが、生憎イッセー少年がそれに気付く様子もなく、注意をしてきたリアスに対して殺意を剥き出しにしながら睨み付けていた。

 

 

「じゃあテメーを今すぐぶち殺して良いのか? あ?」

 

 

 親の仇を見るような形相でリアスを睨むイッセーだが、リアスの表情は飄々としていた。

 

 

「今のアナタに出来るの?」

 

 

 寧ろ殺れるものなら殺ってみろと啖呵を切るリアスにイッセーがパイプ椅子を倒しながら勢い良く立ち上がる。

 しかしその瞬間、それまで沈黙を守っていた白髪の少女・搭城小猫がイッセーの真隣まで移動し、左腕に作り出していたその拳を掴んで制止させる。

 

 

「抑えてくださいイッセー先輩」

 

「っ……のガキィ」

 

 

 小柄な身体とは思えない力でイッセーを押さえ付けた小猫の抑揚の無い言い方に、イッセーはリアスと同じように殺意を剥き出して掴んできた小猫の手を乱暴に振り払い、ドカッとわざとらしく椅子に座り直した。

 

 

「……。と、これで全員揃ったので、そろそろ始めるわよ?」

 

「む……あぁ、それは良いが、彼はどうしたんだ? 何を苛立って……」

 

「放っておいて良いわ。何時もの事だから」

 

 

 まだイライラしてる様子のイッセーを気にする客人に気にしなくて良いと返したリアスは、漸く本題へと入ろうと話を促す。

 

 

「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及びプロテスタント側、正教会側に保管・管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われた」

 

 

 促された客人の片割れが、漸くかとばかりに、この場に来た理由でもある話を悪魔側に向けて話始めた。

 もう一人の片割れがさっきから茶髪のイライラした少年をずっと見つめているのを肘でつついて注意をしながら、自分達の所属する天界側で起きた話を簡潔気味に語る。

 

 

「チッ」

 

 

 そんな彼等の会話を部室の隅からイライラしたまま座っていたイッセーは舌打ちを止めずに全く聞こうとしなかった。

 何やら聖剣がどうとか、奪ったのが堕天使の誰かだとかとほざいていて、リアス達がそれに相槌を打ちながら聞いてるのが見えるが、自分には関係の無い話……そして一刻でもこのウザったい空間のウザったい連中から離れたいとイライラが止められなかった。

 

 

「我々から悪魔に対しての願い――いや要求は一つ。

私たちと堕天使のエクスカリバー争奪戦にこの街にいる悪魔が一切介入しない事、つまるところ事件に関わるなだ」

 

「随分なな言い方ね。

私たちが堕天使と手を組んで聖剣をどうにかしようとしているとでも?」

 

「可能性がないわけでもないと本部は思っているのでね」

 

「私たちは堕天使と手を組んでどうこうしようなんてまったく思ってないししないわ。グレモリーの名に懸けて、魔王の顔に泥を塗るようなことは決してしない!」

 

「上は悪魔を少しも信用してない。

『堕天使コカビエルと手を組めば例え魔王の妹だろうと消滅させる』と上司は言っている」

 

 

 話が進んでいる内に、悪魔が信用できないから聖剣奪取の介入はするなという切り出しにリアスが心外とばかりに激昂するのが耳に入ったイッセーは、イライラしつつも内心嘲笑いながら思った『どの口がほざいてんだ』……と。

 いや――

 

 

「人権無視して勝手に悪魔に転生させた奴の言葉じゃねーな」

 

 

 わざとらしく全員に聞こえるような声で、イッセーは呟いた。

 

 

「なに?」

 

「え……」

 

 

 その言葉にまず反応したのは、教会側の使いである二人組だった。

 煽るような……そして心の底から憎くて仕方ないと感じられる声で紡がれた言葉は、リアス達の顔をほんの一瞬だけ変えた。

 

 

「今アナタの事を話してるんじゃないの、静かにして貰えるイッセー?」

 

「気安く名前で呼ばれたかねーなクソ悪魔」

 

「そのクソ悪魔にアナタ転生したのよ、言葉には気を付けなさい」

 

「あぁ、そうだな。

じゃあそのクソ悪魔に転生させくれた恨みで、後ろから首でも撥ね飛ばされねーように精々気を付けろ……ドブスが」

 

 

 下僕と王という関係にしては異質なやり取りに、悪魔の事をある程度知る二人組は少々面を食らった。

 というより、先程イッセーの口から発せられた言葉が本当なら無視できない話だった。

 

 

「ちょっと待てそこの少年。キミは自ら望んで悪魔になったのでは無いのか?」

 

「あ?」

 

 

 被っていたフードが外れ、露になった青髪とそれが似合う整った容姿の美少女と呼んでも差し支えない教会側の使いの一人の質問に、リアスが口を挟む前にイッセーが返事をし、吐き捨てる様にして口を開いた。

 

 

「望む? 笑えねーな。こんな雑魚の寄せ集めの、人が弱ってた所を無理矢理転生させやがったクソ卑怯生物と同じになんざ死んでもなりたくなかったね」

 

「黙りなさいイッセー!」

 

 

 青髪の少女に対し、それまで見せていた殺意の雰囲気を緩和させながら『俺は望んでなっちゃいない』と返した瞬間、話されたら都合でも悪いのか、リアスがイッセーを黙らせようとすぐ近くに居た小猫に目で視線を合図を送る。

 

 すると直ぐ様動いた小猫が座っていたイッセーの口を塞ごうと椅子から投げ飛ばさんと手を伸ばした。

 戦車という眷属の駒特性の通り小柄なその身体とは思えない力を有する彼女に投げ飛ばされでもしたら……『今の』イッセーではどうしようも無かった。

 

 しかし……

 

 

「っ!?」

 

「あ?」

 

 

 飛び掛かった小猫と、歯痒そうな表情と共に抵抗しようと椅子から立ち上がったイッセーの間に入り込んできた一つの影により、イッセーが投げ飛ばされる事は無かった。

 

 

「……」

 

「何のつもりですか?」

 

 

 伸ばされた小猫の手首を片手で掴み、もう片方の手に持った小さなナイフをその首筋に当てながら動きを止めた……まだフードの外れてない二人組の片割れのこの行動に、青髪の少女もリアスも動きを止められた小猫も――そしてイッセー自身も、この人物の行動に多かれ少なかれ驚いた。

 

 

「その話が本当なら、私はアナタ達を許せない」

 

「……何ですって?」

 

 

 小猫の力に対して真正面から拮抗しつつ、放たれる威圧的な声にリアスの目が鋭くなる。

 

 

「彼の力が危険で、それを監視するつもりで眷属にした事と、アナタが許さないというのと何の関係があるのかしら?」

 

「……」

 

 

 転生させたにも理由があった上でそうした……そう主張するリアスに耳でも食いちぎってやろうかと言わんばかりな形相となるイッセーに、押さえたままだったフードを被る少女は小猫を突き飛ばすと、持っていたナイフを針金程の大きさの物体に変化させ、それを仕舞いながら被っていたフードを脱ぐ。

 

 

「ある。イッセーくんは私のよく知ってる人だから」

 

 

 フードを脱ぎ、露になった明るめな茶髪のツインテールを揺らしながら、この場に居る少女達に負けない容姿の美少女は、訝しげな表情となっていたイッセーへと振り向き、ただただ会いたかったと感じれる笑顔を向けると……。

 

 

「久し振りイッセーくん! 『私だよ。』」

 

 

 笑顔とは裏腹の異常性を垣間見る雰囲気を放ちながら、少女は幼き頃出会った『無限』の男の子との再会を心から嬉んだ。

 

 

 最初は解らなかった。

 だって昔のイッセーくんと何もかもが違うんだもん。

 

 強くて、凄くて、気持ち悪いと石を投げ付けられてた私にも手を差し伸べてくれた時のキラキラした光が消えていたから、私は悪魔にイッセーと呼ばれた彼がイッセーくんだと信じたくなかった。

 

 けど違った。

 私が間違っていた。

 彼は間違いなくイッセーくんで、間違いなく独りだった私に手を差し伸べてくれたイッセーくんだった。

 

 だから嬉しくて……そしてイッセーくんをどんな理由があったにせよ無理矢理悪魔に転生させたコイツ等が許せなくて、私は動いて……そしてイッセーくんに自分だよと告げた。

 

 

「………? 誰?」

 

「ありゃ……」

 

 

 ……。残念ながら一目で私だと気付いてくれなかったけどね。

 でもそれは仕方ないんだよ、だってあの時の私は髪を無理矢理切られて短かったし、格好も見窄らしくて短パンやTシャツだったし……。

 

 ほら、ちゃんと名前とかあの時の事を話したらイッセーくんは思い出した。

 

 

「あ、あぁっ!? イリナって言ったらアレか! 確か擦り傷だらけの……」

 

「あはは、当時はそうだったね」

 

 

 それまでずっとイライラしていたイッセーくんのお顔が、やっとあの時と同じ優しいものに変わって私の心はポカポカとする。

 

 

「そっか……無事に生きてたんだな。

急に居なくなったから心配だったが、そっかそっか……良かった」

 

「あはは、やっと私の知ってるイッセーくんになってくれた!」

 

 

 気持ち悪い。おかしい。

 誰からもそう言われてそれまで生きてきた私は、自分に生きる価値なんて無いと思ってた。

 けどそんな時に現れたのが、私と『同じ』で、でも腐らずに前向きに生きていたイッセーくんだった。

 

 『同じ』だと一目で解り合って、直ぐ仲良くなって……。

 素敵な素敵な私の大切な思い出。

 

 

「あ、あぁ……なんつーか、俺は俺でちょっとあってな。

転生させられたせいでイリナと『同じ』ソレが殆ど薄れてしまってな。

お陰でそれまで積み重ねてきたものも取り上げられちまって……もう何か嫌になってよ」

 

「そう、それ。一目で気付けなかったのはそれのせいなんだね? やっぱり転生のせいなんだ………そっか、壊して良いのかな私? この悪魔達を」

 

 

 だからこそ許せない。

 どんな姿になってもイッセーくんはイッセーくんだと思ってるけど、イッセーくんの意思を無視して、上から目線のコイツ等が私は許せない。

 イッセーくんと『同じ』モノから自分でコントロール出来るようになったこの能力で今すぐにでも壊してしまいたくなるくらいに……。

 

 

「いや、イリナがやることじゃない。コイツ等に報いを受けさせるのは俺だ。

生憎コイツ等は俺から力の億分の一は奪ったが、俺を殺すことだけは出来ない。

故にこのままコイツの奴隷として暫くは苦渋を舐めつつ、何れは全てを取り戻す。

幸い……俺には『アレ』とは別にコイツがあるからな」

 

 

 でもイッセーくんは自分でやると……妙に顔を歪めてコッチを見てる連中に冷たい視線を送ると、左腕に真っ赤な籠手を出現させて見せてくれた。

 

 

「わっ、これってもしかして神器(セイクリッドギア)!?」

 

「あぁ、イリナと会わなくなった後辺りに使えるようになってな、何でもこの神器に宿る声曰く赤龍帝の籠手(ブースデッドギア)らしいぜ」

 

「む、神滅具の一つか」

 

 

 私と似た力とは別に神器……しかも赤龍帝の籠手なんてやっぱりイッセーくんは凄いや。

 なんて思ってたら、私の相棒になったゼノヴィアが会話に加わってきた。

 

 

「あぁ、まあ、ぶっちゃけ能力(スキル)との併用が一番使いやすくて今は基礎の基礎のまで落とされて――って、キミは……」

 

「っと、すまない。私はゼノヴィア……イリナの相棒であり、イリナとそしてキミと『同じ』タイプだ」

 

「なに?」

 

 

 窺うような表情のイッセーくんに改めて自己紹介したゼノヴィアが、軽く笑みを見せながら『同じ』と付け加える。

 するとイッセーくんの表情が驚きに変わり――やがて悔しそうに目を伏せた。

 

 

「悪い……言われるまであの独特の気配を感じることが出ないまで今ほぼ無くしてるんだ」

 

「あぁ、そうみたいだな。

確かにイリナから聞いた通りキミもまた私達と同じ気配を感じるが、まるで何かに阻害されている様にうっすらとしか感じられない」

 

「それってやっぱり悪魔に転生させられたせい?」

 

「恐らくそうだろう。

どうやら悪魔達も私達のこれを異常と認識し、また恐れているみたいだ……そうなんだろ、リアス・グレモリー?」

 

「っ……その言い方、アナタ達もイッセーみたいなのを……」

 

「その通りとだけ返すが、詳しく言うつもりは無いよ。

イリナの昔馴染みにした仕打ちを聞かされたら、友好的にはなれんしな……」

 

 

 イッセーくん……いや、言われて気付いたって顔で私とゼノヴィアまで警戒した顔のリアス・グレモリーにゼノヴィアは挑発的な顔で話をはぐらかすと、さてと……なんて言いながら私――そしてイッセーくんの手を取ってこの悪魔の巣窟部屋の出口へと向かう。

 

 

「ちょっと待ちなさい! 話はまだ――」

 

「話なら終わりだリアス・グレモリー

我等教会側の提示通り、貴様等悪魔は一切今回の聖剣についての干渉は認めない。

ましてや、無理矢理嫌がる人間を悪魔に転生させて管理しようとする考えの輩なぞ、信用すると思うか?」

 

「ぐっ……じゃあイッセーは置いていきなさい。彼は私の――」

 

「イッセーくんはそう言ってないけど? それとも何? 貴女はイッセーくんの交遊関係にまで口出しできる権利でも? 無いよね?」

 

 

 ふんだ。

 イッセーくんの精神の柱を奪った悪魔なんて信用できる訳が無いよーだ。

 最後にリアス・グレモリーに舌を出してやりながら、イッセーくんを連れて悪魔の部屋から出た私達は、取り敢えずゆっくりとお話がしたいということで、近くのご飯屋さんに向かった。

 

 途中、何か聖剣に恨みがあるとか何とかと襲ってきた金髪の悪魔が居たけど、適当に素手でのしてやったわ。

 

 

 

 

「聖剣を奪い返す為にねー……」

 

「そうなのよ……って、やっぱり全然聞いてなかったんだねイッセーくんったら」

 

「あれはその……イライラしててさ、ごめん」

 

「仕方ないだろ。私がもしキミ――いや、イッセーの立場ならまず来ようとは思わん」

 

 

 金髪の誰かさんをのした後、ご飯屋さんでご飯を食べながら昔の事とか今の互いの状況についてのお話で盛り上がった。

 

 あの悪魔の部屋では薄暗くて気づけなかったけど、イッセーくんってばカッコ良くなっててちょっとドキドキ……。

 

 

「なあ、その聖剣を奪い返すって任務さ、俺も手伝ったら駄目か?」

 

「む?」

 

 

 そんなドキドキした気持ちに暫く浸りながらイッセーくんを眺めていると、突然真面目な顔をしながら私達の任務手伝いたいと切り出してきたので、私とゼノヴィアは思わず目を丸くしてしまう。

 

 

「いや分かってる。キミ達が悪魔の介入を良しとしてないのは分かってる。

が、まぁ……何だ、俺はさっきの通り奴等と仲良しこよしなんて死んでもしたくなくて、寧ろ奴等の不利益になる真似なら喜んでしたいんだよ……ぶっちゃけると」

 

「なるほどな。

うむ、まあキミなら信用できるし私は構わんぞ? イリナはどうだ?」

 

「うん私も寧ろイッセーくんと一緒にやってみたい。

なんていうか……初めての共同作業みたいな……きゃ、言っちゃった♪」

 

 

 驚いたものの、断る理由は無かった。

 あの悪魔連中ならともかく、私達と同じである上に他ならぬイッセーくんだもん。

 ゼノヴィアがこんか短時間で打ち解けてる辺り、そこら辺は昔のイッセーくんと変わってないし、快諾するのも当然よ。

 

 

「にしても、擦り傷だらけの男みたいな格好してたイリナがこんな女の子らしくなってるとは驚いたな……特に胸とか」

 

 

 ほらね、昔から変わってない。

 胸の大きな女の人が好きなのも変わってない。

 

 

「そりゃあ、昔のイッセーくんが大人の女の人の胸を見て騒いでたのを見てたからね。

色々と大きくしてやろうと努力したんだもーん」

 

「というか、知ってる限りじゃイッセーの話しかしないからなコイツ。

相当キミを好いてるんだと私は若干ゲンナリしたくらいだ」

 

 

 だから私はずっと、また会えるその日までに頑張って胸を大きく育てた。

 理由なんて解りきってる……。

 

 

「イッセーくん、ちょっと屈んで?」

 

「え? 良いけど……なに?」

 

 

 隣に座ってジュースを飲んでいたイッセーくんにちょっと屈んで貰い……。

 

 

「はい、どーぞ!」

 

「わぽっ!?」

 

 

 イッセーくんの頭を胸元で抱き締めてあげる為に今まで頑張ってきたのよ。

 

 

「どうイッセーくん? ちょっと恥ずかしくてドキドキしちゃうけど、イッセーくんの為なら――」

 

「おいイリナ……念願叶った所に水を差して悪いが、イッセーがピクリとも動かんぞ?」

 

「へ?」

 

「お、おっぱいがひとつ……おっばいがふたつ……ふわふわ~」

 

「あ、あれ?」

 

 

 イッセーくんったら目を回しちゃったけど……あはは。




補足

 設定の程は、IF集の方を見ていた方々はお分かりかと……。

死にかける程の修行で死にかけた所を無理矢理転生させられました。
故に常に弱ってる状態でスキルも封じられてます。


その2
イリナさんは……マイナスというよりは異常側ですね、ゼノヴィアさんも。

その3
続けるとするなら、此処から全盛期の力を取り戻し始めるお話となります。
で、取り戻したら……………まあ、

「ふははは、この感覚こそ新しぃぃぃぃ!!! げげげげげげ! アッハハハハハ!!!』


となり、デストロイ開始になるでしょう。
対象? そりゃあ、取り戻したとなってガタガタ震えてる連中にですよ。


そしてイリナさんはうっとりしながらイッセーくんにおっばい枕をしてあげる為に頑張るぜ健気な子になるのさ。

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