私は365日なのはさんの家政婦のようです   作:蟹ふらん

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遅れましたがあけましておめでとうございます!これからもよろしくお願いします!


9 私は初めてフェイトさんと出逢うようです+【オマケ話】

少女は昔とある女の子に助けられた。

 

彼女が居なければ自分は存在せず、また執務官という職にはならなかっただろう。そして二人の子供と出会うことすら無かったであろう…

 

女の子が墜落した日、少女は彼女が苦しんでいることをただ眺めていた…傍観しか出来なかった。

 

少女と女の子は同室であったが…女の子が堕落し自身の居場所が無くなってしまったために…その場を去ってしまった。本来ならそれを正すのが女の子の役割であったはずであったのに…他人に任せてしまった。

 

女の子は酷く、後悔をしていた。

 

 

 

 

 

 

「…38,4℃、見事に体調崩してますね御主人」

 

「にゃははは…身体には自信あったのになー」

 

「今日はお仕事はお休みですね。はやてさんの方には私から連絡しますので御主人は体調の快復に専念してくださいね」

 

「はーい…」

 

熱を出して寝込んでいる主人を看病しながら通常業務をする。どうも皆さんこんにちわ、なのはさんの家政婦こと間藤恵也です。私は今業務である家事をしながら急な主人の看病をしています。主人の体調不良は家政婦である自身のせいである、だからここへ来たときに熱を出しているなのはを見たときは開口一番に謝った。

 

「あ、あのー…そんなにしょげないで?別にこうなったのは私のせいだから」

 

「…そうですか」

 

風邪のせいか何時もより大人しげな印象を受ける。やはり気を使われてる…家政婦失格だ。

 

『…そもそもなのはが酒瓶をイッキ飲みしながら運動と言ってベットの上で全裸で「ビックリするほどユートピア!ビックリするほどユートピア!」なんて一晩中やってたのが悪いんですけど』

 

「しぃー!黙ってればバレないの!」

 

なんかひそひそ話がしてあまり良く聞き取れないけれどきっと重要なことを話しているに違いない。

 

その時であった、来客を報せるベルが鳴る。

 

「私が出るので御主人は寝ててください」

 

「うん、分かったの」

 

来客を招くため、家政婦はなのはを一旦ベットルームに置いてドアを開ける。まぁ管理局員の人達なら大体顔見知りだから問題は…

 

「…あれ?えー…っと…おはようございます…?」

 

「あっはい、おはようございます」

 

来客は女性の局員であった。整った顔立ちに綺麗に真っ直ぐな金髪ロング、そして男が見ればグレートだぜと言ってしまうほどのダイナマイトボディ。その女性は花束と菓子折りを持って戸惑った表情を見せている。

 

「えーっと…部屋間違えましたか?私高町なのはさんのお部屋に行こうと思ったのですが…」

 

「間違えてませんよ、どうぞこちらに。今寝てますのでお茶をどうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

他人行儀な二人であったが心境は同じであった…

 

((…誰だこの人))

 

 

 

 

 

 

 

「…珈琲と紅茶、どちらにしますか?」

 

「珈琲でお願いします」

 

リビングに通された金髪の女性は辺りを見渡していた。端から見ると凄く不審に見える。

 

(はぁー、私が居た頃に比べて随分綺麗になったなぁ…と言うことはあの人がはやてが言っていた家政婦さんかな?家政婦さんなのにどうして燕尾服着てるんだろ…)

 

今度はこちらを見ている。なんだこの人、怖い、正直そんな動物園のパンダを見ているような眼差しで見るのは止めて欲しい。

 

(わぁー!専用のサーバーがある!なのはなら絶対に買わないのに!お陰で私は酒とツマミの臭いに囲まれて朝食を取らざるを得なかったのに!悲しいなぁ!)

 

あれか?まさか調査員か?家政婦の素行を調べるためにババァが寄越した家政婦調査員か?だから一挙動をあんな食い入るように見てるのか?

 

珈琲があがり客人に差し出す。

 

「どうぞ、お茶請けのお菓子は生憎切らしておりまして…」

 

「いえ、お構い無く…」

 

(あぁ、美味しい…しかもアルコールと塩辛のキツい臭いがしない環境の中でこんな美味しい珈琲…ちょっと泣きそう)

 

今度は目に涙を貯めている。ヤバイ、減点か?来客に珈琲のお供としてお菓子をやれない家政婦は減点対象か?だって昨日御主人が箱ごと摘まみ食いしてたのが悪い。

 

「所で、貴女の名前を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

「あ、あぁ。そうですよね。お互い初対面ですから名前を…私の名前はフェイト・テスタロッサ・ハラオウン 階級は一尉。ここではライトニング隊の指揮を執っています」

 

「本来の所属は?」

 

「時空管理局本局執務官です」

 

「なるほど…」

 

(執務官ってなんだろ、何だが凄い人に聞こえるぞ…あーそうだそうだ。スバルが確か「ティアは執務官になりたいんだよ!えっ?分からない?まぁ…分かりやすく言うと刑事みたいなものだよ!」って言ってたな…あれ?これ俺粗相したら消される?ちょっと洒落にならんよこれは)

 

「そちらのご職業は…あぁ家政婦さんでしたね。お名前は?」

 

「間藤恵也です。高町なのはさんの家政婦をさせていただいております」

 

「…部屋は貴方が?」

 

「えぇ、そうですよ」

 

「なるほど…そっかぁ…そうだったんだぁ…」

 

今度は俯かれて震え声で物思いに更けている。クビ?ねぇ俺クビ?ちょっと待ってまだ御主人の更正が済んでないからクビだけは…クビだけは許して!

 

「…なのはは?今どこに?」

 

本当にヤバイ、今この状況で主人が風邪を引いて寝込んでいるって言ってしまったら確実にクビにされる。何とか…何とか…上手い言い訳を…そ、素数を数え…素数を数えて落ち着こ…

 

「私、なのはが病に倒れたって聞いて御見舞いに来たんです」

 

「彼方の部屋で寝ています」

 

はい終わった。俺の家政婦ライフ終わったよ。

 

「そうですか…では行ってきます」

 

そう言うとフェイトさんは御主人の部屋へと行ってしまう。荷造りしとくべきか?あぁするほどの荷物も無かったよははは(白眼)

 

 

 

 

 

 

 

病に伏せた親友、高町なのはは思ったより元気そうな顔でベットに座り込んでいた。

 

「…なのは!」

 

「フェイトちゃん?御見舞いに来てくれたんだ…」

 

「大丈夫?具合は?」

 

「お世話をしてくれる人がいるから…大部良くなったよ?」

 

「…レイジングハート?原因は?」

 

『保護者の目を盗んで飲酒、全裸で一晩を明かしたのが原因かと』

 

フェイトは驚きつつもやっぱりなと思いなのはの頬をつねって横に引っ張る。

 

「…なーのーはー?」

 

「ひゃはははは!?ごめんははひ!ごめんははひー!」

 

「…そっか、目を盗んでってことはちゃんとした生活送ってるんだ…そっか…安心した」

 

「フェイトちゃん…?」

 

「私じゃなのはをここまでマトモに出来なかったもん、凄いなぁ彼。どんな魔法を使ったの?」

 

『真心とほんの少しのお話…でしょうか』

 

フェイトはそれを聞くとそっかそっかと納得するかのように頷くとベットに座っているなのはに問いかけてみる。

 

「そっか…なのは?」

 

「…なぁに?」

 

「あの日、なのはが墜ちた時…私は何もしてあげられなかった。ただなのはが自力で復帰するのを黙ってみてるしか無かった…」

 

「…」

 

「その結果酒に溺れて私生活は乱れ…本来の貴女とかけ離れてしまった」

 

「…」

 

「…なのは?今…幸せ?」

 

その問いになのはは少し考え…答えた。

 

「…どうかな?好きだったお酒も控えさせられて鬱憤は貯まってるけど…」

 

「…けど?」

 

「今は前よりは楽しいかな、私のことを少なからず見てくれて正面から叱ってくれる人がいるから」

 

「…そっか」

 

それを聞いたフェイトは優しく微笑み、それを返すようになのはも微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

しばらくするとフェイトは部屋を出て家政婦を探す。その人はリビングで電話機で通話をしていた。

 

「…えぇ、そう言うわけで今日一日お休みを…えぇ。訓練メニューの方は送ってありますので…えぇ。宜しくお願いします」

 

魔法が数えるほどしか使えない。自身よりも後から来たのに簡単に、自身では正すことの出来なかった親友を元に戻してみせた。

 

「あぁフェイトさん、御見舞いはもう?でしたら…」

 

フェイトは家政婦の手を握り締めて軽く俯く。

 

「…フェイトさん?」

 

「…ありがとう」

 

「えっ?」

 

フェイトは涙を流した顔をこちらに向け、泣きながら感謝の意を口にする。

 

「私に出来なかったことを…貴方がしてくれて…本当にありがとう…」

 

六課には家政婦が知らない事情があるみたいだ。最初は身内部隊、そう言う印象であったが込み入った事情もあるのかもしれない…だがしかし今はまず、目の前の女性を宥めよう。これから仕事なのに泣いたまま行かせるわけにはいかない。

 

「…いえ、それが家政婦のお仕事ですから」

 

家政婦業は、とても忙しいものだ。

 

 

 

 

□◆□◆□

 

【オマケ話】

 

恵也「家政婦の恵也とぉー!」

 

なのは「高町なのはのぉー!」

 

恵也 なのは「コメント返信的な何かー!(なのー!)」

 

なのは「いや、コメント返信的なって何かな?返信ならやってるでしょ?」

 

恵也「ここはアレだ。感想欄に寄せられたコメントを面白おかしく話していくっていう所だ。後遅れながらあけましておめでとうございます」

 

なのは「面白おかしくって…ラジオみたくある程度選んで話すの?」

 

恵也「その通り!ここでは本編関係無いから俺の方もオフの口調だ!だからそこは許してくれな御主人!」

 

なのは「そこは御主人呼びなんだね…えーそれじゃ始めるよ?まずひとつ目は…」

 

 

日立@妄想厨さん

 

設定は面白いです。

執事さんのミステリアスさと仕事に対する執念は見ていて惹かれますね。

ただまぁ、あそこまで仕事に徹底してるのに依頼主のなのはにため口はどうかなと。個人的に丁寧な口調で毒を吐くのだったら自然に見えます。

 

 

なのは「記念すべき一つ目の感想さんだね。うーんこれについては?私、御主人様だよ?敬うべきじゃない?」

 

恵也「御主人は神様、でも御主人が筋通ってない事したら正すのも家政婦のやるべき事じゃね?後自分の都合の良いように解釈しないで欲しいぞ御主人。ありがたいご指摘ありがとうございます。作品の方も拝見させて頂いております」

 

なのは「よーしそれじゃ次!」

 

恵也「速くねぇか!?」

 

なのは「こう言うのはテンポが大事だと思うの!」

 

 

天枷 鎖月さん

すっげぇ面白いです!!

連載でやってほしいくらいです!

 

家政婦いいぞ、もっとやれ

 

 

恵也「連…載…?」

 

なのは「どうしたの?と言うか思ったんだけど随分投稿してるのにまだ短編って付いてるんだよね、なんで?」

 

恵也「…短編から連載、切り替えが…分からない…」

 

なのは「新しく投稿し直せば良いじゃん」

 

恵也「それすると今度は二つ掛け持ちでやらなきゃならないだろうが!失踪するかもしれないわ!」

 

なのは「えー…意気地無し」

 

恵也「ぐうの音もでない…本当にどうするかな…次の感想どうぞ」

 

 

玩具さん

自分の名誉のためにいくら犯罪者とは言え平然の濡れ衣着せるとか汚いなさすが魔王汚い

 

どうでもいいけどスカさんの認識悪すぎワロタ

 

 

恵也「テロリストだからって濡れ衣は本当に無いわ」

 

なのは「だっ、だって!咄嗟に出ちゃったんだよ!?仕方ないよね!?」

 

恵也「咄嗟でメディアにあんなこと吹き込むのか御主人は…怖いなぁ酒禁止にしよ」

 

なのは「ご、ごめんなさーい!!」

 

恵也「…こんなもんか、ちょっと少ないけどコメント返しって憧れるものもあるよな」

 

なのは「そんなものなの?」

 

恵也「そう言うものだ。またやるかもなぁ…今回少ないけどコメント返しだけの話をこう言う形式でやってもいいかもしれない」

 

なのは「ニコ○コとかYouTu○eとかじゃないから見てる側はつまらないかもしれないよ?」

 

恵也「その時はその時、それでは御主人?そろそろお別れの時間です」

 

なのは「あっ、戻った…それじゃまた機会があれば!進行は私高町なのはと!」

 

恵也「家政婦がお送りしました」

 


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