覚えていてくれた方は何人いるのやら(;^ω^)
今回も長兄メイン、かな?
我が家の長兄は基本壊れ気味の度シスコンですので格好良い長兄が見たい方はブラウザバックでお願いします。
今回はポップとメルルの現段階での実力がちょっぴり分かります。
深い森の奥。
開けた場所にある湖の畔がポップとメルルの「ピクニック」の場所らしい。
「何時も此処で鍛錬しているのか?」
「ん、そう。さて始める前に—―レムオル」
ポップが右手を掲げると一瞬周りの景色が歪んだ。
「!?何をしたんだポップ!?」
「レムオルだよ。知ってるだろ?姿を見えなくする魔法だ」
「その割には俺たちは透明になっていないぞ?」
「これは俺の改良版のレムオル。生物ではなく空間を隠すよう作動している。外から見た奴には普通の湖の景色が見えてるはずだぜ。因みに音も遮断する特別性」
ニマ、と得意気に笑うポップは本当に愛らしい。
ヒュンケルは今すぐにでもポップの頭を撫でたいのを根性で抑えた。
やはり妹の前では格好良いお兄ちゃんで居たいのだ。
「しかしレムオルと言うのはかなり高位の魔法ではなかったか?ポップ、お前はどのくらいの呪文が使えるのだ?」
「攻撃呪文は下位全種類、その他補助呪文は全般覚えているぜ」
「それは…凄いな」
魔法使いは攻撃呪文の印象が強いが実質実力派の魔法使いと言うものは補助呪文のエキスパートであることは意外と多い。
常にクールに戦場を見極め仲間の補助をする。
補助は決して僧侶だけのものではない。
寧ろ肉弾戦で一切戦えない魔法使いこそ補助呪文を駆使しうるべきなのである。
それ故魔法使いの補助呪文はレベルの高いものが多い。
その全てを使えると言うのだからそれだけでポップの実力がうかがい知れる。
MPのない戦士のヒュンケルでもそれくらいは分かる。
自分が魔法を使えないから余計にその凄さが分かると言うものだ。
アバンに師事を受けていた分、下手な魔法使いや僧侶よりその辺りの事は理解しているかもしれない。
「まぁ練習するのは主に攻撃呪文なんだけどな。ヒャド!」
言うが否やポップが湖にヒャドを放つ。
下位の呪文にも係わらずその冷気は並の魔法使いの数人分のマヒャド程の威力を持って、随分な広さと深さをもった湖の水を1滴残らず氷に変えてしまった。
「それじゃぁ、ヒュンケル手合わせと行こうか」
ニッ、と笑ったポップはフワリと僅かに浮き上がり凍った湖の上に立つ。
「湖の上で手合わせか?」
「足場が悪いほど実戦では役に立つもんだぜ」
「成程、一理あるな。メルルはどうする?1対1で良いのか?」
流石にポップがいかに魔法使いであろうとも僅か5歳の少女に、しかも可愛い可愛い妹に傷など付けたくない。
「1対1でないとヒュンケルが分が悪いぞ。それと鎧の魔剣もOK」
「流石にそれではポップの分が悪いんじゃないか?」
「あんまり俺を舐めていると痛い目あうぜ、ヒュンケル」
強い意志を宿した瞳がギラギラと輝き、口角を上げ笑うポップの笑みは壮絶とも言えるものであった。
ゾクリ、とヒュンケルの背筋に震えが走る。
戦士としての本能がその凄みを感じ取り武者震いを起こす。
同時にその笑みに壮絶な美しさを感じたヒュンケルは自覚のないまま雌を屈服させる雄としての本能を目覚めさせた。
(あらヒュンケル兄さんたらポップさんに欲を感じてらっしゃるわ。自覚は無いようですけど)
湖の畔で一人ニコニコと笑いそんな事を考えているメルルはもしかしたらこの中で最強なのかもしれない。
メルルさん出番少なくてスミマセン(m´・ω・`)m ゴメン…
しかもメルルの実力一切解ってないし…
体力無くて前半と後半に分けてしまいました(;´∀`)
少しでも楽しんで頂ければ嬉しいです。
亀更新ですが後半も出来るだけ早く上げたいと思います。