この話の存在を覚えていてくれた方はいらっしゃるのでしょうか(;^_^A
今回もヒュケル兄さん中心で話が進みますよー(*´▽`*)
ヒュンケルの朝は早い。
日の出とともに起き、軽くランニング(20キロは軽くに入るのだろうか…?)をし、剣の型の練習。
筋力トレーニング。
それが終われば小川で軽く水浴びをして妹たちを起こす。
漸く家の改築が終わったので現在ヒュンケルは小さいながら自分の部屋を持っている。
納戸を片付けただけの部屋なのでベッドを置けばほとんどスペースは無いが、1つある窓は東向きなので日の出が分かりやすいし窓があることで埃っぽくはならないのでヒュンケルはこの部屋をとても気に入っている。
流石に思春期のヒュンケルは年が離れているとは言え女の子2人と同じ部屋と言うのは何とも言えずもどかしいモノがあった。
寝る時は寝てしまうので気にしないが、着替えの時などいくら相手が5歳の子供でも気が気でないのだ。
2人の妹は気にしていないようなのだが。
メルルの方は多少ヒュンケルに対して異性として気を使ってくれるのだがポップは違う。
自分が半分男なのと少年じみた性格もあってヒュンケルを一切異性として見ていない。
ヒュンケルが居ても所構わず着替えるし、時に寄ればヒュンケルと一緒に入浴を済まそうとすることさえある。
流石に見兼ねたスティーヌがポップに言い聞かせていたが。
兎に角自分の部屋を持つまでモヤモヤとヒュンケルはもどかしい日を過ごしていた。
自分の部屋が欲しいあまり家の改築の手伝いも進んでおこなった。
お陰で予定より早く改築は終わったのだが。
納戸をヒュンケルの部屋とし、別の納戸と客間を増やすことになった。
相変わらずお休みのキスは続いているのだが。
コレに関してはヒュンケルも文句はない。
可愛い可愛い妹たちにキスを貰えるのは兄の特権だ。
シスコンと呼ばれようと構わない。
妹達が可愛すぎるのが悪い。
もし文句があるヤツがいるならポップとメルルの涙目上目遣いを喰らってみればイイ。
そうすればヒュンケルの気持ちも理解できるだろう。
あぁ此処にいるのは天使なんだな、と。
ポップに拾われて3か月。
ヒュンケルは順調に壊れて行っている。
主に精神面において。
そしてヒュンケルは妹達のおはようのキスを貰うべく2人の部屋を空けるのだ。
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「ポップ、メルル朝だぞ」
「ん、おはようございますお兄様」
「ん~、はよヒュンケル」
「あぁおはよう」
可愛い妹のニッコリ×2、ヒュンケルは悶えたいのを抑えて理性を総動員して2人におはようの挨拶をする。
2人とも寝起きは悪くない。
笑顔のままメルルがヒュンケルの左頬にキスをし、右頬にポップがキスを落とした。
そしてヒュンケルも2人の額にキスを落とす。
(今日も妹たちが可愛すぎてイキツラァ!!!)
ニヤケそうになる顔を表情筋を総動員させてクールな表情を保つ。
頑張る11歳である。
思春期なのだ、可愛い妹達に格好良いと少しでも思われたい年頃なのだ仕方あるまい。
「ヒュンケル、今日は朝食の後時間ある?」
階段を下りている途中で後ろからポップが声をかけた。
「あぁ今日は特に予定はないが」
「じゃぁ俺とメルルと一緒に森に遊びに行こう」
「分かった、ではお母さんにピクニック用の昼食を今日は3人前にして貰えば良いんだな?」
「ん、それで」
(来た!やっと来たぞ!!!)
内心ヒュンケルがガッツポーズを取っているのをおくびに出さずヒュンケルはいかにも内容なんか気になりませんよ、の体でポップのお誘いを承諾した。
本当はかなり前からこの日を待っていたのだ。
ポップとメルルは森で何かをしているのは気付いていた。
恐らくソレが自己を高めるための鍛錬であろうことも。
何故幼い2人がそんなことをしているのか分からなかったが自分から首を突っ込むべきではないと判断しヒュンケルはひたすらポップの方から話がふられる日を待っていた。
何故そんなことをしているのかも気になるが、正直ポップの実力も戦士であるヒュンケルには興味があった。
鬼岩城に穴を空けるレベルのイオを放つポップの実力は並の大人の魔法使いより高いだろう。
妹に傷を付けたいわけでは無いが一度手合わせしてみたかったと言うのが本音である。
「でも大人には何してるかは内緒な、ヒュンケル」
ふわり、と花が綻ぶように笑うポップ。
その笑顔を見る度にヒュンケルには胸に甘い痺れが走り頬に血が上るのだが自覚症状はあるモノの、その感情にはまだ名前を付けられずにいた。
つづく
短いですが取り合えず1話投下!
次はピクニック編です。
早くマトリフ師匠編とバラン編が書きたいです。
何せ遅筆なもので(;^ω^)
ポップは救える者は全員救う気でいますがバタフライエフェクトを気にしているので派手に動けないという状態。
出来るだけ前回に近い形で被害を最小限に押し留めるのが目標としています。
さて何人ぐらいポップは救うことが出来るのでしょうか?