オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜 作:友親 太一
……オッス……俺ゴールド。
「木の実は美味いか、ヒノアラシ?」
「モグモグ……ひのひ〜の♪」
……今日……俺は旅に出る。
「……これからは沢山木の実が食べれるぞ。色んな場所で色んな木の実をやるからな」
「ひ〜の♪」
……このヒノアラシと一緒に。
「……ヒノアラシの朝飯も終わったら行くよ……オフクロ」
「ゴールド……いってらっしゃい。無理……しないでね……」
……今日から俺はポケモントレーナー。
「……いってきます」
……目指すはポケモンマ………
「無理しないでムラムラしたらクリスちゃんに処理してもらいなさい! あとゴムはちゃんと使うのよ!」
「色々台無しだボケーーー!!!」
こうして俺の旅は俺の怒声で始まった。
……締まらねぇなぁ。
★☆★☆
「ハァイ、ゴールド♪」
「オッス、相変わらず俺んちの前で待ち伏せしてるな」
まぁ今日に限っては迎えに行く手間が省けて楽でいいが。
「うふふ、でもそれも今日までよ。だって今日から朝も昼も夜もずーーっとゴールドと一緒に居られるんだもん♡」
……そうなんだよな、今日からずっとこの問題児と一緒なんだよな……気が重い。
「おはようクリスちゃん。今日からゴールドの事をよろしくね」
「おば様おはようございます! はい、ゴールドの事はアタシに任せてください!」
「……その会話は絶対おかしい」
どう考えても俺がクリスの面倒を見る立場だからな。
「ありがとう。そうだ♪ これをゴールドの代わりに受け取って。このお金でコン「さぁ行くぞクリス!! 今すぐ出発するぞ!! じゃあなオフクロ!!」「あっ、待ってよ! では、おば様いってきまーーす!!」ドーム…………って、もう行っちゃった。せっかちな子ねぇ」
……あっぶねぇオフクロめ、クリスの前で何言おうとしてんだ。
ただでさえ俺の貞操が危ないのに更に危険になること言うなよな!
★☆★☆
【二十九番道路】
「ねぇゴールド、よかったの? おば様が何かいいかけてたけど……」
「……良いんだよ」
「でも……」
「何時までもグダグダ別れを惜しむのは趣味じゃねぇ。それに今生の別れでも無いんだ、帰ってきたらまた話せばいいさ」
「そっか、そうだよね。帰ったらまた話せばいいんだもんね♪」
良し誤魔化し完了。
ふ、チョロい奴だ。
「そういえばドコを目指して歩いてるの?」
「そうだな。まずはキキョウシティのジムに挑みたいから途中のヨシノシティを目指す。んでキキョウシティまでの道中でポケモンを捕獲と育成してジム戦に備える」
「それから?」
「……そして最終目標はポケモンリーグ制覇、つまりポケモンマスターになる事だ!」
ただ世界を旅するのは面白くない。
ポケモントレーナーになったんだからその頂点、ポケモンマスターを目指して旅する方が絶対面白い。
シルバー君じゃないがどうせ目指すならデッカイ目標を目指さないと男じゃない。
せっかく転生して若返ったんだ、我武者羅に人生を突っ走るのも悪くないだろ?
「……さすがアタシのゴールド。うん……ゴールドなら絶対ポケモンマスターになれるよ!」
「俺はお前のじゃないがな。でも、ありがとう」
「うん♪ アタシがゴールドをポケモンマスターになるのを全力でサポートしてあげるからね!」
「おいおい、せっかく旅するんだからクリスも何か目指せよな」
「ううん、これがアタシの目標。ゴールドがポケモンマスターになるのを全力でサポートするのがアタシの目標よ!」
何だよそれ。
でも悪い気はしないかな。
「…………となると毒はやっぱり必須だわ。あと対戦相手の闇討ち用にゴーストタイプかエスパータイプのポケモンも。手っ取り早いのはやっぱり賄賂だけどそれは警察にバレると……………」
……たった今、俺の目標が増えた。
世のため人のため、何より俺自身の為にコイツを更生させて真人間に生まれ変わらせるぞ!
むしろポケモンマスターになるより重要な目標だわ。
「…………あ、バレる前に誰かに罪を擦り付ければいいわ。それならアタシは警察に捕まることないし♪」
……何でだろう、ポケモンマスターになるよりコイツを更生させる方が難しい気がしてきた。
とりあえずヨシノシティで胃薬は買わないとな……胃が凄く痛いぜ。