オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第四十五話 コガネジム ゴールド対アカネ その二

「戻れバタフリー……お疲れ、ゆっくり休んでくれ。

 さぁ今度はお前の出番だ、ヤドン!」

 

「やどんどん《任せるんじゃ》」

 

 ゴールドはバタフリーをボールに戻しヤドンを出したわ。

 

「ピッピ、続けていけるやろ?」

 

「ピッ!《はいっ!》」

 

 アカネは交代させないのね、でもピッピは毒状態、あまり長くは戦えないけど大丈夫なの?

 

「やどやど、やどん。やどやどん

 《うちのバタフリーが迷惑掛けたのう。済まんかったお嬢さん。

 あのバカタレは儂からキッチリ説教しておくから許しておくれ》」

 

「ピ、ピッピ……ピピッピ《あ、いえ……そもそも私の技が原因ですのであまり気にしないで下さい》」

 

 ヤドンとピッピはお互いに頭を下げてるわ。

 そしてバタフリーはヤドンに説教されるのが決まったのね。

 ……バタフリーは『メロメロ』で暴走しただけだから少し可哀想、たぶん今頃は正気に戻ってるからボールの中で落ち込んでるんじゃないかな?

 

「なんでヤドンは頭を下げてるんだ? ……まあいいや。

 ヤドン、『のろい』だ!」

 

「やどんどん!《了解したんじゃ!》」

 

「ピッピいくで、『おうふくビンタ』や!」

 

「ピッピピ!《ヤキいれますよ!》」

 

 ピッピは手を大きく振りかぶってヤドンに襲いかかる。

 でも『のろい』で防御が強化されたヤドンにはあまり効いてないわ。

 

「ヤドン、『たいあたり』!」

 

「やどどん!《悪く思わんでくれ!》」

 

「ピ〜ッ!《キャ〜ッ!》」

 

 これでピッピは戦闘不能。

 ピッピは毒のダメージも溜まってたし『たいあたり』も『のろい』で強化されてたから耐えきれなかったのね。

 

「戻りぃピッピ……おおきに、ご苦労やったな」

 

 アカネはピッピをボールに戻した。

 アカネは次に何のポケモンを出すのかな?

 間違いなくノーマルタイプだと思うけど……えーっとノーマルタイプのポケモンだと……ニャース、プリン、ラッキー……それから……

 

「やりおるなぁゴールド、特訓してきたいうのは本当らしぃな。だが次の子はそう簡単に倒せへんで!

 気張っていくで、ガルーラ!」

 

「ガルーーラッ!《シバイたるでぇ!》」

 

「がるらっ♪《しばいたりゅで♪》」

 

 か、可愛い♡

 いや~ん、ガルーラのお腹の袋の子供がお母さんのマネをして超可愛い♡

 その子供が無邪気にキャッキャッと騒いでいて超ラブリ〜♡

 

「……今度はガルーラか。

 ヤドン、先手必勝だ。『ねんりき』!」

 

「やぁぁ、どーん!《ぬぅぅ、ハァー!》」

 

「ガルーラ、『れんぞくパンチ』やで!」

 

「ガル、ガルラ!《坊や、いくで!》」

 

「がる、がるら♪《ママ、いくよ♪》」

 

 ヤドンの『ねんりき』を受けながらもガルーラは地面をドシドシ鳴らしながらヤドンに突っ込んでくる。

 そしてお母さんに相づち打つ子供がまた可愛い♡

 あとで抱っこさせてもらえるかアカネに頼んでみようかな♪

 

「ガルガルガルッ《ウラウラウラッ!》」

 

「がるがるがるっ♪《うりぁうりぁうりぁっ♪》」

 

「やっ、どんどん!《ぐっ、これはキツイのぅ!》」

 

 ガルーラが親子で一緒に攻撃してる。

 これは親子ポケモンならではの戦い方ね。

 子供の力はお母さんよりは弱いけどそれでもヤドンは辛そうにしてるわ。

 

「ガルーラ、『メガトンパンチ』で決めるんや!」

 

「ガルーッラ!《ど根性ーっ!》」

 

「がるーっら♪《どこんじょーっ♪》」

 

 ガルーラの豪腕に殴られたヤドンは壁に叩きつけられた。

 これでヤドンは戦闘不能、だんだんゴールドが追い込まれてきたわね。

 

「戻れヤドン……ありがとう。

 オオタチ、今度はお前だ!」

 

「オオタッチ!《がんばりまっす!》」

 

 今度はオオタチが出てきた。

 でもゴールド、オオタチで大丈夫なの?

 この子はあまり戦うのが好きじゃない少し臆病な子。

 あの好戦的なガルーラの相手は厳しいと思うけど……

 

「何が出てきても一緒やで!

 ガルーラ、『にらみつける』んや!」

 

「ガガガルーラ!《舐めんじゃないよ!》」

 

「がががるーら♪《なめりゅんじゃないよ♪》」

 

「オオッ!?《ひぃっ!?》」

 

 オオタチがお母さんガルーラの鋭い眼光を怖がってる。

 ちょっと、本当に大丈夫なのオオタチ!?

 

「オオタチ、特訓を思い出せ! 『でんこうせっか』で撹乱するんだ!」

 

「オ、オタチ!《や、やってやる!》」

 

 うまい、オオタチは連続で『でんこうせっか』を使いながらガルーラの周りをグルグル走ってるわ。

 これならガルーラは狙いを定められない!

 

「そんなん無駄やで、ガルーラ『じしん』を使うんや!」

 

「ガルガルーラッ!《揺らすでーっ!》」

 

「がるがるーらっ♪《ゆりぁすでー♪》」

 

 ガルーラはその太い足を踏み鳴らしフィールド全体を揺らす。

 

「オタッ!?《ひぃぃっ!?》」

 

 その揺れでオオタチは立ってたれなくなったわ。

 

「……くそ、そんな技まで憶えてるんかよ。

 オオタチ、『まるくなる』で耐えるんだ!」

 

「オータチ、オオタチー!《えーん、お家に帰りたいよー!》」

 

 あらら、オオタチが半泣きになっちゃった。

 それでもがんばって『まるくなる』しながら『じしん』に耐えてる。

 ……でも限界よね、あれではオオタチは反撃できないわ。

 

「ガルーラ、いてもうたれ!」

 

「ガルガルーラッ!《メガトンパーンチッ!》」

 

「がるがるーらっ♪《めりゃとんぱーんちっ♪》」

 

「オオターチッ!《うあーんっ!》」

 

 オオタチはこれで戦闘不能……お疲れ様オオタチ。

 あとで慰めてあげるからあんまり泣いちゃダメよ?

 オオタチの好きなブラッシングもするし添い寝もしてあげるからね?

 

 これでガルーラは二連勝、ゴールドの手持ちの残りはマグマラシとイシツブテね。

 しかもアカネにはあのミルちゃんが無傷で残ってる。

 ……ゴールドは本当にピンチね。

 ……でも逆にアカネは絶好調ね。

 

「……ちくしょう、ミルタンクの為に温存するつもりだったけど仕方ない。

 頼んだぞゴローン!」

 

「ゴッローン!《らっしゃい!》」

 

 あれ? イシツブテがゴローンに進化してるわ。

 確か昨日の朝に見た時にはイシツブテだった筈だから昨日の特訓中に進化したのね。

 

「ほぉ、この前のイシツブテがゴローンに進化したんやな。だが進化してもウチのガルーラは止められへんで!

 ガルーラ、『じしん』や!」

 

「ガルーッ!《ウリャーッ!》」

 

「がるーっ♪《うりぁーっ♪》」

 

 アカネは余裕ね、でもあまりゴローンを舐めないほうがいいよ。

 あの子は前回は本領を発揮できないまま終わったからね?

 油断してると足下すくわれるよ?

 

「いくぞゴローン、『マグニチュード』だ!」

 

「ゴロッ! ゴロ、ゴローンッ!!!《うっす! それ、たまやーーっ!!!》」

 

 ドッカーンッッ!!!

 

 ……ゴローンは何のためらいもなく『じばく』したわ。

 それを見たゴールドとアカネは呆然としてる。

 …………さすがねゴローン、この状況でも全くブレないアナタの信念は素直にスゴイと思うわ。

 

「……こ、このアホーーっっ!! 『じばく』はミルタンクまで取っておけって言ってあっただろうがーーっっ!!」

 

 ゴールドは大声で叫んでるわ。

 でもゴールド、その叫びはゴローンに届いてないと思うよ?

 

「……ゴ、ゴローン♪《……か、快感♪》」

 

 ほらゴローンは気絶しながらも満面の笑みを浮かべてるわよ。

 たぶん注意してもまた勝手に爆発するんじゃないかな?

 

「戻りぃやガルーラ……ようやった、おおきにな」

 

「戻れゴローン……あとで徹底的に説教するからな、覚悟しとけよ」

 

 あ、それでもお説教は止めないのね。

 

 これで二人の残りポケモンはお互いに一人づつ。

 ゴールドはマグマラシ、アカネはミルちゃんね。

 ……でもマグマラシは前のバトルではミルちゃんに手も足も出なかった、このままだとゴールドはまたアカネに負けちゃうかも。

 

 ……ゴールドはモンスターボールを胸の前で握りしめて目を閉じてる。

 

「……俺達は負けない、そうだろ?

 ………よし、派手に暴れてこいマグマラシ!」

 

「まぐま、まぐまぐま!《ミルちゃん、この前の借りは返すよ!》」

 

 ゴールドとマグマラシはこの状況でも怖気づくことなく闘志を燃やしながら最後のバトルに挑む。

 

「ウチらの底力舐めたからアカンで!

 ミルちゃん、かっ飛ばすでぇーーっっ!!」

 

「ミルミ、ミルミ!《マグマラシ、今回も負けへんで!》」

 

 対するアカネとミルちゃんも気合い十分にゴールド達を迎える。

 

 ……このバトルはどっちが勝つの?

 ……アタシはどっちを応援すればいいの?

 ……アタシは……どっちに……勝ってほしいの?

 


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