オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第四十四話 コガネジム ゴールド対アカネ その一

 ハァイ、アタシはクリス。

 昨日ね、うふふ♡

 アタシはアカネとお友達になったんだよ。

 アカネってアタシより年上だけど気さくで元気でおしゃべりで、でもとても真面目で努力家なんだよ♪

 

 でね、アカネとのおしゃべりに夢中になってたら、いつの間にか深夜になっててね、センターに帰ったらゴールドに怒られちゃった。

 

 ……でもゴールドのお説教はいつもより短かったの、いつもなら一時間は正座させられてガミガミ言われるに今回は少し注意されただけなのよ。

 アタシは助かったけどゴールドは調子悪いのかな?

 最近特訓漬けだったから疲れが溜まってるのかな? ちょっと心配だわ。

 

 

 

 

 ★☆★☆

 

 ……うっす、俺ゴールド。

 結局クリスとの関係をどうするか結論を出せてないまま俺は今からアカネちゃんに再戦を挑む。

 ……俺は本当に……いや止めとこう、今は勝負の事だけを考えるんだ。

 アカネちゃんは強敵、集中しなきゃ勝てんからな。

 

「お〜、よう来たなぁクリス♪」

 

 俺達がコガネジムに入るとアカネちゃんが気さくに挨拶してきた。

 

「ハァイ、アカネ♪」

 

 クリスはそれに楽しそうに返事をする。

 ……クリスからアカネちゃんと友達になったのは聞いたが本当に仲良さそうだな。

 ……良かったなぁクリス、同性の友達が出来て。

 

 クリスは昔から心が病んでて仲良がよかったのは同世代では俺しか居なかった。

 ……その俺も中身はオッサンだけど。

 そのクリスが初めて同性の年が割りと近い友達が出来て本当に良かったよ。

 

「……せやゴールド、この前はミルちゃんを使うてスマンかったわ」

 

「それについては俺は感謝してるよ。ありがとうアカネちゃん、俺の慢心を打ち砕いてくれて」

 

 俺はクリスから前回の勝負の事は聞いていたのでアカネちゃんに感謝の気持ちを伝える。

 ……本当に感謝してるよ……だが負けた悔しさは別だけどな。

 

「なんや感謝されると余計に罪悪感が……

 まぁええわ、せやけど本当に今回もミルちゃん出してええんか?」

 

「無論、その為に特訓してきたんだ!」

 

 俺もマグマラシ達も絶対に倒すと決めてここに来たんだ。

 出してもらわないとコッチが困るぞ。

 

「……わかったで。だがウチもやるからは手加減せぇへんで、覚悟しぃや!」

 

「望むところだ!」

 

 俺とアカネちゃんはフィールドの端に移動する。

 そしてクリスは俺から少し離れた位置に立つ。

 

「「バトルッ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★☆★☆

 

 ……いよいよゴールドとアカネの二回目のバトルが始まるのね。

 ……アタシはどっちを応援すればいいんだろう?

 

「出番だ、バタフリー!」

 

「バタフリィ!《掛かってこいやぁ!》」

 

 ゴールドの先発はバタフリーね。

 バタフリーは気合い十分にボールから飛び出したわ。

 ……ゴールドはもちろん愛おしい人。

 それに沢山特訓したのを知ってるから絶対に勝ってほしい。

 

「いくでぇ、ピッピ!」

 

「ピッピッピッ♪《月に代わってお仕置きよ♪》」

 

 対するアカネの先発はピッピ。

 ピッピは手をクロスさせてポーズを決めてるわ。

 ……アカネは昨日お友達になったばかりだけど大切な人。

 それに毎日トレーニングしてるのを知ってるからやっぱり勝ってほしい。

 

「ミルタンクじゃないのか!?  ……だが構うもんか。

 バタフリー、作戦通りにいくぞ、『ねむりごな』だ!」

 

「フリッ、バタフリ《チッ、女相手は気が引けるぜ》」

 

 バタフリーはピッピの上から粉を撒き散らす。

 ピッピは寝てしまったわ。

 

「しもた!? ピッピ起きるんや!」

 

「zzz」

 

 アカネが叫んでピッピを起こそうとしてるけど、ピッピは床に大の字で寝て起きる気配はないわ。

 ……どうでもいいけどピッピ、アナタは女の子なんだからその寝相はやめた方がいいよ?

 

「よし、成功だ! バタフリー、『ねんりき』だ!」

 

「フリフリ、フリ!《寝込み襲ってわりぃな、っと!》」

 

 バタフリーの『ねんりき』でピッピは壁に叩きつけられた。

 でもそのショックでピッピは目を覚ましたわ。

 

「ピッピ〜ッ!?《いった〜いっ!?》」

 

「うげっ、もう起きたのか。 バタフリー、今度は『どくのこな』だ!」

 

「フリィィ!《オラァァ!》」

 

「ピッピ、『メロメロ』で反撃や!」

 

「ピッピピッピ♡《愛の奇跡を見せてあげる♡》」

 

 今度はお互いに状態異常になった。

 ピッピは毒で少し苦しそうにしてる。

 そしてバタフリーは……

 

「フリ〜、バタフリ♡ フリ〜♡《やべ〜あのピッピ、マジいいわぁ♡ マジやべ〜♡》」

 

「うが~、また『メロメロ』かよ!? バタフリーしっかりしてくれ!」

 

 バタフリーはピッピに見惚れて動けないわ。

 それを見ているゴールドは頭を抱えてるわ。

 ……いいなぁ『メロメロ』って、アタシのポケモンにも覚えさせたいなぁ。

 

「今や、『おうふくビンタ』で攻めまくるんやで!」

 

「ピピ!《折檻よ!》」

 

 ピッピはバタフリーに飛び掛かりバタフリーの顔に何度も平手打ちにする。

 

「フ、フリフ〜リ♡ バタフリィ♡《た、たまんね〜ぜ♡ もう我慢出来ねぇ!》」

 

「ピッ!?《えっ!?》」

 

 バタフリーが反撃!?

 いや、これは……

 

「フリィィ、バタフリ♡《うぉぉ、オレと交尾しようぜ♡》」

 

「ピッピィィ、ピピッピ! ピピ〜、ピッピピッピッピ!《イヤァァ、寄るな変態! ダメ〜、そんなとこ触らないで!》」

 

 バ、バタフリーが興奮しすぎてピッピに襲いかかっちゃた……

 バタフリーに掴まれたピッピは嫌そうにしてバタフリーを引き離そうとしてる……これってレイプ……になるのかな?

 

「……バタフリーが正気に戻ったのか? よし、そのままピッピを離すな、毒で倒れるまで粘るんだ!」

 

「くそ~、『メロメロ』が行動不能にさせる確率は五割やからしゃないんやが。

 負けるんやないピッピ、『おうふくビンタ』を続けるんや!」

 

 ゴールドとアカネはポケモンの言葉が分からないから勘違いしてるよね? バタフリーは興奮しすぎて暴走してるだけよ。

 ……これってもうポケモンバトルじゃなくてレイプ現場よね? バタフリーを止めないとマズイ気がするわ。

 

「フリフリィ〜♡ 《オラオラオラオラオラァ〜♡》」

 

「ピピピピピピー!!!《イヤイヤイヤイヤイヤイヤー!!!》」

 

 ピッピの『おうふくビンタ』を何度も受けたバタフリーはやっと手を離したわ。

 バタフリーの顔面はパンパンに腫れて凄いことになってる。

 

「トドメやピッピ、『れいとうビーム』!」

 

「ピッピーピッ!《頭を冷やして反省しなさーいっ!》」

 

 バタフリーは戦闘不能、アカネが一勝ね。

 これでアカネが一歩有利になったわ。

 ……複雑な気分だわ、ゴールドが負けて悔しいはずなのにアカネが勝ったことが嬉しい。

 

 アタシはどっちに勝ってほしいの?

 アタシはどっちを応援すればいいの?

 アタシはどっちの味方なの?

 


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