オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第三十九話 コガネシティでデート その三

【地下通路】

 

「……ひっひっひっひ、ありがとうよ坊や達」

 

 俺達は変な四人組を追い払った。

 そして今度は不気味なお婆さんに声を掛けられた……この地下通路には変な人しか居ないのか?

 

「……どうも」

 

「おばあちゃん誰?」

 

「ひっひっひっひ、そう畏まらんでえぇ。儂はここで漢方屋をしとるもんじゃ。

 あの悪ガキ共はなぁ、ここ最近この地下通路を通る人に集団でバトルを挑んでおってのぉ、お陰でアイツ等を怖がって客か減ってきて迷惑しとったんじゃ。

 何度注意しても聞く耳持たん連中でのぉ、坊や達が追い払ってくれて本当に助かったんじゃ、ありがとう」

 

 傍迷惑な連中だったんだな。

 それだったらもう少しキツめにお仕置しても良かったかな?

 

「これはお礼じゃ、持っていなさい」

 

 俺はお婆さんからコインケースを二つ貰った。

 

「……良いんですか?」

 

「ひっひっひっひ、構わん、構わん。それは少し前にゲームコーナーで大負けした男達がここに置いてったもんじゃからのぉ」

 

「それなら遠慮なく貰います、ありがとうございました」

 

「ひっひっひっひ、こちらこそ本当にありがとう。今度来るときはウチの自慢の漢方を買いに来てくれ、安くしとくよ、ひっひっひ……」

 

 俺達はもう一度お礼を言い漢方屋を後にした。

 

「ねぇゴールド、あのおばあちゃん少し変だけどイイ人だったね」

 

「……だな」

 

 俺はクリスに同意する。

 ……あの不気味な笑い方には慣れそうにはないけどな。

 

 

 ★☆★☆

 

「いらっしゃい、ようこそポケモン美容室へ!」

 

 俺達は目的地であるポケモン美容室に辿り着いた。

 

「僕は美容師兄弟の兄!」

 

「ボクは弟!」

 

「「あなたのポケモンを綺麗に、格好良くしてあげますよ!」」

 

 ……随分仲の良い兄弟だな、息がピッタリだし。

 

「更に今日は特別サービスだ。本来僕は日曜は休みなんだけど今日は弟と一緒に仕事をさせてもらうよ」

 

「更に更に特別サービス、いつもは一匹づつしかポケモンは預かりませんが、今日だけは君達のポケモンを全員格好良くしてあげますよ!」

 

「本当ですか!?」

 

 マジか、超お得じゃん!

 

「はい、ボクたちもあの四人組には迷惑してましたからね。追い払ってくれたお礼ですよ」

 

「どうする? ポケモンを綺麗にするかい?」

 

「「お願いします!」」

 

 俺とクリスは同時に声をあげる。

 こんなにお得ならやらない理由は無いよな。

 

「よーし、美しくするからね!」

 

「少しお時間掛かりますが、その間どうしますか?」

 

 俺達のポケモンは合計九匹。

 全員終わるまで、ここで待つのも時間が勿体無いので俺達はポケモン達を預けてコガネゲームコーナーに行くことにした。

 せっかくコインケースを手に入れたしな。

 さぁ思いっきりゲームで遊ぶぞ!

 

 ★☆★☆

 

【コガネゲームコーナー】

 

 ……あれから俺達は一時間ほどスロットで遊んでる……

 

「楽しいねゴールド♪」

 

 ……クリスは本当に楽しそうに言う。

 そのクリスの横にはコインが山積みされたコインケースが……

 

「……ソウデスネ」

 

 ……俺は棒読みで答える。

 俺の横のコインケースはほぼ空……なんでだーーっっ、何で俺だけ!!

 

 クリスのスロットからはまるで滝の様にコインが出てくるのに、俺のスロットは壊れてるんじゃないかってくらいに当たりが来ない。

 ……一度クリスと台を交代して貰ったが、その時は普通に【777】が出たから壊れてはいないんだけどな。

 

 試しにカードめくりにも挑戦したが、そっちも俺は惨敗、クリスは大当たりを連続で引き当てた。

 ……クリスの運の良さが恨めしい。

 

「あっ、また7が揃ったよゴールド♪」

 

 ……クリス、俺にその運を分けてくれ……

 

 ★☆★★

 

【地下通路】

 

 うふふ、アタシはクリス♪♪

 ゲームコーナーで遊んだアタシたちは地下通路に戻ってきたの。

 アタシは初めてスロットやカードめくりで遊んだけど結構簡単で楽しかった。

 

 でもゴールドは落ち込んでるの。

 ゴールドは楽しくなかったのかな?

 ちなみにコインは景品と交換してないの、だって欲しいものが無いもん。

 

 ケーシィは少し欲しいかなって思ったけど今のアタシにはスリープがいるからエスパータイプは必要は無いの。

 うふふ、スリープってカワイイからアタシは大好きなのよ♪

 

 技マシンは『どくどく』なら欲しいけど無いんだもん。

 ……『どくどく』の技マシンってどこかで売ってないかな、百貨店にも売ってのよね。

 あれば絶対に買うに。

 

 だからゴールドにコインをあげようとしたんだけど、ゴールドが「……止めてくれ、これ以上俺を追い詰めんでくれ」って言うのよ、どういう意味かしら?

 

 そんな事を考えてたら美容室に着いたわ。

 

「やぁ、丁度今終わったところだよ!」

 

「お待たせしました、ポケモン達の確認をお願いします!」

 

 アタシたちはポケモンを受け取る。

 

「「おぉー!」」

 

 アタシとゴールドは同時に驚いた。

 だってみんなすっごいキレイになってるんだもん♪

 

「みんなステキになったね♪」

 

「ベイベイ♪《マスターありがとうございます♪》」

 

「メノッ、メノメノ〜♪《うふっ、とても気持ち良かったですわ〜♪》」

 

「トゲトゲ、トゲチック♪《みてみてママ、ボク前よりも可愛くなったでしょ♪》」

 

「スリープスリスリープ♪《欲を言えば美容師が子供だったらもっと良かったんだけどね♪》」

 

 みんな満足したみたいでよかった♪

 ゴールドのポケモン達も満足してるみたいね、でも……

 

「全員イシツブテを止めろ!」

 

 ゴールドが叫んでる。

 

「イッシ! イッシイッシ、イッシツブテ!《止めんでくだせぇ! せっかく綺麗になったんすよ、お祝いに『じばく』の花火を咲かせやす!》」

 

 イシツブテはゴールドから逃げようとしてるわ。

 

「まぐ~!《ダメだよ~!》」

 

「オオタチタッチ!《こんな所で『じばく』は危ないって!》」

 

「フリ、フリバタフッリィィ!《テメェ、祝いに『じばく』って意味がわからんぞゴラァ!》」

 

「や~どん、やどんやどんどん?《やめるんじゃ、ほらゴールドさんも困ってるじゃろ?》」

 

 それをゴールドとマグマラシ達が取り押さえようとしてる、大変そうねゴールド。

 あ、バタフリーが『ねむりごな』でイシツブテを寝かせたわ。

 ……イシツブテって本当に『じばく』が好きなんだなぁ、でもバトルじゃないのに『じばく』して楽しいのかな?

 多分イシツブテは楽しいのよね?

 

「……ハァ、ハァ。ありがとう、みんな」

 

 ゴールドはポケモン達をモンスターボールに戻したわ。

 あ、アタシもボールに戻さないと!

 アタシも慌ててポケモン達を戻した。

 

「済まなかったなクリス、さぁデートの続きをしよう」

 

 そう言いながらゴールドはアタシに手を伸ばす。

 

「うん♡」

 

 アタシはその手を握る。

 まだ今日は終わらない、まだまだ幸せな時間は続く。

 

「クリス、次は何処に行きたい?」

 

「うんとね〜……」

 

 アタシ達、今とっても幸せです♡

 ね、ゴールド♡♡

 


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