オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜 作:友親 太一
【コガネシティ 〜豪華絢爛、金ピカ賑やか、華やかな街〜】
オッス、俺ゴールド。
俺達はコガネシティに着いた。
「ねぇゴールド、すっごい大きな街だね〜♪」
そしてコガネシティの大都会っぷりに圧倒されている。
「……あぁ、ワカバタウンとは大違いだな」
見上げても天辺が見えない程高いビル、ホテルかと思う程の大きなポケモンセンター、何よりも目を引くのはどの建物よりも高いラジオ塔、本当すごい街だな。
昔オヤジに連れられて一度来たことがあったがその時はラジオ塔はまだ無く今程はビルも無かったな。
……そいや最後にオヤジに会ったのは何時だ? 確か去年の正月だっけ?
まあ良いか。
尚ここに来る道中にポケモン育て屋さんがあったが俺もクリスもポケモンは自分の手で育てたいから寄ってない。
……少し興味はあったがな。
さてポケモンセンターに行ってそれからジムに挑むか!
★☆★☆
「……なぁクリス、ここってポケモンセンターだよな?」
「ほへぇ〜、キレイなポケモンセンターだね」
俺達はこの街のポケモンセンター……ここのはポケモンコミュニケーションセンターと言うらしいが……とにかくセンターに着いた。
そして中に入ってまた圧倒されている。
ここは今までのポケモンセンターよりデカイは、広いは、綺麗だわ……まるで空港みたいだ。
奥の方には巨大な機械がありここが大都会だと再度思い知らされたよ。
……それと同時にワカバタウンが田舎だとも再度認識したよ。
「……とにかくポケモン達の回復と、後は宿泊施設の使用許可を貰おう」
「うん! あっ、アレなんだろ♪」
クリスはさっきから楽しそうに施設をキョロキョロ見てる。
物珍しいのは分かるが少し落ち着け、俺達が田舎者みたいじゃないか。
……実際田舎者だけど。
補足すると俺は宿泊施設に入った時に本日三回目の驚きを感じたよ。
……シャンデリアがある部屋って初めてみたぞ、俺。
★☆★☆
……さてポケモン達の回復も終わったし俺達はコガネジムに移動し、いよいよ三回目のジム戦に俺は挑む。
その前にお決まりの受付のアドバイザーに話を聞くのを忘れない、コレって意外と役に立つからな。
「おーす、未来のチャンピオン! このジムはノーマルタイプの使い手が集まってる。
そしてリーダーのアカネはダイナマイトプリティギャルだ! だが見た目に騙されるなよ。彼女はスタイルもバトルの腕も一流だぞ、ガンバれよ!」
……俺は帰りたくなった、いや帰らんけど。
何だよ、その死亡フラグ!?
え、何? ここのジムリーダーは女の子なの!? しかもダイナマイトプリティギャルって言い方古過ぎね!?
アレか、ボンキュンボンでだっちゅうのなボディコンか!?
……いかん、思考が脱線した。
俺は恐る恐る横に居るクリスを見た。
……案の定クリスはドス黒いオーラを漂わせてた。
「ク、クリス?」
「あぁ゛? 何かしらゴールド?」
……本当に帰りてぇ。
だがここで頑張らねば、このジムは血の海に沈みかねない。
「クリス、手を繋いでくれないか?」
「えっ!?」
「ここジムリーダーは強敵っぽいからな、クリスが手を握ってくれたら勝てる気がするんだ。嫌か?」
……嘘だけどね、本当はクリスのご機嫌取りだけど。
「イヤなワケないよ! うん、手をつなご♡」
……作戦成功、やったね。
俺達は手をしっかり繋ぎジムの中を進む。
「絶対手を離すなよ?」
「うん♡」
……俺とジムのみんなの為にな。
★☆★★
「お姉さんを負かすなんてすごーい! やっぱり彼女の応援のおかげでがんばれたのかなー?」
「強いねキミ。強い男の子は好みだけどキミには彼女がいるのよね、残念」
「いいなぁラブラブな恋人がいて、ねぇ付き合ってどれ位なの?」
「うーん、こんなお子様にも恋人がいるのよね、なんか落ち込んじゃう……」
以上ジムトレーナーの皆さんの敗北後のコメントでした。
……全員が俺達を恋人だと思っとるな。
そしてクリスは上機嫌、まぁ恋人同士に見えるのが嬉しいんだろ。
……本当はツッコミたいがクリスの機嫌が悪くなると困るから俺は我慢してる。
にしてもここのジムは女性しか居ないな。
……クリスが居なけりゃ是非ともゆっくり滞在したかった、仕方ないけどな。
★☆★☆
「はーい、ウチがアカネちゃんやでー!
なんやアンタら? イチャつくんなら他いってぇな、彼氏のいないウチにはキツイでかんわ!」
プルン! プルン!
……アカネちゃんの第一印象は……デカい。
いや身長がデカいんじゃ無くて胸がね。
アレは男ならどうしても目がいってしまう。
アカネちゃんて多分まだ十代だろ? 何食べたらあんなにデカくなるんだ?
「ぷぅ!」
……そしてクリスはプリンみたいに頬を膨らませて俺の腕に強く抱き着く。
んな対抗しなくてクリスも十歳にしては発育は良いぞ?
ただアカネちゃんが規格外なだけだからな。
……だから胸を腕に押し付けんでくれるかな?
「ホンマ仲えぇな自分ら。なぁなぁ名前教えてんか?」
「俺はゴールド、んで俺に抱き着いてるコイツはクリスだ。
自己紹介もしたし、そろそろ勝負を始めない?」
「せやな、だが言うとくけどウチめっちゃ強いで? 覚悟しぃや」
お互いにボールを構えて勝負の体制に入る。
……俺はクリスに腕を抱き着かれたままだがな。
「気張っていくでミルちゃん!」
「ミィルゥ!」
「出番だ、イシツブテ!」
「イッシャイ!」
アカネちゃんのポケモンはミルタンクか。
……アカネちゃんにピッタリのポケモンだな、色んな意味で。
おっと勝負に集中集中。
「イシツブテ、『まるくなる』だ!」
「イッシ!」
イシツブテは岩タイプだからノーマルタイプの技の威力は半減出来る。
その上で防御力を上げればカナリ有利になる筈だ!
「ほならコッチは『メロメロ』いくで!」
「ミッルゥ!」
なんですと!?
あーっ! イシツブテの目がハートに……これでイシツブテはメロメロ状態になってしまった。
「続けていくで! 『ころがる』んやミルちゃん!」
「ミッルー!」
「イシツブテ、『マグニチュード』で応戦しろ!」
「イ〜シ〜♡」
ダメだ、イシツブテはミルタンクにメロメロで技が出せない!
そしてイシツブテにミルタンクの攻撃が当たる……
★☆★☆
……その後の展開は一方的だった。
アカネちゃんの『メロメロ』から『ころがる』と『ふみつけ』を使う戦術にイシツブテ、バタフリー、オオタチ、ヤドンと立て続けに俺のポケモン達はやられていった。
「……残ってるのはお前だけだ。頼むぞ、マグマラシ!」
「まっぐぅ!」
……大丈夫、マグマラシは俺のチームのエースだ。
それにミルタンクもイシツブテ達に受けたダメージが溜まってる筈……
「ミルちゃん、『ミルクのみ』で回復やで!」
「ミッルゥ♪」
……嘘でしょ、ここで回復するかよ。
「……クソ! マグマラシ、『ひのこ』だ!」
「まっぐー!」
「炎タイプのマグマラシに『メロメロ』は必要無いわな。ミルちゃん、『ころがる』で一気に倒しぃな!」
「ミルミル!」
ミルタンクは『ひのこ』を受けながらもマグマラシに突っ込んでくる。
……そしてマグマラシは『ころがる』に轢かれる。
「まっぐー!?」
マグマラシは何度も轢かれ……体力が尽きて気絶する……戦闘不能だ。
……これで俺の手元に戦えるポケモンは居ない。
俺はジムリーダーのアカネとの勝負に負けた……
…… …… …… ……俺は目の前が真っ暗になった。
その後俺は疲れて動けないポケモン達を庇いながら急いでポケモンセンターに戻るのであった。
……こうして俺の三回目のジム戦は俺の敗北で幕を閉じた。