オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第二十六話 寄生虫退治

 ハァイ、アタシはクリス。

 今ポケモンセンターの宿泊施設にいるの。

 でね、夕食が終わってゴールドと一緒にポケモン達の体を拭いてキレイにあげてるの。

 でもアタシの手持ちは三人でみんな小柄だからすぐ終わっちゃった。

 

「コラ、オオタチ! 動くな!」

 

「オオ〜タチ!」

 

 オオタチは拭かれるのが嫌だから暴れてるわ。

 この子は進化して少し性格変わったよね?

 オタチの頃よりワンパクになってるわ。

 

「ねぇゴールド、少し散歩してくるね」

 

「今からか? もう遅いからやめとけよ」

 

「ちょっと用事があるの」

 

「だからってこんな夜遅くになぁ。俺はこれからヤドンの病室に行くから同行できんし……」

 

 心配症ねゴールド。

 でもアタシを心配してくれるのは嬉しい♡

 

「大丈夫よ、ちょっとだけだからね♪」

 

「……しゃあないな。俺の代わりにマグマラシを連れてけよ。コイツなら明かり代わりにもなるしな。

 すまんマグマラシ、クリスの散歩に付きやってくれ」

 

「まぐ〜♪」

 

 あらマグマラシも一緒に来るの?

 

「じゃあ行こっかマグマラシ♪ ベイリーフ、メノクラゲ、トゲピー、あなた達は一緒に来る?」

 

「ベイ!」

 

「メノメノ〜♪」

 

「ト〜ゲトゲピ〜♪」

 

「うふふ、そうね。みんなで行ったほうが楽しいよね♪」

 

「……やっぱ俺には何言ってるか分からんわ。クリス、あんま遅くなるなよ。マグマラシ、クリスの事よろしくな」

 

 さぁ行くよ♪

 

 ★☆★☆

 

【繋がりの洞窟】

 

「まぐまぐ〜?《洞窟に何か用があるのぉ?》」

 

「うん、ちょっと忘れ物を取りに来たのよ、マグマラシ」

 

「まぐまぐまぐ?《でもあんまり遠くに行くとゴールド君が心配するよ?》」

 

 マグマラシはゴールドのポケモン。

 だからアタシの指示を強制出来ないのよね、少し面倒だわ。

 でもね、

 

「ねぇマグマラシ、これからアタシがやる事を手伝ってくれたらコレをあげるよ?」

 

 アタシはリュックからビニール袋いっぱいに入った木の実を出す。

 

「まぐ! まぐまぐ!《木の実! 分かった手伝うよ!》」

 

 チョロいわね♪

 

「ありがとう、でもゴールドには内緒にしてね?」

 

「まぐ〜?《なんで?》」

 

「だって勝手に間食したのがゴールドにバレたらマグマラシは明日の朝ごはん抜きにされるよ?

『マグマラシ、食べ過ぎは良くないぞ!』って、きっと怒るわよ」

 

「まぐー! まぐまぐ《それはイヤー! 分かった黙ってるよ》」

 

 本当にチョロい、マグマラシは食いしん坊だから扱いやすいわ♪

 

「トゲピ〜《いいなぁマグマラシ》」

 

「メノメノー《マグマラシだけズルイですわ》」

 

「大丈夫、あなた達にもあげるからね♪」

 

「トゲピー、トゲピィー♪《やったぁ、ママ大好き♪》」

 

「メノーメノー♪《ご主人様は分かってらっしゃる♪》」

 

 うふふ、みんなで食べましょうね♪

 

「……ベイ、ベイベイ?《……マスター、私達に何をさせるつもりですか?》」

 

 ベイリーフは本当に賢いわね、アタシのしたい事を察してくれたのね。

 

「ちょっと始末し忘れた害虫駆除をするだけよ♪」

 

「……ベイ。ベイ、ベイベイ《……了解しました。ですが、くれぐれもやり過ぎないようにお願いします》」

 

 もう、ベイリーフは真面目過ぎるわ。

 ちょっとお仕置きするだけなんだから大丈夫よ。 

 

 ★☆★★

 

 そんな事を話しながら歩いていたら探してた害虫を見つけた。

 

「ハァイ、寄生虫さん。元気?」

 

「ん、いつぞやのお嬢ちゃんかい? 人を寄生虫扱いするのは感心しないな」

 

 コイツは以前、ポケモンセンターの前でヤドンのシッポを売ってた寄生虫。

 懲りもせずまだ繋がりの洞窟周辺でうろちょろしてた。

 ……ポケモンセンターに来るトレーナーさん達の言う通りだったわ。

 そのトレーナーさん達はこの寄生虫は夜は洞窟内で見かけると言っていた。

 おそらく洞窟の中に巣があるのだろう……忌々しい。

 

「あら、だってゴキブリ共(ロケット団)に寄生してヤドンのシッポを売ってお金儲けしたんでしょ?

 なら寄生虫じゃない、何もおかしくないわ」

 

「……オイオイ、あまり大人を悪く言うもんじゃないよ。お仕置きするぞ?」

 

「なに勘違いしてるのかしら? ……アンタがお仕置きされる側よ! メノクラゲ、寄生虫に『からみつく』!」

 

「メノー♪《待ってました♪》」

 

 メノクラゲはその長い触手で寄生虫に巻き付き締め上げる。

 

「イダァァァァ!!」

 

「メノーメノーメ、メノ〜♪ 《あぁいい悲鳴だわ、感じちゃう♪》」

 

「メノクラゲ、やりすぎないてね♪」

 

「メ〜ノ♪ 《は~い♪》」

 

 いい子ねメノクラゲ♪

 

「次はベイリーフの番よ! 『はっぱカッター』で寄生虫の足を切り落としなさい!」

 

「ベイベイ《私を恨まないでくださいね》」

 

 『はっぱカッター』が寄生虫の足を切り落とし、切り口から大量の血液が吹き出す。

 ……汚い、服が汚れるじゃないの。

 

「ギァァァァァ!! し、死ぬぅぅぅ!!」

 

「あら、それは困るわ」

 

 だって死んだら死体の処理が面倒だし警察も動く。

 ……寄生虫ごとき死んでも誰にも迷惑掛からないのに、本当に法律って不便で邪魔ね。

 

「マグマラシ、傷口を『ひのこ』で焼いて!」

 

「まぐ〜、まぐまぐ《え~、それは可哀想だよ》」

 

「ご褒美の木の実を増やしてあげるからお願い」

 

「まぐ!《やる!》」

 

 ……本当に食欲に忠実ね。

 マグマラシの『ひのこ』で切り口が焼けて出血が止まったわ。

 

「ガァァァァァ!!!」

 

「メノーメノーメノー、メノー♪《あぁ本当にいい悲鳴、もう最高♪》」

 

「……ベイ《……流石に気の毒ね》」

 

「ま~ぐ、まぐま〜ぐ♪《わぁい、木の実だ木の実だ♪》」

 

 もぉ、もがき苦しむ寄生虫は醜いなぁ。

 

「どうかしら、少しはヤドン達の痛みが分かったかな?」

 

「わ、わかった! わかったから! お、俺が悪かった! だから許してくれ!」

 

「いいよ~、ただしアタシの言う事を聞いてくれたらね」

 

「聞きます! 何でも聞きますから助けて下さい!」

 

「その言葉忘れないでね。

 一つ、今日の事は絶対に誰にも言わない。

 一つ、ヤドンのシッポを売って稼いだお金はヤドン達の治療の為に寄付しなさい、もちろん匿名でね。

 一つ、今後もロケット団と連絡を取り続けてロケット団の情報をアタシに教える。

 分かった?」

 

「わ、わかりました! わかったから助けて!」

 

「ならアンタの携帯出しなさい」

 

「は、はい!」

 

 アタシは寄生虫から携帯を受け取りお互いの携帯に電話番号を登録する。

 ……本当は寄生虫の番号なんか入れたくないけどアタシはゴキブリ共の情報のために我慢するわ。

 

「いいこと、もしアタシを裏切ったら……」

 

 アタシは出来る限りの笑顔をして右手の親指を首に当てて線を書いた。

 

「ひぃぃぃぃぃ!! ぜっ、絶対に裏切りません!」

 

 やだなぁ寄生虫のスボンが濡れてる。

 本当に汚いな、大の男がお漏らしとか。

 

 寄生虫は這いつくばりながら巣に戻っていった。

 切り落とした足を抱えながら必死にほふく前進する様はなかなか笑えたわ。

 

「さて、みんなご褒美の時間よ♪」

 

「まぐ♪ まぐまぐ!《待ってました、お腹空いたよ!》」

 

「メノメノ〜♪《あぁ楽しかったわ》♪」

 

「……ベイベイ、ベイベイ《……私は悪くない、私は悪くない》」

 

「……zzz」

 

 あらあらトゲピーったら。

 大人しいと思ったらいつの間にか寝てたのね。

 ……仕方ないからトゲピーの分の木の実は取っておいてあげるからね。

 明日の朝に食べてね、トゲピー。

 

 アタシはトゲピーを抱えながら、みんなに木の実をあげる。

 みんな美味しそうに食べてくれて嬉しい♪

 

 さぁてそろそろ帰らないとね。

 ゴールドが心配するものね♡

 


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