オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第二十四話 ヒワダジム ゴールド対ツクシ その二

「頼んだよスピアー!」

 

「スピア!」

 

 ツクシ君の次のポケモンはスピアーか。

 スピアーの素早さと攻撃力は侮れないな。

 ならばここは防御を強化だ!

 

「イシツブテ、『まるくなる』だ!」

 

「スピアー、『きあいだめ』!」

 

 しまった! 今、攻めれば大ダメージ与えられたかも!?

 『きあいだめ』は技が急所に当たりやすくなる効果だったな、厄介な。

 だが守りは固められた。

 なら次は攻める!

 

「イシツブテ、『いわおとし』!」

 

「イッシャイ!」

 

「スピアー、『かげぶんしん』で回避だよ!」

 

「スピ!」

 

 スピアーは複数の残像を出した。

 イシツブテの投げた岩はその残像の一つをすり抜けた。

 イシツブテの攻撃は外れたか。

 

「よぉし、今度はこっちが攻める番だ。スピアー、『ダブルニードル』!」

 

「スピッ!!」

 

「イシツブテ、『まるくなる』で耐えろ!」

 

「イッシャ!」

 

 空中から猛スピードで突いてくるスピアー。

 イシツブテは一撃目は防いだが二撃目は急所に当たりよろけた。

 『まるくなる』で防御上げてもこれだけダメージがあるのは流石ジムリーダーだと言えるな。

 

 イシツブテの顔色(顔も石だから分かりにくいが)が悪い。

 今の『ダブルニードル』で毒を貰ったか。

 ……まずいな。

 

「まだまだいくよ! 『みだれつき』」

 

 連続で何度も突いてくるスピアー。

 イシツブテはこれまでのトレーニングで鍛えた防御力で耐えてはいる。

 が、それでも何発かは急所に当たりかなりキツそうだ。

 

「どうするの? もう諦めたのかな?」

 

「は、まさか!」

 

 強がって見せたがマジでキツイ。

 毒と連続攻撃でイシツブテの体力がガリガリと削られてる。

 だからと言って『いわおとし』は『かげぶんしん』で避けられるし、この前覚えたばかりの『マグニチュード』は空を飛んでるスピアーに当たる訳無いし。

 ……『マグニチュード』が地面を揺らす技だから仕方ないんだけど。

 

「でも強がってるだけでは勝てないよ。スピアー、『ダブルニードル』だ!」

 

「イシツブテ、スピアーの針を掴め!」

 

「えっ!?」

 

 イシツブテは『ダブルニードル』を食らいながらスピアーの腕の針を掴む。

 

「イシツブテ、そのままぶん投げろ!」

 

「イッシィ!!」

 

 イシツブテは一本背負みたいにスピアーを投げ飛ばした。

 だがスピアーは地面に叩きつけられる前に体制を立て直す。

 

「ふー、少し危なかったよ」

 

「イッシ、ハァハァ……、イッシ、ハァハァ……」

 

「イシツブテ、大丈夫か!?」

 

 イシツブテの息が荒い。

 毒がかなり回ったんだ。

 いっそバタフリーと交代するか……だが今交代すると相手に大きなスキを見せることになる。

 

「ハァハァ…………イッ、シャャャャッッッ!!!」

 

 俺が悩んでるとイシツブテいきなり吠えだした。

 なんなんだ!?

 

「イシツブテ、どうした!?」

 

 イシツブテは俺の指示も聞かずスピアーに向かって突っ込んでいく。

 

「な、なんだ!? スピアー、『ダブルニードル』でイシツブテを近づけるな!」

 

「スピッ!」

 

 ツクシ君もイシツブテの異常さに気付いたんだろ、スピアーに反撃の指示を出す。

 だがイシツブテは『ダブルニードル』を無視しスピアーに掴みかかった。

 そして……

 

「イッシャャャャ!!!」

 

 ドーンッッッ!!!

 

 イシツブテは勝手に『じばく』した。

 ……アイツ、爆発する瞬間メッチャ良い笑顔してたな。

 

 爆発で舞い上がった土煙が収まると地面には気を失ったスピアーとイシツブテが倒れてた。

 イシツブテはやはり満面の笑みだった。

 

 ……お前ひょっとして『じばく』が好きなのか?

 その前にいつアイツは『じばく』を覚えた?

 俺は『じばく』をイシツブテに覚えさせる気が無かったから『じばく』覚えるレベルになったら忘れされるつもりだったのによ。

 まさかイシツブテは勝手に覚えたのか?

 なら代わりにどの技を忘れた!?

 

「……イシツブテの『じばく』で引き分けみたいだね」

 

「……ツクシ君、ウチのイシツブテが勝手に『じばく』してすまない」

 

 俺はツクシ君に頭を下げる。

 

「えっ!? 今の『じばく』は君の指示じゃないの!?」

 

「……はい、俺の指示無しで勝手に爆発しました」

 

 ……イシツブテ、後で説明してもらうぞ。

 俺達はお互いのポケモンを回収した。

 

「……ま、まぁポケモンも言う事聞かない時もあるからね。

 さぁ気を取り直してバトル再開だよ」

 

「……本当にすんません」

 

 暴走する問題児はクリスだけで充分だよ。

 だから後で絶対に『じばく』は忘れさせてやる。

 だが今は勝負に集中しないと。

 俺は次のモンスターボールに手を掛け構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★☆★☆

 

【只今クリス達はお昼寝中です】

 

「うへへ、ゴールドったらやっと受け入れてくれるのね……ムニャムニャzZ」

 

「まぁぐ〜……zZ」

 

「や〜どん……zZ」

 


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