オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜 作:友親 太一
オッス、俺ゴールド。
今からウツギ博士のお使いでポケモン爺さんの家に行……
「ねぇねぇゴールド」
……今からお使いに
「ねぇねぇねぇねぇゴールド」
…………今から
「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ……」
「だぁぁ五月蠅え! 何だよクリス、トイレか!?」
「ひっどーい、レディに向かってそれは無いんじゃない!? て、そうじゃなくて。ねぇ、せっかくウツギ博士からポケモンを貰ったんだし、見せ合いっこしようよ」
まぁ確かにポケモンを貰ったんだから確認はいるわな。
クリスの言いたい事は分かったが『ねぇ』をいい過ぎ。
「……分かったよ」
「ヤッター、じゃあ私からね♡ 出ておいでチコリータ!」
「チコ、チコー!」
ほぉ、クリスは草タイプのチコリータを貰ったんか。
頭の葉っぱが可愛らしいな、この子って雌か?
「キャーかわいい! よろしくねチコリータ♪」
そう言うとクリスはチコリータを抱きしめて頬ずりする。
……チコリータが若干嫌がってるように見えるのは気のせいと言うことにしとこ。
「じゃあ次は俺だな。出番だ、ヒノアラシ!」
「ひの〜!」
俺の選んだのはヒノアラシだ。
ヒノアラシはモンスターボールから出ると、辺りを二、三回キョロキョロと見てから俺をジーッと見つめ始めた。
「……おいで、ヒノアラシ」
俺の声に反応したヒノアラシはゆっくり俺に近づいてくる。
俺は優しくヒノアラシを抱き上げる。
……ヒノアラシは炎タイプだけあって温かいな。
「俺はゴールド、これからよろしくなヒノアラシ」
「ひのひの」
こうして俺はヒノアラシとのファーストコンタクトを終えた。
……若干背中に冷たい視線を感じたがそれは気にしないとこ。
★☆★☆
【二十九番道路】
ハァイ、アタシはクリス。
今、愛しのゴールドとデート中なの。
二人っきりで別の町に行くんだからデートなの。
はぁ、やっぱりゴールドはカッコイイなぁ。
ゴールドはいつもクールで、でも本当はとっても優しくて、すっごく大人っぽくて素敵なんだからね。
ゴールドと比べたら他の同世代の男の子なんかゴミ、カス、クズよ。
あとアタシ以外のゴールドに寄ってくる女は害虫、汚物、毒ね。
幼稚園の頃ゴールドに寄ってきた害虫(同級生の女の子)にはアタシがターップリお・は・な・し・して諦めて貰ったわ。
まぁその害虫はお・は・な・し・した次の日に遠い町に引っ越ししちゃったけどね。
もぉゴールドったら、こんなにアタシが愛してるのにちっとも気付いてくれないんだもん。
でもアタシから告白はしないもん。
やっぱり告白は男性からされたいしね。
……話が逸れたわね。
アタシ達は今ヨシノシティに向かって二十九番道路を二人寄り添……えずに歩いてる。
……ゴールドの提案でポケモン達をボールから出して歩いてるから、ゴールドの横にヒノアラシが並んで、その後ろにアタシとチコリータが並んで歩いてるのよ。
もぅ、またヒノアラシなの!?
さっきもあのヒノアラシはゴールドに抱きしめられてたし。
あの時は思わず『にらみつける』しちゃったわ、アタシは人間だけど。
あのヒノアラシはポケモンだからまだ許せるけど、もし人間だったら今頃お・は・な・し・してるわね。
「チ、チコ!?」
チコリータ、アナタは怯えなくて大丈夫よ。
アナタはアタシの大事な家族だもん。
アタシがチコリータを選んだ理由は、見かけがかわいいからだけじゃない。
チコリータを選んだ理由、それはこの子はレベルが上がると自力で『どくのこな』を覚えるからよ。
毒って便利よね、特に害虫駆除にとーっても便利。
でもアタシはまだ十才だからお店では買えないの。
だからチコリータが『どくのこな』を覚えてくれたら何時でも毒が手に入るの。
うふふ、楽しみだわ。
そんなことを考えてたら、野生のコラッタやオタチがアタシ達を襲ってきた。
でもみーんなゴールドが倒しちゃった。
さすがアタシのゴールド、もう惚れ直しちゃったわ。
ゴールド、だーいすきよ♡