オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第十七話 二人の汎用人型決戦兵器

 オッス、俺ゴールド。

 前回卵が孵ってトゲピーが生まれ、それをウツギ博士に報告する為に俺達はワカバタウンに帰ってきた。

 

 尚道中のバトルはクリスのメノクラゲとトゲピーのレベル上げの為に全て譲った。

 だから俺のポケモンには全く変化は無い。

 

 クリスはワカバタウンに戻るまで終始上機嫌だった。

 ……非常に有り難いんだがちょっと不気味。

 女性トレーナーとのバトルでさえニコニコしてるのはクリスにしては珍しすぎる。

 偶に何かを思い出したかのようにニヤニヤ笑い出すし。

 まぁ不機嫌よりは良いかと思い指摘はしてないがな。

 

 かなり急いだからギリギリ日が沈む前にワカバタウンに到着した。

 

 早速ウツギ博士にトゲピーを見せたら、

 

「やはりポケモンは卵から生まれるのか!

 いやいや、全てのポケモンがそうと決まったわけじゃないぞ。ならアレとアレを調べて……あとでオーキド博士にも助言を貰おう。

 ……ありがとうゴールド君、クリスちゃん! 君たちのお陰でポケモンの謎が一つ分かりそうだよ」

 

 との事。

 俺にはチンプンカンプンだがウツギ博士にとっては重要な事なんだろう。

 

 尚、博士に変わらずの石をお礼に貰った。

 ポケモンに持たすと進化しなくなるアイテムだそうだが。

 クリスにいるかどうか聞くと、

 

「使い道がわかんないからゴールドが使って」

 

 だと。

 確かにポケモンは進化した方が強いし、ピチューとか、ピィとかのペット用のポケモンを進化させないぐらいしか使い道が思いつかんな。

 ……後でパソコンで使い道を調べるか。

 

 因みに助手さんは非常に忙しいそうにしてたので声は掛けなかった。

 ……あの人見てると前世の自分を思い出す。

 主にいつ過労で倒れてもおかしくない所が

 今度来るときには栄養ドリンクを差し入れするかな。

 

 時間も遅かったので今夜は家に帰って一晩過ごすつもりだ。

 旅に出て一ヶ月もせずに帰るのも、どうかと思ったが背に腹は変えられぬ。

 

 ★☆★☆

 

 ピーンポーン♪

 

 ……自分の家の呼び鈴鳴らすのって変な感じがするな。

 オフクロ、元気かな。

 

「はーい、どちらさ……ゴールド!?」

 

 扉を開けながら驚くオフクロ。

 

「……ただいま。用事があったから帰ってきた。あと、扉開ける前に来客を確認しろっていつも言ってるだろ」

 

 まったく、オフクロは。

 

「おかえりゴールド。もう帰ってくるなら連絡しなさいよ」

 

「悪い、急に帰ってくることになったんでな」

 

 でも元気そうで良かったよ。

 

「お、おか……おば様、こんばんは!」

 

「クリスちゃん、こんばんは~。あら、その腕に抱えてる子は……」

 

 オフクロはクリスが抱っこしてるトゲピーを見て……

 

「ゴールド、ちゃんと避妊しなさいって言ったわよね?」

 

「人間からポケモンが生まれるかボケーーー!!!」

 

 ……相変わらずオフクロは天然だった。

 

 ★☆★☆

 

 ハァイ、アタシはクリス。

 アタシは今日はゴールドの家に泊めてもらう事になったの。

 おば様がね、泊まっていきなさいって言ってくれたのよ。

 ……ホントはおば様をお義母様って呼びたいけど本人の前だと恥ずかしくって呼べない。

 

 ゴールドは夕食が終わったらさっさと自分の部屋にいった。

 疲れたら今日は早く寝るって。

 

 おば様の作ってくれたご飯はホントにおいしかった。

 小さい頃から何度もおば様に食べさせてもらったけど本当においしいの。

 でもね、おば様が夕食の支度をしてる時にアタシも手伝おうとしたけど、

 

「クリスちゃんは疲れてるでしょ?」

 

 って、やんわり断られた。

 ちょっと残念だった。

 

 ちなみにゴールドは食事の準備の途中で様子を見にいったときに、

 

「ゆで卵を電子レンジで作るなアホーーー!!!」

 

 って声を荒げてからそのままおば様の手伝いをしてた。

 ゴールドって母親思いよね、そんな優しいゴールドが好き。

 ……でも、なんかアタシだけカヤの外で寂しかったな。

 でも仕方ないよね、おば様とゴールドは本当の親子だし……

 

 ★☆★☆

 

「はい、クリスちゃん。温かいココアよ」

 

「……ありがとうごさいます」

 

 おば様はアタシにココアを渡すと自分も椅子に座り自分の分のココアを飲み始めた。

 アタシもゆっくり飲む……あったかいなぁ、まるでゴールドとおば様みたいにあったかい。

 

 ポケモン達は既にモンスターボールの中で寝ちゃった。

 だから今ここに居るのはアタシとおば様だけ。

 

「……ねぇクリスちゃん、ゴールドと何かあったの?」

 

「えっ、えぇっ!?」

 

 な、なんでわかるんですか!?

 

「うふふ、分かるわよ。私も女ですもの。クリスちゃんが幸せいっぱいですって顔をしてればね♪」

 

 アタシそんなに顔に出てたの!?

 は、はずかしいよ〜!!

 

「で、何があったのかなぁ〜?」

 

「あ、あの……ゴールドに……プ、プロポーズ……されました」

 

 いっ、言っちゃった!

 

「キャー! やっぱり? そうじゃないかと思ったのよ♪ うんうん、あの子もやっと覚悟を決めたのね。

 いきなりプロポーズってのもゴールドらしいわ。ほらゴールドって昔っから大人っぽいというか、真面目すぎるっていうか、堅苦しいところあるのよね。

 ねぇクリスちゃん、返事はどうしたの?」

 

「もちろんオーケーしました! アタシ、ゴールドが大好きですから」

 

「ありがとうクリスちゃん。私の息子をよろしくね♪」

 

「はい! でもどうしてゴールドがプロポーズしたってわかったんですか?」

 

 アタシの顔に書いてあったのかな?

 

「だってぇ、あの子もクリスちゃんが大好きだもん♪ ゴールドったら昔っからクリスちゃんの事ばかり話すのよ。

『今日クリスが〜』、『クリスがまた〜』、『クリスの奴が〜』ってほぼ毎日ね」

 

 そ、そんなにも!?

 ゴールドもアタシが大好きだったんだ。

 ……嬉しい♡

 

「そっかぁ、これでクリスちゃんは名実ともに私の娘になったのね。ねぇクリスちゃん、これからは私を『お母さん』って呼んでね」

 

「はい……お、お義母様!」

 

「だめだめ、硬すぎるわ。もっと柔らかくね♪」

 

「は、はい……お、お母さん……」

 

「はい、よく言えました♪」

 

 ありがとう……お母さん。

 アタシ、アナタの娘になれてすごく嬉しいです。

 

「うふふ、主人にも報告しなくちゃ♪ あ、でもクリスちゃん、あまり周りに言いふらしちゃダメよ?」

 

「なんでですか?」

 

 せっかくプロポーズされたんだからみんなに言いたいのに。

 

「ほらゴールドって恥ずかしがり屋でしょ? あんまり周りにアピールするとあの子拗ねちゃうわよ。

 だから、ちゃんと結婚できる年まで隠していたほうがゴールドは喜ぶと思うの」

 

 そうよね、ゴールドってシャイだもんね。

 夫を気遣うのも妻のつとめよね♪

 

「はい、正式に結婚するまで誰にも言いません!」

 

「うんうん、クリスちゃんは素直で良い子ね。お母さん嬉しいわ♪」

 

 さすがお母さん、ゴールドの事をよくわかってらっしゃる。

 アタシも見習わないと、アタシがゴールドの妻なんだから!

 

「あと避妊はちゃんとしてね。私この年でおばあちゃんって呼ばれたくないの、まだ二人目も欲しいし。そう言えば初体験はしたの?」

 

「いえ、まだです。ゴールドに拒否されちゃって……」

 

「あらそうなの? まぁゴールドって頭が硬いから婚前交渉はするものじゃないって思ってるのかしら?」

 

「アタシもそうだと思います。ゴールドは優しいけどシャイですから」

 

「そうよね〜。硬いって言えば昔ゴールドがね………」

 

 アタシとお母さんはそれからずっと主にゴールドの話題で話し続けた。

 気がついたら日付が変わってて慌ててベットに入ったの。

 お母さんに頼まれてその日はお母さんと一緒に寝たのよ。

 娘と一緒に寝るのがお母さんの長年の夢だったんですって。

 

 ……おやすみゴールド、おやすみお母さん。

 アタシ、今すごく幸せです♡

 

 ★☆★☆

 

 ……まだオフクロとクリスは喋りこんでるのか。

 女は本当おしゃべり好きだねぇ。

 

 俺は変わらずの石の事が気になったから寝る前にネットで調べてる。

 

 なになに……ポケモンには進化すると技を覚えるのが遅くなったり特定の技を覚えない場合がある。

 なるほど、変わらずの石で欲しい技を覚えるまで進化させないって使い方もあるのね。

 

 えっと、俺の手持ちだと……げっ! マグマラシはバクフーンに進化するとレベル60まで『かえんほうしゃ』覚えないんかよ!?

 なら変わらずの石はマグマラシに持たせるか。

 

 さてパソコンのスイッチ切って寝るか。

 最近は毎日平和良いな。

 

 このままずっと平和であれば良いんだかな。

 


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