オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜 作:友親 太一
オッス、俺ゴールド。
えー前回クリスがメノクラゲを釣り上げで捕獲した、以上。
……これ以上この事に触れんでくれ、頼む。
そのあとポケモンセンターで一晩過ごした。
で、朝になったら……
「ゴ、ゴールドーー!! 卵が、卵が孵ったのーーー!!!」
と、クリスが俺の部屋に大声で叫びながら突撃してきた。
……尚、部屋の鍵は締めて寝た筈なのに何故か普通に入ってきた。
クリスめ、またピッキングしやがったな、たく。
まぁいいや。
クリス曰く、卵を抱えて寝て朝になったら孵ってたんだと。
クリスに頼まれて俺達はクリスの部屋に様子を見にいくと産まれたポケモン、トゲピーは布団でスヤスヤと寝てた。
二人でしばらく様子を見てるとトゲピーが体を揺らしだした。
……そろそろ目が覚めるんだな。
「クリス、トゲピーを抱いてあげな」
「えっ?」
「お前がトゲピーの親なんだから最初に『おはよう』って言ってあげなよ」
「…………うん」
クリスは恐る恐るといった感じで、ゆっくりトゲピーを抱き上げた。
その時、トゲピーはパチっと目を開けた。
「……おはようトゲピー、アタシはクリスよ」
「トゲッ、ピー?」
「うん、アタシはアナタの…………ママだよ」
「トゲピー♪」
トゲピーは嬉しそうにクリスに抱きつき、クリスはトゲピーを優しく包み込んだ。
クリスは少し涙目になっていた。
その光景を俺はただ黙って見守っていた。
……良かったなクリス、無事に生まれて。
★☆★☆
ハァイ、アタシはクリス。
アタシね家族が増えたの、それも二人も増えたのよ。
ゴールドから借りた釣り竿で釣り上げたメノクラゲと、アタシが卵を暖めて孵したトゲピー。
……本物に嬉しい。
ゴールドがね、アタシがトゲピーの親だって言ってくれたのよ。
こんなアタシがトゲピーのママで良いかと不安になるけど、でもトゲピーはアタシが抱いたときに笑ってくれた。
アタシはこの子のママなっても……いいんだよね?
アタシ、ガンバるからね。
だからママをヨロシクね、トゲピー。
…………あれ、アタシがママならパパは誰?
………………………………………………………………………ゴールド!!! そうよ、パパはゴールドしかありえならいわ!
じゃ、じゃあ、あのゴールドの「お前がトゲピーの親なんだから」って言葉は、プッ、プロポーズ!?
そうよ! 恥ずかしがりやでシャイなゴールドが遠回しで言ってくれたプロポーズよ!
…………やぁだぁゴールドったら♡
もう告白より先にプロポーズなんて、だ・い・た・ん♡
でもこれって今、流行りのデキちゃった結婚よね?【注意・違います】
あ、もしかしてゴールドはこの旅の間にプロポーズするつもりだったのかな?
それでトゲピーが産まれたら覚悟を決めてプロポーズしてくれたのよね。
じゃあこの旅って新婚旅行ってこと!?
や~ん、もうゴールドったら♡
全部計画済みだったのね。
アタシに冷たくしてたのはプロポーズするタイミングを見極めるためだったのね。
アタシすっかり騙されちゃったわ、もぉゴールドのツンデレさん♡
あっ! じゃあアタシの夜ばいを拒絶したのも婚前交渉しない為?
も〜ゴールドったらマジメなんだから♡
今時婚前交渉なんて普通なのに。
でもそんな所も好き♡
「……はい……はい…………分かりました、はい失礼します」
あれ? ゴールドってばいつの間に電話してたのかな?
「クリス、予定変更だ。今からワカバタウンに戻ってトゲピーが産まれたのを報告するぞ」
えっ、報告って? 誰に?
っておば様に決まってるじゃない!!
そっか、おば様にちゃんと結婚報告するのねゴールド♪
ううん、もう結婚するだからお義母様って呼ばなきゃ。
お義母様、不出来な娘をよろしくお願いします♡
……あっ! アタシってまだゴールドに返事して無いじゃん!!
アタシのバカバカバカバカ!
ゴールドが返事を待ってるのに焦らすなんてアタシのバカ!
さぁ言うわよクリス、深呼吸して。
スゥ、ハァ。
「……ゴールド、ありがとう。アタシたち幸せになろうね♡」
キャッ、言っちゃった♡
「うん? どういたしまして?」
ゴールド……ううん、旦那様、大大大好きよ♡
★☆★☆
……なんかクリスがニヤニヤしてる。
そんなにトゲピーが産まれたのが嬉しいんかな?
まぁ本人が喜んでるなら良いや。
さっきもトゲピーに幸せになろうねって言ってたくらいだしな。
さぁサッサと朝飯食って出発するぞ!
さっきウツギ博士に卵が孵った事を報告したら研究所まで見せに来てくれって頼まれたし。
今から出発したら急げば日暮れまでにはワカバタウンに帰れるでしょ。
「よし、行くぞクリス!」
「うん♡」
クリスがご機嫌なら平和でありがたいよな。
うんうん、平和が一番だ。