オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第十四話 お姫様抱っこで走り抜けて

 オッス、俺ゴールド。

 昨日は色々(マダツボミの塔の修行、ジム戦、卵の受け取り)あってバタバタしたが今日は次の町目指してキキョウタウンを後にした。

 

 ポケモン塾のジョバンニ先生に旅立つ事を伝えると、

 

「オー、非常に残念でーす。あなた達は非常に優秀な生徒でしたから。特にクリスさーん、アナタほど状態異常の講義を真剣に受けた生徒は他にはいないアル」

 

 と、言ってくれた。

 ……非常に嬉しいがクリスの状態異常への情熱はバトルの為では無いんですよ、ジョバンニ先生には言ってないけど。

 

 本当はキキョウジムにも挨拶したいがそれは諦めた。

 理由は……言わなくてもわかるだろ?

 

 あとせっかく『フラッシュ』を手に入れたので、暗闇の洞穴に寄ってイシツブテとズバットを捕獲した。

 ズバットは雌だった為にボックスに送ったがイシツブテは雄だからレギュラーに入れた。

 当分の間はイシツブテのレベル上げがメインになるな。

 

 ★☆★☆

 

【アルフの遺跡】

 

 俺達は遺跡の見学をしている。

 

「……素晴らしい」

 

 自然と俺の口からその言葉が漏れた。

 俺は遺跡とか秘宝とか大好きだ。

 遺跡には歴史とロマンがある。

 前世でも博物館で開催されるエジプト展とかをよく行ったものだ。

 

 遺跡の壁には独特の模様があり何か意味があるらしいがその意味はまだ解明されてないそうだ。

 ……本当に素晴らしい。

 古代人はこの模様で何を残したかったのか、何を俺達に伝えたかったのか、それを考えるだけで胸が熱くなる。

 

「ねぇねぇゴールドぉ」

 

 尚、動く石版にもチャレンジしたが速攻で諦めた。

 俺はRPGやアクションゲームは好きだけどパズルゲームは苦手なんだよね。

 前世でスマホのパズルゲームが流行った時も友達に誘われたが断固として拒否したくらいだし。

 

「ねぇねぇねぇねぇゴールドぉ」

 

 いやぁやっぱ遺跡は良いわぁ。

 この独特な雰囲気堪らんわぁ。

 

「無視しちゃいや~〜〜!!!」

 

「うぎゃあ!!?」

 

 耳元で叫ぶなクリス! 耳いてぇ。

 

「「「しー!」」」

 

 ……はい、すいません。

 他のお客さん達に注意され俺は頭を下げて詫た。

 

「……何だよクリス」

 

「……つまんない」

 

 頬を膨らまして言うクリス。

 ……お子様なクリスに遺跡の良さは分からんか。

 仕方ない、これ以上騒がれても困るし名残惜しいが遺跡の外に出るか。

 

 ★☆★☆

 

【三十二番道路】

 

 俺達は今三十二番道路に居る。

 本当は三十六番道路を抜けてコガネシティに行くつもりだったが途中に変な木が邪魔で通れない。

 仕方ないから先にヒワダタウンに行くことにした。

 ……あの木は本当に何なんだったんだ?

 風もないのに揺れて不気味な木だったな。

 

 この三十二番道路でメリープとハネッコを捕獲したが、どちらも雌だったんでボックスに送ることに決めた。

 ……何だろう、俺のこの雌ポケモンとの遭遇率の高さは。

 

「そこのあなた、私とバトルしなさい!」

 

 おっと、考え事してたら勝負を挑まれたか。

 

「よし、その勝負受けた……!?」

 

 俺に勝負を挑んできたのはピクニック衣装の㊛女の子…………やべぇ!

 

 俺は恐る恐る横を見ると…………そこには(クリス)が居た。

 その腕に抱えた卵をミシミシと鳴らしてる(クリス)が居た。

 卵が割れそうだからやめてやれよ。

 

「……ご〜るどぉ〜、ア〜タ〜シが、たたか「出番だ、イシツブテ!」……ちっ!」

 

 ……こんな状態のクリスにバトルさせる訳にはいかない。

 かと言って長引かせても不味い。

 よって速攻で俺が倒す!

 イシツブテ、根性入れていくぞ!

 

 ★☆★☆

 

「イシツブテ、『たいあたり』!」

 

「イッシャイ!」

 

 イシツブテの攻撃で相手は戦闘不能になった。

 

「あーあ、私の負けだね」

 

 うっし、あんまり時間掛けずに勝てた。

 

「はい、賞金ね」

 

「……ありがとう」

 

 俺は女の子から賞金を受け取った。

 

「君って強いね。良かったら電話番号をこ「んじゃ俺急いでるんで!」うかん……って、もう居ないし……」

 

 俺はクリスを俗に言うお姫様抱っこして走ってその場を離れた。

 ……せっかく勝負を速攻で終わらせたのに番号交換なんぞしたらクリスが何をしでかすか分からん!

 

「ふへへへ〜、ゴールドがお姫様だっこ〜」

 

 ……頼むからそのまま機嫌良くしていてくれ。

 俺と卵の為に。

 

 こうして俺は三十二番道路をクリスを抱えたまま走り続けた。

 ……明日は絶対筋肉痛だな、俺の腕。

 


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