オッス、俺ゴールド 〜ヤンデレ娘クリスとポケモンの世界で旅をする〜   作:友親 太一

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第十一話 キキョウジム ゴールド対ハヤト その一

 オッス、俺ゴールド。

 前回クリスがマダツボミの塔の長老さんを見事倒し、俺達はポケモンセンターでポケモンを回復してこれからキキョウジムに挑むつもりだ。

 

 クリスは頑張ったんだよ。

 あの長老さんはかなりの使い手で強かったのにちゃんと勝ったんだよ。

 クリスが成長してくれて俺は本当嬉しく思う……チコリータが『どくのこな』を覚えたのが少し心配だが……

 念の為に毒消し追加で買うかな、あと胃薬も。

 

 尚、今の時間は午後四時を少し回ったぐらい、よってマダツボミの塔でゴースとは遭遇しなかった、やったね。

 

 ★☆★☆

 

【キキョウジム】

 

「えぇ!? 君達がマダツボミの塔の修行を終わらせた!? 嘘でしょ、こんな短時……

 ってこれは秘伝マシン№5!!……ほ、本当に……よし、なら未来のチャンピオンにアドバイスしよう。いいかい、鳥ポケモンは……って無視するな!

 コラ、勝手に進むな!」

 

 無論容赦無くガン無視、俺達は秘伝マシン見せたら一言も喋らずジムの中を進む。

 ……この受付が気に入らないってのもあるがそれ以上にクリスがコイツを射殺さんばかりに睨んだ。

 なので、これ以上ここに居るのは不味いと俺が判断した。

 

「ふへへへ♡」

 

 ……尚、クリスが受付の男に襲いかからないように肩を抱いて歩いてるのでクリスは非常にご満悦だ。

 今日クリスは頑張ったからご褒美も兼ねてるしな。

 

「ふへへ……ゴールドの香りだぁ、クンクン♡」

 

 ……本当、今日だけだからな!!

 

 ★☆★☆

 

「……こんなお子様カップルに負けるとは無念!」

 

「彼女連れに負けるなんて……チクショー! リア充爆発しろーーー!!!」

 

 えージムトレーナー戦は特に見所なく終わったので省略。

 強いて言うなら……カップル言うな! クリスは俺の彼女じゃねぇよ!

 俺達の関係は保護者と被保護者だ! リア充違うわボケ! 寧ろ代わりたければ代わってやるぞ!

 以上。

 

 ★☆★☆

 

「……俺がキキョウジム、リーダーのハヤト。大空を華麗に舞う鳥ポケモンの凄さ見せてやろう」

 

「はい、こちらも全力でやらせてもらいます!」

 

「良い心構えだ、いざ………と、その前に、彼女ちゃんは危ないから後ろに下がっててね♪」

 

「はーい♪」

 

「だから彼女じゃねぇーーー!! クリスも否定しろや!」

 

 たく、どいつもこいつも間違えやがって。

 

 ……うし、頭切り替えて勝負に集中するぞ!

 尚、ジム戦はチャレンジャーの持ってるバッチの数によってジムリーダーは使うポケモンのレベルを調整するシステムになっている。

 ……今回俺の持ってるバッチはゼロ個、よってハヤトさんは一番弱いポケモン達を使う筈だ。

 

「……では改めて行くぞ!」

 

「はい、お願いします!」

 

 初めてのジムリーダー戦、絶対勝つぞ!

 

 ★☆★☆

 

「……がんばってゴールド」

 

 今からゴールドはハヤトとか言うジムリーダーとバトルする。

 ……アタシにも何か手伝える事無いのかな。

 

 本当はジムリーダーを闇討ちするとかすれば不戦勝になるかも知れない。

 けど、それをやってもゴールドは喜ばない。

 ゴールドの望みはお互い全力で戦って勝つ事だから……今アタシにできる事はない、歯がゆいな。

 

 ………………いや、一個だけあるわ!

 そうよ! 何で気付かなかったのかしら。

 待っててねゴールド、アタシもガンバるからね!

 

 ★☆★☆

 

 ………なんか、すっげぇ今嫌な予感したが気のせいだろうか……って今はバトルに集中しないと。

 

「出番だ、オタチ!」

 

「オターチ!」

 

「ゆけ、ポッポ!」

 

「ポッポー!」

 

 対戦ポケモンはポッポか。

 

「オタチ、『でんこうせっか』!」

 

「オータチ!」

 

 先手必勝、オタチは素速くポッポの懐に入り込み『でんこうせっか』を当てた。

 

「……やるね、ポッポ『すなかけ』!」

 

「ポーッッ!」

 

 ポッポはさっきの仕返しと言わんばかりに翼でフィールドの砂を大量に巻き上げた。

 

「オタ!?」

 

 不味い、オタチの目に砂が入ったみたいだ。

 オタチは痛そうにしながら自分の目をこすってる。

 

「ポッポ、『たいあたり』だ!」

 

「オタチ、『ひっかく』だ!」

 

 だがオタチの攻撃は当たらずポッポの『たいあたり』によってオタチはダウンする。

 目がやられてたら反撃しようがないか。

 

「いいぞポッポ! もう一度『たいあたり』だ!」

 

「オタチ、『まるくなる』で耐えろ!」

 

 オタチは身を縮めてポッポの『たいあたり』を耐える。

 

「いつまで持つかな? 『たいあたり』続行、オタチが戦闘不能になるまで続けろ!」

 

 本当いつまでも持つわけないよな。

 だが目がやられたオタチは『まるくなる』で耐えるしか…………

 

「オターーーッチ!!」

 

 オタチが勝手に立ち上がった!?

 

 あーーッアイツ、泣いてる。

 ……つまり涙で目に入った砂が流て視力が復活したんだ。

 オタチめ、泣いて復活とか格好悪いぞ。

 

「……たく、いくぞオタチ、『でんこうせっか』!」

 

「オタチッッ!!」

 

 オタチの『でんこうせっか』がポッポの『たいあたり』を物ともせずにブチかました!

 ……アイツって泣くと強くなるタイプなんだな、明らかに一回目のときより威力上がってるし。

 

「ポッポ、大丈夫か!?」

 

「……ポッ……ポゥ」

 

「これで最後だ、『ひっかく』!」

 

「オタッッチ!!!」

 

 オタチの気合の入った『ひっかく』はポッポの顔面に思いっきり当たった。

 

「……ポッ、ポゥ………ゥ」

 

 そのままポッポはうつ伏せに倒れて動かなくなった。

 戦闘不能だ!

 

「……お疲れ、ポッポ」

 

「良くやったオタチ!」

 

 それぞれボールにポケモンを戻して労いの言葉を掛けた。

 ……危なかっけど、とりあえず一勝。

 

「中々やるね君。君の名前教えてくれないか?」

 

「ゴールド、俺の名前はゴールドです」

 

「……いい名前だ。ではゴールド君、次は負けないぞ!」

 

「こっちこそ負けません!」

 

 ……まだ一勝、勝負はこれからだ。

 気を引き締めながら俺は次のモンスターボールを取り出した。

 

 ……すっげぇ興奮する、全身がマグマみたいに熱い気がする。

 これがポケモンバトル、これがジム戦、これが真剣勝負。

 メチャクチャ楽しいな、ポケモンバトル!

 


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