そんなわけで後ろにいた二人に向き直る
「そりゃあ山風はね~」
「僕たちも純粋だよ!」
「欲望にな。」
2人して腰を低く落として手をワキワキさせる
・・・欲望に純粋以外の何物でもない
「ほらほらみっちゃん注いであげるよ~?」
「まて。その瓶はなんだ!」
仕方なく、二人に挟まれる形で腰を再度下した。
望月が取り出したのは透明な瓶
ラベルには角ばった文字が見える
中身は透明だがこれはどう見ても・・・・・・
「命の水らしいよ~」
「ヴォッカじゃねぇか!そんなの飲めるわけないだろ!」
ヴォッカということはキリル文字だろう
飲まされないように注意しながら度数をこっそりと探す
自分が酔いにくいのは胃がそこまで大きくないため、一気に摂取できるアルコールの量が少ないからだ。
どんなに高くても30度を超える酒を飲むことなんてまずない(ウィスキーは嫌いだから飲まない)
だからこそ、自分のペースが守られて長時間飲むことができるのだ
それを最低でも60度近い酒を注がれたら最後
数杯飲んだらべろべろになってしまうだろう
酔う分には問題ない
しかし、サイドを固めている2人が問題なのだ
この2人に介抱を任せたらいったいどうなることやら・・・・・・
天地がひっくり返っても無事では済まない
「お前酒飲めないだろ!一緒に飲める物なら飲むから!」
ちょっと意外だが望月は酒は飲めない
「この間深雪からのスケープゴートにしたの覚えてるからね?」
「ぐっ・・・・・!」
痛いところを突かれた
そうやって望月とやり取りをしていると反対の方から引っ張られる感覚に気づく
「司令官!僕は~!」
皐月の方を見るとどうやらこっちは飲んでいるらしく顔が・・・
「赤すぎないか・・・?」
頭をヘッドバンギングしていた
「皐月姉ぇも強いわけじゃないからね。すり替えておいたのさ!」
どこぞのクモ野郎のセリフをドヤ顔で言う。
「司令官!僕も注いであげるよ~!」
すっくと立ちあがり、こちらもドヤ顔で胸を張る
「あっああ・・・。じゃあお願いしようかな?」
幸いにも持っているのは梅酒の瓶だった
しかし、かなり酔いが回っているのだろう
胸を張りすぎてのけぞりすぎたのかふらついていて見ているだけでこっちが疲れる状態だった
「よし!それじゃあ・・・・・・」
「まてまてまてまて!!!なぜ下を脱ごうとする!!!」
梅酒の瓶を一回置き、スカートを脱ごうとホックに手をかけていた
「え~わかめ酒?」
「皐月姉ぇ生えてないっしょ?無理じゃね?」
「ん~じゃあ・・・・・・」
「やめぇい!マジでやめろ!」
見た目がこの中でも一番の年下のはずなのに言っていることは超が付くレベルのド下ネタ
先ほどまでのまったりとした気分は吹っ飛んでしまい、あまり酒を飲んでいないのに頭痛がする
「お願いだからせめて桜を楽しんでくれんかな・・・」
「じゃああたしたちの花見でも・・・」
「まだいうか!」
「んぅ・・・・・・」
荒ぶる二人を何とか落ち着かせ、まともなもの(先ほどの梅酒)を注いでもらった。
何とか普通の話題をと思っていると皐月がよっかさってきた
見ればしっかりとした寝息を立てている
どうやら酒が完全に回ってしまったみたいだ
「あーあー。皐月姉ぇ脱落~。」
望月はしてやったりの顔をしていた
普段負けているだけあって自分が優位に立ったのがうれしかったのだろう
ぽろっと本音が出ていた
「まったく・・・・・・。よっと。」
提督はペットボトルとタオルで簡易の枕を作ってやると皐月を寝かせ、上に自身の上着をかけてやった
「・・・・・・。」
「ん?どうした?」
手際よく処置をし、戻ると望月がむくれた顔をしていた
「負けた。」
「え?」
「こうなったらあたしも・・・・・・!」
そういって先ほど見せびらかしたヴォッカの瓶を開けて飲もうとした
「おいばか!シャレにならんからやめい!」
慌てて奪い取って近くのクーラーボックスに放り込む
「むー・・・。」
「わかったわかった・・・・・・。今度大本営行った帰りにどっかよるか?」
「・・・ラb」
「ピンクのホテルとか言ったらこの話はなしな?」
予防線を張るととチッと軽い舌打ちが聞こえた
「ん~じゃあどっか決めとくよ~。」
すぐには思いつかなかったのだろう
近々大本営に行くとしたら花見が終わり、春の作戦終了後となるだろう
予防線は張ったから大丈夫なはず
・・・はず
うん多分恐らくきっと
とか言っていると皐月が注いでくれた梅酒が飲み終わっているのに気が付いた
「おっと空っぽだね~。」
すかさず望月が注いでくれた
「あんがとさん。」
早速口をつけようとしたとき、違和感に気づいた
不自然な甘い香りがするのだ
「・・・・・・。」
「どうした~?」
ちらりと望月を見ると不思議そうな顔をしている
「・・・・・・盛ったろ?」
しばらくこちらと目を合わせていたが、少しの間をおいて目をそらした
「確保!」
突然提督の後ろから大声がした
憲兵と書かれた腕章を付けた男が二人、望月を取り押さえた
そして、あっという間に連れ去っていった
「危なかったね提督。」
「やりすぎじゃあないか?」
「たまにはいいとおもうよ?別の桜だけど花見は継続できるし。」
「花見って・・・そっちの桜は誰も見たくないと思うがなぁ。」
とりあえず憲兵に連行された望月に合掌し、後ろを振り向いた
一方そのころ
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・なぁにこれぇ?」
「・・・・・・私が聞きたいわよ。」
今日一日鎮守府の提督代理として来た彩雲と叢雲
二人の目の前には提督謹製マニュアルの山
これでもかと面食らってしまうような
というより、二人とも白目をむいていた
「みっちゃんこんなことしてたんだ・・・・・・」
「私も吹雪がこんなことしてたなんて夢にも思わなかったわ・・・・・・。姉さん大丈夫かしら・・・。」
とにもかくにも仕事に取り掛かった2人
終わった後の二人曰く
「「マニュアルは見やすかったし、わかりやすかった。ただ、業務量が多すぎて使いにくい。」」
ドMすらをも白目をむかせる駿河諸島鎮守府のマニュアルとしてひそかに有名になったとかならなかったとか
少々遅れました(´・ω・`)
いかんせんイベントにかかりっきりになってまして・・・
現在E-3の堀にめどをつけて攻略に取り掛かる寸前です
国後と神威はお迎えしたのですがどういうわけだか占守だけ出てこないので攻略中かE-4言って掘ることにします・・・
E-1では無事前回お迎えできなかったヒトミちゃんも迎え、春雨もゲット!
・・・というかここまで甲クリアできているという不思議な状況
ひょっとして甲勲章も夢ではない・・・?(慢心)
それと軽巡の改二は由良さんが濃厚みたいですね
おおよそ当たっていたはものの・・・まぁその・・・育ってないです・・・