これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

52 / 134
駿河諸島鎮守府とオリョクル

360度見渡す限り海のオーシャンビュー

 

 

 

 

決して遭難したわけではない

 

 

 

ここは東部オリョール海の中心地点

海底資源採掘プラントと休憩所が併設された海上拠点の一つだ。

 

以前、この海域は海底油田があることが少し前に分かった。

しかし、プラントがないため潜水艦以外の艦で来ると採取が大変なうえ、少量の量しか持って帰れない。

潜水艦の子たちで来れば、出撃分の燃料を黒字にすることができるがいかんせん負担がものすごい。

 

そこで呉第二鎮守府と大本営、うちと共同で開発を行うことになった。

年明けには開業していたのだがいかんせんちょっと立て込んでいて今日までこれなかった。

「耳本提督でちね?」

二式大艇からおり、桟橋を歩いていると前からスクール水着を着た艦娘が声をかけてきた。

「大本営直属東部オリョール海警備隊の伊58でち。ゴーヤって呼んでもいいよ!」

ある程度制海権を確保しているとはいえ敵が此処を襲わないとも限らない

 

プラントを守るために大本営が警備隊を常駐させる旨を言っていたことを思い出す。

「よろしくゴーヤ。」

「私は川内だよ!よろしくね!」

今更だが川内が同行している。

管轄としては資源部の監督となるためである。

 

「ってお前いつものあいさつどうした?」

「いつものって?」

「一緒に夜戦しよ!って毎回いうのに」

「いやー・・・。ゴーヤは潜水艦じゃん?」

「え?・・・ああ。」

「あの・・・もういいでちか?」

ゴーヤが困った顔をしていたので慌てて向き直った

「ああすまない。案内を頼んでもいいかい?」

「もちろんでち!さぁこっちでち!」

ゴーヤの後についていき案内を受ける

 

 

 

「ここが最後の場所でち」

石油の採掘状況や海域の監視レーダー、緊急時のドックに仮眠室などなど

そして最後の場所というのがここ食堂である。

開放的な広い場所には清潔感のある白いテーブル

外の景色は一面のオーシャンビュー

・・・・と言っても艦娘にとっては珍しくもなんともないのだが窓がないよりかはあったほうがいいと思い、こういった設計にした。

 

現在時刻はヒトサンマルマル

昼時を過ぎたせいか人は少ないがまだまだお昼を食べている人はいる。

ここにいる艦娘の大半は潜水艦の子たちだ。

やはり低コストでこの海域を回れるのが大きいのだろう。

さらに、ここでは石油が受け取れる。

ちなみに通ってきたルートにより、受け取れる量や物が違う。

だが、なによりも大きいのが石油は高確率で黒字にできるというのが大きいのだろう。

ところどころ顔に疲れが浮かんでいる子がちらほらいる。

「ついでだからお昼にするか?」

「賛成!」

「じゃあゴーヤはこれで」

「あり?一緒に食べないの?」

「え?いいんでちか?」

目を輝かせていた。

「もちろん。出してあげるから好きなものを頼みなさいな。」

「やったでち!」

 

 

 

各々好きなものを注文し、食べているとちらちらとこちらを見る潜水艦の子たちがいる。

何やらひそひそと話しているのだが何か失礼なことをしたのだろうか

「提督?どうしたでちか?」

「さっきから辺りを見回しているけど・・・?」

川内とゴーヤに不思議がられ我に戻る

「ああいやなんでもないよ。」

「そう?」

「ところで気になったんだけどゴーヤは何でいそいそと戻ろうとしたんだい?」

間宮アイスを食べて幸せそうにしているゴーヤに尋ねると、ちょっと寂しそうな顔をして答えた。

「実はまだ警備隊の増援が来ていないから二人交代制なのでち。そのおかげで案内が終わったらすぐに持ち場に戻らなきゃいけなかったのでち。」

「なるほどねー・・・。」

「ってことはいつも食べるのは一人だったわけか。」

メモ帳を取り出して、早急な警備隊の増援と書き込む

「今日は提督や川内と食事ができて楽しかったでち!」

満足そうに笑っていた。

「そっか。じゃあ大本営に早急に増援を頼んでおくよ。」

「本当でちか!」

「ああ。他に何か要望とかあるかい?」

ゴーヤは考え込んだが特に思いつかなかったらしく首を振った

「今のところないでちね。仮眠室や入浴施設もあるし、娯楽関連を入れたらここから出たくなくなる奴が出てきそうでちね。」

「それはあり得そうだね。」

「了解だ。貴重な意見ありがとさん!」

「あっ!後これを渡すようにこっちに来るとき大本営から渡されたでち。」

案内しているときに持っていたファイルから封筒を取り出す。

封筒には封がしてあり、機密書類と書かれていた。

 

「・・・うぇい?!」

開けてみると転属打診書と書かれており、ゴーヤの名前が記載されていた。

備考に本人と話し合い、ゴーヤに意見を尊重する旨が描かれていた。

「どうしたの?提督?」

川内が不思議そうな顔をしており、ゴーヤもまた同じような表情だった。

「あー・・・。なんと言えばいいんだろ?これ?」

説明をするとゴーヤはうれしそうな顔をして

「ぜひお願いしたいでち!」

といった。

しかし、ゴーヤはここが勤務地であるため、所属だけうちになるといった形である。

と言っても定期報告を受けるため週に1回は鎮守府に来るとちょっと変則的な勤務形態となる。

「とするともう一室用意しておかないと。」

「え?大本営からの転属艦ってゴーヤじゃないの?」

川内が首をかしげ聞いてきた。

「ああ。事前にもらった情報だと川内と同じ軽巡とのことだ。それにゴーヤの普段の勤務地はここだからうちで書類仕事というわけにもいかんからね。それよりも部屋をもう一個準備しないと・・・。」

「改めてよろしくでち!耳本提督!」

「ああ。よろしくなゴーヤ。」 ガタン

改めてあいさつを交わすと、あちこちで立ちあがる音がした

見回すと潜水艦娘に囲まれていることに気付いた

「え?なにこれ?!」

「え?!」

ざわざわと取り囲んでいる潜水艦娘の中から一人ピンク色の髪の毛をした子が進み出る。

「失礼ですが・・・駿河諸島鎮守府の耳本中佐でしょうか?」

「あっああ。そうですけど・・・。」

身の危険を感じながらおどおどとして答えた

答えた瞬間とみな一様に跪きこう叫んだ

 

 

 

 

 

「メシアが降臨なされた!!!!」

 

「はっ!?」

「ありがたやありがたや・・・」

ある者はこちらを向いて手をすり合わせながら拝んだり、またある者はケチャの真似事みたいなことしたり、はたまたある者は涙を流しながら跪いたりなど

もはやよくわからない異様な空間になっていた。

 

「え?どういうこと?!」

「提督は知らないだろうけどこの施設ができてから潜水艦の間では提督の印象が最高なんでちよ?」

 

聞くところによると燃料やボーキサイト、鉄などを稼ぐためここ以外のほかの海域も含め、潜水艦は引っ張りだこ。

しかし、艦娘とはいえ何度も出撃するうえ海底に潜って資源採取はつらいものがある。

しかも、食事は任務中のため海上でレーションを急いで詰め込むこととなる。

それが毎日休みの日以外続くのである。

 

それらがこの施設ができたおかげですべて改善された。

海底に潜って敵を警戒しながら資源採取をしなくてよく、お腹がすけばここで温かくおいしい食事ができる。

時間によっては仮眠室で仮眠も可能

 

この施設(天国)の建設を行った呉第二鎮守府の明石と駿河諸島鎮守府の耳本中佐は潜水艦娘にとってはまさしく神様仏様と同じくらいの存在となったという。

 

「サインください!」

「はっちゃんにもお願いします!」

「わかった!わかったから!したげるから!」

もみくっちゃにされながらなんとか鎮めようとするがどうにも止まらない。

「あーあー・・・。なんか大本営行った時とおんなじことになっているね・・・。」

「大本営でもでちか?」

「まぁね。しばらくしてから助けてあげますか。」

「・・・そうでちね。」

今割って入ると自分の身が危ない

そう考えた二人はもう少し落ち着くまで席に座って待つことにした。




そんなわけでゴーヤが加入です。
うちの最初の潜水艦ですね
冬イベのE-3輸送では運の高さからラストシューターに抜擢
今やレベル98という2位タイ(19が同率)
今は弾薬の節約でサブの子がメイン張ってますw

最近・・・というか数日前にツイッターを(今更)始めましたが・・・
早速よくわからないw
あわあわしながらやっていますw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。