これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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駿河諸島鎮守府の始まり

「加古ー。いるかー?」

「加古さん・・・どこ?」

現在俺がいるところは果樹園兼菜園予定地

山風を連れて加古を探している。

以前来たときは草ぼうぼうで歩けなかったが、今は草刈りをしてちゃんと歩けるようになっている。

「かーこーさーんーやーい!」

「かーこーさーん・・・。はぁ・・・。」

昼寝をしに行くと総務部の扉にかかっていたので現在捜索真っ最中。

妖精さんは分担してあちこちを見て回っている。

「カコサンミツケタデス!」

ある一本の木から妖精さんが下りてきた。

どうやらこの上で昼寝をしているようだ。

「悪いけーが起こしてくれんか?」

「ワカッタデス!」

するすると木の上に登っていったと思うとしばらくして

「うわわわわ!?」 ドサッ

 

加古が降ってきました。

 

 

 

 

 

「妖精さんもっと優しく起こしてあげてよ・・・。」

「イッコウニオキナカッタノデツイ・・・。」

「まぁしょんない。今日はお菓子持ってないから間宮さんで食べといで。設計図の報酬も含めてるから。次の打ち合わせは一週間後でお願いね。」

「カタジケナイノデス!」

「いって・・・。妖精さんの野郎・・・。」

妖精さんはあっという間に引き上げてしまった。

「すまんな。あそこまで乱暴に起こすとは思わんで。」

「だいじょうぶ・・・?」

「大丈夫大丈夫。心配ご無用ってね!」

山風の頭をわしゃわしゃと撫でて立ち上がる。

「で?提督何かあったの?」

「ああ。ここを今度農園兼果樹園にするんだけどさ、何かいい肥料とかしらない?」

「・・・あたしが持ってる知識じゃわからないよ。」

加古は医師免許と調剤士の資格持ちだ。

こんな離島で俺やほかの提督が病気やけがをした際にはどうするとなったとき、いなかったら困るので人員増強もかねて配属された。

「駄目かぁ・・・。」

「石灰くらいだったら今度の調達の時に注文しといたげるけどそれじゃダメ?」

「それでいいかな?多分・・・。」

ぶっちゃけ妖精さんがほとんどやるんだけど

肥料の調達なんてどうしたらいいかわからないしせめて理系の人に聞けばわかるかと思い聞きに来た。

「了解。ところでこの木って切っちゃう?」

加古がさっきまで昼寝をしていた木

図面を開いて確認すると畑にギリギリ入りそうだ。

「気に入ったのか?」

「うん。この島の中で一番大きいしねぇ。ちょうどいい感じなんだけど・・・。」

「じゃあ残すか。せっかく生えている木をあんまり切りすぎるのもどうかと思うし。妖精さんに発注しとくわ。」

「ありがと。じゃあ寝るわ~。」

またよじ登って行ってしまった。

 

 

 

 

「提督・・・なにするの?」

「ああ。これから何の木が生えているかの確認と、用地の大まかな線引きかな。」

あっという間に登って行ってしまった加古を横目に作業を始める。

生えている木を確認していくと様々なものがある

レモン、ビワ、イチジク、ミカン、スモモ、ポンカン・・・ect

実がなっていれば即判別がつくし、なってなくても葉っぱがついていれば何とかなる。

ない場合はさらにその枯葉を探す。

そして植物図鑑と照らし合わせていく。

山風はとちらりと見たが、図鑑の中を必死に探し、照らし合わせている。

ペースはだいぶ遅そうだが仕方ないだろう。

ゆっくりだができているようだし心配はなさそうだ。

頭の中でどんな感じに作っていくかを考えながら探索に戻る。

 

 

「つかれた・・・。」

「お疲れさん。」

加古が上で昼寝をしている木の下で一休み。

水筒から暖かいほうじ茶を入れて出してあげる。

「ありがと。」

山風はそれを受け取ると飲み始めた。

提督も自身のを注ぎそっと飲む。

木の上からは規則正しい寝息が聞こえてくる。

「平和だなぁ・・・。」

「うん・・・。」

ここにテラスとか作るのもいいかもしれない。

と言ってもここはあまり外から来た人は来れないのだが・・・。

「提督・・・聞きたいこと・・・あるんだけど。」

「ん?何だい?」

「こっち。」

 

 

 

 

 

 

 

 

案内され、たどり着いたのは鎮守府からはそこそこ離れたところにある小さい建物。

港があるが小さく、久しく使われていないことがよくわかる。

「おお!まだ残ってたんだ。」

「この建物って何?」

「これは旧鎮守府だよ。」

山風は頭の上に?マークを浮かべた。

「あたしたちがいるところは?」

「あそこは3代目の鎮守府。2代目は一部が内装として残っているよ。」

元は警備府か監視府として小規模の拠点の予定だったため、こじんまりとした建物だった。

資源が産出することが発覚したのはここにきて少ししてからだった。

しかし、産出したのは島の中心部付近

隅っこにある此処からは遠い場所だった。

人員が増えたことと不便さなどの理由からここの放棄が決まり、新しく今の場所に鎮守府が移動した。

 

 

 

 

「なつかしいな。最初は吹雪ちゃんと2人でここからスタートしたんだよ。」

鍵は閉まっておらず、あっさりとあいた。

中が埃っぽくないところを見ると、妖精さんが掃除をしているようだ。

入ってすぐの部屋がそこそこの広さだったので執務室にしていた。

奥に続く扉が一つあり、その先には小さい個人部屋が4部屋とトイレ、風呂がある。

 

 

現在執務室には備え付けの机が一つ残るのみで、壁には取り外せない黒板と小さい釘が4つ刺さった謎の板があるのみだった。

「吹雪お姉ちゃんと?」

「そう。最初は資源の生産関連に予算使わざる得なかったからね。スタートはここなんだ。」

「これはなに?」

山風が指をさしたのは黒板の横にある謎の板だった。

釘のうち真ん中二つは少しさびていて、あとの二つはくすんだ色をしている。

「ああそれは・・・・。まだあるかな。」

備え付けの机へと向かい引き出しを開ける。

中には木札が4つ入っていた。

その4つを持ち、かけていく。

「簡易出勤簿。仕事を始めたら裏返すの。」

川内、耳本、吹雪、龍"驤"

赤字の札を裏返すと黒字に代わる。

「へぇ~・・・。」

「てっきり取り壊されたもんだと思ってたからなぁ。忙しいこともあったから見に来なかったんだけど・・・。そっかまだ残ってたんだ。」

最初の一年目はものすごく濃密だった。

安定していないこともあり、吹雪と二人で残業の日々だった。

2年目に入ると川内が来て、少し負担は減った。

秋ごろには龍驤が来て、運営は安定したが少し手狭になってきた。

3年目に入る手前に加古が着任することがわかったため、せっかくだから場所も移して建てることになった。

 

そしてここは鎮守府としての役割を終えた。

 

「あの・・・。あたし・・・ここ使ってもいい?」

いずれ新しく農園関連の部署を作る。

山風にはそこの所属とする。

設計図で新しい管理棟を出していたが、もし使ってもらえるなら・・・。

「そんなに広くないけどいいのかい?」

「うん。あたし・・・ここがいい。」

「・・・うれしいこといってくれるじゃないの。よっしゃ!じゃあ農園の部署ができたら山風ここがお前の城だ。」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

フタマルマルマル

執務室に戻るとかたずけを始めている吹雪がいた。

「吹雪ちゃん。これ覚えてる?」

先ほど見つけた名札を見せる。

「うわぁ!これ最初の鎮守府で使ってたやつですね!」

「ああ。まだ残ってたんだよ。」

「司令官報告書やで~・・・。おや?ずいぶん懐かしいものやな!」

「提督!夜戦しよ!」

続々とちょうどよく当時のメンバーが集まってきた。

龍驤だけはまだ建物が残っていることに気が付いていたが、状態を確かめたことはなかったとのこと。

「これを見ると司令官がうちの字を書くのに苦労してたの思い出すわぁ。」

「そうそう!驤の文字が書けなくて不機嫌になって、かけたと思ったら今度はつぶれてさ!」

「結局龍驤さんが書いたんでしたね。」

「・・・・すまんって。」

 

 

 

その日執務室では懐かしい話で盛り上がったとのこと。




広島旅行の際、江田島に古鷹記念公園ってのがあると聞き
古鷹好きなら行くしかない!
何か記念碑とかあるかもしれない!
そう思って術科学校見学後にいきましたが・・・・。
マジの登山
しかも天気は雨
地図に道は表示されてるも明らかに道がない!


それでも何とか本当の山道までたどり着きましたが結局収穫無しで撤収しました・・・。
江田島八幡の古鷹神社(古鷹の艦内神社)にお参りして撤収しました。

古鷹さんや私何か怒らせることしたっけ・・・?

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