これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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駿河諸島鎮守府の非常業務 その1

秋祭り後は怒涛の忙しさが襲ってきた

北方ではサンマ漁の支援で南方方面からの北方方面に向かう船団の一時補給や立ちよりを裁いた。

それと同時に小規模作戦が大本営で立案された。

この間新たに設置した沖ノ鳥島監視府からさらに監視府を南へと移動し、沖ノ鳥島を警備府へ昇格しようという案だ。

幸か不幸か輸送のみのため全鎮守府が参加するわけではない

そのためほかの鎮守府はいつも通りか少し少なめだ。

問題は沖ノ鳥島への物資輸送の船団がいつぞやのようにひっきりなしに来るのだ。

こんな時に限って港の建設の着工書類を許可してしまい、鎮守府は大忙し・・・いやいつも通りの様相を呈していた。

 

「あー!眠い!」

「大丈夫ですか?司令官。」

生活サイクルが完全に普通の人と同じになってしまったため徹夜が体に堪えるようになったのだ。

仕方なくレッドブルとモンスターの二缶を一気飲みし、再び書類へと向かう。

時刻はマルサンマルマル

吹雪もあくびを噛み殺しながらレッドブルを飲む

「こりゃ朝の散歩は無理かもなぁ」

「ですね・・・。気分転換に今行きます?」

「そうだな。そこそこの寒さだろうし目が覚めるかもな。」

 

 

外は肌寒く風が少し出ていた

鎮守府を出て港回りを歩く

コンクリートで固められた地面を規則正しく建てられた街灯が照らしている。

こんな真夜中に人が歩いているわけもなく、聞こえてくるのは風と波の音だけだ。

「人によっちゃちっと不気味かもな」

「川内さん呼んできたら喜びますかね?」

「・・・どうだろ?」

後生ですからあの夜戦は勘弁してください

最初の書類夜戦の後川内が言った一言だ。

歩みを進め砂浜へとたどり着く。

風があるせいか波も少し強めだ。

砂浜は流木が多く流れ着いており歩きにくかった。

そんなおり不思議なものを目にした

「なんだあれ?」

「どうしました?」

見つけたのは足跡だった。

波が出ているため足跡は長くは残らない。

ということは少し前までここに誰かいたことを示す。

現状問題はなさげに見える。

だが足跡の向きが問題なのだ。

「かかとが海を向いていますね?」

「ああ。ふつう俺たちみたいに見に来た連中の足跡が海に向くのはつま先。だから誰かが上陸したということだが・・・」

「なんでまた砂浜に・・・。」

あたりを見回したが街灯はないため暗い。

茂みに潜んでいるかの確認をしたかったが吹雪に止められた。

「しかたない。」

スマホを取り出しアプリを起動する。

柏崎が作ってくれた艦載機と直接連絡を取るアプリだ。

艦娘ほどではないが、簡単な指示も出せる優れものだ。

龍驤が発艦させている夜間偵察機の報告を見たが敵影見えずの報告しかなかった。

「しょんないで戻るか。明日の朝ちょっと早めにみんなに集まってもらおう。」

「そうしましょう。連絡は入れておきますので司令官は先に休んでください。」

「頼んだ。」

浜辺に背を向け鎮守府へと一直線に戻る

 

自室を開けて布団に潜り込もうとしてやめた

今寝るとおそらく起きれない

時刻はマルヨンニーゴー

最近のサイクルから一度寝たら4時間は起きないだろう

「よっと!」

押し入れから予備の布団を出し、両手に抱え隣の執務室へと運ぶ

これなら遅刻はないだろうと安心をし寝ようと再度潜り込もうとしたとき、思い出した。

「望月にまたパンツとられると困るから鍵を閉めないと!」

自室の前へと戻りしまった扉に鍵をかける。

「これで良しっと・・・早く寝ないと・・・」

 

 

これが昨日の話

なんだか体が重いことに気付き目を開けると右に時雨が左に深雪、そして上には加古が乗っていた。

そしてドアップに移っていたのはしっかりと目を開けている望月の顔だった

「・・・・何してる?」

「目覚めのキスをでもとおもって~」

「せいっ!」

体勢を変え掌底を望月にプレゼントする

「いった!ちぃ!」

体勢を変えた際に時計を見るとちょうど始めようと思った時間だった。

みんな部屋に集まっているがそれぞれソファーやいすなど思い思いのところで舟をこいでいる。

「早く起きろー!特に加古!早く!」

 

 

「そんなわけだ。」

「ほっほーん・・・。昨日の夜間偵察隊の写真上がっとるけど確かにだれか映っとるわ。」

龍驤が写真の入った封筒を渡してきた。

一応夜間も偵察機とレーダーで見張っているが夜間時には敵か味方かぐらいしかわからない。

一見よさげに見えるが敵の艦種がわからないため情報不足になりがちだ。

偵察機を飛ばして肉眼での確認が必要となる。

「これは・・・小さいな。」

「そうだね。これなら吹雪や時雨より小さいかな?」

夜に慣れている川内に写真を回すと推定の身長を出してくれた

この鎮守府で一番小さい時雨よりもう少し低くした艦娘

データーベース上で検索にかけると雪風が表示されたが、各鎮守府の渡航歴を見ても誰もこのあたりの海域には近づいていない。

念のため敵艦のデータにも載っておらずほとほと困ってしまった。

「とにかく大本営に報告書と連絡だな。足跡だけだと報告書で済んだんだが・・・。」

解散し、時刻はマルハチゴーマル

特急でシャワーを浴びれば間に合う

吹雪に自室に戻ると告げ部屋の風呂へと飛び込む

 

「はぁ・・・早く作戦終わらんかな・・・。おーい。」

さっとシャンプーと体を流し、風呂から出ると布団がこんもりと盛り上がっている

「望月ー・・・。鍵をしなかった俺が悪いけどさぁ・・・。」

「ばれちゃったか~・・・ん?みっちゃん?」

後ろからカメラを持った望月が出てきた

「え?おま・・・そっち・・・え?」

「え?誰か布団にいるの?」

とりあえずいろいろと突っ込みたいことがあるがとにもかくにも最大の問題である不自然に盛り上がった布団を処理することにした。

「望月・・・」

「あいよ。」

望月が近づき布団をまくりに近づく

盛り上がっている塊は不自然に震えている

「それっ!」

まくるとそこには




ようやく秋イベまで到達・・・
秋イベ編はどれぐらいになるかちょっと想定してないので何とも言えませんw

登場人物をまとめました!
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