これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

22 / 134
金剛さんのクリスマスボイスが想像通り過ぎて爆笑していた作者です。
榛名の第二夜の書き直しを検討中だったり・・・。(見切り発車でやったことを後悔中)
しかも今回も若干湿っぽい・・・。ぐぬぬ・・・。


駿河諸島鎮守府の秋祭り 第三夜

「失礼します。」

午後の間食休憩ののち吹雪が戻ってこないなぁと思っていたら入ってきた人物を見て察した。

黒地に白い線が入り、紅白の椿があしらわれた浴衣を着た女性

「このまま祭りに行こうというわけか古鷹?」

「はい!どうですか?」

「月並みだが似合っているよ。それにしても椿ね・・・。」

「ありがとうございます。さぁ行きましょうか?」

「え?まだ勤務時間・・・」

「その書類に判を押したら今日の分は終わりだってことは知っていますよ?明日の分に手を付けないでくださいね?」

ばれたか

そっと次の仕事を取り出そうとしたのをもとの位置に戻し、かたづけを始めた。

 

 

 

「んで?どっか行きたいところはあるん?」

今日は神輿が出てないらしく初日と人の量は同じくらいだ。

「神楽でも見ますか?神社のほうでやっているみたいですよ?」

「神楽か~。そういえばこれもちゃんとした巫女さん呼んでいるらしいし・・・。」

大本営は娯楽に関しての財布のひもが緩い気が・・・

今更か。あいつらみたいなのがトップじゃ

 

「おおう!こりゃぁ・・・」

「どうしましょうか・・・」

書類には今日の客室は満室だという報告があったが、それにしては歩いている人が少ないと思った。

原因はこの神楽だということだった。

神社へと昇る階段には黒山?の人だかり・・・(ちょっとカラフルだけど)

かすかに聞こえる笛や太鼓の音しか聞こえない。

「あきらめて屋台でも回ります?」

「いや。ちっとこっち来てくれんか?」

「はい?」

こんなこともあろうかとなんてどこぞの宇宙戦艦の技師長みたいなことだがあるものを作っていた。

 

祭りの列を離れ初日に密談をした休憩所を過ぎさらに奥に行くと鳥居が見えてきた。

実は参道は2つあり、神社の裏表に作ったのだ。

ここは裏側で、しかも祭りの列からはそこそこ離れている。

だが俺は正直ここはできれば使いたくはなかった。

「あの・・・。私は平気ですが提督は大丈夫なんですかここ?」

「だっ大丈夫(たぶん)」

皆さんはここで俺が暗いところが怖いだとかお化けが怖いと思っているだろうがそういうわけではない。

「あの・・・」

「どっどうした?古鷹。」

「私が先に行きましょうか?」

「・・・・・・・・お願いします。」

目いっぱい悩み、いろいろなものを天秤にかけた結果、男として情けないが背に腹は代えられない。

 

 

 

「大丈夫ですか?提督?」

「大丈夫だよ・・・。今のとこ奴らは見てないから。」

「慌てないで大丈夫ですから。」

苦笑しながらこちらを向いている姿はうちに着任したときを思い出す。

 

 

 

「失礼します!古鷹!入ります!」

 

駿河諸島鎮守府への異動を命ずる

異動先を提督から告げられた時はびっくりした。

「すまんな。」

口ひげを蓄え恰幅のいい男が本当にすまなそうな顔をした。

「そんな!どうして!」

「正直に言わせてもらうと古鷹、君の居場所はここではない。」

葉巻を取り出し、火をつけた。

「それは私が弱いからですか?」

古鷹は火力こそ周りに比べるとあったが回避力や防御力が絶望的に低かった。

加えてここは最前線

通常哨戒や海域の奪還作戦の上に敵からの迎撃と戦闘任務が9割を占めるこことは真逆の存在だった。

そこに回避力や防御力が劣る艦娘が生き残ることは想像に難くないだろう。

「君は確かに周りとの協調性等については問題ない、むしろここにいてほしいと思っている。」

「それなら!」

「だからこそだ。」

煙を吐き出し背もたれに体を預ける。

「君はもっと強くなれる。だがそれはここではない。」

立ち上げると頭を撫でた

「異動先には加古もいる。何よりあそこの提督にはびっくりするぞ?期待していってくれ。」

「・・・・・わかりました。」

 

「・・・・あれ?」

返事がない。

もう一度ノックをしたがやはり返事はない。

ただどったんばったんとひっきりなしに物音と叫び声が聞こえる。

「失礼しまーす?」

そっと扉を開けると執務机にはだれもおらず隣の少し小さな机にも誰もいない。

「?」

「君!」

呼ばれたほうを向くと背は高めだがそれ以外は普通の提督の格好をした男が駆逐艦と抱き合って隅っこへと寄っていた。

「助けてくれ!奴がでたんだ!!」

「こっち来ちゃだめです!」

見れば隅っこによっている二人の前には黒光りするGがいた。

 

 

 

「ひえ!」

「大丈夫ですよ。ほら蜘蛛はよけましたから。」

「毎回すまん・・・。どうにも虫だけは好きになれなくてな・・・。」

「いいえ。・・・あっ!」

「やっと着いたか・・・。」

ちょうど横からの視点だが神楽が見える位置に出れた。

幸運にも本殿が近いからか人があまりいないようだ。

「きれいですねぇ。」

「そうだな~。」

幻想的な舞を見ていると時間を忘れてしまいそうだ。

「あれ?月並みでも言ってくれないんですか?」

「・・・それは好きな人に言ってもらいなさい。」

「ふーん。あっ蝉」

「!!!!!」

慌てて古鷹にしがみつく

「冗談ですよ。」

「・・・心臓に悪いんだけど?」

「お仕置きです。」

「・・・・・。」

あなたのおっしゃっていた通りの提督さんでした。感謝します。

 

 

 

 

 

 

その後・・・・・

「おいいいいいいい!だれだああああああああああああああ!こんなことした奴は!!!!」

「司令官何とかしてくださいいいいいいい!」

「むりだぁあああああああああ!古鷹ぁああああああ!」

執務室の前に時折虫かごが置かれるようになったらしい(虫満載)




古鷹さんは大天使だけどちょっとS気があると嬉しかったり(作者の趣味)

次はスペシャルのセリフがある子です!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。