これははたして鎮守府か?   作:バリカツオ

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駿河諸島鎮守府への転属艦 その2

「ちょっと待て」

執務室のちょっと手前にある自室で立ち止まる。

何か嫌な予感がするのだ。

自室を開けると、いつもと変わらぬ殺風景な部屋。

特に物は置いてない上、ここで過ごすことが少ないため増えることも少ない。

一瞬気のせいかと思ったが、思い過すには看過できないことが一つだけあった。

ベットの盛り上がり。

これは予想が当たったな。

正直当たってほしくなかったがこうなっては仕方ない。ため息をつきベットに近寄ると、布団をめくった。

「何してんだ望月。」

「んあ?なんだー?みっちゃん?」

「さも俺がお前の部屋に来たようにふるまうな!俺の布団で何してた!」

深雪も厄介だが望月のほうが厄介その理由は

「オ○ニー」

変態ということだ。

 

 

 

「なんだよぉ。ちょっと冗談言っただけじゃんか。」

「洒落になんねぇわ!つか女の子がそういうこと言うんじゃありません!」

「もお・・・。ちょっと匂い嗅ぎにベットに潜っただけなのにさぁ」

「それも問題だよ!」

執務室で望月を正座させ叱る。

なんだろう胃が痛い気がする。

最近胃にダイレクトアタックしてくる問題ばっかりで、胃に穴が開いているんじゃないかと錯覚するくらいだ。

「それでさ!司令官のあの真っ赤な慌てようったら」

「ちょっと待て。深雪お前今何の話を吹雪ちゃんと時雨に話してる?」

執務室のソファーでは深雪と吹雪、時雨が談笑に花を咲かせていたが、気になる会話が偶然耳に飛び込み会話に割り込む。

「ん?もっちーが司令官の部屋でまっぱで待ち伏せしてた話」

「やめろおおおおおお!」

深雪が厄介というのは、新米時代の恥ずかしい話をたくさん知っているためこのようにぺらぺらと話されるのは困るのである。(誰だって自分の恥ずかしい話はされたくはないだろ?)

「司令官またやろうかぁ?」

「二度とやるな!」

 

 

 

「ああ・・・・。空はあんなに青いのに・・・・・。」

「現実逃避しないでください司令官。」

仕事でも飲んだことのない胃薬を初めて飲んだ。

望月が来たことで私物管理をしっかりしないと・・・・。(どうでもいい私物を何度もあいつに持ち去られたからな。)

今は時雨と一緒に補給部へと向かってもらった。

「ところで司令官はその・・・。」

給湯室から戻ってきた吹雪が少し赤い顔をしてもじもじとしていた。

ものすごい嫌な予感がする。なんだろう。

「こういう方が好みなんですか?」

女の子が持つには似合わない、俗にいうエロ本(OP集)を持っていた。

「もちづきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

 

 

「お!ついに炸裂したなぁ。」

「なにかしたのかい?」

「吹雪にな、本土で買ってきたエロ本渡してみっちゃんの部屋にあったって言っといた。」

「前の時はおしり特集のおいてたな。あん時は同期におしり星人なんてからかわれてたな。」

深雪が苦笑いしながら思い出す。

「その時の赤面写真あるよぉ。」

「そいつは初耳だな。」

「そうだろみy・・・みっちゃん?」

錆びついたドアノブを回すように望月が振り返った。

「よう。もっちー?」

望月と深雪の襟をつかんだ。

「時雨。あとで連れてくから先に行っといて。」

返事を聞かずに、近くの応接室に入った。

 

 

 

「まったくお前は・・・・・。」

「ゆるしてよぉ・・・。」

「というかなんであたしまで?!」

正座をさせ、写真を破り捨てる。

「・・・で?何かあったのか?」

「・・・・・・大本営の新規人事。」

深雪がぽつりと話し始めた。

「新しくひとり幹部会にある中将が加入するんだぁ。」

「まさか!」

「須下少将改め須下中将。」

大本営での会議であそこまでメンツをつぶされた奴が日も浅いうちの昇進は妙だ。

深雪と望月の顔からは先程まであった表情は消え、強張っていた。

「しばらくは大本営の動きに注意したほうがいいと思ってあたしたちは来たんだ。」

「大将も目は光らせるとは言っていたけどねぇ~・・・。」

「そうか。二人ともありがとう。いい部下に教艦、友人に恵まれたものだ。」

「「鈍感もあいかわらずだなぁ」」

「?」

「で?あたしたちも聞きたいんだけど」

深雪と望月の顔が強張った顔から一転、急に笑顔に変わった。

「大本営で見たみっちゃんの」

経験則上これは逃げなければやばい。

そう警鐘を鳴らしドアに視線をやるとドアノブがない。

ない?

目の前の二人の手にあった。

「「勤務実態表はどういうことかなぁ?」」

 

 

 

こっぴどく叱られ久々の新米時代に戻った気分になりながら。

執務室へと戻った。

吹雪はいないところを見ると、どうやらすれ違ってしまったようだ。

椅子に腰を掛けると狙ったかのようなタイミングで電話が鳴った。

『はい。駿河諸島鎮守府です。』

『わしじゃ。今日はすまんかったな。』

『いえ・・・。もう大将とあの二人に振り回されるのは慣れました。』

『そうか。砂安中将から回ってきた情報だから信頼できる。』

砂安中将

大本営の幹部会の一人で桐月大将(今の電話の相手)とは肝胆相照らす仲といってもおかしくないくらい親密だ。

それと同時に・・・

『情報はいいんだがあいつの雷の魅力を語るの何とかやめてほしんだがなぁ。文月ちゃんのほうがよっぽど天使なのになぜわからん。』

これである。

初めて砂安中将にあったときは、執務室で

「文月ちゃんこそ天使である!異論は認めん!!」

「雷は私の母になってくれる女性だ!母とはすなわち天使!!よって雷は天使である!!!」

一度退出をし部屋の名前を確認したくらいだ。

 

『あーはいそうですね(棒)』

今度ブーメランでも送りつけてやろうか。

『ところで君も吹雪とお風呂に入ったり、時雨と添い寝していたそうじゃないか?』

『そうd・・・・は?』

『おや?違ったかの?』

『え?いやなんで知って?え?え?』

『青葉新聞の三面に書いてあったぞ?今度大本営駆逐嫁の会に招待しようか?』

『いや結構です!というか急にやることできたんですけど!!』

『ああ待て。最後に一つ。』

『なんですか?!早くしてください!』

『あの一式はどうするつもりじゃ?』

『・・・・・』

『もちろん君のような奴なら人数分取りそろえる。』

『私は私の主義がありますゆえ。』

『そうか。まあいつでも待っておるわい。おっとそろそろ文月が起きだすころあいじゃ。じゃあの。』

受話器を置き背もたれに体を預ける。

視線は机の引き出しに目をやるが開けるつもりはない。

 

 

 

体を起こし再度受話器を取って時雨に電話を掛ける。

「時雨か?今すぐ直近で来た青葉の鎮守府を教えてくれ。とんでもない情報が漏れた!!」

当面は情報のもみ消しを図ることになりそうだ。




先日の作者とある友人の会話

「最近艦これ始めたって?」
「そうそう!いやーもっと早く始めればよかったよ!」
「そうかそうか!ところで誰が好きだ?どうせ一人じゃないんだろう?」
「一人だけは無理だよね~」
「じゃあ戦艦は?」
「榛名かな?金剛もいいけどやっぱり最初に来てくれたし。」
「王道だな。空母は?」
「龍驤かグラーフだな!」
「すげー極端www重巡は?」
「古鷹、加古、プリンツ、最上」
「ちょっと多くね?まぁわかるけどさ。軽巡!」
「川内さん!でも阿武隈とか北上さんも捨てがたくなってきた。球磨、多摩もあざといんだけどやっぱりかわいいんだよね・・・。」
「最後は駆逐!」
「まず吹雪型は・・・」
「えっ?」
「えっ?」

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