間違えて消してしまったので再投稿です。
…もちろん書き直しです。
今回は閑話的なお話です。なので文章量もあんまりありません。
次はできるだけ早く投稿するからご容赦を!
追記
コメントにてペルソナの日中での召喚について教えていただき、ありがとうございました。
11/13
少し手直し&後書き修復
大型シャドウ『女教皇』との戦闘から凡そ二週間が経過した。
あの後病院に担ぎ込まれたのだが、なんと本格的な入院は不要ということが判明しその日は検査入院だけ必要ということで翌日検査した後、二、三日の通院を告げられ即刻退院となった。
学校にも事故の後遺症が無いかを見るための定期検査が長引いたからと公欠扱いで処理され、個人的には丸く収まったと思っている。
え?お説教はどうしたって?
ははあ、やだな。マサカ泣クマデ怒ラレタ、ナンテコトナイヨ?
…うん、怒られました。
理事長から厳重注意を受けたというのもあるけど、桐条さんから滅茶苦茶怒られたことの方が身に染みた。
曰く、生身で電車を止めるなどという無茶をするとは何事か!ただでさえお前は不安定な状態なのを理解しているのか!私を心労で殺す気か!と…。
全くもってその通りで、言い返す言葉がなかったよね。
そしてそのまま頭下げてる間に色々と制約を決められてしまった訳です。ざっくり言えば謹慎処分を受けたという話。
ただでさえサポートしかしていなかったにもかかわらず、一人だけ大怪我を負ってしまってテンションが低いのに更に活躍の場が無くなったとなればやる気も出ない。まぁ、文句なんて言えた身分ではないのだが。
名目上、身体が鈍ってはいけないということから影時間内の寮周辺の『パトロール担当』ということになっているけれど戦闘は禁止。シャドウと遭遇したらすぐに連絡をいれること、影時間が終わるまでに寮に戻ること。
そして三週間の間はそれを守ること、というのが処分の内容である。
勿論周りに負担を強いるなんて!と反対したのだけれど皆の満場一致で可決されてしまった。
当然最後まで抵抗はしたのだが、明彦くんから
「俺が復帰するから安心しろ」
と言われてしまっては引き下がるしかなかったのだ。
汚名返上の機会を得ようとした下心があったとはいえ…解せぬ。
なのでここ最近は凝った料理の練習や、図書室で長谷川さんと駄弁る日々が続いている。
正直、少し退屈である。
初めは記憶を取り戻すのにちょうどいい調査期間だ、と開き直って考えていたのだがそもそも何から手をつけるか取っ掛かりが無かったので早々に諦めることにした。
まぁ、諦めて図書室で駄弁っていたら、前世か過去かで読んだことのある本を見つけたのは皮肉の効いた話だが。それは置いておこう。
ところで、何故このように色々と説明するように考え事をしているかというと、それはもう天井より低く、水溜まりより浅い理由があるのだ。
「おい、聞こえてねぇのか?」
真夜中…どころか影時間のただ中にあからさまな不良に絡まれているからである。
最悪なことに突然沸いたシャドウを仕留めている所を目撃されてしまったので、何とかこの場を乗り切らねばならない。
色々考えが巡るが一先ずコンタクトをとるべきだ。
「ヤ、ヤッハロー」
「あ゛?」
空気が死んだ。
ファーストコンタクトは最悪だが、それどころではない。いや、そもそも今は影時間なのに何故動いているのだろうか?
もしやペルソナ使い!?いや、巻き込まれただけの一般人かもしれない。なら救助?でも落ち着いてるように見えるしなぁ。
――この時、救助という発想が出なければきっと一目散に逃走を選択し、無事に逃げ仰せることが出来ただろう。
しかし皮肉にもこの時に正しい判断をしたせいであとで自分の首を絞めることになったのである。
とにかく、何とか穏便な方向に話を持っていくか、もしくは目の前に居るニット帽のヤンキーを宥め透かしてから逃走するしかない。
幸いにしてザ・ニンジャを出しているので姿はバレていないだろうから身バレする事はないだろう。
気を取り直して行動に移る。優先すべきは彼の身の安全の確保と状況の説明である。
「怒らないで聞いて欲しい。えっと…君もペルソナ使いなのか?」
「チッ」
体感温度が二度くらい下がった気がする。
もうすぐ夏だというのに不思議だ。決して目の前のヤンキーが物凄く不機嫌そうにしてるからなんてことはない。それにビビってるなんてない。
それにしても疑問や否定が無いってことは、少なくともペルソナについての知識はあると思われる。
「こんな時間にこんなところを彷徨いてると危ないよ?不審者とか」
「…お前、鏡見てから物言えよ」
すごく残念な物を見るような目でため息混じりにそう言われた。
これは確実に変なやつだと思われてるのだろう。ザ・ニンジャの格好はあからさまに不審者と言った様相であるが…失礼じゃなかろうか。
自分だって変な格好してるくせに。
「自分だって夏場なのに物凄く暑そうな格好じゃないか…」
「んだと、こら」
ヤバい、口から漏れた。間違いなく、こちらが歩み寄ろうとしてるのに何だこいつ?とか思っていたせいである。
こうなったら話し合いは難しいかもしれない。ならば撤退を選択するべきだろう。
今退けば妙な奴に会った程度の認識で終われるはずだ。影時間に慣れているようだし放っておいても大丈夫だろう。
そうと決まれば自分の情報が漏れない内に逃げるとしよう。申し訳ないがシャドウよりも目の前の人間の方が脅威である。
「お前、アキの…真田明彦の仲間か?」
「えっ、うん」
自分のバカさ加減に頭を抱えそうになる。
何を脊髄反射的に返事をしてるんだ!ほぼ特定されたようなもんじゃないか!
うごごごご…。
「えらく素直な奴だな。まぁいい、その覆面取れ。話しづらい」
「話しづらいなら別に話さなくてもいいよ?そろそろ帰ろうと思ってたところだし」
「あ゛ぁ!?」
あ、これはダメなパターンですね。間違いない。
兎に角今は寮に帰りたいからと言葉を告げるが、どうにと言葉が足りなすぎたらしい。
とはいえここで掌を返すのも心象最悪に違いない。となれば本心を話すことで相手の理解を得るしかない。
「明彦くんの友達とはいえ俺にとっては完全な初対面だから。正直怖いから逃げたい」
「素直に本心述べたからって許される訳じゃないからな?」
戦線離脱!
青筋って本当に出るもんなんですね、なんて悠長なことを考える余裕もなくその場から跳び上がる。
経験値も資金も何も要らない!ただ逃走あるのみ!
――その日、俺はビルをかけ登り空を飛んだ。
あぁ、最近本当に忍者染みた動きが出来るようになったな…。なんて考えながら今日の出来事について忘れるように努めていた。
当然、知り合いだとバレているのだから後で必ず会う事になると気づいたのは寮のロビーで息を整えている時だったりする。
「鹿島先輩、大丈夫ですかね」
タルタロスの探索を行いながら、鹿島先輩の話題を振ってみた。
周囲にシャドウの気配は無いし、『桐条先輩激怒事件』(別名『鹿島先輩正座反省会その1』)から日も経ち話題に触れるのもいいタイミングだと思ったが故である。
「流石に無茶をしすぎたな。あんなに怒った美鶴を見たのは久しぶりだ」
真田先輩はいつも通りのようだ。
まぁ、この人は事件当日も正座して項垂れていた鹿島先輩を見て笑っていたからある意味予想通りの反応だ。
というか
「ここのところ無茶し通しだったからちょうどいいんじゃねえかな。先輩、寮の仕事も色々してっから」
「確かに。朝御飯から掃除から、殆ど家政婦さんだもんね」
ゆかりちゃんと順平の反応も概ね予想通りだ。
特に順平は先輩達が自身の暴走に気を揉んでいたと知ってか、現状に特に賛成している節がある。
あと、何となくゆかりちゃんの言葉にトゲがあるように感じるが今は触れるべきではないと思う。私の気のせいかもしれないし。
でも確かに二人の言う通り、鹿島先輩は働きすぎなところがあったのでちょうどいい機会かもしれない。朝食作って夕食作ってタルタロス探索して休日は寮の掃除に買いだし…うん、休んでください先輩。
まぁ、謹慎中だからと夕食だけに飽きたらず夜食も作り始めたので『家政婦』としては磨きがかかっているというのはあまり笑えない話なのだが。
…先輩、お願いですから善意100%の笑顔で夜食を勧めないでください。乙女にそれは酷ですから。
『周囲にシャドウの気配は無いが、あまり気を抜くんじゃないぞ』
「了解です」
そして恐れていた桐条先輩の反応だが、これは予想外な事に、話に触れることはないが、その声色からは怒りの感情は感じられなかった。
あれだけ怒った上に鹿島先輩も大人しくしているし、と今は整理がついたということなのかもしれない。
「そういえば、鹿島先輩ってあまり自分の趣味の話とかしないですよね。なんというか私生活が不透明というか」
「あ、それわかる。先輩のイメージってシャドウと戦ってるところと家事してるところしかないんだよな」
これなら安心だろうと続けて鹿島先輩の話題を振る。
あれだけ献身的な人なのだし、もしかすると何か過去にあったのかもしれない。
それだけではなく、普段お世話になっているのだから気になってしまうのは仕方ないだろう。
「一概にどうかは知らんが記憶喪失になるとそういう風にもなるだろう。趣味らしい趣味も思い出せないようだからな。とはいえ最近は本を読んでる姿を見ることが多いな」
「「えっ?」」
今、聞き捨てならない単語が飛び出した気がする。
「どうした?」
「鹿島先輩、記憶喪失なんですか?」
私と順平がキョトンとしているのを不思議そうに見ている目が四つ。
この感じだとゆかりちゃんも知っていたようだ。
「あいつは、本当に自分の事に対しておざなりというか…」
『私達の学年では常識のような話だからな。岳羽が知っていることもあって説明するのを忘れていた』
先輩方から呆れたような声があがるが、どう反応するべきか…。
「ということは知らなかったのは俺とハムっちだけだったわけか…。なんかショック」
「ハムっち言うな」
一先ず順平の発言にツッコミを入れておく。
やめろよ、人の名前で望まないあだ名つけていじるの。
『すまなかったな。こちらの説明不足だった』
「いえ、大丈夫ですよ。少し驚きましたけど…それだけですから」
本当なら鹿島先輩が話すことだと思うし、桐条先輩が謝るのはお門違いだろう。
にしても、『記憶喪失』…なんというか実感がない。
確かにあまり自分の無い人だとは感じていたがそんな理由があったとは。
「まぁ、そういうわけだ。あいつが無茶しようとしてたら少し警戒しておいてくれ」
「了解です」
献身的過ぎるのも考えものだということだろう。特に桐条先輩の心労を考えると先輩の行動が裏目に出ることもあるだろうから。
それならばと了承の意を伝えて話題をそこで切り上げることにする。
「でも、警戒してても鹿島先輩って突拍子もなく無茶しそうじゃないですか?」
…切り上げるつもりだった。
一気にしん…とした空気に皆呼吸困難気味になる。
おそらくゆかりちゃんもつい言ってしまったのだろうが、タイミング最悪である。
順平もボソッと「空気詠み人知らず…」とか言っているが止めろ、笑うからやめろ。
『…まぁ、今は謹慎中だ。あいつだって無茶はしないだろう』
絞り出したかのような桐条先輩の発言を聞いて、今度こそ話題を切り上げて探索に戻る事にする。
影時間が長いとはいえ、あまり時間も掛けられないので仕方ない。そういうことにしておこう。
実はその頃鹿島先輩は不良に絡まれていたのだが、このときの私達が知るよしはない。
まぁ、近々バレる事になるのだがそれはまた別の話。
待て、次回!
そういえば、最近になってようやくペルソナ5をプレイし始めました。
現在オクムラパレス中盤なのですが、一二三嬢と世紀末覇者先輩で揺れております。
彼女は複数作るべきか否か。うごごごご…。
「私を心労で殺す気か!」
実際プレイしていて桐条先輩のストレスって凄かっただろうと思います。
それもすべては大好きな父の為…健気っすなぁ。
「凝った料理の練習」
煮物とか飾り切りとか保存食とか。
ところでゲームの中に出てくる『ミステリーフード改』って、謎を改造した食べ物何ですよね…説明一切なし。
「前世か過去かで読んだことのある~」
この時代なら何があるだろう…。
取り合えず作者はセブン=フォートレスのリプレイとか読んでましたね。分かる人いるのかな?
「ヤッハロー」
由比ヶ浜は可愛い。小町も可愛い。アホの子可愛い、ヤッター。(俺ガイル)
「オハロー」とどっちを採用するか迷った結果こちらにした。とかいうどうでもいい裏話。(FF8)
「空気が死んだ。」
最近では割りとよく見る台詞だけど…初出はよく分からない。所謂「オタク」って言葉が出来てから聞くようになった気がする。
サスペンスや推理を扱った小説ではもっと難しい描写してるしね。
「鏡見てから物言えよ」
ほんそれ。
「経験値も資金も何も要らない!」
ピラミッドに出てくるアヌビスに殺意を抱いておりました。でも水銀欲しいからソロで狩りにいく。
「忍者染みた動き」
その内、影に潜り込んで天井から逆さにぶら下がってシャドウを爆発四散させるようになる…かもしれない。
「鹿島先輩正座反省会その1」
近々反省会その2、その3がある模様。
「善意100%の笑顔で夜食を勧めないで」
お握り、鍋ラーメン、ポテチ…うーむ、夜食というのは悪魔の食べ物に違いない。
「記憶喪失」
どのタイミングでフラグ回収しようか悩み中。もういっそのこと理事長の最大の見せ場まで置いておこうかなぁ。
「ハムっち」
リアルにやったら白い目で済まないニックネームだよね。とか思いながらもきっとこの主人公なら許してくれると確信してる。
順平からの女友達への呼び方って名前呼びなの風花だけなんですよねー。まぁ、千鳥もそうですからゆかりが特別なのかも知れないけど。やはり彼女はマドンナ。
「空気詠み人知らず」
もうこうなったら諦めるしかないですね。両手を挙げてお手上げざむらーい。
「待て、次回」
サイボーグクロちゃんのアニメの引き。本当は誰かに台詞として言わせたかったけど技量不足の為断念。
アニメしか知らないのでいつか漫画も読みたい。
お気に入りのシーンはミー君がクロちゃんに剣の収納場所を教えるところ。「もっと奥!盲腸の辺り!」