イナズマイレブン!北のサッカープレイヤー   作:リンク切り

3 / 14
22人の代表候補! #02

 

 

 

 

 

耀姫(ようき)くん。その帽子とマスクは・・・・?」

 

「ん?ああ、これか。」

 

俺は、頭の上に被さっている帽子を触る。

俺がなぜこんな不審者のような格好をしているのかというと、まあそんなに大した理由は無かった。

 

「お前の言う、円堂って奴に最初から顔を見せるなんて癪だろ?」

 

「あはは・・・・耀姫(ようき)くんって、天邪鬼(あまのじゃく)っていうか、ひねくれてるよね。」

 

「うるさいな。」

 

俺は、2での豪炎寺みたいにフード取って「豪炎寺!!」ってなる感じがかっこいいからやってみたいんだよ。

まあ、俺のことは吹雪しか知らないだろうから外しても誰?ってなるだろうけどな。

 

「お前も、しばらくの間は聞かれても俺の事は知らないって言ってくれ。あるいは、『わからないけど、何か強そうなオーラだ!』とかでもいいぞ。」

 

「うん、知らないフリするよ。」

 

笑顔で即答する吹雪。

ノッてくれてもいいだろ、少しくらい。

まあいいや。

 

「見て、耀姫(ようき)くん。あれが、雷門中だよ。」

 

「おお!」

 

タクシーの中から窓越しに吹雪が指したのは、雷門中!

あのイナズママークのシンボル、アニメの中の通りだ!

俺達は、代金を払ってタクシーから降りる。

ちなみに、ここまで来る交通費は響さん持ちだという事なので、領収書を貰うことも忘れない。

 

「へー、ここがキャプテン達の学校なんだ・・・・」

 

「あれ?吹雪は雷門中に来た事なかったのか?」

 

「ううん、確か1回だけあるよ。でも、こうやって周りを見るどころじゃなかったから。」

 

「ふーん・・・・」

 

生返事の俺に、吹雪はあんまり興味無いんだね、と苦笑しながら俺に続いて雷門中の校門をくぐった。

俺は雷門中に来るのは初めてだが、アニメやらゲームやらで場所の把握はバッチリだ。

 

「あ、吹雪君!と、えーっと・・・・」

 

清川(きよかわ) 耀姫(ようき)。響さんから伝わってないか?」

 

「あ、はい!聞いてます!」

 

雷門中に到着してまず初めに声をかけてきたのは、雷門イレブンマネージャーが1人、音無春奈だった。

俺たちに一言よこした後、音無は何やら手帳とにらめっこを始めた。

 

音無春奈。

一番最初の、帝国戦の後からマネージャーとして加入してくる1年生だ。

鬼道の妹で、施設に入っていたところを別々に引き取られた。

新聞部なだけあって情報を仕入れるのが得意。

 

と、覚えてる大まかな情報はこのくらいか。

 

「んじゃあ、一緒に行動してると知り合いってバレるからまた後でな、吹雪。」

 

「うん。ボクはその遊びが早く飽きるように願ってることにするよ。」

 

うっせ。

 

で、どこに行くかな。

このグラウンド内にいれば、多分どこにいてもいいはずだ。

でも、あまり目立つ行動はしないようにしよう。

まあ、格好で浮いてる気がしなくもないが。

俺は、軽く周りを見渡す。

不動に、緑川、綱海、ウルビダ、立向居とかももういるな。

おっとおっと!?

あそこにいる、眼帯つけた奴は・・・・・佐久間だーーーー!!

いやー、実は俺、佐久間さんのこと結構好きなんだよね。

好きなキャラで、一番はアフロディで決まってるんだけど、そこに次ぐくらい佐久間が大好きなんだ。

出会えて良かったー!!!!

どどどどどど、どうしよう!?

流石に、「よっ、佐久間!」なんて言ったら気安過ぎるかな!?

俺は一方的に知ってるけど、佐久間の方は俺のことなんて全く知らないだろうし。

いやいや、まず佐久間って呼び捨てにしていいのか?

っていうか、先輩なのか後輩なのか同学年なのかさえもわからん。

俺としては、佐久間先輩!って呼ぶのも、先輩って呼ぶのも、タメ口で話すのでもどれも嬉しいんだけどな!!!

 

「ちょっといいか。」

 

「え・・・ッ!?」

 

俺に話しかけてきたのは、なんと鬼道有人だった。

あれ、鬼道さん、さっきまで佐久間くんの隣にいませんでしたっけ・・・・?

 

「さっきから俺たちを見ているみたいだが、何か用があるのか?」

 

いつの間にか、鬼道と共に佐久間もこっちへと歩いて来ていた。

心臓の動悸が早まる。

やべえ、見つめすぎてたのか!?

 

「え、ああ、いや・・・・・帝国の鬼道有人さんと佐久間次郎さんって、有名なので、ついついまじまじと見てしまって・・・・・」

 

俺は、咄嗟に考えた嘘をペラペラと並べた。

すると鬼道と佐久間は一瞬見つめ合いフッと笑った。

元の世界では二人よりも完全に年上なはずが、ついつい敬語になってしまう。

だって鬼道さん、オーラが絶対中学生じゃないんだって!!!!

どこかの会社の社長とかの出す空気でしょ、これ絶対。

次は敬語をとって話そう、うん。

 

「そうだったのか。だが、俺はもう雷門の一員だ。」

 

「そ、そうだよな、ごめん・・・・・」

 

怒ったかな、と思って様子を伺うも、鬼道に別にそんな様子はなかった。

というか、目につけているゴーグルのせいで表情ほとんどわからんなこれ。

 

「いや、わかってくれればそれでいい。それにしても随分と面白い格好をしているな。名前を聞いてもいいか?」

 

面白い格好してるのはお前らの方だ、と思いながらも俺は自己紹介を始めた。

 

「始めまして、だな、多分。俺は清川 耀姫(ようき)だ。」

 

「ほう。聞いたことがあるぞ。確か、白恋中で昔吹雪とツートップを組んでいたフォワード、だったはずだ。」

 

「そうなのか?あの吹雪とか・・・・・」

 

佐久間が、あごに手を当てて少し思案する。

すげえな、鬼道さん。

俺みたいなマイナー選手を知ってるとは・・・・

 

「確か、俺たちが吹雪ヘ会いに白恋中へ行ってた時には、海外へ出張する親の都合で数ヶ月海外にいたとか・・・」

 

ああ、宇宙編の時の事か・・・・

あの時は、宇宙人が日本に侵略して来たとかで、母さんが滅茶苦茶焦ってた時だな。

学校を壊しまくってるって聞いて、俺は安全な海外へと強制連行されたんだっけ。

過保護すぎるとも思ったのだが、母さんの目がマジだったから何も言えなかったんだよね。

怒ると絶対宇宙人よりも怖いから。

ちなみに、怒る時でも嘘をついた時が一番怖い。

 

「ここに呼ばれたのは見た所、かなりの強者揃いだ。清川も、その一人なのか?」

 

「ああ、俺も響さんに呼ばれた。あと、耀姫(ようき)で良いぞ。」

 

ひゃーーー!!!!

佐久間と初めて喋れた!!!!

俺、ちゃんと喋れてるかな?棒読みとかになってないか!?

 

「わかった、耀姫(ようき)。よろしくな。俺は佐久間次郎だ。」

 

そう言って、佐久間は手を差し出した。

うおー!!

佐久間と握手!!

出された佐久間の手をガシッと握って固い握手を交わす。

 

「知っているだろうが、俺は鬼道有人だ。俺も、耀姫(ようき)と呼んで良いか?」

 

「ん、勿論だ。」

 

佐久間と同じく、手を出す鬼道さんにも握手をする。

 

耀姫(ようき)は、今も変わらずフォワードなのか?」

 

「ああ。多分どんなポジションにでも入れるけど、一番得意なのはフォワードかな。」

 

一応ディフェンスもオフェンスもできるから、多分ミッドフィールダーが一番向いてるんじゃないかと思うんだがどうなんだろう。

 

「それは凄いな。リベロ、って感じか?」

 

「まあ、簡単に言えば。でも、キーパーもできるから正確に言えばちょっと違うかな。」

 

「ほう、キーパーもか。」

 

「そうそう。強くなった吹雪のシュートも止められるぜ!」

 

「そ、それは相当だな・・・・」

 

元々、吹雪のエターナルブリザードの特訓に付き合っていた俺が、的があったほうが何かとやりやすいんじゃないかと思い、キーパーの真似事を始めたのが始まりだった。

吹雪のシュートを受けているうちに、俺はエターナルブリザードくらいなら易々と止められるほどになっていた。

今になって思うと、元の世界では運動能力なんて無かったわけだから多分あの神様が何かしたのだろう。

ちなみに、帰って来た吹雪のウルフレジェンドも本気で必殺技とか出しまくればギリギリ止められる。

キーパーに転向しても悪くないとも思うんだが、どうせならかっこよくシュートを打ってみたい。

 

「そう言えば、こんなに強力なメンバーが揃ってるのに一ノ瀬や土門がいないな。」

 

「そうだな、俺も不思議に思っていたが・・・・・耀姫(ようき)は何か知っているか?」

 

「さあ。まあどっか行ってるんじゃないのか?俺は知らないな。」

 

「そうか・・・・」

 

鬼道が再び考え始めた時、俺たちに声がかかった。

それはとても聞き覚えのあるもので、俺はそちらを見ずとも誰かがわかる。

 

「鬼道!それに佐久間じゃないか!」

 

「ああ、円堂か。」

 

「見る限り、かなりの強者が揃ってるみたいだな。」

 

「そうなんだよ!・・・・あれ、そっちの奴は?」

 

「ああ、清川(きよかわ) 耀姫(ようき)というらしい。」

 

「へぇー!よろしくな、耀姫(ようき)!」

 

こちらが眩しくなるような、そんな笑顔を向けて来たのは、我らが主人公「円堂守」だった。

うん、やっとイナズマイレブンらしくなって来たな。

 

「ああ、よろしくな。円堂守君?」

 

「あれ、俺、名前言ったっけ?」

 

「知らないわけないだろ?日本一のチームのキャプテンを。大活躍だったって聞いてるぜ。」

 

「あはは、ありがとう!」

 

そんな平和な会話をしていると、突然後ろの方からサッカーボールが飛んできた。

そのボールは、間違いなく鬼道の方へと迫っていた。

 

「なッ!?」

 

そのボールを、鬼道はギリギリのタイミングで弾き返した。

さすが鬼道だな、ほぼ死角からのボールを一瞬で気付いて蹴り返すなんて・・・・

アニメとかでは安易にすげーって思ってただけだったのだが、サッカーをやっている身になればその凄さも実感できる。

 

「不動!?」

 

佐久間が叫んだ通り、サッカーボールを蹴っていたのは不動だった。

不動は、鬼道から帰ってきたボールをニヤニヤしながら易々と足で受け止める。

 

「不動!どうしてお前がここにいるんだ!?」

 

「ククク、そうカッカするなよ、鬼道クン?勿論、俺も呼ばれたからに決まってるだろ?」

 

「何だと・・・・!?」

 

挑発的に鬼道に答える不動。

相変わらず横髪禿げてんなあ。

って言うかお前、真・帝国学園だった頃のあの刺青どうしたんだよ。

落とせるボディペインティングだったのか?

 

「・・・・よくものうのうと俺たちの前に顔を出せたものだな。」

 

「落ち着け、鬼道!コイツはお前の反応を見て楽しんでるだけだ。」

 

「フン、お前も俺と同じだったろ。また仲良しゴッコ始めちゃってさ?」

 

「黙れ!」

 

落ち着かせようとしていた佐久間も、不動の言葉で取り乱す。

うわー、不動地雷の埋めてある場所しか歩けないのかよ。

でも俺、割と不動好きなんだよね。

この不敵な態度とか、実はトリッキーなだけで普通にサッカー上手いとことか。

 

「二人とも、相手をしない方がいい。行こうぜ・・・・」

 

円堂と一緒に来ていた風丸が、身を乗り出していた佐久間と鬼道の肩をつかむ。

やっぱり二人とも、影山の事をまだ吹っ切れてないんだな。

 

「オイオイ、逃げるのかよ?」

 

「くっ・・・・!」

 

最後まで嫌味をいう不動に鬼道は反応するが、風丸の言う通りに無視することにしたようだ。

まあ、佐久間もどっか行くなら俺もついて行くか。

不動と一緒に残るってのも何か気まずいし。

 

「あ!えっと、みんなに紹介するよ。虎丸!」

 

「は、はいっ!」

 

暗い空気を振り払うかのように円堂が虎丸を紹介し始める。

呼ばれた虎丸は、緊張しながらも円堂の近くに寄る。

 

「宇都宮虎丸。コイツもサッカーやってて、響監督に呼ばれたんだってさ。」

 

虎丸は、俺も今まで知らなかった選手だな。

さっき虎丸を見た時に、ストーリー進行がわからない程度に記憶が蘇った。

えっと・・・・小学生だが圧倒的に運動神経が良い。

ポジションはフォワードで、強力なシュート技も持っている。

くらいが俺が思い出した事だ。

 

「は、はい!俺、宇都宮虎丸です!!虎丸と呼んでください!」

 

「ああ、よろしくな、宇都宮!」

 

「あ、はい、えっと、まあどっちでもいいですけど・・・・」

 

俺が言うと、虎丸は微妙な顔をして答える。

早速虎丸逆に虎丸って呼ばない感じ。

こんな事してるから、吹雪も俺の事を天邪鬼って宣うんだろうな。

そういえば今どうしてるんだろうと思い出して吹雪の方を見ると、俺の方を見つめて苦笑していた。

言いたいことあるなら言っていいんだぞ。

 

「冗談冗談。よろしくな、虎丸。」

 

「はいっ!」

 

元気だな、虎丸。

 

「ポジションはどこッスか?」

 

「キーパー以外ならどこでも大丈夫です!!こんな凄い皆さんとサッカーできるなら、どこでも!!」

 

という事は俺と同じく、リベロっぽい事も出来そうだな。

まあでも、風丸もダークエンペラーズに入ってフォワードやってたしな。

風丸もそんな感じか。

 

「あ、あの、円堂さん。オレ達、サッカー部室まで行ってみてもいいですか?」

 

「え?何でだ?」

 

「円堂さんたちが、どんな所でサッカーやってるのか見てみたいんです!」

 

「良いけど、響監督が来たら戻って来いよ?」

 

「はい!」

 

「おっ!俺も付いてくぜ、立向居。実は俺もいっぺん見て見たかったんだよなー!」

 

立向居に続き、綱海までもがサッカー部の部室に走って行った。

っていうか、サッカー部室俺も行きたいんだが。

そう思った奴らもまだいたようで、俺や吹雪達も立向居の後に続いた。

 

やっぱり、ゲームなんかで見ていた部室とそっくりだな。

本物を見るのとアニメで見るのとは全く別だが。

っていうか、思ってたよりもボロッボロだ。

 

「はーあ、漫遊寺中じゃ修行ばっかでさ。やっと休めるようになったんだよねー。うししし。」

 

「木暮くん。休めるからって、悪戯しちゃダメよ。」

 

「ちぇっ。まだ何にもやってないっての。」

 

「はは、木暮と音無は相変わらずだな・・・・」

 

やかましコンビは、世界編でもまだまだ続くらしい。

お目付け役だもんな。

 

「お前もサッカー部室見るの初めてだけ?吹雪。」

 

「あ、キャプテン。そうだよ、前回は見る暇もなかったからね。」

 

それを聞いた風丸が顔を伏せた。

あーあ、地雷踏んじゃった。

自分の失言に気づいた吹雪は、慌てて話題を変える。

 

「そういえば、昨日久しぶりにアツヤが夢に出てきたんだ。」

 

「へえ、そうなんだ。」

 

「物凄く驚くことが待ってるって言ってたけど・・・・もしかして、響さんがボク達を集めた事に、なにか関係があるのかな?」

 

そういえば、俺が買ったイナイレの最新作、アツヤが生きてる世界の話だったよな。

パラレルワールドみたいな感じだっけ。

やりたかったなあ・・・・

こっちの世界での俺の記憶では、アツヤは死んだ事になっている。

 

「そうだよな、集められて理由は、まだ誰も知らないみたいなんだ。あ、音無は何か聞いてないのか?」

 

まだ木暮と言い合いをしていた音無に話題が振られた。

音無は、フフっと笑って答える。

 

「まだ内緒ですよ。響監督が来るまでちゃんと待っててください。」

 

「知ってるのに教えないんてケチだな。」

 

「木暮くん、何か言った?」

 

「うげ、何でもないよーだ。」

 

お前ら、相変わらず仲良いよな。

喧嘩するほどなんとやらって言うしな。

俺が話を聞きながら部室を眺めていると、綱海が話しかけて来た。

 

「よっ!お前、知らねえ奴だな。俺は綱海!」

 

耀姫(ようき)だ。よろしく。」

 

「おう、よろしくな!お前もサッカー出来るんだろ?」

 

「ん、まあな。また今度見せてやるよ、俺の実力ってヤツをな。」

 

「へえ、言うじゃねえか。気に入ったぜ!」

 

がしっと首に腕を回されて肩を組む綱海。

何だよ、コミュ力半端ないな。ノリ良すぎじゃね?

 

「実はうちの監督が俺に呼ばれてること伝え忘れててよ。もう船が出ちまってたから、泳いで海渡るハメになっちまったんだよ!ったく、しょうがねえよなー。ハハハ!」

 

「笑い事じゃないだろ、凄いな綱海。」

 

「おうよ!俺に乗れねえ波はねえ!!」

 

頭でグリグリされていたところで、木野から集合がかかった。

よかった、解放された・・・・

 

「皆ー!そろそろ、集まって!」

 

「ん?木野の声だ。行くぞ、皆!」

 

「「はい!」」「「おう!」」

 

円堂の掛け声で、俺達はまたグラウンドへ戻った。

しかし集合したものの、まだ響さんは来ていなかった。

まだかよ。

 

「今、監督の準備が整ったみたいだから、ここで待ってて。」

 

「一体なんの準備ッスか?」

 

「もうすぐだから、まだ教えられないわ。」

 

まだ伸ばすのかよ。

見た感じ、マネージャーは集められた理由を全員知ってるみたいだな。

その時、雷門中の校舎の扉が開いた。

中から出てきたのは勿論・・・・

 

「あっ、響監督!」

 

アニメかのような登場の仕方をしたのは、響木正剛。

雷門イレブンを日本一に導いた監督だ。

元はイナズマイレブンのメンバーで、キーパーだったらしい。

 

「響監督!これ、一体どういう事なんですか?」

 

円堂が響さんに詰め寄る。

が、それを無視して話し始める響さん。

 

「よし、全員揃っているようだな。」

 

これから何が始まるのか、やっと聞けるのか。

随分と長いこと待たされたな。

待ちかねたぜ。

 

「これより、お前達を世界と戦う日本代表候補の強化選手に任命する!!」

 

「「「ええぇえ〜〜〜!?!?」」」

 

「に、日本代表って!?一体、何の!?」

 

「今年から、フットボールフロンティアの世界大会が開催されることになった。」

 

サッカー以外に無いだろ、とおもいつつも響さんの話に耳を傾ける。

なんとなく予想してたけど、やっぱりそうか!

こんな仲間と一緒に、世界と戦うことが出来るんだな!

まあ、代表に選ばれなかったらそれまでだが・・・・

 

「フットボールフロンティアインターナショナル。通称FFIと言って、少年サッカーの世界1を決める大会だ。」

 

フットボールフロンティア、インターナショナル・・・・

FFIか。なるほど、楽しそうな事が始まるな。

 

「全世界から1カ国一チーム、15歳以下の子供たちが参加できる。お前達は、日本の代表候補なのだ。」

 

「日本代表・・・・」

 

「俺たちが・・・・!?」

 

「やった!!皆、次はついに世界だぞ!!」

 

「ついに俺達、ここまで来たんだな・・・・」

 

騒ぎ出す選手を前に、響さんは話を続ける。

 

「飽くまでもこの22人は候補だ。世界に行けるのは、11人に控えの選手5人を含めた16人だけだ。」

 

「つまり、6人は落とされる、って事か・・・・」

 

「このメンバー、全員がライバルだな。腕が鳴るぜ!」

 

全員で行けないってことは、お別れもあるって事か。

皆好きだからなんか悲しいなあ。

俺としては、一番佐久間と一緒に行きたいなあ。

 

「まず初めに、11人ずつ二チームに分けます。その後、その2チームで試合をしてもらいます。」

 

「つまり、紅白戦ってワケか。」

 

「面白そうじゃないか!」

 

うん、めっちゃ面白そうだ。

楽しみだな!!

 

「この試合で、それぞれの能力を見極める。持てる力を存分に発揮してくれ。」

 

「「「はいっ!」」」

 

「それでは、チームメンバーを発表します。」

 

よし、いよいよだ。

誰と同じチームになるんだろう。

 

集まったメンバーは、

ゴールキーパーが円堂と立向居の2人。

 

ディフェンダーが壁山、風丸、木暮、綱海、クララ、栗松、飛鷹、塔子の8人。

 

ミッドフィールダーが鬼道、不動、ウルビダ、緑川、ネッパーの5人。

 

フォワードが豪炎寺、吹雪、佐久間、ヒロト、虎丸、マックスの5人。

 

そこに俺を入れての合計22人だった。

 

 

「Aチーム。

飛鷹征矢(とびたかせいや)壁山塀吾郎(かべやまへいごろう)綱海条介(つなみじょうすけ)財前塔子(ざいぜんとうこ)松野空介(まつのくうすけ)緑川リュウジ(みどりかわりゅうじ)熱波夏彦(ねつはなつひこ)基山ヒロト(きやまひろと)吹雪士郎(ふぶきしろう)佐久間次郎(さくまじろう)円堂守(えんどうまもる)。」

 

「Bチーム。

風丸一郎太(かぜまるいちろうた)木暮夕弥(こぐれゆうや)倉掛クララ(くらかけくらら)栗松鉄平(くりまつてっぺい)鬼道有人(きどうゆうと)不動明王(ふどうあきお)八神玲名(やがみれいな)豪炎寺修也(ごうえんじしゅうや)宇都宮虎丸(うつのみやとらまる)清川耀姫(きよかわ ようき)立向居勇気(たちむかいゆうき)。」

 

わー、佐久間とも吹雪ともチーム分かれちゃったか。

それにしてもこっち側のチーム、何かと厄介事多いな。

 

「二つのチームのキャプテンは、円堂、鬼道。お前達だ。」

 

「「はい!」」

 

「試合は二日後だ。それと、今回は個人の実力を測るため、連携必殺技は禁止とする。いいな?」

 

「「はいっ!!」」

 

連携技が禁止か・・・・

俺はどうせ吹雪とは別チームだから出すことも出来ないし関係ないか。

 

「紅白戦までの間、お前達には宿舎で生活してもらう。」

 

「宿舎?」

 

「あそこだ。」

 

響さんが指したのは、雷門中の正門から見て右側にある、1年生の校舎だった。

 

「え?1年生の校舎?」

 

「あそこをまるごと宿舎に改造してある。」

 

「すげー!」

 

「ここが日本代表の合宿所だ。日本代表に選ばれた者は、地区予選が終わるまではここで生活してもらうことになる。」

 

大胆というか、なんというか。

じゃあ一年生はどこで授業受けるんだよ・・・・

 

「部屋割りはもうちゃんとできているので、後でちゃんと確認してくださいね。」

 

「練習は各チームに任せる。2日後、楽しみにしている。」

 

それだけ言うと、響さんはどこかへ行ってしまった。

 

「それと、はい。皆の新しいユニフォームよ。」

 

「うおー!待ってたぜ!」

 

「着替えてきたら、早速練習だ!」

 

日本代表のユニフォームか・・・・

よし、気合い入ってきた!!

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。