ゲームとは所詮“運ゲー”でしょう   作:人類種の天敵

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3人組の場合

 

ジャック・バフォメット・銀二

 

 

「さっさっさー行くぞオラァー」

 

「おーいぇあー」

 

「はぁ……」

 

俺とバフォの奴と銀二の3人は地下二階を先に見ることになったァ。

にしてもunknownボスかァ、ハッ、楽しそうじゃねえか。

つって、ンだ?モブが俺らをずっと見てやがる。

 

「待て。……そうか、この階に降りると今着てる装備じゃ敵にバレるらしい。多分服装でどの階層のエネミー指定がされてるんだろう」

 

「んなら追い剥ぎすりゃいー話だ」

 

「だなぁ、おっ、早速こっち見てる奴いるしあいつでいいだろ。手早くやっちまおうぜ」

 

カシャン

 

『ーーー』

 

「オラァ!」

 

「どっせい!」

 

「ふっ!」

 

中に入ってきた野郎は2体、まず俺が1人目をブン殴って転かす、バフォの野郎が執拗なまでに股間を蹴りつけるゥ、オゥありゃ死んだな。

んで、ハッ、銀二の野郎密着して床に落としやがった。

独特の呼吸からして合気道って奴かァ?

あれはリアルで習得してんな。

 

「ふう、1人余りモンが出んなァ?」

 

「あ?ちょっと待っとけ」

 

「?」

 

「またバフォメットの考えだ。深く考えずに先に着替えよう」

 

ン、そうかァ。

まあ、それならしゃーねーな。

 

カシャン

 

「よーよー。んじゃちょっくら死んでくれや。あらよっ……と」

 

『ーーッ!!?』

 

バフォメットの野郎は敵の頭を引っ掴んで膝をぶつけて曲げやがった。

銀二が合気道とすっと、こいつの場合はチンピラ殺法だなァ。

 

「追ーい剥ーぎ♪追ーい剥ーぎ♪追ーい剥ぎ♪剥ぎ剥ぎ♪」

 

んだあの歌……下手過ぎだろアイツ。

 

「チッ、下手くそな歌歌ってんじゃねーよ。とっとと行くぞオラ」

 

「ちぇっ、とりあえずここは何もねえからな。銀二もそれでいいだろ?」

 

「…ああ、そうだな。次に行こう」

 

カシャン

 

「さて、近くから回っとすっかァ」

 

「掘り出しもんでねぇかな?アリーヤからHAMR買ったばっかしで金増やしときてえんだよ」

 

「お前はそれに加えて弾薬費が掛かるからな。今回の討伐戦で良いのがあると良いんだけど」

 

へぇ、バフォメットの野郎、MG4からHAMRに買い換えたんか。

……こいつの言い草だとアリーヤに相当吹っかけられたみてェだなァ、ったく、あいつもえげつねぇ商売するぜホント。

……それでいて初心者とクランメンバーにはどんなレア銃も金とステータスと戦闘スタイルに合わせてお手頃な値段変えっからなァ。

どんな雑魚でもスグに良いモン手にはいっからとんだ食わせモンだぜ。

最初期から装備面で優遇されたらそこから離れたくなくなるってのが人のサガだァ。

アイツにはそこんとこが分かってる。

……ま、だからこそ他んとこからは妬みに妬まれてっからなァ。

数少ない女プレイヤーも結構数入れてっから恨まれんでだよなアイツ。

 

「こっちはなんもねーや。次々」

 

「ばっ、軽く見回しただけで何があって何がないかなんて分かるわけないだろ!こういうのはな、ちゃんと隅々まで観察することに意味があるんだよ」

 

「お前もしかしてドラ○エやり込んでたクチかァ?」

 

バフォと銀二と話しながら大体20部屋は回ったかァ。

手に入れた武器はRPD一丁、M27一丁、光学銃が四丁ってとこかァ?へっ、トレジャーハンター(笑)のアリーヤがいねえんだ、まァこんなモンだろ。

 

「アリーヤに連絡しとこう」

 

「おらー」

 

「ふぬぁー」

 

銀二に連絡は任せて俺とバフォメットは警備兵を挟み込みラリアットを決めて遊んでた。

アリーヤの野郎からはあと5部屋回るから先に3階に行っとけって連絡が来たみたいだな、ハッ、分かってんじゃねえかあの野郎。

 

「うっしゃー行くぞオラー」

 

「unknownとのご対面ってか。おーら

死んどけー」

 

呑気に階段を降りて3階に降りっと、門番らしきエネミーがいるが関係ねえ。

バフォメットがHAMRを撃ちまくって殺ろすか牽制、その間に俺が近付いて光剣でブスリ、これで終いだ。

 

「門番型か?盾……性能は良いが、要求筋力値が重いな」

 

「何もねえよりはマシだぜ。俺は肩に装備しとくか」

 

「オゥ、カッケーなァ、オイ」

 

バフォメットの野郎、カッケーぜ。

まさか大型の盾を肩に固定すっとはなァ!

アレなら盾で防ぎつつ敵を真正面から撃ちのめす事が出来ンじゃねえか?

 

「さっ、どっちから行く?」

 

「右ィ」

 

「右だ」

 

「よし、右からだな。フラッシュバンを投げる。突入はジャックに任せた、バフォメットは入った後のフォロー」

 

ヘヘッ、突入、室内戦、イイねえイイねえ、ヴァーチャル世界なのに身体ン中がフツフツと暑くなって来やがる!

 

「3、2、1……Go……!!」

 

カランカラン……パシィィィン!!

 

『『『ッ!?』』』

 

「ヒハハハハーーーーッ!!」

 

右手に持った光剣で目の前の奴をブスリ。

力任せに横に薙って隣の奴を両断。

フラッシュバンを喰らって目の潰れてる奴を蹴倒して目ん玉ブスブス。

途中拾った光学銃で弾をばら撒くよーに撃ちまくる、ヒハハ。

オラ?まだ来いよ、オイ、バカふざけんな。

逃げんな、逃げんじゃねえよ、オイ。

 

「ヒャハハハハーーー」

 

あーあ、最後の一体……終わっちまったァ。

 

「クリアしたぞ銀二」

 

「クリア。どんなにステータスが高くともフォトンソードじゃ一発か……」

 

「ヒヒヒ、もう終わりかよ。つまんね」

 

光剣の出力を0にしてホルダーに仕舞う。

後は追い剥ぎの時間だァ。

 

「ステアーAUG。こっちはFALだな」

 

「俺は…ああ!?ベレッタだァ!?クソがッ!」

 

「うぷぷ〜拳銃乙」

 

チッ、バフォメットの野郎は……MINIMIだァ?ざけやがって、クソッ。

 

「あークソ。とっととunknownボス部屋いこーぜ」

 

「んー、あー、そうだなあ。銀二もそれでいいだろ?」

 

「ああ、問題ない。行こう」

 

ドロップ品のショボさに苛ついた俺はボス戦に続くドアを蹴飛ばした。

すっと目の前に看板が……あ?

 

『♡トラップ発動♡』

 

「……………アァ゛?」

 

「げ、これって…おいおい」

 

「はぁ……やらかした」

 

トラップだ!?くそ、ふざけんな!こうなったら仕掛けが作動する前に部屋を出て……!

 

ガコンッ!!

 

「ぐっ、お、落とし穴ぁぁぁぁ」

 

「一撃死じゃないといいんだが」

 

「クソッ、落ちてまるかよォ!」

 

ギリギリでドアノブを掴んだはいいが、バフォメットと銀二は落とし穴に落ちてった。

チッ、床全面が落ちるとか初見殺しだろ。

 

『〜〜?』

 

『ーーww』

 

「ンだコラ殺すぞボケッ!?」

 

ドカッ

 

クソが、クソモブに蹴飛ばされて落とし穴行きだとか……クソ、ふっざけんなァー。

 

「ぁだっつ!?」

 

「おー、遅かったなあ。床が上がるまで粘った挙句落とされたって感じだな」

 

「応急手当てしたほうがいいか。ケアパケをだすから待ってろ」

 

痛え、クソッ、墜落ダメージで半分は持ってかれたか……こりゃアリーヤが落ちたら一撃死だな、アイツ脆いし。

 

「銀二、アリーヤに左から入れって言っとけー。あいつじゃコレ死ぬぞ」

 

「もう出してる。ジャック、注射器刺すぞ」

 

「あー。よりによって檻ン中かよ」

 

回復していくゲージを見ながら周りを見るに、ここは檻ン中、外にはきしょいキメラタイプが1匹、アイツがunknownボスか?

 

「て、アレ?なんか体力減ってんですけどーなんでえ?」

 

「「っ!?」」

 

バフォの奴が言ったと通り継続ダメージだァ?クソが、ここ……なんだこりゃ、液体?……、

 

「「もしかして硫酸か!?」」

 

「え?硫酸?ホワッツ?」

 

檻ン中見りゃ意味不明なホースが備え付けられてやがる。

これじゃ体力全損するまで時間の問題だぞ。

 

「ぐ、ホースから液体がどんどん」

 

「チッ、喰われてデスならまだしも溶けて死に戻りは勘弁だぞゴラァ!」

 

どうする、どうする。

そうだ、光剣でこの檻を纏めてすっぱ切っちまえば。

 

「つ、かえ、ねえ……。フォトン干渉地帯?この中じゃ光剣の出力制御ができねえってことかァ……!」

 

「不味い。こうなったら一か八か檻の中からunknownを撃ちまくって殺すしか無い」

 

「それかアリーヤの奴が来るかだな…おっ」

 

ドカッ!

 

「よー、どんな感じ…………え?」

 

アリーヤの野郎、なんだあの装備はァ?雑魚兵どもでもンなのは着てなかった筈だァ、とすると俺らが見てなかった5部屋の中にアレがあったってことかァ?

 

『オニチャァァーーーン』

 

「え、キモッ!?……って、えっ、捕まってる………アッ!?ちょ、まっ……」

 

バゴッ!!!

 

「ぐぶぉ……あ、死んだ」

 

『ゴロニャーーーン』

 

「ギャァァァァァァァ!!?何この子積極的ぃぃーーーーー!!?」

 

「「「ああ、死んだな」」」

 

 


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