もしあの英霊がカルデアに召喚されたら   作:ジョキングマン

13 / 17
赤のアサシン

 

『第三会議室に集合』

 

 シミュレータから鍛錬を終えてマイルームに戻ってみたら、やけに達筆な字体でそう書かれた紙が残されていた。

 聖杯からもたらされた知識により、ギリシャ生まれであるものの日本語を読むことはできる。ただ、読むことはできてもこれほど崩した書き方ができるかというと、即答でノーだ。

 日本人が筆記体で英語を綴る機会が少ないのと一緒だ。線がブレて下手くそなだけの字と、意図的に崩された字とでは書けるか否かの差は大きい。

 そういうわけで、これをしたためたのは日本語に長ける人物----即ち日系人のサーヴァントであり、その中で最も縁がある人物となると自ずと限られてくる。

 

 そうして、書置きに従って指定された部屋の扉を開いた。

 中は小綺麗に整頓されており、長方形上に組み合わされた長机を囲むように簡素な椅子が設置されている。

 視線を回すと、同じように徴収をかけられたらしいサーヴァントの姿を発見した。

 

「こりゃあまた……」

 

 集まったサーヴァントの面々を見て、嫌な予感が苦味となって喉元をせりあがってくる気分に襲われた。

 あの男はまたもや権謀を張り巡らすつもりだろうか。ご丁寧に、あの時と同じ奸計を好む相棒(バディ)もいる。

 しかめた表情のまま席にどかっと腰を下ろし、深まった眉間の皺を軽く撫でる。

 

「随分とまた、懐かしい顔ぶれが揃ったものだ」

 

 そう口を開いたのは、深緑のように晴瀾とした艶やかな長髪の美女。ピンと伸びた獣の耳と、嫋やかに揺れる尻尾が目を惹く狩人。アーチャー、アタランテ。

 

「そうだろうか。俺はそうは思わない」

 

 彼女に言葉を返したのは、向かって真正面に腰かける黄金の青年。幽鬼のように青ざめた肌と、煌びやかな黄金を纏う神気の英雄。ランサー、カルナ。

 

「元より顔ぶれだけは揃っていましたからな。こうして皆さまだけと顔を突き合わせることは久方ですが」

 

 舞台役者のようにオーバーに手を振るい、周囲の反応などまるで気にかけていない態度で振る舞う劇作家。自著の作品内の言葉を引用するほどのナルシスト。キャスター、シェイクスピア。

 

「そう、我らは等しく解放者である。サーヴァント(従属する者)という枠にあてはめられた以上、圧制者へと立ち向かう使命があるのだ」

 

 同じく、会話をしているようで中身が成立していない大男。はち切れんばかりの筋肉に浮かび上がる無数の傷と、歯茎を剥き出した狂気の笑顔。バーサーカー、スパルタクス。

 

 そして、最後に自分。真名はアキレウス。ライダークラスで召喚されたギリシャの戦士。

 

 誰もかれも、カルデアに召喚されてマスターと契約を結んだサーヴァントだ。

 だが、ここに集められた英霊達にはそれとは別の繋がりがある。バーサーカーはともかくとして、その繋がりはある種の暗黙の了解として皆が口に出すことをしなかった。

 無論、それは未だに姿を見せないセイバー、アサシン、そして一人のサーヴァントにも言えることだろう。

 

 がらがらとアナログチックな音を立てて扉が開かれた。

 

「どうやら、お集まりいただいたようですね」

 

「やっぱりお前か」

 

 赤い外套をはためかせて入室してきた青年は、険とした視線に微笑するだけで対応した。

 シロウ・コトミネ。かつて自らをそう呼称していた、ルーラークラスのサーヴァント。

 すると、悠然とたなびく漆黒のドレスが、自分と彼の間で絡み合っていた視線を断ち切った。

 

「相も変わらず御し難い男だ。あれから知能は一つも進歩していないと見える。やはり野蛮は野蛮のまま果てるのみか」

 

「それはお互い様だ。少しは毒気の抜けた女になるかと思ってたんだがな」

 

 シロウの後に入室してきた女性に、自然と頬が苦虫を噛み潰したように引き攣った。

 アッシリアに君臨した美虐の女帝。最古の毒殺者として伝わる通り、ひどく性根の曲がった女。暗殺者(アサシン)というにはあまりに瀟洒なドレスを振る舞う美女----セミラミス。

 どうしてこう、王族というのは揃いも揃って醜く変貌していくのか。

 

「我を誰と心得ての発言だ。このセミラミスから毒気を抜くだと? それは魂を引き剝がされると同理よ」

 

「そいつは失礼した。変わらない女は飽きられるってことを覚えておきな」

 

「ご忠告痛み入る、褒美の品を与えよう。そうさな、貴様の師を苦しめた毒というのはどうだ?」

 

「……上等。よほど戦車にくくりつけられて引きずり回されてぇようだな」

 

 魂の底からこんこんと湧き上がってくる怒りに身を任せ、席から立ち上がって槍を取り出す。向こうは微笑を崩さないまま、優雅に手を振るって虚空から毒々しい鎖を召喚した。

 お互い、一歩でも踏み込めば即座にこの場は地獄へと変わる。そう頭では理解していても、内側から絶叫する怒りが闘争心と融合し、この上なく昂ぶっていった。

 女帝の指がぴくりと揺れる。それを皮切りに、脱力していた両脚に力を込め----

 

「止めぬか」

 

「そこまでです」

 

 音速の世界に入りかけた眼前に、木製の弓が入り込んできた。たまらず急制止をかけて視界を向けると、アタランテが呆れた表情で唇を尖らせていた。

 同時にセミラミスにもシロウが制止をかけたようだ。彼女はひどく顔を歪め、小さく舌打ちを打った後、召喚した鎖をたちまちひっこめる。

 

「すまねえ、姐さん」

 

「気持ちは分かるがな。しかし今ではない。迂闊な行動でマスターを困らせる真似はやめろ」

 

 槍を消して、素直に謝罪を告げる。やはりこの人にはどうにも頭があがらない。

 直後に気付いた。座っていたはずのカルナがなぜか立ち上がっており、もう一度座りなおす素振りを見せていたのだ。おそらく、自分とセミラミスが万が一に衝突した場合を兼ねて、制止役を務めようとしたのだろう。

 そうなれば本当に地獄と化してしまうところだった。また一つ、教訓が出来てしまった。

 

「それで、此度集合をかけた目的は何じゃ」

 

「ええ」

 

 気を取り直して、アタランテがシロウに直球で用件を尋ねた。

 頷き、青年は指を立てる。

 

「皆さん、(てい)の良いことにあの時の記憶がまだ残っているみたいなので、お互い親睦を深め合おうと思いまして」

 

「何を言いたいのかさっぱりじゃが」

 

 胡散臭そうにアタランテが目を細める。

 親睦を深めるというが、今更何を目的でそんなこと画策したのか。

 

「これより共に戦う以上、連携をとっていく機会が何度もあると思われます。ですが、その際お互いに理解を深めていなければ呼吸を合わせられず、空中分解は必然。なので、キャスターと共に皆さんの一面を記録した映像集を作成しました」

 

 あの時と違い私にもマスターがいますし、とシロウが付け加える。

 待て、今あの男は最後に何を作ったといった。

 

「映像集?」

 

 ええ、と相槌をうってシロウがシェイクスピアの方を促した。

 見れば、劇作家の手元には長方形代の箱のような物が置かれている。後に分かった事なのだが、あれはカルデアの備品として保管されていた映写機と呼ばれるものだという。

 嫌な予感しかしない。シロウ、シェイクスピア。そして一枚嚙んでいると思わしきセミラミス。

 あの三人が組んで作った映像集など、どれだけこっちの精神に多大な負荷をかけにくるか分かったものではない。

 それに親睦を深め合うというのなら、致命的な欠陥(・・・・・・)が現在発生している。

 

「すまない。まだセイバーが来ていないようだが」

 

 カルナの問いかけ通りだ。そう、この会議室に集まった人数はシロウを除いて六騎。

 最優と称されるセイバークラスのサーヴァントが、未だ影も見せていないのだ。

 

「セイバー……モードレッドさんですが、一応便りを出しましたが出席することはないでしょう」

 

 大戦時のこちら側のセイバー。名をモードレッド。円卓の騎士という集団の一員だったと記憶している。

 以前の大戦で残された記憶では、一人単独行動をとって戦場をかき乱したジョーカー的存在だった。最優のクラスに選ばれる器なだけあり、遠巻きながら眺めていた戦闘能力には目を見張るものがあった。

 そして彼女自身、先に単独行動をとるように自由奔放で我が道を突き進むタイプのサーヴァント。おまけに自分以上にセミラミスを嫌悪しているらしく、単独行動をとるようになったきっかけも初対面ですぐに劣悪な関係になったからと訊かされた。

 それほど最悪な関係性ならば、この場に現れなくても不思議ではない。

 

「なので、代わりの方を連れてきました」

 

「代わりだと?」

 

 だから、シロウが続けざまに放った言葉に思わず聞き返してしまう。

 この面々が揃い踏みの中、セイバーであったモードレッドの代役になる者などいないはずだ。

 まさか”黒”のセイバーでも連れてきたのかと邪推していたその時、派手な音を立てて扉が開けられた。

 

「おう、何だか呼ばれたんだけど」

 

 軽々とした口調で部屋に入ってきた少女。黄金色の髪を後ろで一束にまとめたポニーテールに、性格がにじみ出たような鋭い目つき。

 忘れるはずもない。あの時は戦場の中、遠目で見つけただけだったが、彼女こそセイバー。

 そう、セイバーなのだが。

 

「セイバー……汝、そこまで開放的な服装だったかの」

 

 狐に幻を見せられたようにアタランテが歯切れ悪く口を開く。

 以前見かけた時やカルデアですれ違った時と、随分記憶と違う恰好をしていたのだ。 

 小麦色の肌、身体のボディラインを強調するかのような白の制服。おまけに脇に抱えている板状の物体。

 どこからどう見てもセイバーには見えない。いや、弓矢すら持たない弓兵とかがざらにいるカルデアだが、剣を持たないセイバーがいるという流石に訊いたことがない。

 すると、疑問符でいっぱいになっている自分達へシロウから補足が入った。

 

「このモードレッドさんは諸事情によって霊基が変化したサーヴァントです。クラスもライダーになっています。でもまあ、この際クラスは関係なしに声をかけてみたのですが、まさか本当に来てくれるとは」

 

 しれっと言ってのけた説明に些かあっけにとられた。

 霊基が変わるということは、それは肉体改造とほぼ同じ意味合いを示していた。現にセイバーとして召喚されたはずのモードレッドがライダーになっているという。己とクラス被りしたことに腹正しさを覚えてしまうが、そこは我慢。

 ともあれ、並大抵の智慧では行使できぬ業。もしかすると、それを行えるサーヴァントは先生(・・)に匹敵する叡智の持ち主----いいや、それは認めない。

 とにかく、心残りなのは彼女が我々の知るモードレッドと同一人物なのかどうか。

 その疑問を晴らすかのように、モードレッドが追加で説明を加えた。

 

「暑苦しい方のオレとも記憶は幾分か共有しているけど、まあ来てやってもいいなと思っただけだ。テメェのことが気に食わねえのも一緒だぜ」

 

「ふん。小娘風情が粋がるなよ。その貧相な身体を人目に晒して恥ずかしくないのか」

 

「貧相じゃねえし! 慎ましいだけだ馬鹿!」

 

 確かに、隣にセミラミスが並ばれると女としての成熟具合の差がありありと浮き出てしまう。

 しかし、健康的な褐色肌。本人曰く慎ましいながらも強調されて張りのある胸。しなやかなくびれに、瑞々しい太もも。

 うむ。

 

「……ちと薄いが、ありだな」

 

「テメェ! 今どこを見て言いやがった!?」

 

「あれは虐げられし奴隷の姿だ! 鎧や武器を剥ぎ取られ、身につける衣すら最低限のものしか残されていない、圧制者によって剣闘士を強いられた生前の私そのもの。さあ、今こそ私と圧制者を抱擁しに行こう!」

 

「落ち着かんかバーサーカー」

 

 あれはあれでいいものだと個人的には思うのだが。

 本人も述べた通りの、自己主張が薄いながらもしっかりと存在するちょうどいい大きさ。それを際立たせる衣服のぴっちり具合。ただでかいだけのものでは醸し出すことにできない、成長の可能性を想像させる艶めかしさ。

 やはりライダークラスに悪い奴はそういない。ほんのり焼けた肌と相まって実に----

 

「…………」

 

「いだだだ!」

 

 肉を無理やり絞り切られるような痛烈な感覚が、左太ももから脳に伝達された。

 悲鳴をあげて飛び上がったことに満足したのか、強烈に太ももを抓ってきた緑髪の美女はふんと鼻を鳴らして席に戻っていった。

 

「まあ、せっかく顔を合わせる機会に巡り合えたのです。あの時と違い、我らは同じマスターに集いし英霊。たまにはこうして、互いを理解し合う時間を設けても主は罰を与えませんよ」

 

 一連の流れを懐かしむように見つめながら語るシロウに、今まで席を立っていた者達も顔を見合わせて静かに着席する。

 確かに、あの時は大戦の真っただ中。目まぐるしく変化していった戦況の中、絆を深めていたとはいえ、真に互いを理解したことはついになかった。

 皆が席に座ったことを確認したシロウが、シェイクスピアに合図をかけた。

 

「それではキャスター、お願いします」

 

「あい分かりました。それでは、赤の陣営同窓会記念の映像、開演!」

 

 掛け声とともに映写機の再生ボタンが押され、スクリーンに映像が投影された。

 そんなタイトルつけていたのか。少しこっ恥ずかしい気持ちになるのでやめてほしい。

 とはいえ、半ば勢いに流されるままに始まった親睦会。始まってしまったものは仕方ないので、投影されたモニターに目を移す。

 最初に映ったのは、雲一つない晴れ切った大空。やっかみジジイこと主神ゼウスの機嫌が良い時の天気にそっくりだ。

 次いで地上に視点が移る。晴れやかな空模様に見劣りしない、青々とした草原が広がっていた。あの草葉の上で寝転がり、瞼を閉じてそよ風に身を預けたくなる衝動に駆られる。

 

” マスターか。チョコレートを作ってみた ”

 

 鈴のように凛とした声が鳴った。聞き違えようのない、アタランテのものだ。

 チョコレート、というと先日騒動になったイベントを思い起こす。確かバレンタインといったか。

 男女間で親しい友人や日頃の感謝、時には甘酸っぱい想いをチョコレートに乗せて手渡すイベント。自分もマスターやその他のスタッフなどからいただいた身である。

 普段菓子作りに縁の薄い彼女である。するとこの映像は、ちょうどバレンタインの時に取ったのだろう。

 

「なっ、これは……! キャスター、汝どこでこれを!」

 

 映像のものではない、この場にいる彼女が立ち上がってシェイクスピアを問い詰めた。興奮のためか、それとも他に何かあるのか、顔を真っ赤にしてきゅっと瞳孔が細ばっている。

 

「吾輩はその場に立ち会っていませんとも! ただ、ちょっぴりマスターの衣服に小型の何某をくっつけただけでして」

 

「それで盗聴、盗撮を謀ったというか。汝、(やじり)の錆になる準備はできているのだろうな」

 

「おや、あれが貴方のチョコレートで」

 

 狼を思わせる獰猛な瞳に睨まれているにも関わらず、シェイクスピアは映像のアタランテが取り出した箱に興味を惹かれていたようだった。

 その瞬間、怒りに形造られた彼女の顔色が急激に青ざめた。

 

” リンゴを自分で作るとはいささか不思議な気分だが ”

 

 彼女が懐から取り出した菓子。明るい茶色にコーティングされていて紅色ではないものの、外見はまさしくリンゴだった。上部には彼女がいつも矢筒に蓄えている矢が二本刺さっており、アクセントで飾り付けられたリボンは彼女の乙女らしさを損なわせていない。

 森を跳び、獣を射抜き、肉を削いで腹を満たす狩人だった彼女。戦場の時であっても気高く在り、月光を浴びて神秘的に煌く横髪に思わず見惚れていたものだ。

 そうしてみると、このリンゴは彼女の中で最大限の装飾が施された至高の逸品だ。それを贈られたマスターに少なからず嫉妬してしまいそうになる。

 

「----リンゴ?」

 

 口に出して、改めて数回その言葉を反覆した。

 アタランテは純潔の狩人だった。同時に俊足で知られ、自分より足の俊い男としか契りを結ばないとルールを敷いていた。

 だがある日、ヒッポネメスという一人の若者が彼女に駆けっこで勝利した。しかし、ヒッポネメスは彼女より足が俊かったわけではない。

 彼は、ある物を使ってアタランテの気を引いたのだ。

 そのある物こそが----

 

「あ、あああああ……」

 

「……姐さん。マジで?」

 

 青ざめた顔から一転、それこそ熟れたリンゴのように紅潮したまま彼女は口をぱくぱくさせていた。

 シロウは微笑んだまま生暖かい目を彼女に送っていた。セミラミスはにたりと唇の端を吊り上げている。シェイクスピアの野郎は一心に紙にペンを走らせていた。

 モードレッドは真意に至っていないのか、眉をひそめて疑問符を頭に浮かべているようだ。スパルタクスは除外。

 

「ふむ。金のリンゴとは珍しいものを使っている。マスターもさぞ喜んだだろう」

 

 そして、容赦のないトドメの一撃がカルナによって振り落とされた。

 

「うわああああああ!」

 

 叫び。

 恨み、嘆き、怒り、そして恥辱を多分にまぜてかき混ぜたような絶叫をあげながら、緑風が会議室の扉をぶち破って駆け抜けた。

 

「くくく。あれにもそのような情動があったとはな。いっぱしの獣とばかり思っていたが、なかなかどうして三流の芝居くらいは楽しめたぞ」

 

 くつくつと、毒の女王は歪んだ笑いを浮かべる。

 この場に先程までの冷徹なアタランテがいたのであれば、勇猛に矢を(つが)えてセミラミスを鋭く睨んでいただろう。

 しかし、こうまで暴露された彼女は、しばらくの間ただの乙女でしかない。今頃、通路内をどんな感情で疾走しているのかを考えただけでゾッとする。シェイクスピア、お前は呑気に創作活動している場合か。

 

「アーチャーはそのうち帰ってくるでしょう。では次に、ランサーの記録映像です」

 

 あくまで淡々と、シロウが司会進行を舵取る。

 今のような衝撃映像が次々流されていくのか。どんな拷問だ。

 すぐにでも席を立ちたい衝動に駆られる。しかし、ぎりぎりのところで踏みとどまった。

 それでは自らの過去に背をそむけるも同じ。このアキレウス、過ぎたる過去に一切の恥無しと断ずる男でなければならない。それが英雄という生き物だ。

 それに、なんだかんだで他のサーヴァント達の一側面に興味を持ち始めたところもある。

 あのアタランテを壊滅的にノックアウトしたほどの代物だ。もしかすると、同じように狼狽するカルナの姿なんてものを見られるのかもしれない。

 そんな一縷の望みを期待しつつ、ノイズをまき散らすモニターを注視していると----

 

” へいよーかるでらっくす ”

 

 なんとも間延びした言葉に筋肉が弛緩してしまい、机に思いっきり額をぶつけてしまった。

 

「いってぇ!」

 

「その痛みこそ被虐の証。しかし大丈夫、如何なる時もその痛みが叛逆心を掻きたてる燃料となるのだ」

 

 痛みに自動的に反応したスパルタクスを無視し、もう一度モニターに視線を戻す。

 そこには、珍妙な挨拶をマスターと交わすマハーバーラタの大英雄が映っていた。

 

「何だよ今の挨拶。そのままマスターとハイタッチしてるし……」

 

「ずるいぞ! オレもやり……んん、ん。羨ましくなんかねえな、全然」

 

「盾の子もぽかんとしてるな。そりゃそうだ」

 

「ランサー。お主、何を考えているのだ?」

 

「ここでの挨拶だとマスターから訊かされた」

 

「あいつ……たまにわけの分からない行動を起こすよな」

 

「たまに、ですかね」

 

 微苦笑するシロウのつぶやきに、全員が返す言葉もなかった。

 たまにではないな。うちのマスター、結構な頻度で奇行をとる。

 

「で、これは何している時の映像なんだ?」

 

「ああ、売店にパンを買いに行くところだ」

 

” ああ、売店にパンを買いに行くところだ ”

 

 自分が投げかけた質問に、現実と映像のカルナが全く同じタイミングで返答した。

 本人は合わせたつもりはないだろうに。というかパンって。

 

「カルナでもパンとか買いに行くんだな」

 

 意外そうにモードレッドが目をぱちくりさせる。

 

” いや、ドクター……、ロマンだったか? 買ってくるよう頼まれたんだ ”

 

 彼女の驚愕にカルナが返答するより早く、映像のカルナが先に答えを述べていた。

 途端、自分はため息をついて首を振ってしまう。あの男、正真正銘の大英雄に何を頼んでいたのだ。パン買って来いとか学校でもあるまいし。

 似たような嘆息がそこかしこから上がる。

 

「……ちなみに、その後どうしたんだ。ちゃんとシメたか、あのもやし野郎を」

 

「ああ、フランスへレイシフトして盗賊団を撃破した」

 

「なぜそうなる……」

 

 映像を見てもわからないものはわからない。そんな男の規格の違いを、ありありと見せつけられたような気がした。

 

 その後、スパルタクスが湯船に浸かっている映像をひたすら流されたり、敵陣調査だと称して聖女とピンク髪のキャットファイト(?)シーンを見せられたり、シェイクスピアが撮影してきた映像の数々が紹介された。

 途中、自分が先生の真似事をして海賊たちに戦術の手解きを仕込んでいる時や、マスターにサンオイルを塗ってもらって嬌声をあげるモードレッドの映像が流れた時は、その都度に嘲笑するセミラミスと一触即発の空気に陥ったりしたものの、いたって平和的に時間は流れていった。

 

 

 ◇

 

 

「……で、次は誰なんだ」

 

 あまりに濃密な映像ばかりが出てくるもので、疲労からげんなりとした口調になってしまう。

 モードレッドもリアクションに疲れたのか、背もたれに身体を預けて唸っていた。先のサンオイルの件はよっぽど堪えたらしい。

 

「さあさあ、そろそろ疲れてまじだりいと思っている皆さま。吾輩、そこまで考慮して劇の流れを制作しておりますとも。次はお待ちかね、アサシン殿の秘蔵映像でございます!」

 

 途端、眉をひそめて怒気を放ったのはセミラミスだ。

 

「シロウ。これは訊かされておらぬぞ。説明しろ」

 

 どうやらセミラミスもあずかり知らない事柄だったようだ。肩眉を吊り上げ、不機嫌加減をおくびにも隠さずに隣に腰かけるシロウに説明を要求する。

 

「アサシン。我々だけ隠し通していては打ち解けるも何もあった話ではないです」

 

「我は女帝ぞ。なぜ下々と同じ立場に合わせねばならぬ」

 

「おお! 見よ、あれこそが暴虐なる圧制者の体現! 弱者をくじき、自らは玉座の上で胡坐をかく。さあ立ち上がれ同胞たち。あれなる女帝に反旗を翻す時である!」

 

 セミラミスの王族らしい傲慢な振る舞いが琴線に触れたらしい。剥き出しの笑顔のまま沈黙していたスパルタクスが、表情を変えぬまま怒号を上げて勢いよく立ち上がったのだ。

 

「落ち着け筋肉ダルマ! ここで暴れたらむちゃくちゃになるだろうが!」

 

「ああもう、ほんと扱いづらいなこいつ!」

 

 ただでさえ広くない会議室で、こんな大男に暴れられたらひとたまりもない。たまらず、近くで座っていたモードレッドと二人がかりで暴れだすスパルタクスの制止にかかる。

 

「----と、このように。差別を許さぬ御仁がいらっしゃいます故。貴女も正面からあれとやり合うのは面倒でしょう?」

 

「キャスター、貴様……ッ」

 

 暗殺者(アサシン)狂戦士(バーサーカー)。真っ向からぶつかり合えば、どちらが有利なのか明白。

 おまけにセミラミスは性質上、普通のアサシンよりも正面切っての戦闘能力は低い。狂化ボーナスで著しいステータスを誇るスパルタクスの前では、あの庭園内でもない限り簡単に捻り潰されかねない。

 

「ふん。我に辱めなど通用せぬ。第一、そこにいる頭の中まで常夏馬鹿と違ってマスターに感情など傾けておらぬわ」

 

 納得はしていない、と面白くなさそうに彼女が鼻を鳴らす。それに連動してか、どういう判断基準かは分からないもののスパルタクスも席に戻った。

 なんだと!、とサーフボード片手に乗り込まんとするモードレッドもどうにかなだめ、渋々といった面立ちで着席させる。

 ある程度の落ち着きが場をに戻ってから、シェイクスピアが映写機の再生ボタンを押した。

 

” ----おや、貴女は ”

 

 映像が始まり、まず鼓膜を震わせたのは男の声。

 それはこの場にいる男性サーヴァントのものではない。しかし、自分はこの声の持ち主を知っている。

 

” お主は、ギリシャのペルセウスか ”

 

 続いたセミラミスのつぶやきがその答えだ。

 英雄ペルセウス。自分が生まれるよりも昔に活躍し、怪物ゴルゴーンを討ち果たしたことで知られる大英雄。

 あのヘラクレスの曽祖父とは思えない穏やかな気質の人で、最初に話したときなんかは「僕のことは先輩とか思わなくてもいいよ」と気さくに話しかけてきたくらいだ。

 セミラミスとペルセウス。本来であれば、決して巡り合うことのない両者。

 それがこうしてカルデアの通路ですれ違ってしまうのだから、人生何が起きるか分かったものではない。いや、既に没した身ではあるが。

 

” その通り。かのアッシリアの女帝にお見知り頂いて光栄だ ”

 

” ふん。ギリシャの戦士は好かん。()く失せよ ”

 

 ちらりと目線を彼女にやる。やはり、お前のことだと言わんばかりにセミラミスはこちらを睥睨していた。

 当然こちらもほぼ同じ気持ちだ。傲慢で不遜で、王族というのはどいつもこいつも偉そうにふんぞり返る。勇気も力もないくせに権力だけでのさばるやつらの何が偉いのだ。

 あの女はそういう王族と同じ類のものだ。複雑な縁もあって今は協力体制を築いているが、聖杯戦争で敵対したときには真っ先に殺しに向かう。それだけは確かだ。

 

” その手にあるのは、もしや貴女も? ”

 

 ペルセウスの言葉に思考を引き戻される。彼の指摘で気付いたが、映像内のセミラミスの手には瀟洒に飾り付けられた箱があった。

 ぺルセウスが両手に抱えている箱を含めて考量すると、どうもこの映像はアタランテと同じくバレンタインデーの日に録画されたものようだ。

 しかし、あのセミラミスが町娘のような清純さでこのイベントに臨むはずがない。事実、彼女は唇を淫靡に吊り上げ、妖艶に微笑んだ。

 

” くく、毒殺者である我が手掛けた料理だぞ。毒があるか否か、それを食すか否か。疑心暗鬼に陥り、恐怖と疑惑で塗りつぶされていくマスターの顔が見てみたくてな ”

 

” 貴女も底意地が悪いというか、強情というか。まあ、どういう反応をするかは僕も楽しみに考えておくよ ”

 

 彼女ほどの美貌の持ち主に微笑みかけられても、ペルセウスは柳のように受け流す。

 そして、セミラミスの横を過ぎ去って少し歩いたと思うと、何かを思い出したのかくるりと顔を振り向かせた。

 

” あっ、そうだ ”

 

” 何だ。早く消えろと言ったのが伝わらぬ聴盲かお主は ”

 

” 日本では、想い人に気持ちを伝えるときは手紙が一番いいらしいよ ”

 

 ぴくりと、彼女の長耳が僅かに揺れたように見えた。

 

” ……なぜそれを我に教える。まさか、我がマスターに同情をかけたとでも? ”

 

” いいや。まあ、記憶の片隅にでも留めておいてよ ”

 

 じゃあ、と光を散らばめたような玉っこい笑顔で青年は廊下の奥へ消えていった。だんだんと小さくなっていく背中さえ爽やかさを残していくあたりは、流石ペルセウスといったところか。

 

” 何を言い出すかと思えば。これだからギリシャの男は ”

 

 ひどく不快そうに眉を狭め、短くそう吐き捨てた。

 映像越しでは彼女の表情こそ長髪に隠れているが、不機嫌に心を埋め尽くされたことは容易に理解できる。彼女のようなサーヴァントには、ペルセウスという英雄はあまりにそりが合わないだろう。

 だが、声色こそ尻尾を踏まれた猫のように不機嫌に聴こえたが、それにしては彼女の反応が徐々に違うものを帯びていっているような気がした。

 さながら、諦めていたパズルの一ピースが思いもよらぬ形で見つかったみたいで----

 

 

” ----手紙、か ”

 

 

 不意に、見せつけられた。

 これまで一度も見せたことのない、蠱惑と奸計に満ちた女帝のものとは思えない笑顔。

 退廃した荒れ地の影でひっそりと咲く花のような、いっそ寂しさすら思わせる可憐な笑顔が、大画面の悉くを埋め尽くしたのだ。

 

 自然と、モニターからアサシンの方へと視線が集まる。困ったように笑うシロウの隣で、両手で壁を作って美貌を隠している乙女がそこにいた。

 他者を睥睨し、妖しく嘲笑していた女帝の面影などどこにもない。茹で蛸のように赤く染まった、一途な女がいるだけだった。

 

「なるほど、それであの時手紙を」

 

「もらったのか!? どんな内容だ!?」

 

「それ以上口を開いてみろ、致死毒を流し込んでやろう……」

 

 ぽつりとつぶやいたシロウに食い気味に質問したところで、表情(かお)を隠したままのアサシンから怨嗟の叫びが轟く。果たしてその暴言は自分に向けた言葉か、それともシロウのほうか。

 

「うむ。可愛らしいものだ」

 

「お主、アーチャー!? いつの間に」

 

「キャスターに呼び戻されてな。アサシンの初心な一面を覗けると知らされて渋々戻ってみたが、これは良いものを見せてもらった」

 

「喜劇にしろ悲劇にしろ、観客は大勢いてこそ華というものですからね! 『君を夏の日にたとえようか。(Shall I compare thee*1 to a summer's day?)』一見して恐怖と絶対を振る舞う女帝は、しかして『それよりもずっと美しく、穏やかだ。(Thou art more lovely and more temperate)』」

 

「……お主には後で我が玉座へ訪れる権利を与えてやろう」

 

「ハハハハハ! それはご勘弁」

 

 バレバレだったとはいえ、思わぬ女帝の素顔に面食らってしまった。

 いつもああいう安寧な態度であったら、それこそ自分だってどきりとしてしまうかもしれない。

 結局、どれだけ強情に振る舞おうと、冷酷に蔑もうとも、女帝セミラミスも一人の女でしかなかったということだ。

 その一面をプッシュしていけばもう少し可愛げがあるというのに。いや、その面だけ見せられるとそれはそれで気持ち悪いのでやっぱりやめてほしい。一瞬浮かべた想像の中でも十分吐き気を覚えた。

 後で先生から異性を堕とす恋文の書き方でも教えてもらおうか。そんなくだらないことを考えてしまうほど、朗らかな空気に満ち満ちた。

 

 

「では、最後にシロウ殿の映像をご覧いただきましょう!」

 

 ----全ての流れが裁断された。

 よりにもよって語り部を継いだのが、口を開くたびに誰かの不快指数を加算させるはた迷惑な脚本家、シェイクスピア。

 

「……シロウのだと?」

 

 セミラミスの表情が僅かに和らぐ。

 

「ええ。先に挙げた通り、私だけ何もないというわけにもいかないでしょう。なので、キャスターにそれらしいものを用意していただくようお願いしました」

 

「シロウ殿の為人(ひととなり)が一発で分かるグッドなものを用意しましたとも!」

 

 声高らかにシェイクスピアが謡う。

 シロウの性格など、ある意味で全員が既に理解しているものではないだろうか。

 その眼差し、心は聖人であり、全人類を救済を真に願う青年。願うあまり、救済という暴走に走った聖人くずれ。

 赤の陣営に限らず、黒の陣営側のサーヴァントも彼の所業を痛感している。今更深める事実など残されているのか。

 大多数が疑問符で頭がいっぱいになっている中、劇作家の手によってかちりと映写機のボタンが押された。

 

” ふふふ、誰かと問われて答えるものはおりますまい ”

 

 モニターに映し出された景色は、一転して灰色の空とまばらに振り散る新雪。

 その中で、不遜に笑うシロウの音声だけが流れた。

 

 

” ----我が名はサンタアイランドに住む謎のサーヴァント、サンタアイランド仮面! ”

 

 

 青年の声と全く同じ声色が、会議室内にしんと響き渡った。

 モニターへ戻せば、そこにはソリに騎乗して空中を滑走するマスター達の前に立ちはだかる、修道服と赤色の外套を羽織った褐色肌の男の姿があった。

 見間違えようがない。紛れもなく彼はシロウなのだろう。

 

 その顔に、珍妙なマスクさえつけていなければ。

 

「----」

 

 全員の視線が、同じ格好をしている男へと向けられる。セミラミスはおろか、スパルタクスもだ。

 

「……シロウ、なんじゃこれは」

 

 平坦な声で女帝が問う。

 

「……さて、何のことでしょう」

 

「とぼけるのか? あの仮面の男はなんじゃと問うておるのだ」

 

「彼はサンタアイランド仮面。サンタアイランドに住む謎のサーヴァントです」

 

「俺も初めて見た。世界にはこのようなサーヴァント体も存在するのか、勉強になる」

 

 モニターを凝視したまま一度も目を合わさない東洋の聖人と、本当に関心を抱いている大英雄。

 カルナは少し疑うということを覚えた方がいい。嘘偽りを見抜く瞳をもっているとはいえ、時たま裏技のようにそれをすり抜けられると純粋に頷いてしまうところがある。

 

「随分、一緒に映っておる幼子たちと愉しそうにしておるな。そういう趣味嗜好でもあるのか?」

 

「彼女たちはクリスマスを心待ちにする純真な子供たちです。サンタアイランド仮面としては突っぱねた態度をとるはずがないのです」

 

” ジャンヌ……ジャンヌよ……。プレゼントを拒まれた程度で、臆してはなりません ”

 

「ほほう。しかもそのうちの一人はあの聖女とはなあ。おまけにプレゼントを配る側らしいが?」

 

「子供がサンタに憧れて幸せを運ぶ。それはとても素晴らしいことじゃないですか」

 

” サンタアイランド仮面さん……! つまり、貴方は私にとってのお師匠でしょうか! ”

 

” ええと……では、そういうことで…… ”

 

「師匠。師匠と来たぞ? かつては真っ向から敵対したやもしれぬ女と、今度は師弟関係を結んでいるようだぞ?」

 

「…………」

 

 サンタアイランド仮面なる者と同じ声色の青年は押し黙り、目線がどんどん彼女と反対側の方へを向いていく。

 何だろう。配役の豪勢な昼ドラを見せられている気分になる。しかも構成作家にシェイクスピアが関与しているという。

 気になって他のサーヴァントの反応を見渡してみる。

 モードレッドは腹を抱えてぴくぴくと震えており、アタランテは途中から登場した子供サーヴァントに見惚れていた。シェイクスピアは現状のおしどり夫婦の詰め問答に喜々としてペンを走らせている。カルナは純粋に映像を楽しんでいるようだ。スパルタクスは除外。

 

「……あの時も、こんくらい打ち解けてたら勝てたもんかねえ」

 

 ふと零したつぶやきは、喧々騒々に発展しかけた若奥様の怒号の前に霞のごとくかき消されてしまった。

 

” 少女の嘆き、少女の喜びを聞いたとき、駆けつけ三杯、寿司食いねぇ。サンタアイランド仮面、参上……! ”

 

---------------

クラス:アサシン

 

真名 :セミラミス

 

キャラクター紹介

 世界最古の毒殺者。アッシリアに君臨した、美貌と叡智を誇る女帝。

 魚の女神デルケットとシリア人の間に生まれた半神半人。

 ニノス王を毒殺し、王位を継承。四十二年にわたる王政の後、鳩に変化して天に昇ったと語られている。

 世界七不思議に数えられるバビロンの空中庭園を建造したとされている。

 毒殺者として後世に知れ渡る以上、悪女のイメージが強いが……。

 

パラメーター

筋力:E

耐久:D

敏捷:D

魔力:A

幸運:A

宝具:B

 

小見出しマテリアル

 二重召喚(ダブルサモン)というスキルにより暗殺者(アサシン)魔術師(キャスター)の両クラスのスキルを併せ持っている。

 が、カルデアに広がる我が王やら歌姫やらの増殖具合を見て自分もその対象にならないか若干びびってる。

 メディアとの意気投合の早さは異常。

 同じ毒物を扱うサーヴァントであるロビンフッド、静謐のハサンともそれなりに打ち解けている模様。新種の毒を開発することに余念がない。こういう裏での頑張り屋なところが本性を隠せていない証。

 反英雄に近い気質なため、武人色の強い英霊を見ると途端に嫌悪を示す。血の気の強いギリシャや中華系の武人とはとことん相容れない。

 また、ある人物を連想させるとモードレッドを始めとする一部の騎士からも警戒されている。そんな様をにまにまと見つめる花の魔術師。

 巷では土木系アサシン(命名アキレウス)という異名を頂戴している。無論本人の前で言うと速攻玉座行きなので禁句事項である。

 




モーさん「誰だァそっちのオレを連れていきやがったのは!」
サモさん「あっ、暑苦しいほうのオレだ」
劇作家「おお、セイバークラスの貴女も来ましたか!それではガウェイン卿と仲良く根菜を料理する映像の準備を……」
モーさん「死ね!」
シロウ「まあまあ、お腹減りたまえ」

ワンワンが欲しくてたまらないこの頃。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。