オリ主によるストパンの学園もの 作:Ncie One to Trick
『ヴヴヴヴ...ヴヴヴヴ...』
枕元でやかましいスマホのアラーム音で俺は目を覚ました。
「うーん……スマホ……」
俺の名前は波崎 迅。ウィッチーズ育成学校に通うごく普通の高校生だ。(テンプレ)
え? どうして男の俺がウィッチの学校に通ってるかって? 実は俺にも魔力があってだな……。
それはそうと、俺は微睡みから叩き起こす容赦ないスマホのバイブを切った。昨日夜遅くまで友人とゲームで遊んでいたからまだ眠い。
「ふあぁ~」
大きく間延びした欠伸を一つ。のっそりと布団を押し退けて起きようとした時だった。
「お兄ちゃーん!」
「ぐえーっ!」
起床アラームと合わせて弐撃決殺と言うべきか。威勢の良い掛け声と共にドアがバァン!(大破)と開かれ、ちんまい生物が俺の腹の上にダイブして追い打ちをかけてきた。コイツは小動物のような愛くるしさがあると近所で評判の宮藤 芳佳。俺と同じ学校に通う従姉妹だ。
実家が田舎の診療所という事もあり、将来は実家を継いで医者になるべく日夜勉強を励んでいる頑張りやさんだ。
「おはよーお兄ちゃん!」
「おはよ……」
「朝ご飯できたよー!」
「ん」
おまけに料理もできる。
「あと制服の解れ直しておいたからね」
「サンキュ」
裁縫までできる。
なんだこのスペック……完璧じゃないかたまげたなぁ……。思わずお礼と一緒に腹の上に乗っかっている芳佳の頭を撫でてしまう。
「えへへー……」
芳佳は嬉しそうにはにかんで、俺のお腹にグリグリと頭を擦り付けてくる。どこまで愛くるしいんだコイツは。もう芳佳がいないとダメになりそうだ……。
「宮藤さん、いつまでひっついているのかしら?」
開けっ放しになっていたドアからツンツンとした声が芳佳を嗜める。
彼女は金髪パッツンの彼女はガリアから留学してきたペリーヌ。ホームステイとしてこの家に住んでいる同居人だ。
早生まれの彼女は高校二年生。俺と一緒のクラスで委員長も務めている秀才さんでもある。
「あぁ、おはよペリーヌ」
「おはようございます。早く準備しないと遅刻しますわよ?」
「うん。すぐ下に降りるよ」
「ほら宮藤さんも。波崎さんが困っていましてよ?」
「困ってないもん! ねーお兄ちゃん?」
上目遣いにニコニコ笑顔で聞いてくる。問題ないよと反射的に頷きそうになるが、実はちょっと困っていた。起床後特有の尿意だ。あと着替えないといけないし。
「ごめん芳佳。着替えてトイレ行きたいからちょっと困ってるかな」
「じゃあ口にしていいよ! あー」
ウェルカムドリンクかな?
「いや……えぇ……(ドン引き)」
「な! なななな何馬鹿な事言ってますの! 恥を知りなさい恥を! さっさとお退きなさい!」
顔を真っ赤にしたペリーヌに頭をペチンと叩かれ、渋々と退散していく芳佳。ほんっと、こういうたまに垣間見える変態的言動さえ無けりゃなぁ……。
「ん゙ん゙っ! ……それじゃ、先に朝ご飯を頂いてますわね」
「うん」
咳払いしてペリーヌはドアを閉めて出て行った。ペリーヌは良い子だなぁ……、流石良家育ちなだけはある。侵略されたガリアなんて無かったんや!(優しい世界)
――――――――
寝間着から制服に着替えてトイレも済まし、階段を下りてリビングにやってきた。扉を開けるとペリーヌと芳佳、それにリーネとハルトマンが朝食を食べていた。
「おはよ」
「おはよー」
「おはようございます」
ハルトマンとリーネが挨拶を返してくれる。俺は自分のお茶碗が用意されている席に着いて納豆を混ぜ始めた。
ペリーヌ以外にもウチにホームステイしてる留学生は結構いる。二人もそのメンバーだ。
現状、一見するとハーレムだが俺からすれば生き地獄そのもの。溢れる性欲を我慢して日常を過ごさなければならないからね。もしも彼女達に手を出してみろ。そのままその国の軍人さんに連れて行かれて帰化されてお前がパパになるんだよ!されてしまう。
俺だって青春ドラマみたいにボーイミーツガールの時間を味わいたかったさ。ワンチャンホームステイ先が別の家なら、清い交際もできただろうになぁ……。
どうしてウチがホームステイ先なんですかねぇ(半切れ)
「あれ、ハルトマンが取り残されてるなんて珍しいじゃん」
それはそれとして、ハルトマンがポツンと一緒の席に着いて朝飯を食うのは珍しい光景だ。いつものハルトマンなら同郷のバルクホルンさんやミーナさんと一緒に飯食ってるのに。ちなみに二人はウィッチーズ高校系列の大学に、ハルトマンだけがまだ高校生だったりする。
「違うよー。二人とも今日は三限目から講義あるんだって」
「あ、バイト行ったのか」
「うん」
「そっか」
二人は先に日本に移り住んでいた知り合いの伝手で、フレックスタイムのウィッチに関するバイトをしていると聞いた。
正直、バイトしてるならアパートでも借りて一人暮らしすればいいんじゃないかと聞いたのだが、この家の住み心地が良いらしく出て行く気は更々無いらしい。バルクホルンさんに至っては「お姉ちゃんを追い出すのか」なんて泣きつかれたし。
ちなみに、同じくホームステイの名義でここに住んで大学に通っている坂本さんに至っては、芳佳のお父さんの元教え子というコネで芳佳と一緒のタイミングで住み始めた。その剛胆さというか図々しさは見習いたいけどホームステイの概念が壊るる^~
というかただのお目付役じゃないか!
「あ、リーネはどう? こっちの暮らしには慣れた?」
「は、はい。お兄さんのお陰で扶桑の文化にも馴染めてきました」
「そっか。なら良かった」
彼女はブリタニアでウィッチ関連の仕事をしているお姉ちゃんに追いつくべく、ストライカー技術が発達した扶桑に来てウィッチのイロハを学んでいるのだが、まだ日が浅い。
そんな彼女をサポートしてケアするのが家主たる俺の果たすべき義務というものだ。あとリーネは人が良すぎて危うい。防犯ブザー持たせなくっちゃ(使命感)
「えー、私だってリーネちゃんのために頑張ってるよ?」
「ふふっ芳佳ちゃんにも助けられてるよ」
「はいはーい私も!」
「ハルトマンさんにも。勿論、ペリーヌさんにも。私、ホームステイしたのがここで良かったです」
天使だ。これを気遣いとか煽てでなく本心から言ってのける姿はまさしく天使。大学生組に是非とも聞かせてやりたい。
ウィッチなのに将来の夢がお嫁さんってマジ? ここまで清い心をもった女の子は世界中探してもいないだろ……。
「改めて言われるとこそばゆいですわね……」
「そうだね。でもそう言ってくれるとこっちも安心だよ」
その後、御飯を食べ終えた俺達は一緒に登校した。
思いつきで書いたから時系列とか年齢設定とかガバガバで整合性とれてないです。お兄さん許して!